土日、大阪へ行ってきました。それは、親戚の葬儀に参列するためでした。
亡くなった方は、母と同い年で、長らく透析を受けてきたのだそうです。持病と折り合いをつけながら経営者としても生き、気丈でたくましい方のようでしたが、先週訃報をもらったのでした。
私の弟の義母にあたる方で、当然ながら甥っ子、姪っ子も参加していました。二人にはおばあちゃんにあたります。せっかく参加した私は、ほとんど誰とも言葉を交わせなくて、申し訳なかったけれど、せめてそれらしい口上が言えたらよかったんだけど……。それができないのがダメな私です。
そういう場面でペチャクチャおしゃべりができなくて、いつも通り、役に立たないオジサンとしてそこに座っていました。どこに行っても、私って、役に立たない!
いったい、私が役に立つ時って、あるんだろうか? どこかで役に立つ時もある程度かな?
真言宗のお葬式で、真正面には「南大師遍照金剛」とありました。お坊さんのお経も私が今までよく聞いてきたものとは違っていて、わりと神社の神主さんが唱える言葉と似ているような気がしていました。ホーミーのような、声明(しょうみょう)といわれるようなものなのか、とにかく、淡々としているようで、切々と語る、不思議なお経でした。
声を響かせるお坊さんではなくて、言葉を届けようとされるお坊さんのようでした。だから、私は眠くならずに、何ていうふうに言ってくださっているのかを懸命に聞こうとしていました。
それなのに、前に座っているおじいさんは、眠くなっていて、となりの奥さんに起こされていました。人によっては、このお坊さんの声でも眠くなるのだなと、感心もしました。いつもだったら、私は眠くなるのに、昨日は眠くならなかった。それは、お経を聞こうとしていたからでしょう。お経のどこかに私のとっかかりはないかと、単語を探しつつヒリヒリしながら聞いていました。
そして、お別れは、たくさんのお花で亡くなられた方のまわりにお花を飾ってあげる儀式で、三人の娘さんたちが亡くなった方のまわりで最後のお別れをしていて、私はその姿にもらい泣きしてしまいました。三人の娘さんは、自然にお母さんに触れ合っていたようです(考えてみれば、当たり前ですけどね)。
どうして人は、そういう場面でこそ触れ合うのでしょう。もっと普段からでも、家族ならあれこれ触れ合えばいいのに、なかなか大人になると、それができていないなんてね。何だか悲しい。
やっと病気から解放されたので、ご本人には楽にはなったのかもしれない。家族と別れるのは悲しいけれど、あちらの世界にも家族はいるし、その仲間入りをするということなんだろうか。
でも、親族としては、この世で会えるのはもう最後で、現実の姿としてはもう最後なのです。それはもう、辛くて悲しいものがあります。
だから、ささやかに、でも、心から、静かにお別れしている様子が悲しかった。そして、ステキな家族だったのだなと思いました。そういう人たちと私たちは親戚でもあったわけでした。
クルマを見送り、私たちは実家へ帰り、少しだけゴハンを食べて、それからすぐに三重県にまで戻ってきました。
三重県に戻ったら、とりあえずゴハンを食べ、お風呂に入り、ブログをして、コテッと寝てしまいました。昨夜は寝るには少し暑すぎました。ところが、四時過ぎに目覚めましたが、今度は寒すぎて、それで今、日記そのもののブログを書きました。
亡くなった方は、徳島の方だったから、真言宗だったのかなと勝手に思ってましたが、詳しくはわかりません。でも、何度か高野山にお参りしたり、弘法大師さんとは縁続きとなっておられたんでしょう。うらやましいです。
私は、奈良の大仏さんとは細い縁はあるつもりですけど、華厳宗ではないですし、どこにもつながりを持っていない。お葬式は、浄土真宗の親鸞さんつながりではありましたけど、私たちは親鸞さんにものすごく帰依しているわけではないですね。どなたとつながりを持てているんだろう。
もう一度、自分の人生を見直していこうと思います。宮沢賢治さんみたいに、強い信仰も持てていないし、ちゃらんぽらんの私です。私のつまらない人生も、しみじみ見つめて、どこにつながっていくのか、考えていきたいです。
寒いけど、何となくさわやかな、夏の朝です。先ほどは朝焼けにもなっていました。梅雨はまだ明けていないし、やらねばならないことはたくさんあります。
でも、何もやれないのが私たちの人生で、何もやれないからこそ、何をやるべきかを、しっかり選択して、大切に生きていこうと思います。今ある光を大事にします!
★ 七月の初めは、寒い夏でしたね。なつかしいです。今は「暑い暑い」と悲鳴を上げている。これもあと二ヶ月したら、「あんなに暑いとかなんとか言ってたのにね」というふうになるんでしょう。
時間はどんどん過ぎていきますね。知らない間に夏も終わるのか。うれしいような、かなしいような気分です。(2019.8.19)