リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

炎天下に出て行くのは

2015年06月30日 | 日々の風の吹くまま
今日は暑い中を銀行までひとっ走り。カレシが「ついでに酒屋でレミを買って来いよ」。はあ、
この暑いのに重い瓶を担いで歩きたくないなあ。でも、切らしてるし、酒屋は銀行の隣だし、
と思案していたら、「酒屋に寄るならオレのウォッカも買って来てくれよ」。ええ?寄るなんて
言ってないけど。天気チャンネルのサイトによると、気温は30度。湿度を勘案した体感温度
は35度。げっ。俗に炎天下に出て行くのは狂犬とイギリス人だけと言うけど・・・。

今日もぐうたらを決め込んで地下鉄ひと駅。炎天下を10分歩かずに済むんだから、シニア
切符1ドル75セントはお得。銀行から出て来て、ちょっと考えて酒屋へ。箱入りのレミとカレ
シお気に入りのウォッカを入れたトートバッグを担いだら、やっぱり重い。道路を渡りながら、
こんな炎天下をのこのこ歩いていたらレミが熱燗になってしまうわい、と屁理屈をつけてま
た地下鉄ひと駅。できるだけ日陰を選んで歩いてみても、暑いときは暑い。(ジージーとうる
さいセミがいないだけましか・・・。)

6月も今日でおしまい。今年の半分がおしまい。光陰矢のごとくが大げさとは思えないような
前半だったな。これからが引っ越し大作戦の胸突き八丁で、暫定的に8月6日決行と決めた
けど、とにかくやることがた~っくさん。それでも運転免許証の住所変更をオンラインででき
るのは助かるな。(新住所のラベルを免許証に貼り付けるだけらしい。)銀行の口座の住所
変更もオンライン。いろんな口座の変更もオンライン。ネットがなかった頃は大変だっただろ
うなあ(覚えてないけど。)でも、長いようでも短いようでもいよいよホームストレッチ・・・。

ギリシャの債務不履行騒動でカナダドルの対米レートがぐんと下がってワタシはほくほく。
融通してもらった金を浪費して、いざ返済期限が来たら「金がないから払わない」には呆れ
るけど、緊縮生活も嫌だってのは何なんだ。ワタシがずっと言っているように(誰も聞いてな
い)、EUは経済格差などを考えずにどんどん加盟国を増やしたのが間違いの元。ロシアが
睨んでいるから焦ったのかもしれないけど、ある意味で西洋的な理想主義が判断を鈍らせ
たのかもしれない。さて、うれしい為替レートになったところで、また仕事。でも、7月中旬か
ら先はこの会社の案件だけ、8月一杯は臨時休業ということで了解を取り付けたので、(まく
る袖がないけど)腕まくりしてがんばろうっと。

もしかしたら引越しブームになるかも

2015年06月29日 | 日々の風の吹くまま
暑い!今日はカレシの発案でガレージの片付け。ずっと昔にカレシが作ったごっつい棚が
あって、埃を被った園芸用品や何やらがいっぱい。包装したままのものがそのまま忘れら
れていたと思えば、園芸センターが使う薄っぺらなポットがそこら中にある。(温室の後ろの
物置にあるプラスチックのポットは千個は下らない・・・。)よくもこんなにたくさんガラクタを溜
め込めるもんだと感心しつつ、捨てるものをガレージドアのそばに集めて、トラックを回して
来て積み込み。あ~あ、汗だく・・・。

リサイクルデポとゴミ捨て場を回って帰って来たら、隣のパットが「メリットにいい物件を見つ
けてね・・・」。あはぁ、来年には引っ越すと言っていた彼もとうとう本気になったらしい。メリッ
トは州中南部のニコラバレー地域に19世紀末に牧畜で拓けた町で、「市」とは言っても人
口は1万人に満たない。内陸盆地だから夏は40度近くになるし、冬はマイナス30度以下に
なるけど、夏のメリット・マウンテン・ミュージック・フェスティバルには人口の10何倍もの人
が集まる。見つけたのは築5年の大きな家で敷地は1000坪くらい。水道は井戸から引い
ているだんそうな。

パットは74歳。便利な施設や医療などのサービスが整った大都会を離れるには勇気がい
るだろうと思うけど、この2ヵ月ほど頻繁に3、4日ずつ家を留守にしていたのは、同年代の
恋人のウェンディと引越し先を探し歩いていたためらしい。野鳥観察の同好会でパットと知
り合ったというウェンディは溌剌としたおばあちゃまと言う感じのイギリス人で、カントリーリ
ビングはイギリスの伝統文化なのかもしれない。けっこう長い付き合いの2人、どうやらそれ
ぞれの家を売って、田舎に家を買って、いよいよ結婚するつもりらしい。うふっ、ほのぼのと
しちゃうなあ。

そっかぁ、パットもいよいよここから出るのか。20年来のご近所さんが次々と出て行ったら、
3軒隣のアントンとカヨも、道路向かいの家に1人住まいのマージョリーも、それじゃあってこ
とになるんじゃないのかな。みんな60代、70代。やっぱり節目と言える時が来ているのか
もしれない。だけど、パットはカレシに何倍も輪をかけた「捨てられない人」。不用品は整理
するとしても、ガレージを埋め尽くしている段ボール箱の山はどうするのかと聞いたら、「い
や、全部持って行くよ」。う~ん、ウェンディが何と言うかなあ・・・。

喜んでくれる家族がいる幸せ

2015年06月28日 | 日々の風の吹くまま
久しぶりにぐっすり眠った気分で目が覚めたら、おや曇り空?向こう2週間は太陽が燦々と
照るはずだったのに、何で?おかげで気温はちょっと下がったけど、湿度の方はやや高め。
ま、カレシの弟のジムとガールフレンド(別居婚の事実婚に近い関係)が4時くらいに来るこ
とになっているので、その前に仕事を仕上げてしまう。だんだん激高していた人は最後に椅
子を蹴って、捨てぜりふを残して退場。ドラマ性がたっぷりで、これを芝居にできないかなあ
なんて考えてしまった。

「早すぎたぁ?」と言いながらジムとドナが来たのは3時半。仕事は終わったから問題なし。
ドナは大きなスリフトショップのマネジャーをしているので、処分方法を決めかねている不用
品のどれを寄付したらいいかアドバイスをもらおうと言う魂胆。もらい手がないと思ったオー
ディオブックやVHSのビデオは喜ばれると言うのにびっくり。本や衣類、食器も売れ筋だそ
うで、小さい家電は歓迎だけど、大きな家具や家電はショップにも客の住居にも置き場所が
ないし、配達もできないからNG。

具体的なリストができたのでディナータイム。岡山の純米吟醸酒で乾杯して、前菜にアヒま
ぐろのポケ、バイ貝のにんにくバター、ひと口うな丼の3品。寿司が好きな2人なので、本番
はまぐろ(キハダとアルバコア)、サーモン、たこ、とびこ、ほっき貝、煮ておいたチリあわび。
4人分の寿司を握るのに手間取ったけど、小さめのしゃりに厚めの大きいねたをど~んと載
せて、パーティ用の丸いお皿に花のように盛りつけたら、おお、けっこう見映えがするじゃな
いの。お客さんがいるから写真は撮らなかったけど、なかなかかっこいいディナーパーティ
になった。

最後には、ドナが電子レンジと大きい貯蔵フリーザー、ジムがチェーンソーをもらってくれて、
長年カレシ愛用のチッパーや園芸用具は娘一家と元妻マリルーに持って行ってくれること
になり、トラックを持っている娘婿のロブを引き取りに寄こすついでに不用の段ボール箱を
集めて運ばせてくれるという算段になった。おかげで断捨離が一気に進みそう。近くに住ん
でいる息子や娘、孫たちはそれぞれの生活に忙しくてあまり顔を見せないんだそうで、ワタ
シたちが行き来しやすい距離になるのをみんな本気で喜んでくれているのが伝わって来る。
年寄りは年寄り同士ってことだけど、この年になって仲の良い家族がいるって、ほんっとに
いいもんだなあ・・・。

何ともうつっぽい遺伝子

2015年06月27日 | 日々の風の吹くまま
暑い!今日は30度まで行ったらしい。窓のない工作室は暑い、と丸鋸のテーブルを外に持
ち出してプランター作りに精を出したカレシはシャツの胸が汗でびっしょり。ワタシはさっそく
「猛暑ドレス」。頭からすぽっと着られる露出度の高いタンクドレスで、膝上10センチのミニ
だからいたって快適。でも、日本の年相応的礼儀作法感からしたら目の毒かな。これで東
京の街を闊歩したら「不快被害病」で体調を崩す人が激増しちゃったりしてね。まあ蝦夷地
の生まれ育ちのワタシは、暑いときはそれに見合った格好をして家の中にいるのが一番。

と言うことで今日は「仕事」。もめごと解決の話し合いで、苦情を申し立てた側がだんだんに
激高して感嘆符だらけになるのがドラマさながらでおもしろい。それにしても30代、40代は
日本社会の中堅だろうに、年齢に比してcoping skill(対処能力)が低いのか、根がひ弱な
のか、マナーとやらにこだわって繊細化しすぎたのか、何と言ったらいいのか。でも、繊細な
割には激怒とか暴言とか責めるとか、言葉は過激だからおもしろい。会社が働き難い職場
なのか、それとも社員が使い難い人間ばかりなのかはわからないけど。

これほど欝っぽい人が多いのは脳内物質セロトニンの輸送体の遺伝子が短いせいだろうと
思う。セロトニンを細胞に取り込むたんぱく質の遺伝子には長いタイプと短いタイプがあって、
両親から1個ずつ受け継がれる。日本人(中国人や韓国人も)には2個とも短い人が圧倒
的に多くて、白人の3倍か4倍。このタイプの人は不安や恐怖を感じやすく、生まれつきネガ
ティブで消極的な性格になりがちなんだそうで、人事問題の報告書を訳していると「なぁるほ
ど!」と納得できてしまう。逆に2個とも長いとノリが良すぎて破目を外しやすい性格になり
やすいそうだから、長短1個ずつが理想的と言えるかもしれない。まあ、こればっかりは親
を選べないのと同じでどうしようもないか。

ワタシの遺伝子が長短どっちなのかは何とも言えないけど、極楽とんぼではあっても同時
にわりかし慎重なところもあるから、長短1個ずつかもしれないな(なぁんて希望的観測・・・)。
逆に生まれつき不安感が強くて、何かとネガティブ思考なカレシは(小町横町によくいるよう
な)「日本人」的な情緒性が明確だから、2個とも短い可能性が大きいな。まあ、人間の性格
なんて一長一短なんで、どっちにしても遺伝子のせいってことにしておけば?

この暑いのに

2015年06月26日 | 日々の風の吹くまま
暑~い。予想最高気温は25度と言ったのは誰だ。北米の気温分布図はテキサスから西半
分が見ただけで汗が出るくらいに真っ赤。猛烈な高気圧がぐ~んと張り出していて、ジェット
気流は北極圏に届きそうなくらいに蛇行。バンクーバーの6月の記録は30.6度だから、も
しかしたら記録更新かも。(観測史上の最高記録は34度。)暑い内陸では40度を超えると
ころもありそうだという話。やっぱり気候変動の証なのかな。

カレシがシュレッダに張り付いている間に、ダウンタウンのHマートへひとっ走り。日差しが
強いから庇の深い野球帽を被って武装。ワタシの頭の鉢が小さいのか、なぜか普通の帽
子では目深になってしまうので、夏は調節のきく野球帽が活躍する。旅行先で買って気に
入ているのはハワイのとシアトルのボーイング工場のとカリフォルニアのモンテレーベイ水
族館のと3つ。今日はペンギンのパッチのモンテレーベイ。日が高いし、庇が深いので鼻先
を日焼けから守るのに重宝。鼻先だけ真っ黒というのはちょっとね・・・。

日曜日に来るジムとドナのために「なんちゃら和食」を作るつもりで、刺身用サーモンとがり、
しいたけ、豆腐。ついでにセールをやっていた冷凍のうなぎの蒲焼、たらこのパスタソース、
ウズラの卵、オクラ。ダウンタウンでは何やらイベントをやっていたけど、暑いときに生もの
を抱えてうろうろしていられないので、家までまっしぐら。猛暑はまだピークじゃないのに暑く
て料理がめんどうになって、フリーザーにあったキハダマグロと寿司飯でポケ丼を作って、
ハマグリの澄まし汁とこごみのゆず和えを添えて・・・。シェフが怠け心を起こすとご馳走が
出て来るのが極楽とんぼ亭の特徴というところ。

     

夕食後は事務用品をエコーに積み込んで、カレシが「近いから練習のつもりで行け」という
ので、ひとりでクリスのアパートまで配達。運転するのは何年ぶりかな。3年?4年?横道
に入って公園と高校の横を通ったら、延々と減速バンプの連続。ガッタン、バッタン。ちょっと
スピードがありすぎたみたい。30年以上前にホンダのシビックで走っていたら、カーブでパ
トカーが横付けして来て、警官に「おいこら、スピード落とせぇ」と怒鳴られたことがあったっ
け。そ、スピードの出しすぎはいかんな。帰って来て家の横の道路に縦列駐車。あら、大の
苦手なのになぜかうまく行っちゃった。運転歴、再開しても大丈夫・・・かな。

何が出てくるやら、断捨離大作戦

2015年06月25日 | 日々の風の吹くまま
暑くなって来た。Heat waveが来るそうで、ニュースはあれやこれやと熱中症予防対策の
呼びかけ。海風のおかげで割と涼しい方のこの辺りも、予想最高気温が明日は25度、土
曜日と日曜日は26度。平年並みに戻るのは再来週の半ば過ぎというから、ほんとにheat
wave。エアコンが何とか稼動しているから助かるけど、新居はどうなのかな。所有者のキ
ムさんは去年の夏は扇風機を買ったのに使わなかったと言ってたけど。ま、バンクーバーっ
子は雪が降ればそれっと一斉にシャベルを買いに走り、猛暑になればそれっと一斉に扇風
機を買いに走る傾向があるから、今から扇風機を買いに行っても遅いか。

まずは小さい仕事。ひとつ断った後に大小2つ。ワタシの担当ということになっているから、
よっしゃと腕まくり。すぐ仕上がったので、ひと山の事務用品をワタシの劇作の先生が主宰
するフランク劇団にもらってもらう算段。LGBT専門で、公的な助成金や寄付金頼みの貧乏
劇団だから、ふたつ返事で「ありがとぉ」。封筒や鉛筆やペンの他に30個近いリングバイン
ダーも全部引き取ってもらえたけど、誰も車がないそうなので、あまり遠くないというクリス
のアパートまで「配達」してあげることにした。

カレシが英語教室から帰って来たら、今度はリサイクル場とゴミ捨て場めぐり。シュレッダの
紙ふぶきが3袋の他に化粧缶などの金属品、寄付してもしょうがない雑誌や本。顔見知りに
なった係の人が手伝ってくれたのでささっと完了。そのままゴミ捨て場に移って家中からぼ
ちぼち集めたガラクタ類を投棄。何しろ臭いもので、みんなささっと捨てて、ささっと出て行く
から早い。今日は40キロで基本料金の15ドル。最後は民間のリサイクル場でハンマーで
壊したハードドライブや電子製品を下ろして、捨てる仕事は完了。やれやれ。今夜は鶏もも
のから揚げをどっさり作ってたんぱく質を補充・・・。

同じ会社の別の部署からの仕事のお伺いをお断りして、大きい仕事を明日に回して、夜は
ファイルキャビネットの古い書類を整理。カレシも一緒に始めたら、20年、30年も前の領収
書やとっくに捨てたものの説明書がぞろぞろ出て来て、シュレッダ用の箱はまた満杯。カレ
シ御年43歳のときのパスポートが出て来て、「ふむ、オレってけっこう男前だな」としげしげ。
きゃははは!あの頃は口ひげふさふさ、髪もふさふさ。でもさ、今じゃ(茶渋のごとく)渋くっ
て、ええ男になってるってば・・・。

パパの家事が娘の未来を拓く

2015年06月24日 | 日々の風の吹くまま
起きてみたら天気予報には影も形もなかった小雨。暑くなると想定して始動タイマーをかけ
ておいたエアコンが肌寒いくらいで、あわててオフ。それでも週末には「真夏」になると言う
予想。水源の山脈の積雪量が極端に少なかった影響で、芝生の散水制限をしていてもな
お水不足の心配があるらしい。まあ、芝生にスプリンクラーを置いて盛大に何時間も水を撒
くのはムダもいいところだけど、北米人には芝生が青々としていないと落ち着けない人が多
いらしい。枯れた芝生は刈る必要もないから、週末にのんびりできていいと思うけどね。

芝生刈りは男手の仕事という観念があるらしく、肥料や除草剤のコマーシャルでは男同士
で雑草などの芝生の悩みを解決する設定が多い。まあ、洗濯用洗剤のコマーシャルは女
同士で洗濯物の頑固な汚れの悩みを解決するわけで、広告界はセクシズムの牙城といっ
たところか。でも、今日の新聞には、夫婦が揃っていて16歳以下の子供が最低ひとりいる
カナダの家庭で、「専業主夫」が洗濯や料理、育児をしている割合が11%になったとカナダ
統計局が発表していた。じゃあ芝生刈りはママの週末仕事になるのかと言うと、どうやらそ
うでもなさそうだけど。

グラフを見ると、40年前には一家の稼ぎ手が男だけの家庭が51%、共働き家庭が33%
だったのが、2014年には男が稼ぎ手の家庭が17%に減って、55%が共働き家庭。女が
稼ぎ手の家庭は2%から5%に増え、シングルマザーの家庭も8%から16%に倍増。同じ
期間に専業主婦の数は3分の1以下に減り、一方で専業主夫は二倍に増えている。今ため
らうことなく専業主夫になる男たちは、1980年代から1990年代にかけて急増した別居や
離婚、共同育児や共同親権を経験して育った最初の世代なんだそうな。別れても共同親権
を持つ両親の間を往来しているうちに男も女もあたりまえに家事をするというイメージが浸
透したのかな。

ある心理学者の研究によると、積極的に家事をする父親は娘の向上心を高め、将来の望
みを大きくする傾向があるとか。ママではなくて、パパが家事をする姿を見て向上心を持つ
というのはおもしろい。娘に大志を抱かせるパパの家事のヒミツって何なんだろうな。息子
の向上心を高める役には立たないのかな。日本でもそういう現象が起きるんだろうか。仕事
一筋の日本のパパたち、かわいい娘の明るい未来のために家事をやってみない?

日の光を浴びたら心はすっかりブルーベリー

2015年06月23日 | 日々の風の吹くまま
暑くなって来た。2人とも睡眠パターンが乱れ気味で、眠っているべきときに目が覚めたかと
思うと、眠っているべきじゃないときに不思議なくらい熟睡していたりする。で、眠っているべ
きじゃないときにぐっすり眠るもんだから、眠っているべきときに熟睡できないで、外の音で
目が覚める、という芳しくない堂々巡りの繰り返し・・・。

目がくらくらするくらいの日差しの中、今日はDIYの量販店Home Depotを偵察。出がけに
カレシが「ついでにWhole Foodsでシリアルを買って来て」。はぁ~い。ブロードウェイ駅で
降りたらまずはHome Depot。新居ではなぜかデンにシャンデリアがあって、ダイニングの
天井にはきらきらした照明。キッチン付属の食料貯蔵・生産ルームになるデンにはシャンデ
リアは滑稽。どれがいいかとサンプルを見上げていたら、頭の上に電球がポッ。安い変哲
のない照明を買って今の家につけて、今ある照明(すごく高いヤツ)を新居につければいい。
前の住人が残したお古を真新しい家に使うとは思えないし、どうせブルドーザーに壊される
だけなんだし・・・ね。

Whole Foodsに行ったら、おお、地物のブルーベリー。初物だ、買わない手はない。こごみ
と同じように、毎年ブルーベリーの季節が待ち遠しい。大好きだから、舌が青紫になるくらい
食べてしまう。それにしても今年は早いなあ。主要なベリーはまずイチゴ、次にラズベリー、
そしてブルーベリーという順序が普通なんだけど、ブルーベリーの後ろにもうラズベリーが
見える。季節の順番を待ち切れずに一斉に咲いてしまう北海道の桃と梅と桜のようなもの
かな。黒っぽい青のベリーはまだ小さめで甘さもちょっと物足りないけど、これからどんどん
熟して甘くなる。まあ、ワタシにとっては初物ってことに意義があるわけで、明日の朝ごはん
が楽しみだなあ。

大きく枝を広げたトチノキの陰の涼しさを胸いっぱい吸いながら帰って来たら、「ビデオと
DVDを全部箱に詰めた」と得意げなカレシ。でも、大きな段ボール箱にぎっしり詰めちゃっ
て、いいのかなあ。持ち上げるのに腕が4本いりそうだな。ワタシも本やDVDは飾りの類を
箱詰めしたいんだけど、今夜は仕事に捕まってアウト。いつもの発注元のいつもの悩ましき
メロドラマ。高学歴、高収入なのになぜか心はひ弱な人たちばかりで、この頃は小町横丁
の辻札よりもおもしろかったりするけど。あとひと息だからささっと仕上げてしまおう。その前
にブルーベリーをひとつかみ・・・。

こういう物持ちの良さは考えもの

2015年06月22日 | 日々の風の吹くまま
エアコンが始動する音で目が覚めた。午前11時半。ちょうど起きていい頃。気温が上がり
そうな気配。長期予報を見たら、週末には最高気温が27度だって。7月、8月の「平年並み」
はだいたい22度か23度なんだけど。まあ考えてみたら、夏至を過ぎたら公式に「夏」なん
だし、6月も終わりなんだし、あまり驚くことでもないのかな。でも、ワタシの感覚では25度を
超えたら「真夏日」、30度まで(めったに行かないけど)行ったら「猛暑日」なんだけど。

今日はカレシはプランター作りに勤しみ、ワタシはモールまでてくてく。ゴミ捨て場での料金
はクレジットカードよりもキャッシュで払った方が早いので、銀行でちょっとお金を下ろして、
モールではCrate & Barrelでダイニングチェアのクッションやテーブルクロスを下見。あれ
これ片付けるほどに実にいろんな細々としたモノが必要になって来て、ショッピングリストは
長くなるばかり。これじゃあぜんぜん断捨離にならないじゃないの。それくらい家の中のこと
をさぼって来たってことなんだけど、ワタシは奥さん落第かな・・・?

スーパーでランチやお酒のつまみの食材を買って、またぐうたらして地下鉄ひと駅。歩道は
カレッジの学生がぞろぞろ。昔だったら今頃は夏休みで静かなもんだったけど、今どきのカ
レッジは夏でも完全には休みにならないのかな。国際教育部があるから、もしかしたら語学
留学生かな。何人かでおしゃべりしている子もいるけど、やっぱりうつむいてスマホをいじり
ながら歩いている子が多いな。狭い歩道なので、気をつけていないと正面衝突してしまう。
向こうは心ここにあらずで進んでくるから、あっちこっちと避けながら歩くこっちは汗だく。こ
れで世の中が便利になったと言われてもねえ・・・。

夕食を済ませたら、ファイルキャビネットの整理。所得税申告のコピーがいったい何年分あ
るやら。何と1977年度のが出て来たからびっくり仰天。あの頃はアパートに住んでいて、
その後何度か引越ししたけど、そのたびに持ち歩いたってことか。ちょっとばかり物持ちが
良すぎない?ま、シュレッダ行きの箱に全部どさっと放り込んで、今度は本の箱詰め作業を
再開。ほんとにまだ家中に本、本、本で、さっぱり片付いているような感じがないからダレて
しまうんだけど、本を除外してみたら、私たちは意外にモノを持っていなかったということが
わかった、なんてことはないよなあ、やっぱり・・・。

娘は父を想い、息子は母を想うものなの?

2015年06月21日 | 日々の風の吹くまま
ああ、くたびれた。きのうはカスタム家具の発注に1時時間早起きして遠出したから、まあ、
「一働一休」というところ。でも、新居の明渡しを受けて、「家なき子」状態を解消するまであ
と1ヵ月。あと1ヵ月かあ。仮契約をしたのが3月の末で、本契約が成立したのが5月半ば。
いやはや、時間の足の速さと来たら。ほんとは一働一休なんてのんきなことを言ってられな
い状況になりつつあるんだけど・・・。

カレシは「息抜きする」とプランター作り。まずドリルが見つからないとひと騒ぎ。何のことは
なくて、切り揃えて積み上げた材料の後ろに隠れていただけ。丸鋸でじゃ~っと切って、ドリ
ルでじゃじゃっとネジ用のパイロット穴を開けて・・・と、けっこう順調だったけど、「ドリルビッ
トが抜けない」と遭難信号。長年放置されて乾燥して堅くなった木材だから、節の辺りに固
まったヤニに当たったのか、ドリルを逆回転しても、プライヤーで捻って緩めようとしてもびく
ともしない。困った挙句にのこぎりでビットの周囲に切り目を入れてから揺すってみたら、ス
ポッ。ああ、やれやれ・・・。

カレシのドリル探しやビット抜きで機先を殺がれたワタシは「休養日」を決め込んで、ネット
散歩。今日は父の日。小町にほろりとするような亡くなった父を思う娘の「独り言」トピックが
上がっていて、それに対して書き込まれる亡き父への思いも同じくほろりとさせる。ワタシの
父も他界して23年になるけど、今でもいつも思い出す。父より10年早く他界した母のこと
はあまり思い出さないのにね。東京の病院に駆けつけたときはもう父と話をすることができ
なかったけど、それは母が逝ったときも同じだった。駆けつけて、そのまま葬式。臨終に間
に合ったのが、海の向こうへ飛び立ってしまった娘のせめてもの親孝行だったのか・・・。

長女なのに家を出るまで甘ったれのお父さん子だったワタシ。幼いときにいつも負ぶってく
れた父の背中の感触と匂いが今でも鼻の奥に残っているような気がする。縁あって結ばれ
た父と母がいたから、ワタシが今こうして生きているのに、いつまでも母よりも父の方をよく
思い出すのはなぜなんだろうな。娘というのはそういうものなんだろうか。もしも息子として
生まれていたら、父よりも母のことを思い出すんだろうか。カレシはあまり亡き父親のことを
話題にしないな。父と娘、母と息子・・・親子って不思議な関係なんだなあ。

家具を作るのは頑固な職人らしい

2015年06月20日 | 日々の風の吹くまま
今日は目覚ましで1時間早起き。ちょっと眠いけど、特注になる家具のデザインができたの
で、またコクィットラムまでひとっ走り。カレシは午後4時にスカイプ英語レッスンがあるから、
気を利かして1人で行って来ると言ったら、「あのルートはめったに運転しないキミには危な
いからダメ」。うん、ごくごくたまぁ~にモールまで行く程度だから。これでもビクトリアに住ん
でいたときはハイウェイでも何でもぶっ飛ばしてたし、在宅稼業になって家に籠もるまでは
当たり前にどこへでも運転してたんだけどな・・・。

というわけで、ついでにプランターに使うネジを買いたいというカレシの運転するトラックでお
でかけ。家具屋までは高速を通って45分。途中にエヴァグリーン線建設工事の現場あり、
うねうねとカーブする急な下り坂ありで、なるほどけっこう難度が高そう。店ではブレアと完
成図を見ながら、細かなところを変更。ハイライトはカレシのバーになるキャビネット。変更
が多かったのはサイズもデザインも少しずつ違うデスクで、ワタシのが2つ、カレシのが1つ。
一緒に来たおかげでカレシも自分の分を好みに修正してもらって文句なし。見積もりができ
るのを待っている間、ショールームの家具を見て回ったカレシ、「本物って感じだね」。まあ、
パーティクルボードも化粧ベニヤも使わない、芯まで「本物」の無垢材だから。

ワタシが注文した家具のほとんどを作るのは郊外のチリワックに工房を持つ「指物師」で、
助手や見習いが何人かいて、仕事の合間に農場で自家用の野菜を作っているんだとか。
ブレアの話では相当に頑固な職人気質らしい。チリワックならオランダ系かドイツ系の人か
もしれないな。飾りっ気のないがっしりした直線のデザインが気に入ったんだけど、なるほど、
シェーカー様式の家具を思わせる素朴さに頑固一徹さの片鱗が見えるような感じがする。

ブレアが細かなメモを書き込んだ完成図を一枚ずつサインオフ。後は出来上がった家具を
どのように新居に運び込むかの算段をするだけになった。戸建てへの引越しと違って規則
の多いコンドミニアムは頭痛の種なんだけど、こんな家具を持てる機会は一生に一度ある
かないか。予算を50%もオーバーしちゃったけど、カレシは「一生モノだからしゃあないよ」
とと諦め?顔。やれやれ、一緒になって40年もかかってやっとまともなインテリアを整えら
れることになった私たち・・・。


短い夏はお祭りラッシュ

2015年06月19日 | 日々の風の吹くまま
久しぶりに雨が降ったきのうの夜は空気が爽やかだったけど、今日はまた暑くなりそうな気
配。日曜日は暦の上で夏初日の夏至。きのうと今日とスカイプ英語レッスンがキャンセルに
なって、カレシはちょっと助かったという表情。ベトナムのトランさんは大学の用事で、(英語
で)博士論文の執筆に忙しいチオンさんは香港のドラゴンボート競漕に漕ぎ手として参加す
るのでレッスンは休み。ドラゴンボート競漕は今では世界各地で「ボート競技」として普及し
ているらしい。

メトロバンクーバーの夏はいろんな「フェスティバル」が目白押し。全部数えたら70や80で
きかないかもしれないな。偶然かどうか知らないけど、この週末はバンクーバーでもフォル
スクリークで恒例のドラゴンボート競漕があって、参加チームは200組を超えるとか。恒例
の国際ジャズフェスティバルも始まるし、ビーチに舞台を設えてシェークスピア作品を上演
する「Bard on the Beach」も、スタンレー公演の野外劇場のミュージカルも、プライドパレー
ドも、イングリッシュベイの花火大会も、みんな恒例の夏のイベント。音楽や芸術やスポーツ
のイベントも市内のあちこちであるし、大道芸人やフードカート(食べ物の屋台)のフェスティ
バルなんてのもある。

移民の国だから、「カナダ」を構成する多様な民族のお祭りもあって、もちろん日系人にも
「パウェルストリートフェスティバル」がある。パウェルストリートは戦前日本人町があったと
ころで、その一帯も今では貧民街のようになってしまっているけど、ホームレスがたむろす
るオッペンハイマー公園はこのときだけ和太鼓や日本のメロディが聞こえ、醤油の焦げる匂
いがして、「縁日」のような感じになる。民族的なフェスティバルは何と言っても「民族料理」
の試食が一番のアトラクション。ギリシャ系のお祭りでスヴラキを頬張り、インド系のお祭り
でサモサを頬張り、日系のお祭りで焼き鳥を頬張り、フランス語系のお祭りでプティーンを
頬張り、と世界の食べ物を楽しめるのがバンクーバーの夏というところかな。

秋になればなったで、やっぱりいろんな文化イベントが目白押し。バンクーバーは「no fun
(つまんない)」とこぼす輩がいるけど、こうして見ると、すごい数のお祭りが押せ押せじゃな
いの。バンクーバーの夏は短くて、10月の声を聞くか聞かないかのうちにうんざりするくら
い長い雨の季節が来てしまう。楽しむのはせいぜい今のうち・・・。

招待されてロックミュージカル『ゴッドスペル』に

2015年06月18日 | 日々の風の吹くまま
久々に雨の予報。ちょっと気温も下がったみたいで、タイマーでエアコンが始動して寒くなっ
て来たのでオフ。バンクーバーあたりではもう2週間以上雨が降っていなくて、早くも夏の水
不足を心配して、芝生の散水制限の時期を延ばそうという話もある。大丈夫かなあ。

カレシが英語教室から帰って来るまで、大きなゴミ袋を手に家中を回って、市のゴミ捨て場
に持って行くしかないものをまとめる作業。おもちゃの類やひっくるめてknickknackと言う
装飾小物は潔く断捨離だな。この年でピカチューのぬいぐるみも何もないもの。大きいのは
ヴァルの孫娘にあげることにして、後はぜんぶごみ袋行き。よくもまあごちゃごちゃあるもん
だと感心するけど、あることさえ忘れていたものはみんなゴミ袋にポイッ。どこで買ったのか
覚えてもいない日本みやげのあれこれもポイッ。そもそも断捨離ってそういう過去のものと
訣別することなんじゃない?

早めの夕食をして、今日はArts Clubの「レガシーサークル」の感謝レセプション。遺言で
Arts Clubに遺産の一部を残す寄贈者のグループで、去年発足したばかりなのでメンバー
の数はまだ少ない。私たちも後に残った方が全財産をArts Clubに残すことにしていて、引
越し大作戦が終わったら、中断している遺言状作成にかかるつもりでいる。どれだけ残せる
かわからないけど、預貯金等の金目のものは未来の世代の演劇人が相続人というわけ。
レセプションの後は今日がプレビュー初日のロックミュージカル『Godspell』(「ゴッドスペル」)
に招待。指定の座席には過去にArts Clubが制作依頼して成功した6作品を納めたアンソ
ロジーがきれいな袋に入って置かれていた。うれしい!

作品そのものは1970年代初頭に作られたもので、聖マタイの福音書のたとえ話がストー
リーで、ジーザス(イエス)役は女性が演じている。アガペーを説いたイエスは人間を超越し
た神さまの子なので、「ジェンダー」の(その意味では人種も)区別がない中立的な存在であ
る方が相応しいと思うから、ワタシとしては男優でも女優でもどっちでもいい。Arts Club版
は衣装とヘアが今どきの「都会のアクティビスト」的なので、見ていてまったく違和感がない
からすごい。(だって、イエスキリストも2千年前のアクティビストだもの。)ああ、楽しかった。
引越し準備で何かとストレスになっているから、こういう息抜きは天の恵みの雨のようなも
のと言うべきだね。

夢のマイホームにも高密度化の波?

2015年06月17日 | 日々の風の吹くまま
きのうはバリバリと仕事。今日も退屈な内容だけど微妙にめんどくさい仕事と午後いっぱい
格闘。やれやれ、どうしてこういうときに限って「仕事モード」になっちゃうんだろう。仕事を減
らすと互いにコスト高になるから、月ごとの請求の代わりに「run a tab(つけ)」でやろうと提
案したのに。リスクを負うのは取り決めた額を超えるまで請求しないワタシの方なんだけど、
早く「しきい」に達するようにもっと仕事を送ってあげなきゃ~なんて思っているんじゃないだ
ろうなあ。少しのんびりしようという思惑が外れたのかな・・・。

中国が元の国外持ち出し規制を緩和することにしたそうで、そうでなくても過熱どころじゃな
いバンクーバーの住宅市場がさらに燃え上がると懸念されている。そろそろバブルが弾け
ると言われ続けて10年以上になるけど、メトロバンクーバーの戸建ての平均価格は5月も
前年比16%上がって、1億4千万円。バンクーバーのウェストサイドでは価格帯の真ん中
がさくっと2億8千万円だそうで、いったいどんな人が買うんだろうな。市内に建てられる戸
建てはとうに建て切ってしまっている上に、その戸建てが市の高密度化政策のおかげで減
る一方だから値上がりが止まらないんだと思うけど。

家の明け渡しまであと2ヵ月。若夫婦が建てる「夢の家」も完成した瞬間に2億円くらいの市
場価値がつくんだろうな。いや、建築条例が変わって25%も広い家を建てられるようになっ
ているし、裏のガレージの上に賃貸用のレーンウェイハウス(市が賃貸戸数を増やす目的
で推奨中)も建てられるから、2億5千万円は行くかも知れない。いくら低金利でもローンの
返済は気が遠くなりそうな額だろうけど、ベースメントにも貸室を作れば家賃収入で大半を
賄える。それでも、地下鉄沿線再開発の対象地域が第3期では道路の向かい側まで拡大
されたから、せっかくの夢の家もやがては高密度化の波に飲み込まれる運命にあるかもし
れないな。5年先と言うことはまあないにしても、10年先か、15年先か・・・。

ワタシが来た40年前はおっとりして垢抜けなかったバンクーバーも、今やロンドンやニュー
ヨークのような都市と肩を並べたつもりなのか、ちゃらちゃらとセレブ気取りで、不相応にプ
ライドの高い若い女のような感じがする。ま、40年前のあの垢抜けなさが残っているニュー
ウェストミンスターの市民になっておっとり暮らせる日ももうすぐ・・・。

歌だけのミュージカルはオペラ?

2015年06月15日 | 日々の風の吹くまま
今日は起きて、朝ごはんを食べて、まずは仕事2つ。仕事量を減らしやすいように、一定額
になったら請求処理をするトリガー制にしてもらったけど、なぜかコーディネータさん3人が
てんでに仕事を送って来るから困ったもんだ。ま、小さいからいいか~とのんきに引き受け
るワタシもワタシなんだけど、仕事癖は一朝一夕では治らないもんで・・・。

仕事が終わったらもう夕食の時間。今夜は2年ごとに開かれるカナダのミュージカル育成イ
ベント「InTune」の一環としてArts Clubの新作ミュージカル『Onegin』の読み合わせがある
ので、オリンピックヴィレッジ駅で降りて、フォルスクリークの遊歩道を歩いて行くつもりでい
たら、ディーゼル油の流出騒ぎで遊歩道が一時閉鎖になったと言うニュース。マリーナに係
留していたヨットやボートが油を流したのかな。遊歩道沿いのタウンハウスの住人に窓を開
けないように言っているらしい。遊歩道は閉鎖解除になったようだけど、結局カレシに近いと
ころまで送ってもらった。グランヴィルアイランドに入る道を歩いていたら、水が何だかいつ
もよりずっときれいな感じ・・・。

『Onegin』は新劇場で上演するためにArts Clubが制作依頼した、プーシキンの原作とチャ
イコフスキーのオペラを翻案したミュージカルで、資金集めのときに20万円ぐらい寄付した
せいか、何か自分の子供のような気がして進捗が気になっていた。読み合わせ(というより
は、普通のミュージカルと違って全編をせりふなしの歌だけで通しているから「歌い合わせ」)
は2度目。前回は第1幕が中心だったけど、今回は第2幕。制作途中だから確定キャストで
はないけど、オネーギンをバリトンで歌った役者がなかなかはまっていたな。遊びすぎて、
暇すぎてと拗ねているようなニヒルな表情が、かって冷酷に振ったタチアナへの想いが燃え
上がったとたんに恋に悶える男の鬼気迫る表情になるからすごい。

まだ衣装も舞台装置もない譜面台だけの歌い合わせは40分ほどで終わって、Arts Club
が依頼した作品を集めた本をロビーで見つけて買って、最近のブロードウェイにかかる華や
かなミュージカルと比べたら(今風の)娯楽性に乏しい気もするけど、オペラにありがちな肩
肘を張った感じはない。何よりもカナダのミュージカルを創作、作曲、上演する地元産の人
材が育っているのは「パトロン」としてうれしいかぎり。このオペラ風ミュージカル『Onegin』
の初演は来年3月。成功するといいなあ・・・。