米中、パリ協定批准=共同発表で「協調」演出―南シナ海問題は平行線か・首脳会談
本日の日経新聞の片隅に、目立たないながらも中国の全国民人代表大会の常務委員会で「国防交通法」を承認したとの記事が掲載されおりました。この法律、有事に際し、民間企業に対して軍への補給や輸送協力、さらには、船舶、飛行機、車両の提供を義務付けるという内容のようです。
当法案の成立から、中国が戦時体制に備えて着々と法整備を進めている現状が伺えます。発動対象には、国際平和維持活動や海上紛争も含まれていることから、当然に、南シナ海や東シナ海での軍事衝突をも想定しているのでしょう。そして、まさに時を同じくして、杭州でのG20を前に設けられた米中首脳会談の場で、両国首脳は、南シナ海問題については平行線を辿ったと報じられております。”平行線”とは、双方が妥協点を見い出せず、お互いに自らの主張を曲げない状況を表現する言葉ですが、南シナ海問題における”平行線”は、その言葉の響き以上に深刻な事態を予測させます。
何故ならば、中国が自らの方針を貫くということは、南シナ海問題の仲裁判決のみならず、アメリカの中止要求をも蹴って、あくまでも、仲裁裁判で否定された「九段線」の主張を維持し、南シナ海の軍事拠点化の完成を目指すことを意味するからです。それは、”侵略”とも言うべき東南アジア諸国、及び、公海に対する侵害であり、国際法秩序の破壊行為に他なりません。たとえ地球温暖化問題の分野では「パリ協定」の批准に合意し、米中協調を装ったとしても、南シナ海問題での”平行線”は事実上の決裂であり、近い将来、戦争が起きる可能性は格段に高まったのです。
中国は、仲裁判決を拒絶した時点で、越えてはならない一線を越えています。アメリカの軍事的優位や兵器部品の対日依存度等により、中国の敗戦は必至との見方もありますが、共産党一党独裁体制の維持、即ち、国内的な理由から、中国が敢えて戦争に訴えないとも限りません。歴史においては、サラミス海戦のように軍事的に優勢と見なされていた側が戦略的に敗北を喫する事例もあり、また、劣勢であるが故に、奇襲作戦や国際法の裏をかくような作戦を計画するかもしれません。日米をはじめ国際社会もまた、中国に対して決して油断せず、有事に対して十分備えるべきであると思うのです。
よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
にほんブログ村
本日の日経新聞の片隅に、目立たないながらも中国の全国民人代表大会の常務委員会で「国防交通法」を承認したとの記事が掲載されおりました。この法律、有事に際し、民間企業に対して軍への補給や輸送協力、さらには、船舶、飛行機、車両の提供を義務付けるという内容のようです。
当法案の成立から、中国が戦時体制に備えて着々と法整備を進めている現状が伺えます。発動対象には、国際平和維持活動や海上紛争も含まれていることから、当然に、南シナ海や東シナ海での軍事衝突をも想定しているのでしょう。そして、まさに時を同じくして、杭州でのG20を前に設けられた米中首脳会談の場で、両国首脳は、南シナ海問題については平行線を辿ったと報じられております。”平行線”とは、双方が妥協点を見い出せず、お互いに自らの主張を曲げない状況を表現する言葉ですが、南シナ海問題における”平行線”は、その言葉の響き以上に深刻な事態を予測させます。
何故ならば、中国が自らの方針を貫くということは、南シナ海問題の仲裁判決のみならず、アメリカの中止要求をも蹴って、あくまでも、仲裁裁判で否定された「九段線」の主張を維持し、南シナ海の軍事拠点化の完成を目指すことを意味するからです。それは、”侵略”とも言うべき東南アジア諸国、及び、公海に対する侵害であり、国際法秩序の破壊行為に他なりません。たとえ地球温暖化問題の分野では「パリ協定」の批准に合意し、米中協調を装ったとしても、南シナ海問題での”平行線”は事実上の決裂であり、近い将来、戦争が起きる可能性は格段に高まったのです。
中国は、仲裁判決を拒絶した時点で、越えてはならない一線を越えています。アメリカの軍事的優位や兵器部品の対日依存度等により、中国の敗戦は必至との見方もありますが、共産党一党独裁体制の維持、即ち、国内的な理由から、中国が敢えて戦争に訴えないとも限りません。歴史においては、サラミス海戦のように軍事的に優勢と見なされていた側が戦略的に敗北を喫する事例もあり、また、劣勢であるが故に、奇襲作戦や国際法の裏をかくような作戦を計画するかもしれません。日米をはじめ国際社会もまた、中国に対して決して油断せず、有事に対して十分備えるべきであると思うのです。
よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
にほんブログ村