リタイア暮らしは風の吹くまま

働く奥さんからリタイアして、人生の新ステージで目指すは
遊びと学びがたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

桜の季節/食べられないトリュフ

2016年03月06日 | 日々の風の吹くまま
日曜日。雨と風の予報だったのに、朝は薄日が差していて、風も収まって、春っ気満々の陽
気。夜中にはかなりの雨と風で、起きてみたら園芸ルームの外のバルコニーに敷いてある
ゴムの靴拭きマットがめくれて半分に折りたたんだようになっていたから、猛スピードで吹き
抜けて行ったのかな。でも、今日の天気をどうしようか決めかねているようで、曇ったかと思
うと、さぁ~っと雨が降ったり、さっと止んで日が差して来たり。目の前で天気がくるくる変わ
るようなのに見とれていたら、おお、桜が咲いている。それも満開の状態・・・。

 

今まで道路向かいの桜の木の色の変化を見て春を感じていたもんだけど、今は窓の外に
あるのは空。いつの間にか満開になるまで桜の季節が来ていることに気づかなかったな。
でも、クィーンズパーク地区をよぉ~く観察すると、あちこちにピンク色が見えて来る。由緒
ある住宅地だから、きっと樹齢が何十年とか言う大きな桜の木もあるだろうな。綿帽子のよ
うにふわっとして見えるのはたぶん道路沿いに植えた並木。バンクーバー市にはいたるとこ
ろに桜並木があって、今月の末には桜祭があるけど、ニューウェストにはそれほどの数は
ないんだろうな。それでも、市役所に隣接するティッぺラリー公園の端にあるフレンドシップ
ガーデンの中に日本風の庭園があって、吉野桜が100本くらいあるというから、天気のい
い日に「お花見」に行ってみようか。

きのう1月に注文したバースツールが届いたという電話があって、カレシは目まぐるしく変わ
る天気にトラックで行こうか、車で行こうか。(まだトラックのワイパーを取り替えていない。)
結局は車にして、道路が込んでいなかったせいで正午の開店前に着いてしまった。そこで
時間つぶしに近くの大きなDIYセンターの園芸エリアを見て、鉢植えのヒバを4本。注文品
は(気に入って3つも買った「マシュマロ」スツールを作った)ケベックの会社がフレームの仕
上げとクッションの色を指定した注文を受けてから製作する「トリュフ」という洒落た名前の
バースツール。ブレアが納品されたものにダメ出しして作り直させたので2ヵ月も待たされた
けど、カレシは待ちかねた甲斐があったと、いたって満足・・・。

     

バーとキッチンのカウンターの間において、ワタシが料理をしているときにカウンター越しに
話し相手になってくれるんだとか(ほんとはワタシに話し相手になって欲しい?)・・・。

☆聞こえて来る音を迷惑な騒音と感じるかどうか

2016年03月06日 | 日々の風の吹くまま
3月5日。気が付いたらあっという間に2月が終わっていて、もう3月。年を取るほどに時間の経つのが早くなるような気がする(なんて、もう何年も言っている来がするけど)。大事業だった引越し作戦が無事に終わって、マンション暮らしに腰を落ち着けてからもう7ヵ月になる。振り返ってみると、去年の今ごろは新居探しの真っ最中で、降って来る仕事の合間を縫って、引越しに同意しておきながらやたらと抵抗するカレシと大げんかをしながら、新居になる物件を見て回っていたんだった。つまり、ものの弾みも同然に引越しを決めて動き始めたのは1年前のことだったわけか。何だかずいぶん昔のような気がするから不思議。

自分で設計した一戸建ての家に27年住み慣らした後で集合住宅での生活に飛び込んだわけだから、生活様式の変化は大きいと予想はしていたけど、思ったよりもすんなりと切り替えができたのにはちょっとびっくりだった。戸惑いもけっこうあったし、目からうろこのような経験もあったけど、いろいろと学ぶことも多くて、大仰な言い方をすれば「社会的な視野がちょっと広がった」感じがする。特に、環境の変化に対するストレス耐性がわりと低いカレシがあっさりと新しいルーティンに落ち着いてしまったのはまったくの想定外。根っからの宵っ張りだとばかり思っていたら、引っ越したその日から真夜中前に就寝。でも、体のリズムに反した早起きの連続で疲れているからで、そのうちずるずると15年続いた「午前4時前後就寝、正午前後起床」のパターンに戻るだろうと思っていたら、一向にその気配がない。それどころか、ほぼ7ヵ月経った今でも普通に「午前零時前後就寝、午前8時前後起床」。

おかげで日のあるうちに家事も用足しも余裕でやれるようになって、ワタシにはうれしい誤算。特に日の短い冬なんか、それまでは起きて朝食が終わって、さて・・・と思ったらもう夕暮れが迫っていたのに、今は空が金色に染まって太陽が昇って来るのを見て感動したり、刻々と変化する雲の形や色に飽きずに見とれていたり、外に出て日々の暮らしを営むいろんな人たちとすれ違って何気なくスマイルを交わしたり、他愛のない世間話をしたりすることができる。そういうことをすべて日が暮れる前にやってしまえると言うのがとっても新鮮で、カレシの退職以来15年に及んだ「モグラ暮らし」はいったい何だったんだろうな。カレシがどれだけ早く新しい生活に順応できるかが大きな懸念だったから、何だか拍子抜けした感じがしないではない。

洋の東西を問わず、集合住宅での一番大きなトラブルは「騒音」。そのあたりは、昔(木造の)賃貸タウンハウス時代に隣人のピアノ演奏に悩まされたことがあったし、雑誌でマンション騒音問題の記事を読んだことがあったから、新居探しを始めると同時にいろいろと調べて、鉄筋コンクリートの建物でも問題があるのは承知していた。でも、実際に生活を始めてみると思ったよりも静かで、それも真上のユニットに双子の男の子(現在14、5ヵ月)がいるにも関わらずだから、ここでもちょっと拍子抜けの感。特に、日本語で検索するとものすごい数のヒットがあって、そのほとんどが(多くは子供関連の)「生活騒音」だったので、思わず住み替えを躊躇することもあった。まあ、どれも日本語サイトの記事だったから、マンションの造りや建築基準も違うだろうし、「東京のマンションでは生活騒音が大きな問題」ということなのかもしれないけど、ずいぶん違うもんだと、少々びっくり・・・。

もちろん、いつもし~んとしているほど静かなわけじゃない。ユニットの配置が良くできているのか、我が家の床面積がわりと広いせいかはわからないけど、隣の音はまったくと言っていいほど聞こえない。聞こえるとしたら、隣の(一人暮らしらしい)若い人が飼っている犬がたまにドアのすぐ内側や廊下で吠えるときくらい。我が家のマンションでは犬や猫を一定の大きさ(小型)以下なら2匹まで飼っていいことになっていて、エレベーターでよく犬連れの人に出会うけど、いかにも血統書付きといった犬を連れているのはほとんどがアジア人(たぶん最近渡来した中国人)なのがまたおもしろい。ちなみに、お隣さんの犬はミニチュアシュナウザーという種類だそうで、まだ子犬なのにおじいちゃんみたいな風貌だけど、よ~く見ると子犬っぽいかわいい顔をしている。

つまり、壁を通しての騒音はまだ経験していないんだけど、コンクリートの天井からの衝撃音はけっこう響く。昨今の高層マンションはラミネートのフローリングが主流で、新築で売り出すときは寝室だけ標準仕様をカーペットにして、買い手に寝室も同じフローリングに「アップグレード」するオプションを売りつけるケースが多いらしい。もちろん「アップグレード」というからにはその分価格が高くなるってことにだろうな。カーペットに比べてフローリングは何となくおしゃれな感じがして、高級感らしきものを醸し出しているのはたしかなんだけど、カーペットのように衝撃を和らげてくれないもので、床への衝撃はかなりシャープな音として階下に響くことになる。内覧に行ったある築10年のマンションでは午後10時以降の食洗機や掃除機、洗濯機の使用はダメ、ハイヒールや底の硬い靴で歩き回るのもダメと規約で規制していたけど、このあたりの分譲マンションの管理組合が発足時に採用する標準規約にはないところを見ると、苦情が多くて手に負えなくなったということかもしれない。

それでも、まだ新しいマンションなら音の静かな最新の食洗機や洗濯機、乾燥機がついているので、今のところ家電の音は聞こえないし、キャビネットもソフトに閉まる蝶番を使っているので、戸棚を開け閉めする音も聞こえない。トイレを流す音やシャワーの音も聞こえない。ブラインドを上げ下げしたり、窓を開け閉めする音も聞こえない。フローリングの下には遮音性能の等級が一定以上のアンダーレイを敷くことになっているから、「普通」の足音なら響いて来ない。もちろん、人間は、どんなに注意していても手に持っているモノを落っことすことがあるから、ときどきはゴトン、カラン、コロコロという音はするけど・・・。

そういうわけで、覚悟はしていたけど、何だ意外と静かじゃないの~と思っていたら、11月の末ごろに、朝の7時過ぎから寝室の上でガタン、バタン、ドタン、ドタドタと大きな音(掃除かな?)がするようになった。当然目が覚めるけど、せいぜい15分ほどのことなので、何ともぶきっちょな人もいるもんだと呆れつつ、静まったらうとうとを繰り返しているうちに、クリスマスが近づく頃、午前4時のドタバタを最後に頭の上は24時間し~ん。たぶん母国に赤ちゃんのお披露目をしに帰省したんだろうけど、静かになってみると今度はあまりにも静か過ぎるのが気になって来るのが人間。1月半ばに家族が帰って来て、ガタン、ドタン、ドタドタが再開したときは妙にほっとしたような気分だったから不思議。実は、目覚ましドタバタとドッタドッタという足音の主は(たぶん奥さんの育休開けに備えて雇われ)中国人の若いナニー(あるいはメイド?)だったんだけど・・・。

それがこの数日、そんな朝の「目覚ましドタバタ」がなくなっていることに気がづいた。日中のゴトン、カンカン、コロコロはまだときたま聞こえて来るけど、朝の寝室ではたまにコトッ、コトッという程度の音がするだけで、足音もそれほど響いて来ない。日中でも子供がおもちゃを床にぶつけているようなコンコンという音がしてもすぐに止むようになった。どうやら騒々しいナニーをクビにして、フィリピン人ナニーに変えたようで、通いらしく、経験のありそうな中年女性。ナニーを雇うのはプロフェッショナルな共働き夫婦だったりするので、単なる子守りじゃなくて、基本的な躾などある意味で親のステータスにふさわしい「子育てサービス」まで求められることも多いらしい。母親らしい女性はいかにもキャリアウーマンという印象だったから、ナニーに子育て方針を示して子供たちをきちんとしつけるように言いつけてあるのかもしれない。それでも午後7時半ごろになるとしばしドタバタするようになったのは、寝かしつけのバトルが始まったのかな。もう半年もすればTerrible Twos(魔の2歳児)になるから、これからどう展開するか・・・。

聞こえて来る音から他人さまの生活様式がおぼろげながら想像できてしまうというのもマンション暮らしの特徴なんだろうと思うけど、そういう環境をどう思うかは個人の人間観や住人のコミュニティ感覚の程度によって違って来るんじゃないかと思う。管理組合の総会では、苦情が一番多いのは「6番ストリートの早朝の配達トラックの音」だと言っていたけど、商業地区のど真ん中に建ったマンションなんだから、閑静な住宅地のような環境なわけがない。(高層階の我が家ではほとんど聞こえない。ちなみに、旧居は「閑静な」住宅地区だっただけど、朝っぱらから何かと騒々しかった。)ま、少なくとも私たちには、今のところは予期していたよりもずっと、ずっと静かだし、ご近所さんたちも管理人さんもとってもフレンドリーだし、日常生活のあれこれが便利すぎるくらい便利だし、街中のマンション暮らしも悪くはないなあという感じかな。