米空母、南シナ海に=中国をけん制か
報道に拠りますと、米原子空母力ール・ビンソンは、今月18日、南シナ海における活動を開始したそうです。前日の17日には、トランプ政権の誕生以来、初めてとなる米中外相会談の場がG20が開催されているドイツのボンで設けられています。果たして、米空母の南シナ海で活動開始は、何を意味するのでしょうか。
アメリカのティラーソン国務長官と中国の王毅外相の会談において、南シナ海問題が議題に上がったかのか、否か、公式には明らかにされていません。とは言うものの、昨年の国際仲裁の判決以来、南シナ海問題は深刻さを増していますので、同問題が置き去りにされたとは考え難く、両者の間で話し合われたものの、双方譲らず、平行線を辿ったとするのが大方の憶測です。そして、この憶測を裏付けているのが、カール・ビンソンの南シナ海での展開です。
仮に中国が、アメリカから”一つの中国”の原則について譲歩を引き出した代わりに、南シナ海に関してはアメリカに譲る、即ち、軍事拠点化を断念していたとしたら、アメリカは、敢えて南シナ海において中国を牽制する行動をとることはなかったはずです。しかも、原子力空母ともなりますと、同海域における長期的な活動が可能となると共に、爆撃機や戦闘機による攻撃力をも備えています。中国は、同海域における防空識別圏の敷設を試みるに留まらず、未だ「九段線」の主張を諦めておらず、一時中断していた人工島の埋め立て作業をも再開しているそうです。南シナ海では、何時、米中間の武力衝突が起きてもおかしくない状態なのです。
この問題が、極めて深刻であるのは、中国の主張を認めると国際法秩序が根本から崩壊するからです。言い換えますと、南シナ海こそ、アメリカをはじめ国際社会が中国に対して”譲れない”、あるいは、”譲ってはならない”一線なのです。この側面から見ますと、アメリカが、南シナ海問題を”一つの中国”をめぐる取引と切り離していることは、安心材料でもあります。
果たして、中国は、対米戦争を覚悟してまで、南シナ海、否、アジア支配を目指すのでしょうか。日本国政府も、米中戦争へと至った場合、アメリカの同盟国、そして、国際法秩序を擁護する国の一国としてどのような対応をとるべきか、既に具体的な行動を策定すべき時期に来ているように思うのです。
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アメリカのティラーソン国務長官と中国の王毅外相の会談において、南シナ海問題が議題に上がったかのか、否か、公式には明らかにされていません。とは言うものの、昨年の国際仲裁の判決以来、南シナ海問題は深刻さを増していますので、同問題が置き去りにされたとは考え難く、両者の間で話し合われたものの、双方譲らず、平行線を辿ったとするのが大方の憶測です。そして、この憶測を裏付けているのが、カール・ビンソンの南シナ海での展開です。
仮に中国が、アメリカから”一つの中国”の原則について譲歩を引き出した代わりに、南シナ海に関してはアメリカに譲る、即ち、軍事拠点化を断念していたとしたら、アメリカは、敢えて南シナ海において中国を牽制する行動をとることはなかったはずです。しかも、原子力空母ともなりますと、同海域における長期的な活動が可能となると共に、爆撃機や戦闘機による攻撃力をも備えています。中国は、同海域における防空識別圏の敷設を試みるに留まらず、未だ「九段線」の主張を諦めておらず、一時中断していた人工島の埋め立て作業をも再開しているそうです。南シナ海では、何時、米中間の武力衝突が起きてもおかしくない状態なのです。
この問題が、極めて深刻であるのは、中国の主張を認めると国際法秩序が根本から崩壊するからです。言い換えますと、南シナ海こそ、アメリカをはじめ国際社会が中国に対して”譲れない”、あるいは、”譲ってはならない”一線なのです。この側面から見ますと、アメリカが、南シナ海問題を”一つの中国”をめぐる取引と切り離していることは、安心材料でもあります。
果たして、中国は、対米戦争を覚悟してまで、南シナ海、否、アジア支配を目指すのでしょうか。日本国政府も、米中戦争へと至った場合、アメリカの同盟国、そして、国際法秩序を擁護する国の一国としてどのような対応をとるべきか、既に具体的な行動を策定すべき時期に来ているように思うのです。
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