ハンガリー 首都で爆発 国民投票前に意図的か
EUからの離脱を問うイギリスの国民投票では、移民問題を主因として離脱派が勝利を収めました。イギリスの決定は、EUが掲げてきた”人の自由移動”の原則に対する拒否を意味していますが、この選択の第二弾は、EUが推進している難民受け入れ割り当ての是非を問うハンガリーの国民投票です。
ハンガリーでの国民投票は来月初旬に予定されていますが、現状を見ますと、難民受け入れ反対派が優勢なようです。オルバン・ビクトル首相も、”EUの政策立案の根幹にナショナル・アイデンティティを取り戻す”と息巻いており、政府も国民も反移民・難民の姿勢では一致しています。仮にハンガリーでの国民投票の結果、事前の予想通り難民受け入れ反対派が勝利した場合、EUにはどのような影響が及ぶのでしょうか。
EUの仕組みからしますと、たとえハンガリーが難民割当を拒絶しても、EUを枠組みとした人の自由移動の原則がある限り、他のEU加盟諸国からの難民流入を防ぐことは困難です。言い換えますと、難民受け入れ拒否は、当分の間の気休めに過ぎず、難民流入を防止する決め手とはならないのです。結局は、国民投票の結果に拘わらず、ハンガリー国民が現状に甘んじる結果となるかもしれませんが、真の意味で国家主権としての国境管理の権限をEUから取り戻そうとするならば、ハンガリーもイギリスと同様に、EUからの脱退まで歩を進めなければならないことになります。ここに、第二の離脱国が出現する可能性が見えてきます。
ハンガリーの脱退は、イギリス以上にEU離脱のドミノ倒しの可能性を高めますので、EUとしても、ハンガリーの離脱を望まないことでしょう。しかしながら、仮に、イギリスに対して示した厳格な条件と原則を貫くならば、EU側の態度は既に決まっています。ハンガリーに対してのみ妥協すれば、ダブル・スタンダードとする批判は避けられないからです。もっとも、EU側としても、この二者択一が、”人の自由移動の原則”と”欧州市場”との二者ではなく、前者と”EU崩壊”との間の二者択一にまで発展するとしますと、ハンガリー側との交渉において、人の自由移動の原則、即ち、国境管理権について譲歩を示すかもしれません。そしてこの譲歩は、イギリスとの離脱交渉にも影響を与える可能性がないとも言えないのです。
既に独自にセルビアとの国境にフェンスを設置しているハンガリーに対して、ルクセンブルクのジャン・アセエルボーン外相は、”ハンガリーを締め出すべき”と批判し、ハンガリーの脱退を容認する発言も見うけられます。先の臨時首脳会議でも、人の自由移動の原則の堅持が確認されたようですが、”ハンガリーの乱”は、あるいは、EU側の教条主義的な原則堅持に、修正を促す機会となるかもしれないと思うのです。
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EUからの離脱を問うイギリスの国民投票では、移民問題を主因として離脱派が勝利を収めました。イギリスの決定は、EUが掲げてきた”人の自由移動”の原則に対する拒否を意味していますが、この選択の第二弾は、EUが推進している難民受け入れ割り当ての是非を問うハンガリーの国民投票です。
ハンガリーでの国民投票は来月初旬に予定されていますが、現状を見ますと、難民受け入れ反対派が優勢なようです。オルバン・ビクトル首相も、”EUの政策立案の根幹にナショナル・アイデンティティを取り戻す”と息巻いており、政府も国民も反移民・難民の姿勢では一致しています。仮にハンガリーでの国民投票の結果、事前の予想通り難民受け入れ反対派が勝利した場合、EUにはどのような影響が及ぶのでしょうか。
EUの仕組みからしますと、たとえハンガリーが難民割当を拒絶しても、EUを枠組みとした人の自由移動の原則がある限り、他のEU加盟諸国からの難民流入を防ぐことは困難です。言い換えますと、難民受け入れ拒否は、当分の間の気休めに過ぎず、難民流入を防止する決め手とはならないのです。結局は、国民投票の結果に拘わらず、ハンガリー国民が現状に甘んじる結果となるかもしれませんが、真の意味で国家主権としての国境管理の権限をEUから取り戻そうとするならば、ハンガリーもイギリスと同様に、EUからの脱退まで歩を進めなければならないことになります。ここに、第二の離脱国が出現する可能性が見えてきます。
ハンガリーの脱退は、イギリス以上にEU離脱のドミノ倒しの可能性を高めますので、EUとしても、ハンガリーの離脱を望まないことでしょう。しかしながら、仮に、イギリスに対して示した厳格な条件と原則を貫くならば、EU側の態度は既に決まっています。ハンガリーに対してのみ妥協すれば、ダブル・スタンダードとする批判は避けられないからです。もっとも、EU側としても、この二者択一が、”人の自由移動の原則”と”欧州市場”との二者ではなく、前者と”EU崩壊”との間の二者択一にまで発展するとしますと、ハンガリー側との交渉において、人の自由移動の原則、即ち、国境管理権について譲歩を示すかもしれません。そしてこの譲歩は、イギリスとの離脱交渉にも影響を与える可能性がないとも言えないのです。
既に独自にセルビアとの国境にフェンスを設置しているハンガリーに対して、ルクセンブルクのジャン・アセエルボーン外相は、”ハンガリーを締め出すべき”と批判し、ハンガリーの脱退を容認する発言も見うけられます。先の臨時首脳会議でも、人の自由移動の原則の堅持が確認されたようですが、”ハンガリーの乱”は、あるいは、EU側の教条主義的な原則堅持に、修正を促す機会となるかもしれないと思うのです。
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