万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

海外メディア登場は小沢代表の賭け?

2009年03月16日 15時44分57秒 | 日本政治
献金で秘書逮捕「大変驚いた」小沢氏、タイム表紙に登場(読売新聞) - goo ニュース
 民主党の小沢代表は、西松建設事件における自己の立場を正当化する狙いからか、海外メディアに登場したと報じられています。日本国内の報道では、小沢代表側の旗色が悪そうなのですが、これは、小沢氏にとって大きな賭けなのかもしれません。

 この賭けとは、海外メディアを外圧とすれば、不利な状況を正面突破ができると踏んだ賭けのように思われます。事件の全容が明らかではない現状では、小沢氏に事件の責任や罪が及ぶかどうかは分かりません。しかしながら、海外雑誌の表紙を飾るとなれば、自己に批判的な国内世論も鎮静化すると読んだのかもしれないのです。日本国では、とかくに海外での評価が国内世論にも影響を与える傾向にあるからです(もちろん、小沢代表への不信感が強い現状にあっては、この外圧効果は薄いかもしれませんが・・・)。あるいは、小沢氏の主張を支持する海外メディアの方が、氏の失脚を防ぐために、外圧の働きを買って出た可能性もありましょう。何れにしましても、小沢氏は、海外メディアへの登場に、自らの進退を賭けているように思われるのです。

 その一方で、もし賭けに負けて、この事件で、小沢氏の違法行為や収賄行為が立証されるとしますと、国際社会におけるダメージも計り知れないものとなります。小沢代表の政治生命は、この賭けにかかっていると言えるかもしれません。

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G20での無理な合意は全員沈没への道?

2009年03月15日 15時55分34秒 | 国際政治
「3兆円追加対策」国際公約 “口約束”の懸念も(産経新聞) - goo ニュース
 政党や立場の違いによって、財政政策に関する意見が分かれることは当然のことであり、不況に対する処方箋も、財政出動が絶対に正しいとは言い切れません。現に、財政拡大政策が失敗した事例もあり、経済学においてもケインズ主義は反論を受けています。

 財政出動政策に関する懐疑がある限り、G20においては、各国が簡単に合意に達するとは思えません。対立が生じる方が自然なのであり、合意のための合意をしても、不況に対する効果がなかったり、あるいは、リスクの先延ばしに過ぎなければ、合意しないほうが”まし”ということもあります。特に、国債発行による財政出動は、民間の資金を政府に吸収してしまい、かつ、国債の償還と利払いに予算を費やさなければならなくなり、マイナス効果が予測されます。自らの資金調達が困難になるにも拘わらず、経済界がさらなる景気対策を望んでいるとしますと、これは、自己利益に反しているとも思えるのです。

 日本の反対が、国際協調を乱すとの意見もありますが、G20では、徹底的に議論をすべきなのではないでしょうか。わが国は、とかく”バスに乗り遅れるな”式で多勢に加担し、失敗する傾向にあります。むしろ、各国に、自らの責任において独自に政策判断を行う余地を残したが、全員一緒の沈没を免れることができるかもしれないのです。

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長距離ミサイル時代の集団的自衛権は迎撃

2009年03月14日 15時35分16秒 | 日本政治
北ミサイル、迎撃できるのか 首相の政治決断急務 技術、法的な壁(産経新聞) - goo ニュース
 第二次世界大戦と今後想定される戦争との重要な相違点は、長期距離弾道ミサイルの使用が戦争の趨勢に決定的な意味を持つことではないかと考えられます。特に、太平洋を挟んだ国家が激突するとなりますと、飛び道具こそが最大の攻撃力を発揮するかもしれないのです。

 長距離ミサイルの攻撃力を考慮しますと、アラスカまで届くとされる長距離ミサイルを北朝鮮が手にするとなりますと、太平洋の軍事バランスは微妙に変化することになるもしれません。小型化された核弾頭を搭載できるとなれば、なおさらのことです。このことは、日本国政府も、集団的自衛権の行使について、これまでの解釈を再検討する時期に来ていることを示唆しているとも言えましょう。何故ならば、同盟国に向かって発射されたミサイルを迎撃しないとすれば、同盟関係を無意味なもの、あるいは、無力なものにするからです。ミサイルが最大の武器となる以上、飛来するミサイルを協力して撃ち落とすことこそ、同盟国間の最大の共同防衛となるのです。

 法制上は、アメリカに向かうミサイルは迎撃できない理由は、集団的自衛権はあるけれども使えないという、不可思議な政府解釈があると指摘されています。長距離ミサイル時代の到来を真摯に受け止め、政府は、この解釈の見直しに着手すべきと思うのです。

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財政分野に進出するIMF?

2009年03月13日 15時56分47秒 | 国際政治
独仏首脳、G20の財政出動めぐる米国の呼びかけを拒否(トムソンロイター) - goo ニュース
 アメリカ政府が提案している”各国はGDPの2%の財政出動をすべし”という呼びかけは、早々に、独仏首脳からの反発を受けているようです。EU諸国が反対する理由としては、根強いケインズ主義への懐疑があることと、ユーロを導入している諸国が、財政規律を守る協定を結んでいることを挙げることができましょう。そうして、もう一つ、この案の制度上の問題点を挙げるとしたら、それは、IMFに対して各国政府を監視する権限を与えることではないか、と思うのです。

 新聞報道によれば、G20において、財政出動の2%ルールが国際的な取り決めとして合意に至った場合には、IMFに対して、各国の財政出動状況を監視し(各国が報告書を提出?)、その結果を各国に報告する権限を与えると伝えられています(日経新聞3月12日付夕刊)。このことは、IMFが、金融や通貨の分野のみならず、財政の分野においても強力な権限を持つことを意味することになりそうです。しかも、通貨分野では、IMFの監視下に入るのは支援対象国だけですが、この案では、G20の政府の全てが対象になります。この提案が合意に至ると、国家の財政権限には一定の制約が課せられることになるのです。財政権は、国家の主権的な権限ですので、EUでさえ、ユーロ導入に至る以前にあっては、加盟国の財政権は極めて慎重に扱ってきました。この側面を考えますと、この提案がすんなりと合意に達するとは思えないのです。

 IMFが、監視の権限に加えて、やがて義務不履行の国に対する制裁権を持つようになれば、IMFは、”泣く子も黙る”怖い存在として、G20に君臨することになりましょう。協調財政出動の是非もさることならが、IMFの財政分野への進出には慎重であるべきと思うのです。

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最悪の場合は対北戦争を覚悟

2009年03月12日 18時39分09秒 | 国際政治
北朝鮮、「衛星」発射予告…「4月4日~8日」報道も(読売新聞) - goo ニュース
 北朝鮮は、日本国をはじめ、周辺諸国の度重なる牽制にも拘わらず、ミサイル実験を敢行という観測が流れています。この情報が事実であるならば、日本国は、最悪に至った場合、戦争を覚悟しなくてはならないと思うのです。

 何故ならば、双方の宣言通りに事態が進めば、その先には武力衝突が待っているからです。日本国が、もしミサイルが発射されれば迎撃ミサイルで撃ち落とすと明言する一方で、北朝鮮は、ミサイル(人工衛星?)が迎撃されたならば、報復手段に出ると言っているます。この言葉どおりに両国が行動するならば、日本国は、北朝鮮からの攻撃に対して自衛権を発動し、防衛戦争を戦わなくてはならなくなるのです。

 杞憂で済めば良いのですが、北朝鮮の行動パターンは、常に冒険主義です。日本国は、最悪の事態に対する準備を怠ってはならないと思うのです。

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チベットは脱退可能な連邦制の提唱を

2009年03月11日 15時28分20秒 | アジア
動乱50年 チベット族居住地を行く 信仰の自由欲しい(産経新聞) - goo ニュース
 チベット動乱から半世紀を経て、チベットは、今なお中国による厳しい情報統制の下に置かれ、この閉められたカーテンが、一層、人々の心配を募らせところとなっています。密室化されますと、他者の目に触れることなく、非人道的な行為が公然と行われるかもしれないからです。

 ダライ・ラマ14世は、中国領内での自治権を求める穏健路線を表明しているようです。もし、中国側に誠意があれば、あるいは、中国に対する外部圧力が高まれば、今後、中国政府との間で交渉の場がもたれるかもしれません。この交渉に際しては、チベットが、決して譲ってはならない権利があると思うのです。それは、独自の宗教や文化の保持に加えて、中国からの脱退の権利と国境管理の権利です。たとえ、譲歩して中国の枠組みに残ることで合意したとしても、これらの権利を留保しないとなりますと、結局、現状は変わらず、いつの間にか、中国に飲み込まれることになりましょう。

 連邦制では、防衛、外交、安全保障、通商などの対外的な権限を中央に委ね、他の内政については構成国に権限を残すという方法は一般的です。主権を保持したままチベットが、内政に関して自治を行うこともできるはずなのです。チベットには、民族独立戦争を戦う正当な権利もあるのですから、中国政府に対して、明確な権限配分の下での連邦制を、強く主張すべきなのではないかと思うのです。

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チベットは時間との闘いに苦しんでいる

2009年03月10日 15時16分41秒 | 国際政治
対中穏健路線の継続表明 動乱50年でダライ・ラマ(共同通信) - goo ニュース
 1959年3月10日、チベットでは、中国の駐屯兵がダライ・ラマ14世を護衛ぬきで招待したことに端を発し、中国の支配に反対する大規模なデモとそれを弾圧するための武力行使が行われ、多くのチベットの方々が命を落とすことになりました。ダライ・ラマ14世もまた、この動乱の中でインドに亡命することになったのです。

 この痛ましい日から50年を迎えた今日、ダライ・ラマ14世は、中国に対して自治権拡大を求める対話路線の継続を表明したようです。しかしながら、中国政府の態度は不誠実であり、チベットは、これまで以上に、時間との苦しい闘いを強いられそうなのです。それは、地下資源の持ち出しもさることながら、中国政府が、チベットへの漢民族の移住政策を推進するとともに、チベット人の中華化政策を強力に推し進めているからです。チベット独自の文化や宗教を抹殺し、政治的な独立権を持つ民族集団としての”チベット”を消滅させれば、ゆくゆくは、チベットは中国に吸収されると、中国政府は踏んでいるのでしょう。

 中国の融和政策と民族浄化は紙一重であり、この政策は、時間が経てば経つほどに、チベットに不利な状況となり、存在そのものを蝕んでゆきます。ダライ・ラマ14世は、中国政府に対して早期の交渉再開を求めるべきでしょうし、国際社会もまた、時間との闘いに苦しむチベットを支援すべきと思うのです。

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矛盾に満ちた不法入国フィリピン人一家問題

2009年03月09日 15時49分04秒 | 社会
比一家、入管に出頭の夫収容…妻は仮放免期間を延長(読売新聞) - goo ニュース
 両親が不正入国者であったフィリピン人一家の処遇が、マスコミなどでも話題となっておりますが、この問題には、多くの矛盾が横たわっているように思えるのです。

 第一に、法律の世界では、法は、不法行為から生じた権利を保護しないというクリーン・ハンドの原則があります。その理由は、一旦これを認めますと、不法行為や犯罪を行った者を、法が擁護してしまうことになるからです。言い換えますと、法自身が、自らに反した者を擁護するという自己矛盾に陥ってしまうのです。

 第二に、もし、言語を基準にして、お子さんの滞在許可が認められたとしますと、反対に、日本語ができない人は、入国や滞在基準を満たさないということになります。しかしながら、両親は、日本語がしゃべれずに入国しておりますので、この主張にも、矛盾があります(両親は、家庭で一切フィリピン語をしゃべらなかったのでしょうか・・・)。

 第三に、フィリピン人の両親は、お子さんだけを日本国に残す方針のようですが、この措置にも矛盾があります。何故ならば、多くの諸国では、家族が共に暮らせることを配慮して、家族を呼び寄せる権利を特別に認めているからです。つまり、逆の場合には、家族は離ればなれでもよい、と主張してるのですから、移民の家族保護の権利を自ら否定していることにもなります。

 これらの矛盾点を考えますと、この問題は、同情論だけでは解決しないように思うのです。むしろ、問題を別な方面で拗らせてしまうことにもなりかねません。原則を忘れた安易な解決は、将来に禍根を残すのではないか、と心配するのです。
  
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税収減少で歳出削減は待ったなし

2009年03月08日 15時23分53秒 | 日本政治
税収不足、兆円単位のおそれ 08年度、法人税下ぶれ(朝日新聞) - goo ニュース
 金融危機が発生した時から、歳入が大幅に減少することは予測できたことであり、2兆円の定額給付金の是非も、歳入減少を前提に議論すべきであったとも言えます。しかしながら、法案が成立し、給付が開始された以上、過ぎたことは仕方なく、政府は、今後、如何に財政破綻を避けるかを真剣に考えねばならないと思うのです。

 不況期の増税は致命的となるかもしれず、また、国債の発行額を増やせば、金利上昇と財政破綻のリスクが高まります。そこで検討すべきは、やはり、政府の歳出削減なのではないか、と思うのです。例えば、国民年金の国庫負担分2分の1への引き上げは延長すべきでしょうし、民間所得が減少していますので、公務員の給与カットも検討課題と言えましょう。また、裁判員制度の導入も、従来のシステムを維持すればよいわけですので、経費削減の対象となるかもしれません。

 企業の収益が急激に落ち込み、税収が減少する状況にあって、政府が政策予算を捻出するためには、小手先の経費削減のみならず、大胆な行財政のスリム化が必要となりましょう。もし、この危機を改革のチャンスに変えることができれば、日本国の再生の道も見えてくるのではないでしょうか。

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スイスのEU加盟は近づいた?

2009年03月07日 14時52分10秒 | 国際政治
スイス秘密口座 ついに風穴? UBS、米に顧客情報提供(産経新聞) - goo ニュース
 スイスがEU加盟に後ろ向きな理由として、しばしば、永世中立国であることや、ウィリアム・テル譲りの独立精神の高さなどが指摘されてきました。そうして、もう一つ、重要な理由があるとも囁かれてきました。それは、スイスの銀行業を守ることです。

 スイスの銀行は、世界中の資産家が”秘密口座”を開設していることで知られてきました。このため、マネーロンダリングを経た不正な資金や独裁者の隠し口座なが集まっているとも言われ、今回、アメリカの司法省の顧客情報提供の開示要求も、金融犯罪がらみであるようです。スイスの銀行業の強みとは、それがたとえ”危ない”資金であっても、徹底して守秘義務を守ることにありました。スイスがEUに加盟すれば、銀行に対して透明性を求めるEUレベルの金融規制を受け入れねばならず、それは、この強みを失うことを意味したのです。

 スイスの銀行が、もはや秘密口座の情報開示に踏み切るとしますと、スイスが、EUに加盟しない理由の一つが消えることになります。このことは、スイスのEU加盟が近づいたことを意味するのでしょうか、それとも、やはり、スイスは、我が道を行くのでしょうか。

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拡大させると縮小するのが困難な財政

2009年03月06日 15時40分00秒 | ヨーロッパ
EU財務相、景気回復の際には緊縮財政に転じるよう加盟国に要請へ=草案(トムソンロイター) - goo ニュース
 EU諸国がユーロを導入するに際して、厳しい財政規律が求められたため、各国とも、基準をクリアするために、財政赤字の削減に人並ならぬ苦労をしたものです。この結果、放漫財政で知られた国の財政状況も、劇的に改善され、”外圧”が功を奏したとも評されました。

 しかしながら、現在、深刻な金融危機を受けて、ユーロ導入国でも財政規律が緩み、各国とも、財政拡大に走っているようです。欧州諸国に限らずとも、一旦、財政を拡大させますと、それを再び縮小する時には、相応の痛みを伴うことを覚悟しなければなりません。政府部門で雇用を増やした場合には、失業問題が再燃しますし、公的部門に依存してきた産業からも不満が寄せられるからです。財政支出の対象が既得権益化されてしまいますと、これを消滅させることが困難なことは、行財政改革が常に公務員の側からの抵抗で潰されている現状からも理解できます。

 このことは、もし政府が、景気対策のために財政支出の拡大を行うならば、将来における緊縮財政を見越した柔軟性のある策をとるべきことを示唆しています。財政とは、国民の税負担によって成立しているのですから、肥大化した行政組織と、国民負担だけが残るという事態は、避けねばならないと思うのです。 

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忍び寄る中国軍事大国化の恐怖

2009年03月05日 15時46分27秒 | 国際政治
中国国防費14・9%増 21年連続2ケタ、高まる脅威論(産経新聞) - goo ニュース
 尖閣諸島やチベットの対応でも分かるように、中国は、国際法を守るつもりなど、さらさらないことは火を見るよりも明らかです。もし中国が、軍事大国として覇権の確立を目指すとしますと、日本国を含めた周辺諸国には恐ろしい結末が待っているかもしれません。

 第一に、中国が掲げる正義とは、自己中心的な正義であることです。中国には、資本家や地主の搾取からの解放を根拠に他国を侵略した前科があり、チベットもその犠牲となりました。日本国の場合には、”南京大虐殺”への報復や”尖閣諸島の侵略”などが、一方的な戦争事由とされるかもしれません。

 第二に、中国には国際法に対する遵法精神がありませんので、一旦、中国に占領されたが最後、主権が戻ってこない可能性があります。アメリカの場合には、自由と民主主義を広げることを旗印にしていますので、たとえ軍事力で占領しても、最終的には相手国に主権を返還します。

 第三に、中国は、人口が多いためにか、人道や生命に対する感覚が極めて低いことも不安要因の一つです。人民解放軍が、国際法にのっとった行動をとるとも限らず、軍事行動に伴って、戦争法違反や残虐行為を行うことも十分に予測されます。

 中国の軍事力を抑えるためには、1)抑止力として自国の軍事力を高める、2)包囲網を構築する、3)中国の経済発展を抑える・・・といった方法が考えられますが、こと中国に関しては、人民解放軍の文民統制もままならぬことを考えますと、楽観主義は禁物なように思うのです。

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日本のバブル崩壊と現在の金融危機は違う?

2009年03月04日 15時38分21秒 | 国際経済
 世界的な金融危機を受けて、どの国も、対策に頭を悩ましています。こういう時には、過去の処方箋を持ち出してくるものなのですが、過去と現在とでは、共通点もあれば、相違点もあります。それでは、日本国のバブル崩壊と現在の金融危機とでは、どのような点が違っているのでしょうか。

(1)金融商品による連鎖性が高いこと
 日本国のバブルは、不動産部門におけるバブルが株式市場といった他の投資分野に拡大しました。今回の金融危機では、これに加えて、CDSという新手の金融商品が登場しており、一旦、どこかで破綻が起きますと、その連鎖性と速度は格段に高くなります。しかも、CDSは、海外にも販売されているため、その被害は、一国に留まらなくなります。

(2)世界同時危機であること
 日本国のバブル崩壊の場合には、日本発の世界恐慌が心配されたものの、結局、他国に飛び火することがありませんでした。このため、日本国は、好景気の諸国への輸出を増やしたり、新たに海外市場を求めることもできたのです。しかしながら、今回の金融危機は世界同時ですので、どの国も、同様の政策をとることはできそうにありません(市場の自律的調整力が働かない・・・)。

(3)低金利政策の効果が低いこと
 国民の貯蓄率の高い日本国では、低金利政策は、預金金利を低下させ、これが、金融機関の体力回復に大きく貢献しました。一方、間接金融が中心の国では、低金利政策の金融機関救済効果は薄くなります。

(4)為替政策の効果に限界があること
 日本国の場合には、バブル崩壊後の市場介入による円安政策は、自国製品の輸出競争力を高める働きをしました。ところが、現在では、中国が、より戦略的な元安政策を実施していますので、ドルやユーロをはじめ、どの通貨も、産業競争力の強化になかなかつながりません。

 以上のように見てきますと、日本国のバブル崩壊よりも、現在の金融危機の方が、はるかに克服することが難しいことが理解できます。過去の政策は、必ずしも現在の病状に効くわけではありませんので、政策の効果は、慎重に見極める必要がありそうです。 

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麻生首相は頑固一徹だった

2009年03月03日 15時13分46秒 | 日本政治
全閣僚、給付金受け取りへ 閣議後に申し合わせ(共同通信) - goo ニュース
 マスコミは、給付金受け取りについて、麻生首相が、”受け取る””受け取らない”と、発言を二転三転させたことを取り上げて、しきりに首相の迷走ぶりを批判しているようです。しかしながら、給付金政策については、頑固一徹、一度もぶれなかったのではないでしょうか。

 世論の7割以上が給付金政策については反対しておりましたので、むしろ、世論の動向を踏まえて、給付金政策について、”止めるべきか””止めないべきか”と迷っていただきたかったとも思うのです。給付金受け取りについての首相の判断は、あくまでも個人の問題ですので、政治や政策とはあまり関係がないからです。見るべきは政策への態度であり、特に、世論の多数が反対する政策については、必ずしも頑固な態度は望ましいものではなく、経済状況や世論に的確に応えることを優先すれば、良い意味での柔軟性こそ必要であったのかもしれません。

 麻生首相の優柔不断ぶりばかりが強調されているようですが、むしろ、政策決定において柔軟性を欠いたことの方を残念に思うのです。

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アメリカ大統領に被爆地訪問を願う

2009年03月02日 15時18分24秒 | アメリカ
両陛下の真珠湾訪問を検討 7月軸に調整、カナダ訪問の帰途(共同通信) - goo ニュース
 7月に検討されていると伝わる天皇皇后両陛下の真珠湾ご訪問は、先の大戦で戦火を交えた日米両国の和解の象徴となることが期待されているようです。その一方で、両国の最終的な和解は、もしかしますと、日本国の被爆地である広島・長崎の慰霊碑に、アメリカ大統領が追悼の花を手向けたときのようにも思うのです。

 アメリカでは、原爆投下は、ソ連を牽制し、早期終戦を実現して自軍の被害を最小限にとどめることを目的とした、やむを得ざる手段と見られており、それが民間の人々の命を一瞬のうちに消し去ったとしても、肯定的な意見が大半を占めると言います。世論の大半が是認しているにも拘わらず、大統領の被爆地訪問を無理に実現させましても、かえってアメリカ国民の反感を招き、日米関係が悪化するとも限りませんので、時期については慎重になる必要はありましょう。しかしながら、今と言わずとも、将来のいつの日にか、アメリカ大統領が、人類最初の原子爆弾の投下によって命を落とした方々を悼む日が訪れることがあれば、亡き人々を含めて、どれだけ多くの日本人の心が救われ、癒されるかわかりません。

 原子爆弾の投下により、無辜の国民の多くが犠牲となりました。そうして、この犠牲は、その後、第三の原爆投下を思いとどまらせたことにより、今日に至るまで、他の多くの人々の命をも救い続けてきたのです。広島と長崎の犠牲は、人類に捧げられた尊い犠牲でもあると思うのです。

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