日本の「警告」、大きく報道=EU離脱めぐる要望書―英メディア
外務省のホームページには、イギリスとEUとの間に予定されている将来の離脱交渉を念頭に置いた、日本国政府による両者に宛てたメッセージが掲載されています。このメッセージの文面を読んでみますと、イギリスの国民感情に対していささか無神経であったのではないかと思うのです。
本メッセージは、日本企業の要望を纏めており、イギリスに進出している日本企業の利益を代弁しています。イギリスのEUからの離脱は、現地の日本企業にも直接にマイナス影響や不利益を与えますので、日本国が、イギリス、並びに、EUに対して要望を述べる機会はあって然るべきです。日本国側の意見を伝えること自体には問題はないのですが、その要望の内容が、イギリス国民の選択を真っ向から否定するとなりますと、相手国との間に摩擦が生じることは当然に予測されます。
特に問題となるのは、人の自由移動に関わる部分です。”高度人材”のみならず、単純労働者についても、”日本企業は、製造業や農業ビジネス分野で東欧からの低賃金の労働者に依存しており、仮に、こうした労働力へのアクセスに制限が設けられた場合には、人材不足と労働コストの上昇が、製品価格に影響を与えるであろう”とはっきり書いているのです。つまり、しばしば批判的に指摘されている通り、外資系の企業がイギリスに製造拠点を移しても、イギリスの雇用改善に貢献しない実態を明かにしており、移民を呼び込む日本企業のイメージは、イギリスにおいて反日感情を煽りかねないのです。当メッセージは、既にイギリス国内のメディアによって取り上げられており、日本製品のボイコットを呼びかけたり、”英国から出て行け”といったコメントも見られるそうです。
日本国内においても、国民の多くは移民の受け入れ拡大には反対ですが、本メッセージから読み取れる日本の経済界の本音が安い労働力としての移民歓迎であるならば、この問題は、イギリス・EU間の問題に留まらなくなります。仮に、同様の要望書を日本国政府が受け取った場合、日本国政府は、その要望を素直に受け入れるのでしょうか。少なくとも一般の日本国民の多くは反発を感じることでしょう。もっとも、このメッセージは、EU残留派を含む新自由主義勢力の利益を代表して書かれたのかもしれません。
本メッセージの本文では、冒頭でイギリス国民の選択を尊重すると明記してありますし、直接的には”人の自由移動の原則を維持せよ”とも書いていません。しかしながら、国民投票で最大の焦点となった移民問題に関しては、相手国国民に対する配慮と慎重さが必要であったのではないかと思うのです。
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本メッセージは、日本企業の要望を纏めており、イギリスに進出している日本企業の利益を代弁しています。イギリスのEUからの離脱は、現地の日本企業にも直接にマイナス影響や不利益を与えますので、日本国が、イギリス、並びに、EUに対して要望を述べる機会はあって然るべきです。日本国側の意見を伝えること自体には問題はないのですが、その要望の内容が、イギリス国民の選択を真っ向から否定するとなりますと、相手国との間に摩擦が生じることは当然に予測されます。
特に問題となるのは、人の自由移動に関わる部分です。”高度人材”のみならず、単純労働者についても、”日本企業は、製造業や農業ビジネス分野で東欧からの低賃金の労働者に依存しており、仮に、こうした労働力へのアクセスに制限が設けられた場合には、人材不足と労働コストの上昇が、製品価格に影響を与えるであろう”とはっきり書いているのです。つまり、しばしば批判的に指摘されている通り、外資系の企業がイギリスに製造拠点を移しても、イギリスの雇用改善に貢献しない実態を明かにしており、移民を呼び込む日本企業のイメージは、イギリスにおいて反日感情を煽りかねないのです。当メッセージは、既にイギリス国内のメディアによって取り上げられており、日本製品のボイコットを呼びかけたり、”英国から出て行け”といったコメントも見られるそうです。
日本国内においても、国民の多くは移民の受け入れ拡大には反対ですが、本メッセージから読み取れる日本の経済界の本音が安い労働力としての移民歓迎であるならば、この問題は、イギリス・EU間の問題に留まらなくなります。仮に、同様の要望書を日本国政府が受け取った場合、日本国政府は、その要望を素直に受け入れるのでしょうか。少なくとも一般の日本国民の多くは反発を感じることでしょう。もっとも、このメッセージは、EU残留派を含む新自由主義勢力の利益を代表して書かれたのかもしれません。
本メッセージの本文では、冒頭でイギリス国民の選択を尊重すると明記してありますし、直接的には”人の自由移動の原則を維持せよ”とも書いていません。しかしながら、国民投票で最大の焦点となった移民問題に関しては、相手国国民に対する配慮と慎重さが必要であったのではないかと思うのです。
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