甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

白いダチュラ

2020年09月25日 18時54分17秒 | 草にうずもれて

 おそらく何度も聞いて、それらしい意識はあったはずですが、ちゃんと知ることができたのはつい最近のことで、この年になって今ごろ、ダチュラの花が気になっています。

 といっても、ただ感心するだけで、特にダチュラを見に行こうとか、積極的ではないんです。何となく気になる花ですけど、見たら割とすぐに感心しています。

 ダチュラとは、別名エンゼルトランペット。残念ながら、下向きに咲きます。朝顔みたいに前向き・上向きではなくて、ダラッと垂れ下がっています。まあ、あんなに長い花が上向きに咲いてたら、植物としても苦しいでしょう。垂れ下がっている形をとったから、あんなに花が長くなりました。

 一日で花は元気がなくなるみたいだけど、ある程度の期間花が下がってるから、朝顔みたいに日々更新するのではなくて、元気がないと見せかけて、次の日になったらまた元気になって何日かは同じ花、ということになってるのかどうか。その辺の観察もちゃんとできていません。ただ、チラッと見て、あらまあと心惹かれるだけです。

 どこにでもいる、かわいい女の人だけど、残念ながら、全く私との関わりがないというところでしょうか。キレイだなと思わせておいて、こちらが興味を持って深入りしそうになったら、さっさと消えてしまうような、あまり近寄ってはいけない感じなのかもしれない。

 余裕があれば、庭にでも植えてもいいんだけど、うちの庭には余裕はないし、うちの奥さんがそんなにダチュラを好きではないみたいだし、まあ、これからもどこかで見かけはするけど、関係ないままなんでしょう。

 女の人に喩えるの、よくないですね。反省します。



 どうして急にダチュラのことを書き出したんだろう。そんなの、ずっと前から私とそういう関係だったじゃないですか。

 そうなんです。新しい関係は生まれてなかった。でも、最近、チラチラとダチュラの花を見かけて、その中に白いダチュラを見ることがあって、まさか、あれはダチュラじゃないよなとは思ってみたものの、やはり、ダチュラだったのです。

 白いダチュラというのもあるのか……。白いダチュラは、黄色のダチュラよりも少し可憐で、ボクみたいなつまらないヤツが声をかけても大丈夫な感じがした、というべきか。いや、そうではなくて、ただ珍しいだけ? 世慣れた黄色よりも、かわいらしかった。……また、女の子にたとえてる、しつこいんだよ!

 

 何だか気になるし、個性的だし、いい感じなんだけど、しばらくしたら跡形もなく消える花です。シーズンが過ぎたら、すぐに木そのものも大きくなるらしくて、木のオーナーさんに半分にさせられてしまうことが多いです。自由に伸びたいけれど、それは許されてなくて、何だかいつもどこか心の片隅で悶々としている。それが、どこかで吹き出してしまう。

 ボクの好きな梅崎春生さんの「幻化」という作品に、ダチュラは出てくるんです。ちゃんと読んだのは、高校だか、もっと後だったか、分からないんですけど、精神病院から疾走した主人公が、戦時中に通信兵の仕事をさせられていた港を訪ねて、そこでたまたまダチュラの花を見つけ、それを教えてくれた女の人と関係を持ったか持たなかったか……。

 その時のキッカケになったのがダチュラでした。だから、私の頭の中では、何だかエッチな花というイメージなんだけど、それは私の頭がエッチなだけで、ダチュラには何の責任もありません。梅崎さんも、ダチュラに、何か不思議な魅力は感じたのかもしれません。

 自分の庭にあったら、やはり怖くなって、シーズンオフになったら、伐り戻ししちゃうかもしれないな。 



 白いダチュラは、まだ小さくて、オーナーさんから厳しい仕打ちは受けてないようでした。

 この秋の初めがダチュラのシーズンだったんですね。最近、突然家の近所にヤマガラが現われたり、人生初の葛の花を見たり、珍しいことが身辺で起こります。何かいい変化の兆しだったらいいのにな。


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