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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

NHKは何故”統合”を抜いたのかー「私たちと象徴天皇」

2017年05月01日 13時49分09秒 | 日本政治
 先日、4月29日土曜の晩、公共放送であるNHKは、「私たちと象徴天皇」と題する番組をNHKスペシャルの時間枠で放送しました。天皇の譲位(退位)問題に関する有識者会議の最終報告や特例法案の骨子が明らかとなった矢先の特別番組であり、事前にNHKのホームページにアンケートサイトを開設するなど、NHKは、”国民と共に象徴天皇を考える”というコンセプトで当番組を企画したもの推測されます。

 当初は、当番組は、女性天皇、女系天皇、並びに、女性宮家の創設に向けた布石であり、NHKは世論誘導を企んだのではないかと疑っていました。肯定的なアンケート結果を次から次へと紹介し、世論の味方を演出しようとするのでは、と…。ところが、実際に番組が始まりますと、専ら出演者の方々が、千差万別の自らの持論を述べる形で進行し、凡そ1万7000件もの回答が寄せられたアンケートの結果については、僅かな数の回答を紹介するに留まったのです。しかも、女性皇族に関する問題については、何れも否定的な意見も放送されたのですから、当初の予測は外れたのです。

 NHKが何故、然程に女性皇族問題に消極的になったのか、その理由については、東宮家の”愛子さん”別人・複数説等の影響があるかもしれませんし(NHKが当番組内で使用していた”愛子さん”とされる映像も、全て別人との指摘のある女の子…)、あるいは、美智子皇后と懇意であったとされるアメリカのクリントン前国務長官の事実上の失脚も関連している可能性もあります。何れにしましてもNHKの歯切れは悪く、当初との計画通りには物事が運んでいない様子が窺えるのです。それでも当番組の中では様々な”仕掛け”が施されており、その”仕掛け”から、NHK、並びに、現在の皇室を支える勢力の姿が見えてきます。

 例えば、日本国憲法第一条の条文には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民の統合の象徴であって…」とありますが、何故か、アンケート、並びに、番組内では、”国民の象徴”と表現されており、”統合”が削られています。敢えてNHKが”統合”の二文字を削った理由を考えてみますと、その背景には、今日の天皇、並びに、皇室を支えている勢力が、実のところ、国民統合に対して否定的な立場、あるいは、悪感情を懐いている人々である可能性を指摘することができます。

 ネット上では、国民やマスコミが皇室を批判しようといたしますと、威圧、威喝してくる圧力団体として、解放同盟、創価学会、民団・朝鮮総連の名が挙がっています。加えて、共産党や民進党等の左翼系団体もこのリストに名を連ねることでしょう。これらの諸団体は、日本国や一般の日本人に対する鬱積した感情を懐く人々から構成されていますので、組織的に天皇家を乗っ取ることで日本社会の上下を逆転させ、日本国民を上から支配したい、自らは特権階級として君臨したいと考えているかもしれません。あるいは、民族団体であるならば、日本国籍を取得しても、日本国民としては統合されたくないと考えてもいるかもしれません。その他にも、’国民統合’という概念を毛嫌いしそうな海外勢力も蠢いており、「統合」の二文字の抹消には、何らかの意図が隠されていると考えざるを得ないのです。

 この推測は深読みかもしれませんが、皇室が、”虐げられた”と主張する’マイノリティー’とされる人々の”復讐”の道具と化し、こうした勢力が、北朝鮮の如く、天皇批判を許さない全体主義体制の構築を目指しているとしますと、上下から挟み撃ちにされる一般の日本国民である中間層は、経済分野とは別の意味で危機的な状況に置かれます。そして、皇室を手にした勢力は、”菊のカーテン”の裏側で、国民からの批判を封じる一方で、悪事や犯罪を重ねることでしょう。これらの勢力の牙城とされるNHKが、敢えて「統合」の文字を削除したことで、むしろ、現在の皇室を支える勢力の思惑が浮き彫りされてきます。そしてそれは、一般日本人の皇室離れに拍車をかけるのではないかと思うのです。

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6 コメント

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Unknown (北極熊)
2017-05-02 13:15:18
個々の国民、それが統合してなる国民の統合が国であること、そしてその象徴が天皇陛下であって、三位一体のように国民は感じる。 それに共感できない方々がいる、どういうわけか外国人と共産・社会主義者である、、、。 
彼らにとって、社会は支配者と被支配者によって構成されてなければならず、革命を目指す被支配者層は支配者たる政府によって常に虐げられていると日常を把握しないと気がすまない。三位一体など理解できたら、自分たちの存在意義がなくなるとでも思ってるのだろう。 
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北極熊さま (kuranishi masako)
2017-05-02 15:29:28
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 現在の天皇という存在につきましては、考えなければならないことが多々あるように思えます。もちろん、NHKの意図には、日本国の”解体”や”崩壊”への願望があるのでしょうが、全く、それとは別の角度から歴史的検証を要するのではないかと考えております。北極熊さまも、ネット上での皇室関連のマイナス情報を、是非とも、お読みになってみてくださいませ。おそらく、その起源は、フランシスコ・ザビエルの来日に当たりに始まるのでしょうが、国民には知らされていない何かがあるとしか言いようがないのです。
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君民共治の鍵が「統合」 (長根 英樹)
2017-05-02 17:06:31
倉西 雅子 様

政治学者の立場で、発言が難しい面があろうかと思いますが、
いつも的確な指摘、観点の提示、ありがとうございます。

今回も、「国民の“統合”」というポイントの指摘。
これは、まさに天皇の意味合い・位置付けに直結するもので。
現行の憲法体系においても、従来の伝統的な在り様、
すなわち「君民共治」の理念を踏襲するもので、
それを踏まえた象徴天皇概念であることが表われている
重要な意味を持つ文言:表現であると捉えます。
本来は外せる筋のものではなく。

一系継承は、皇位は預かりもの:皇位の私物化は許されないという
抑制的な理念に基づく継承方法であり、
既得権・相続物とは捉えない無私、仁・凛の天皇、皇位だからこそ、
国民の統合になり得、君民共治も成り立つものと思い。
「君が代」も、こうした基礎概念を踏まえて読み直すと、
「さざれ石」の象徴性=君民共治の比喩が深く理解出来るものと
思います。
http://nagane.kimono.gr.jp/hideki/messages/27_title_msg.html#sazareishi

今後とも有意義な観点提示、解説をよろしくお願いします。
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長根英樹さま (kuranishi masako)
2017-05-02 19:05:07
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。以前にコメントをお寄せくださった方から長根さまのサイトをご紹介いただき、掲載されておられる論を既に拝読いたしております。今般、長根様ご本人より直々に本ブログにご訪問くださり、大変、恐縮いたしております。

 日本国の古来の歴史におけます天皇の役割と皇位の継承につきましては、長根さまのご意見に頷くところ多く、こちらこそ、貴重なるご指摘に感謝申し上げております。もっとも、ご支持をいただけないかもしれないのですが、今日の皇室問題の根源には、日本古来ではなく、戦国期におけるイエズス会等の海外勢力の問題が潜んでいると推察しております。このため、長根さまがおっしゃるような古来の日本人の天皇観と実際の皇室との間に著しい乖離が生じてしまい、収拾がつかなくなっているのが現状と言えるのかもしれません。今後、どのようにこの問題を解決すべきか、日本国民も、そして人類も、試練の時を迎えようとしているように思えるのです。
返信する
皇統護持派の連携が必要に思い (長根 英樹)
2017-05-02 20:49:28
倉西 雅子 様

ありがとうございます。
まず、
>古来の日本人の天皇観と実際の皇室との間に著しい乖離が生じてしまい、収拾がつかなくなっているのが現状
この見方に関しては同感です。
本来の皇統、一系、皇位継承の理念は美しいもので、普遍的なもの。
しかし、直系(父・息子)での継承が長く続くと、預かりものとの意識が薄れ、
私物化、既得権化していく面があり。
今は、一系継承の制度が想定している、そうした私物化の誘惑・危機が
(119代光格天皇以降、6代、7代と続く中で)極限的になっている状況かと思います。
今こそ、原点回帰で和を取り戻す、一系の意味を捉え直すことが重要に思い。

私も、ネットの繋がりで倉西さんのこちらのページを紹介してもらい、
拝見するにつけ、視点・観点の共通性、また示唆を感じ、
出しゃばりながらコメントさせていただきました次第です。
(正直、それだけ危機感を感じ、
 皇統護持派:その中でも捉えの通じる方との連携を図って
 なんとか実態を変えていく、このまま流されていかないように
 動くことが重要との思いを抱いているところでして)

こちら、倉西さんのブログ、掲示板に集いのみなさまにご挨拶、
自己紹介という意味では、12年前、小泉有識者会議の頃の
新聞掲載がまとまりもよくちょうどよいかと思い。
■「朝日新聞」2005.10.28
  三者三論 ~ 女性天皇どう考える 現制度の方が皇室安定
http://nagane.kimono.gr.jp/hideki/messages/28_title_msg.html

今後ともよろしくお願いいたします。
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長根英樹さま (kuranishi masako)
2017-05-02 21:30:57
 ご丁寧なお返事を賜りまして、心苦しい限りでございます。こちらこそ、今後とも、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 皇室問題につきましては、表面に現れる部分よりも、見えない部分の方がより深刻であるように思えます。古代よりの日本国の歴史の他に、実のところ、人類史レベルの問題が絡んでおりまして、まことに頭が痛い問題です。イエズス会や東インド会社の影がどうしても見えてしまうのです。長根さまは、皇統の継続性を固く信じておられますので、こうした見解を述べるのも申し訳ないのですが、真に神武天皇以来の皇統が継続しているのかも不明なのではないかと思うのです。今後の日本国のあり方を考えてゆくに際して、まずは、事実としての歴史の解明を要するのではないかと考える次第でございます。
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