仕事で松阪市の三雲町に行きました。国道をはずれてみようと、参宮街道をクルマで走ってみました。クルマはあまり通っていなくて、自転車の女子高生や中学生が行ったり来たりする、お年寄りも時々歩いている、不思議な空間でした。
三重県は、国道から古い道にそれてみたら、すぐに江戸時代に簡単にタイムスリップできて、昔の町並みが残っています。しかも、それぞれが観光地化されてなくて、ほとんどほったらかし状態で、何となく古くさい町として残っています(それから、昔、大歓楽街として栄えた街が、ひっそりとした裏町になっていたりして、栄枯盛衰の「枯衰」の部分を味わえたりするのです。それはなかなかおもしろい。ピカピカの観光地がないのが自慢です!)
三雲の街から松阪の市街地へ向かう参宮街道は、ずっと古い町並みが続いています。どこかのお屋敷でいいから、旅人を中に入れてくれても良さそうなものだけれど、どこも立派な構えにもかかわらず、中には入れてくれなくて、旅人はその前を通り過ぎていくばかりです。どのおうちも生活をする家として存在していて、部外者は入れないのです。でも、これだけ立派な昔の街は、少しだけでも公開してくれると、ありがたいのですけど……。
街道とは、本来はそんなものではなくて、もっと旅人に開かれたものだったと思います。それがクルマで移動することが当たり前になって、狭い街道を避けてバイパスを走ることが普通になります。昔の道は、たしかに雰囲気はあるけれど、ただの古めかしい屋敷を外から眺めるだけで、どこを見るというポイントもないので、結局だれも通らなくなり、いよいよ町は閉ざされたものになっていきます。
今日の夕方、走った三雲町・市場庄あたりは、なかなか立派なお屋敷が両側に続いています。どこかで休憩できたり、お屋敷の中に入れてくれたり、宿泊施設になっていたりしたら、もっと歩いても楽しいはずなのです。でも、自然派レストランがあるくらいで、何だかもったいない。
個人の努力で変われるものではなくて、町全体の一軒一軒が、町全体として旅人に来てもらいたいと、開かれていかないと難しいと思います。
私は、これから、こうした町のおもしろさを発掘していきたいと思っています。何しろ、宣長さんが歩き、こうした町々の空気を吸っていたわけですから、それを少しでも取り出していきたいです。
それから、変な勢いがついて、突然、松阪からくまのみちへとつづく町並みが、開発されずに残っている大黒田の町に行くことにしました。
ここは、今も生きている町で、造り酒屋の千代乃松さんがあったり、うちの奥さんお気に入りのお菓子屋さんがあったり、魚屋さん、散髪屋さんなど、何でもそろう商店街がありました。クルマも通らず、人もあまり歩いておらず、このままどんどん古びていけば、やがて取り壊しをされて、適当な建物が新しく建っていくことでしょう。そうしたらもう、誰も顧みる人はいなくなり、松阪は自らの魅力を失って、中途半端な地方都市へと変わっていくはずです。
今はまだ、雰囲気があって、ちょうど開発のルートからはずれて、奇跡的に残っている町並みが残っています。松阪市もこういう貴重な町並みを生かして、地域の活性化をしてくれたらいいのにと思います。
桜餅を買い、パンを1斤・390円で買い、お餅はすぐに食べてしまい、パンは明日の朝、しみじみ食べることにします。なかなか贅沢な朝になりそうです。
もっと、もっと自分の足で歩いて、町のよさを見つけられる人になりたいです。
そういえば、初夏の花々もいくつか写真に撮りました。
1 春の夕べ チャリンコ妻は買い物へ
2 昼下がり スクールバスはうたたねす
★ 追記
桜餅の写真を撮りましたが、カメラの電池切れで撮れなくて残念でした。4月のうちにもう1度買いに行こうと思います。でも、三重のスイーツで昔撮ってたかな。
桜の季節が終われば、5月から柏餅だそうです。それも何だか楽しみです。6月はいばらまんじゅうだそうです。「あんこのあじは変わらないから、どれもおいしいね。でも、いばらまんじゅうは生地が小麦粉だから、イマイチかな」と妻は言っていました。私も、いばらまんじゅうと聞くと、腰が引けてたんですが、朝日製菓のいばらまんじゅうなら、おいしいかもしれないと、今度チャレンジしてみようと思いました。
それから、パンジーは初夏の花ではなくて、春の花だし、スクールバスの句は無季ね、と奥さんの的確なご指摘をいただきました。無頓着に書いてるから、いい加減なミスをしています。失礼しました。