リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

ハロウィーンの夜に

2013年10月31日 | 日々の風の吹くまま
今夜はハロウィーン。雨降りでなくて残念だけど、カレシの英語教室の夜で良かったかも。
だって、外でバンバン花火が上がったり、爆竹が鳴ったりするたびに、例の「イラッチオーラ」
丸出しで出たり入ったりするから、ワタシはイライラ。まあ、年に一度の行事でも、昔と違っ
て性格の悪い連中が悪さをするご時世なので、ストレスや不安を感じる人たちが増えてい
るのも確か。おまけにインド人のディワリの時期と重なるもので、公園など以外での花火や
爆竹の使用を禁止しようとしても、「差別」だと騒がれるから難しい。

何だかほんとにストレスが充満した不寛容の世の中になったという感じがするな。今週の
Maclean’s誌にはアメリカの「怒れる白人男性」が政治家や異教・異人種を怒髪天を衝く勢
いで罵倒している写真が載っていたし、ロイターズには来年欧州議会の選挙があるヨーロッ
パ各国でナショナリズムと排外感情が高まっているという記事があったし、カナダでも、公務
員の宗教シンボル着用を禁じるケベック州の「価値観憲章」に関する世論調査では意外に
ケベック州外で賛同者が多かったし、日本でもxenophobiaが台頭しつつあるようだし、こ
れじゃあ、亡霊も餓鬼も、いや悪魔さえも怖くて出て来られないかも。

前世紀後半に推進された様々な差別撤廃の努力に対してM9級の揺り戻しが来ているとい
うことかな。技術革新が性急な社会変革を地球規模で加速して、もうついて行けないと感じ
る人たちが増えつつあるんだろう。先進国の頭でっかちたちが世界を変えられるのは自分
たちだと、(彼らが描く)理想世界の実現を急ぎ過ぎたのかもしれない。いくらそれが正義で
あっても、人間はスマホのアプリじゃないんだから、人格の基礎となる価値観はひと晩では
変わらない。それで、頭でっかちたちは世界が思うように変わらないとイラッチオーラをぷん
ぷん、彼らに価値観を根底から変えろと強迫されている(と感じる)方もイラッチオーラぷん
ぷんで「そっちが変われ」。

不寛容と報復が人間の性であるなら、崩壊する前のローマ帝国の世界もこんなもんだった
かもしれないな。いや、この地球上に栄えたどの帝国も末期の社会はこんな風にストレスだ
らけだったのかもしれない。近いところでは、大戦前夜の世界もこんなもんだったのかもし
れない。ほんとに、Quo vadis homo sapiens(人類よ、どこへ行く)?

2枚の濡れ落ち葉

2013年10月30日 | 日々の風の吹くまま
やっと歯を治してもらえることになったカレシ、「地下鉄で行く」。新しい歯科は地下鉄駅の道
路向かいのビルだから、うまく行けばシニア割引の切符1枚(約180円)で往復できるかも
しれない。「切符を買うのは簡単なんだろ?」 うん、券売機のスクリーンの「Concession」の
「1ゾーン」をタッチして、後は料金分のコインを入れると、切符が出て来るけど。そっかあ、
一緒のときはいつもワタシが切符を買うから、自分でやったことがないんだ・・・。じゃまっけ
な小銭を処分するからと、5セントや10セントの硬貨をポケットいっぱいにじゃらじゃらと入
れて、けっこう機嫌よく出かけて行った。

しばし、静かな家の中で耳を澄ましていると、何だかゆるゆると凝りが解れる気分になって
来る。仕事のない日が続くと何となくストレスになって来るのは、やっぱりカレシの存在、と
いうよりはカレシがストレスになると出して来る「イラッチオーラ」なんだろうな。このオーラが
また小町横丁住人の不安神経症に「症状」がよく似ていると思うけど、カレシは元からそう
いう性格らしいから、本質は本人がいくら努力してもおいそれとは変わらない。カレシが変
わろうと努力しているのはワタシにもよくわかるんだけど、がんばりすぎるとストレスになっ
て、重いオーラがよけいに重くなるから逆効果だし・・・。

月末処理をしながらつらつらと考えるに、「65歳定年」を迎えても仕事をすっぱりと止める決
心がつかないのは、ワタシにとって仕事は生業であると同時に精神的な避難場所になって
いたからなのかな。まあ、長いこと仕事に依存していたから、少しでも離れるとそわそわと
落ち着かない状態にもなるし、カレシのイラッチオーラに必要以上に敏感になるのかもしれ
ない。それでも、「何となく」ストレスになる程度でやり過ごせるようになったようだから、打ち
込める趣味や家の外での社交といった「やり過ごし」のテクニックを磨いておけば大丈夫そ
うかな。だって、濡れ落ち葉2枚、ときどきは剥がさないと両方とも腐っちゃうもの。

ということで、カレシが「オレの好みじゃない」と渋るのでどうしようかと思案していた再来週
のミュージカル『メリー・ポピンズ』のオープニングナイトのレセプションと公演にひとりで行く
ことにした。レセプション会場の画廊で展示中の絵に興味をあって、近くでじっくり見たいし
ね。歯が治って機嫌よく帰って来たカレシに報告したら、「じゃあ、チャクシーシャービスして
あげる」と、まだ麻酔が残っている口でもぐもぐ・・・。

☆不寛容の時代

2013年10月29日 | 日々の風の吹くまま
10月28日。日本の社会を席巻しているらしい「土下座ブーム」について取り上げたNHK番組があったそうなので探したら、中国経由でアップロードされたらしいビデオがあった。バッファに躓いては中断するので、最初の数分だけ見たけど、土下座シーンよりも、ドラマの主人公の男が「やられたら、やり返す。倍返しだ!」と言い放つ憎々しげな顔の方が印象的だった。不正に立ち向かう男ということだから、悪役ではなくてヒーローなんだろうな。(たぶん番組宣伝のシーンだから)ある程度誇張されているとしても、人間性を感じさせない冷酷な目つきのクローズアップには思わず背筋が寒くなった。いくら正義の味方のヒーローであっても友達にもボーイフレンドにも結婚相手にもご免だなあ。怖いモラハラをして来そうだもん。

他にましなビデオがないので、放送内容のコピーをFBで見つけて、読んでみたけど、「時事芸人」とか言う人の「公開処刑だから、みんなあんなに集まって・・・」という件にまたぞくっ。でも、不快な表現だけど、言い得て妙かもしれない。「日本人が心のゆとりを失って不寛容になり、相手を土下座させるまで追い込む風潮が広がっている」という状況なんだそうだけど、要するに、本来はする方が自発的に心底からのお詫びを表すものだったものが、メディア報道にたびたび登場しているうちに、相手に全面的な屈服や服従を強要する、いわば懲罰的なものに変移したらしい。心のゆとりを失って「vindictiveness」、つまり人を痛めつけてやりたいという悪意に満ちた報復願望」というニュアンスの強い処罰感情が社会風土の深くでふつふつと発酵しているということかな。

不寛容(intolerance)は別に日本人の専売特許じゃないけど、閉鎖的なムラ社会の特徴ではある。(番組のゲストによると)景気の停滞や大きな天災、人災が続いて、不安と恐怖が強くなったからこそ、みんなでまとまりたい、ひとつになる過程で異物や異端を探して、排斥したいという気持が強くなって来ているそうな。「集団からはみ出た人に対しては容赦なく攻撃を加え、排斥したくなる」と言うのも、ワタシの経験から言えば今に始まったことじゃないけど、「はみ出る人がいなければ作ってしまう」社会は怖い。要するに、出る杭を徹底的に叩いて積もった鬱憤を晴らし、勝ったと感じることで「不安と恐怖」を宥めようということだろうな。ワタシが冗談に日本人は一億総不安神経症だと評したのはいつだったかな。そういうのが「主流」になりつつあるとしたら、みんなが生き難くなるだけだろうに。

二十一世紀は「復讐の世紀」になるのかと思ったけど、「不寛容の世紀」と言った方がいいくらい、今は「不寛容」が世界の風潮になっている感じがする。まあ、これも今に始まったことじゃなくて、歴史を見れば、人間というのは本質的に不寛容な動物なんじゃないかと思えてくる。不寛容のお手本みたいなのが(ワタシが自由な信仰を持っているせいじゃないけど)組織宗教だと思う。「異教」の排除には暴力も殺戮も辞さない根っからの不寛容な宗教もあるけど、「寛容」を説く宗教でも、それは「建前」で、ひと皮剥けば「本音」の不寛容が見えたりする。同じように、熱心に異質な宗教や文化への「寛容」を説く社会活動家や人権活動家の中にも、自らの理念や哲学に心酔するあまりか、同調しない者、追随しない者に対して驚くほど不寛容で攻撃的になる人たちがいる。

不寛容な人間は相手を自分に合うように変えて支配しようとする。自分を変えることはまずない。というよりも心にゆとりがなくて、変えようにも変えられないのかもしれない。不寛容な人にとって、自分が変わるということは、自分に恐怖や不安を感じさせる「異なるもの」の存在を認めて、受け入れる(寛容になる)ことなんだろうな。これが個人のレベルだったら、寛容性を身につけるかどうかは個人の問題だけど、集団のレベルで自集団の不寛容性を変えることなく、他の集団に寛容を押し付けようとすると、やがて押し付けられた方の堪忍袋の緒が切れる。押し付けられた側が、なぜ不寛容な集団に対して一方的に寛容であることを求められるのか、それは相手集団に対する服従ではないのかと感じ始めたら、集団の振り子は不寛容に振れる。土下座をさせられた人が立ち上がるときに降伏や服従を強要した相手に何倍返しを考えないとは限らない。今、世界のあちこちでそういう現象が起こっているような気がする。

ワタシとしては「自分も生き、他人も生かせ(Live and let live)」ではどうしてダメなんだろうと思うんだけど、支配欲も人間の本質なのかもしれない。でも、自ら努力をして認められることで上に立つ自力本願の快感と、他人を貶めることで相対的に上に立つ他力本願の快感とでは、天と地の差があると思う。前者が達成感なら、後者はただの優越感じゃないかな。自分の足元でひれ伏している人を見下ろして得る快感はどっちなんだろう。ワタシは土下座したことも、させられたことも、させたこともないからわからない。まあ、ますます生きにくくなりそうで、これからをそういう世界で自分の人格を守りながら生きて行かなければならない世代でなくて良かったと思うのは、イジワルかな。

まあ、若い世代にはそういう世界を作ったお前たちの世代が悪いと言われるかもしれないけど、歴史はいつも「今日と明日」だから、昨日を見ていてばかりでは何も解決しない。親の世代よりも恵まれた生活水準や教育水準、驚異的な利便性を享受して育った若い世代なんだから、親世代よりもずっと寛容な世界を作って行けるんじゃないかな。もっとも、私たちの世代も若いときはそう考えていたもんだけど、人間が意図することはどうも逆の結果に振れることが多いような・・・。


次々と問題が起きる人、起きない人

2013年10月29日 | 日々の風の吹くまま
今日もカレシは朝から大むくれ。ゆうべ(いつものように)まだ大丈夫と思っていたトラックの
バッテリが上がっていて、またジャンプスタートかと苛立っていたところへ、電話会社から滞
納を払わなければネットの接続を切るという通知。きのう一件落着したはずなのに何なん
だ!と激怒。(郵便で来た通知の日付は1週間前だけど・・・。)オフィスでガンガンどなって
いるのがキッチンまで聞こえて来るけど、ワタシはどこ吹く風で雑誌を読みながら待つ。(カ
レシのアカウントなんだし・・・。)

しばらくして、「クレジットカードがヘンだ。2度目で通った。間違いなく情報を読み上げたの
に」。(もしかして読み間違い・・・?)「電話会社?VISA?どっちの問題なんだ?」ワタシ、知
りませぇん。(アナタだという可能性もあるし・・・。)やっと朝食。ニュースを見ると、議会は今
日もまた上院の経費不正請求問題で大荒れ。「海坊主の顔はもう見飽きた!」 同感。(不
正が発覚して何ヵ月にもなるのに、上院議員の身分を無給で停止されそうになってからの
釈明資料の、それもちょびちょびと小出しの後出しがすごい。なぜ最初に言わなかったのか
不可解だけど、ま、海坊主には何か企みがありそう。)

朝食後、トラックをジャンプスタートしているときに隣のパットが現れたらしく、アイドリングさ
せながらご隠居さん同士の長話。パットが遠出するついでにトラックを走らせて充電して来
てくれるというので、「トラックがなくなってても慌てるな」と、カレシ。はい、はい。(うちは「ア
ナタ、あたふた。ワタシ、ゆうぜん」なんだけど・・・。)トラックもネットも問題が解決して機嫌
を直したカレシは、どこかで60歳以上はガンガン運動しなくても、日常的に体を動かしてい
るだけで十分に健康維持できるという研究発表があったとかで、雨が来る前にと庭仕事。そ
れはいいことだと思っていたら、しばらくして「背中の筋肉が攣った。イテテ」。ええっと、電気
カイロ、あるけど(使えと言うと使わないから、言わない)・・・。

世の中にはやたらに次々と問題に遭遇する人がいる。でも、実際は日常の問題なんて誰に
でも同じように次々と起こっていて、そのたびに怒ったり、騒いだり、パニックになったりする
人は目立つから「運」が悪いように見え、粛々と問題に対処している人は毎日が平穏なよう
に見えるというあたりが違うだけなんじゃないかなあ。

デジタル時代の夫婦げんか

2013年10月28日 | 日々の風の吹くまま
目が覚めたら午後1時。カレシはいろんな店でワタシがいなくなって探し回った夢を見てい
たんだそうな。へえ、ワタシは昔いなくなったカレシを探し回る夢を繰り返し見たけどな。季
節の変わり目のせいか、ここのところ何となく疲れっぽいような、ストレスっぽいような。来週
からは時計の針を1時間戻してわずか4ヵ月間の「標準時間」に復帰。ちょっと元気をつけ
ておかないと・・・。

カレシは歯医者から1週間も連絡がないと大むくれ。でも、電話したら、何度かけてもファク
スの受信音が聞こえて、メッセージを残せなかった、と。ええ?ためしに携帯からかけたら、
ほんとに「ピィィィ」。はて、ファクスなんかとっくの昔にお払い箱にしたんだけど。数回かけた
ら正常?に戻った(らしい)けど、今度はボイスメールに替わるまで6回鳴らすのは長すぎる、
4回にしろ、と。昔のことだから手順を覚えていないと言ったら、電話会社のサイトを調べだ
して、そのうち自分のインターネットのアカウントが3ヵ月滞納になっているのを見つけて、カ
レシ火山はプチ噴火。「すぐに電話する!番号を教えろ!」

カレシのアカウントも電話回線も料金はクレジットカードから自動的に引き落とされるように
設定してあったのが、設定はそのままで、カードにも問題ないのに、なぜか処理がストップ。
ここ3ヵ月ほどE請求書が来るたびにワタシ名義の電話だけ手動で払っていた。ヘルプデ
スクの説明によると、料金体系の変更で電話料金とインターネットの料金を分離したところ、
引き落としの処理が滞ってしまったとのこと。滞納の利子はキャンセルするということでカレ
シが納得して、これは一件落着・・・。

次はボイスメール。メニューにはそれらしいのがないので、まだ少し活火山のカレシがまた
ヘルプデスクに電話。朗らかなお兄ちゃんが説明してくれた手順は昔のとまったく違ってい
た。簡単なのに、3回トライしてやっとピィィィもなく、4回鳴ってボイスメールにスイッチ。や
れやれ、イラッチのカレシとけんかしながら、これだけで午後がおしまい。年のせいかもしれ
ないけど、デジタル時代の障害対応はかなりのストレス。イライラしてけんかを始めて、や
がて破綻してしまう夫婦が出て来ないといいけど、あり得ないとは言えないような・・・。

☆国家機密の保護と民主主義

2013年10月27日 | 日々の風の吹くまま
10月26日。ジャパンタイムズに載っていた「特定秘密保護法」に反対する社説を読んで、FBに友達が貼っていた日本の女性活動団体へのリンクを辿って日弁連の反対弁論も読んで、やっと初めてこの法律の内容が少しわかって来た。なるほど、アメリカ(オバマ君?)が「一緒に遊びたかったら、ちゃんと秘密を守れよ」と言うもので、アベ君が「はい、そうします」と腕まくりをしたわけか。でも、これはあんがい表向きの「建前」で、アメリカをダシにして、実は国内での情報統制を図ろうとしているんじゃないかと思うだけど、どうなんだろうな。

最近国家機密が漏れっぱなしで赤っ恥のかき通しアメリカが他国に秘密を守れと要求するのは皮肉だけど、The Economist誌によると、日本政府の秘密保持体制があまりにもお粗末なもので、アメリカも他の友好国も日本には何も知らせないことが多いんだそうな。でも、いくら日本で秘密を守るための法律を作っても、アメリカ経由で漏れたらどうしようもない。せいぜいアベ君が「遺憾である!」と声明を出すくらいかな。もっとも、敵から国を守るためには秘密は必要なものだし、外交では国際交渉の武器にもなるものだから、法律で守られて当然の必要悪だと思う。アベ君の秘密保護法が問題なのは、(公務員も含めて)日本国民が「国民の不安をあおり、公共の秩序を害する」ような情報を他の日本国民に知らせないようにすることにまで範囲を広げているという点ではないかと思う。

だとしたら、日本国民はうまくしてやられたということになるけど、原発ほどには反対運動が盛り上がっていないように見えるのはどうしてかな。取材の自由を制限されるかもしれない新聞に反対運動の報道がほとんどないのはどうしてかな。アメリカに押し付けられたと思うんだったら、反米デモのひとつやふたつ起きても良さそうなもんだけど、それも聞かないな。どうしてかな。もしかして、アメリカにはムカつくけど、韓国や中国から日本の国益を守るのに必要だから、とりあえず目をつぶろうということなんだったら何をかいわんやだけど、排外思想はけっこう選択的なもんだから・・・。

まあ、平和憲法と同じようにアメリカの押し付けで作らされた法律と印象付けておけば、不都合が起きても「アメリカに作らされたんだもん」と口をとんがらせればいいわけで、アベ君にとっては好都合だろうな。(それにしても、アメリカって国はほんとに「都合のいい女」みたいなお人よしだな。)アベ君は反対する連立パートナーを宥めるために「国民の知る権利の保障に資する報道または取材の自由に十分に配慮しなければならない」という一文を入れたそうだけど、「十分に配慮」って、どれだけ配慮すれば十分なんだろうね。「十分に配慮したけど、やっぱり秘密にしとくことにしたよ」となるのかな。

どの国も諜報機関や盗聴機関があるし、国家存立の根底に関わる機密を保護する法律が普通にある。カナダにもCSIS、CSECといった機関と、Security of Information Act(情報保護法)という法律があって、ワタシもその旧法(Official Secrets Act)の下で宣誓して警察機関に勤めた関係で、生涯この法律が適用される。採用のときには指紋を登録させられて、徹底した身元調査をされた。カナダ大使館から警察庁を通じて日本の家族も調査されたはずで、機密取り扱いのクリアランスが出るまでの4ヵ月近くは採用されたポジションの業務とは無関係の受付と電話交換をやらされていた。もっとも、ワタシが勤務していたのは(スパイがやるような盗聴や隠密捜査はやっていたけど)諜報機関じゃないから、国の存立に関わるような秘密には縁がなかったけど。

政府による過剰な秘密保護を抑制するために、カナダには30年前からAccess to Information Act(情報アクセス法)という法律があって、これを補完する形でPrivacy Act(プライバシー法)というのがある。前者はメディアが政府が持っている情報を請求するのに活用している。政府はこれはダメという部分を塗り潰すことができるけど、メディアは開示された資料があまりにも真っ黒だと政府は何を隠しているんだと書き立てるし、議会では野党が追及して来るから、なぜ隠しているのか釈明するはめになる。(それでもしょっちゅう真っ黒に塗りつぶした莫大な資料を出して来るらしいけど。)後者の法律では、個人が政府が持っている自分に関する情報を請求することができる。政府が四の五の言って拒否したら、Privacy Commissioner(プライバシー保護官)に訴えればいい。

これだけの法律があっても、カナダ市民の知る権利を守る上では完璧にはほど遠い。まあ、完璧な制度などないし、少なくとも「チェック・アンド・バランス」としてある程度機能していると思う。日本のアベ君は何が何でも秘密保護法を押し通すつもりらしいから、秘密保護の行き過ぎや濫用を牽制できる法律の制定を要求する運動を起こすのが次善の策じゃないのかな。でなければ、次の総選挙で別の政府を選んで、国民のためにならない法律は改正させるか、廃止させるかすればいい。それが民主主義というもので、日本だって民主主義の国なんだから、日本国民ががんばって守らないとね。放っておくと、韓国や中国、ロシア、テロリストetc.(ついでにアメリカとヨーロッパ)の脅威から日本を守り、日本国民の不安を取り除くためだと言って特別警察を作り、政治秩序を維持するためだと言って大政翼賛会を作るなんてことにならないという保証はないでしょうが。


節税になると言ってたのに

2013年10月27日 | 日々の風の吹くまま
なぜかお金があり過ぎて税金がタイヘンだと騒いでいる夢を見ていたみたい。税金を払う
のはいつでもタイヘンだけど、お金があり過ぎって?「お金で幸せを買うことはできないが、
今ある幸せを2倍にすることはできる」と誰が言ったけど、幸せを倍にするのにだってずい
ぶん長い時間がかかったんだし。

個人年金積立口座を年金基金に切り替える手続きを調べていたら、取り崩す率が決まって
いるらしい。払い込んだときに所得控除の恩典を受けたんだから、引き出すときにそれなり
の税金を払ってくれということなのはわかるけど、引退したら所得が減って、税率区分も下
がるから「お得ですよ~」と囁いたのは誰なんだ?馬車馬みたいに働いて得た所得を最高
税率で持って行かれて、さらに連邦と州の両方から過分の付加税を取られて、しまいには
連邦付加税の付加税までふんだくられた挙句に、いざ老後になっても節税した以上の税金
を取られるかもって、ちょっと話が違うみたいだけど・・・?

ワタシが払った所得税の最高記録は約460万円。そのうちの40万円は3つの付加税の合
計だった。毎日10時間も仕事をして、さらに何時間も家事に追われての結果だったから、さ
すがにムカついた。それでも、個人年金に払い込める額も比例して増えたから、豊かな老
後を想像して、いいかなと思っていたのに、騙されたような気分になる。今、2人がもらう年
金は5つで、月に(一部源泉徴収があって)46万円。来年カレシの、6年後にワタシの個人
年金が加わると、インフレ調整による増額がなくても年間ざっと900万円。そうなってからも
仕事を続けたら、税金のために働くようなもんだね。

それにしてもどうしてこうなったのか、不思議な気がする。結婚してからずっと共働きの収入
をまとめて管理して来たのはワタシ。昔はまめに家計簿をつけていたし、住宅ローンの返済
計画もしっかり立てて実行したけど、新築した後は収支予測だけになって、フリーランス稼
業になったら銀行口座の残高がマイナスでなければ良しとするどんぶり勘定になってしまっ
た。でもまあ、お金は少しでも余分にあるに越したことはないから、文句は言わないけど、
税金に関してはやっぱり言っちゃうかなあ。お金持だって言ってるんだし・・・。

5つ違いはちょい年の差だって

2013年10月26日 | 日々の風の吹くまま
土曜日なのか日曜日なのか、ちょっとわからなくなって来たけど、起きてから今日は何をし
ようかなあと考える日が続くのはいいな。いわゆる「65歳定年」を迎えてからちょうど半年。
仕事を減らした初めのうちは仕事と遊びの切り替えが何となくぎくしゃくとして困ったけど、
やっと仕事は「あればやる」という体制で落ち着いて来た感じがするな。

目が覚めても別に急いで起きる理由もないし・・・と、しばらく隣ですやすやと眠っているカレ
シの顔をじ~っと眺めてみた。切手蒐集が縁で手紙を交換し始めたのが1969年の3月。
ワタシ、21歳。カレシ、26歳の大学生。あれから数えて44年半。初めて顔を合わせたの
が1973年の夏だから、もう40年を過ぎた。一緒に暮らし始めた1975年の5月から数える
と38年。そんなに長いこと、この寝顔を見て来たんだなあ。別れるの何のと言う大げんかを
していたときも、ひとつのベッドで(お互いに頑なに背を向けて)寝ていたんだよね。どうりで
2人とも年を取って見えるはずだなあ。

ワタシとカレシは年の差5歳。普通かなと思っていたら、今どきは「ちょい年の差」ということ
になるらしい。まあ、カレシが小学生の頃、ワタシはまだ幼児。高校生のカレシが女の子と
付き合い始めた頃、ワタシはやっと中学生。子供の頃の話になると、年令の差に当時の日
本とカナダの生活水準の差が加わって、何となく「年の差婚」みたいな会話になる。でも、年
の差感はワタシが成人したあたりからどんどん縮まって、カナダに来て同じ時空間で生活
史を共有するようになってからは、もう感じなくなったな。もっとも、周りの観察によると「見か
けの年の差」が開いて来ているらしいけど。

こうやってカレシの寝顔を見ているうちに、一緒の年月があとどれだけ残っているのかなあ
という思いが過ぎる。もしもワタシが先に逝ったら、不器用で、忘れっぽくて、臨機応変と人
づき合いが苦手なカレシはひとりでもちゃんとやって行けるのかな。すぐに「後任」を探すか
もしれないな。もしもカレシの方が先に逝ったら、ワタシはどうするかなあ。あんがい、自由
で気楽なおひとり様暮らしを楽しんじゃったりして(ウフフ)。さあ、おなかが空いたから、カレ
シの鼻先をちょんちょんと突っついて、おじいさんったら、そろそろ起きてよっ。

おしゃべりのDNA

2013年10月25日 | 日々の風の吹くまま
おお、曇っている。雨が近いのか・・・と思って、タブレットの天気予報アプリを見たら、雨
は来週のハロウィン(31日)までお預け。まあ、最近のハロウィンはアホなお子ちゃま
オトナたちに乗っ取られて、もう子供たちの年中行事ではなくなっているから、雨でも関
係ないか。(キリスト教の行事は長く他の宗教や民族を抑圧して来た「傲慢な」な宗教
の行事だから学校でやるな、代わりにムスリムや少数民族の行事を全員参加でやらせ
ろと要求したりするマゾっぽい「活動家」も多くて、何だかなあと思うけど・・・。)

編集画面を見たら、この新ブログは開設88日だそうな。相変わらずごちゃごちゃと書い
ていると我ながら感心する。でも、簡潔に短く、年令相応の日本語で、という当初の狙
い通りに行っているかというと、どうもそうは行っていない。じわじわと長くなって来てい
るし、相変わらず絶望的なくらいに大人の日本語にはほど遠い文章。頭の中に浮かぶ
ままの日本語で書いているわけだけど、どうしても未熟な20代の日本語そのもので、
どうして「65歳の女性」に相応しい大人の文章が書けないんだろうなあ。

長くなるのは、やっぱり元々口数が多いからだろうな。子供のときから家族の中で一番
のおしゃべりだったような気がする。夕食前のリビングで、父の傍に陣取ってはぺちゃく
ちゃと話しかけていた。寡黙だった父は新聞を読みながら「ほお、うん、ふむふむ」。そ
れでもすごい存在感があって、聞いてくれていると感じていたからか、ワタシはおかま
いなしに話しかけていた。ときどき、テレビを見ていた妹から「うるさいよ~」と苦情が出
たっけ。妹は父に似て寡黙なタイプだけど、もしかしたらワタシが「おしゃべりDNA」を
独占してしまったのかもしれないな。だったら、妹よ、ごめん。

あれやこれやをだらだらと論じていた長ったらしい旧ブログの方は、更新が激減したの
になぜか未だにかなりのアクセスがあるからびっくり。新ブログで書ききれないことを書
くつもりだったから、このまま二本立て行ったほうがいいのかな。いつも頭の中には考
えていることがたくさんあって、話したいストーリーがたくさんあって、言いたいことや書
きたいことがたくさんあるのがワタシなのは自分でよくわかっているんだけど、悩むとこ
ろだなあ。前世のワタシ、いったい何だったんだろう・・・?

今夜も世界は五里霧中

2013年10月24日 | 日々の風の吹くまま
目覚まし起きのいつもの木曜日。秋晴れ。いつものように朝食をしながら昼のニュース
を見ていたら、キャスターが「雨、どうしたんですか?」とお天気おばさんに聞いていた。
ほんと、夜にはかなりの霧がかかるのに、さっぱり雨が降らない。夜霧のバンクーバー
はちょっとした風情があってすてきだけどね。そうだ、新婚の頃に住んでいたアパート
は15階だったから、ふわふわした霧にすっぽり包まれてロマンチックだったなあ・・・。

ゆうべ、バンクーバー市内の交差点にトラックが積荷をぶちまけて、後始末にひと晩か
かったとか。交通量の多いところで、ぶちまけた積荷というのが何とサケの頭。テレビ
の画面には、恨めしそうな目でぱかっと口を開けた大きなサケの頭が数百個もごろご
ろしている画像。どこの誰が何のためにサケの頭だけをこんなに大量に運んでいたん
だろう。市の清掃部が緊急出動して頭をかき集めて、道路を洗ったけど、朝になっても
生臭さが漂っていたという話。トラックの運転手はどうしてそのまま逃走したんだろう。
まさか、密漁したサケの頭じゃないだろうなあ・・・。

「海外ニュース」では、今度はドイツがアメリカがメルケルの携帯を盗み聞きしていたと
騒いでいる。でも、「盗み聞き」なんてのは、人間が言葉を話すようになってからというも
の、洋の東西を問わずどこでもやって来たことで、スパイはたぶん世界で娼婦に次いで
古い職業じゃないのかな。ま、アメリカは迫害を逃れて来た清教徒が持って来たパラノ
イアが変わってないし、そのパラノイアが世界に伝染しつつあるのかもしれない。うん、
みんなアメリカが悪いのよ、郵便ポストが赤いのも(アメリカのは青いけど)。それにして
も、おしゃべりなシャチの群れが最近ヘンに無口になっているけど、はて・・・?

日本では秘密保護法なるものができるらしい。報道の自由がどうたらって、日本の報道
の自由度がどれほど低いか、知っているのかな。新聞記事がそっけないのは「公表さ
れた」情報をコピーしただけだからじゃないの?国民の知る権利が侵害されるって、見
回せば政府も企業も猫も杓子も偽装、虚偽、水増し・水割りの嘘八百で、どこまで知る
権利が尊重されて来たのかも疑問だけど、ま、そこは日本の内政問題。お膝元カナダ
も今誰が何をどこまで知っていたのかで連邦議会が騒然。どこでも人間のやることは
霧の中と言う感じで、みんなイラッチになるのもわかるような気がする。でも、指弾と仕
返しの応酬では何も解決されないことは、歴史が立証していると思うんだけど。


寄付もボランティアのうちだから

2013年10月23日 | 日々の風の吹くまま
7月には一滴も雨が降らなくて、9月は観測史上3番目の雨降り月で、10月はどうやら
記録的に雨の少ない月になるらしい。普通なら10月は雨期の始まり。ワタシが来た年
の10月は毎日のように雨が降って、とんでもないところに来たもんだと思った記憶があ
るけど、今は「足に水かきが生えている」と言われるバンクーバーっ子になった感じ。ま
あ、38年も住めば雨ばかりでも都になるってことかな。日本はまたまた台風接近中だ
そうで、あちらもおかしな天候だけど、大丈夫かな。

今日は2人とも疲れたような気分で、結局は日がな1日だらだら。それでも、先に小切
手を郵送したArts Clubの「Take a Seat」(座席寄付キャンペーン)のことでパルミーダ
にメール。グランヴィルアイランドの劇場で座席を新装したときに、肘掛に寄付者の名
札をつけるキャンペーンをやったけど、売れ残った席がだいぶある。そこで、まずワタシ
の「分身」に代わって「永遠の劇作家志望」という名札で1席。(名札は10年間維持され
る。)この後、毎月1席か2席ずつ寄付して、「俳優志望」、「演出家志望」と、いろんな
「○○志望」の名札をつけて行って、資金集めの小道具にしてもらおうというのがワタシ
のアイデア。知恵を絞っておもしろい企画を考えてね。

では、と「送信」しようとしたら、パルミーダからメール。来月15日は「ナショナルフィラン
ソロピーデイ」で、コンベンションセンターで慈善活動で活躍した人たちを表彰する昼食
会があって、(非営利団体である)劇団もテーブルを確保したので、来ないかというもの。
カレシが「ただ飯に行かない手はないな」と言うので、さっそく出席の返事。書き終わっ
たメールもコピーして、まとめて送信。それにしても、今回は劇団の招待客として行くわ
けで、中枢との関わりが少しずつ深まって来たということかな。

劇団と劇作家養成プログラムを支援するのは、ワタシに優しかったこの国へのお返し。
ボランティア活動だから、お金のあるうちはお金、完全引退したら時間と労力を寄付す
るつもりでいる。まあ、芸術の支援は金持でなくたってできることだし、社会福祉に寄付
するだけがフィランソロピーではないし、老後プロジェクトは楽しい方がいいから、ぼち
ぼちと仕事をして「お楽しみ資金」を稼ぐかな。

漁夫の利を得るのは誰か

2013年10月22日 | 日々の風の吹くまま
今日は何となく気分が乗らなくて、ブログもネットもすっぽかそうと思っていたのに、つい
小町横丁に足を向けてしまって、いや、びっくりしたのなんのって。「子持ち女性の優遇
で困っています」というもので、5人いる社員が8割程度の力で働いていたのに、そのう
ち2人が子持ちになって5割分しか働かないので、残る3人はその尻拭いで10割分働
かなければならなくなった、と。子供は好きで生んだ趣味みたいなものだから、子供の
都合で休むのは好きなドラマを見たくて休むのと同じレベルだ、と。

ほんとにびっくり。もっとびっくりしたのは、同調する意見がぞろぞろと出ていること。だ
けど、産休、育休、時短勤務は国の制度が与えている権利だからねえ。独身者と同じ
に働けないなら働くなと言っても、働かないと人並みの生活ができない人も大勢いるし
ねえ。まあ、人間は誰にでも働く権利があるんだしね。もちろん、働かないという選択肢
もあるけどね。聞くところによると、若い独身女性の3人に1人が結婚したら専業主婦に
なることを望んでいるそうだから、婿さんたちにど~んと給料を弾めば、子供ができても
無理に働いて独身者に迷惑をかけることはなくなると思うけど、今の世の中、現実はそ
うは行かないらしいから・・・。

これも「他人が得して、自分が損するのは許せない」という不公平感に尽きるんだろう
けど、妬み、僻みが蔓延しているようで怖すぎる。まだハロウィンでもないのに背筋が
ぞくっとした。怖すぎる。だけど、女同士(専業主婦対兼業主婦、子持ち対子なし等々)、
労働者同士(正社員対非正規社員)、国民同士(二項対立が多すぎる)で足の引っ張り
合いをさせておいて得をしているのは、誰だろうね。それは勇ましいかけ声だけかけて
おいて、後は外野席で観戦していればいい企業経営者と政治家。問題を解決するどこ
ろか、悪化するのを黙って見ていても、自分たちには損はないから、その方が好都合。
漁夫の利ってやつかな。

いいのかなあ、不毛なけんかをしていて、と思うけど、(最近増えてきたようだけど)ここ
でも外国の例を挙げた書き込みに対して「日本での話をしているのに外国の話を持ち
出して」と反発している御仁がいたから、外国人が何を言っているのかと言われそうな
ので、shut up・・・。


日常生活は忙しいのが普通

2013年10月21日 | 日々の風の吹くまま
今日の日程のトップは2人の個人年金基金を預けてある証券会社。定期が全部満期
になったワタシの口座は現金残高が預金保険限度の3倍以上なのに、委任状を持って
いるカレシがずっと放置。そこで「ワタシの老後資金がむにゃむにゃ」と念仏を唱えてい
たら、やっと馬の耳に届いたらしい。預金保険限度内に収まるように4つの銀行の定期
に分けて入れてくれた。年金転換は6年先だからと、5年満期。年率2.9%。はて、現
金で放置していた間にどのくらいの利子を損したことやら・・・。

次は、エンジンの形の警告マークが出たエコーの手当。朝食後すぐにワタシがエコー、
カレシがトラックでトヨタの修理工場へ。モニターに点検項目がずらりと並ぶもので、高
くつきそうだなあと思っていたら、担当者氏が「ちょっと調べてみるね」と外の駐車場へ。
小さな機械をケーブルで繋いでエンジンをかけて、画面とにらめっこ。やおら給油口を
開けて、えいっとキャップを回したらガチガチっ。何のことはない、キャップがきっちり閉
まっていなかったので、空気漏れ状態で警告が出たんだそうな。なあ~んだ、また、カ
レシの中途半端か。大笑いしながら、エコーの整備を頼んで、トラックで帰って来た。

夕食後、地下鉄でカレシは2駅先の歯医者、ワタシはダウンタウンのHマートへ。トート
バッグで担いで運べるだけの買い物をして、携帯を見たら1時間経過。カレシからの連
絡がないので、とりあえず切符の有効期限ぎりぎりに電車に乗ってカレシが降りた駅ま
で。ホームに降りたところで、途方にくれた顔のカレシと鉢合わせ。発車間際の電車に
戻ったけど、カレシ曰く「電話しようとしたら携帯が電池切れで、どうやって連絡しようか
と焦ってたんだ」と。まあ、地下鉄はたったの2両編成だから、ホームに立っていればメ
ロドラマのすれ違いの恋人たちにはならないけどね。

カレシの歯は歯冠をかぶせるだけで済みそうだし、エコーも「うっかり」が原因とわかっ
たし、ワタシの老後資金も預金保険に守られて、この先5年間ちゃんと利子がつくので、
めでたし、めでたし。カレシは今日も忙しかったとこぼすけど、日常生活って、ちょっと気
合を入れるとけっこう忙しいのがあたりまえじゃないのかな。(つまり、いつも気を抜い
ていることが多いから、忙しすぎると感じるってことで・・・。)

ついてない日はプチ厄落としの日

2013年10月20日 | 日々の風の吹くまま
今日のカレシはbad hair day(ついていない日)らしく、ワタシがお下がりした古いPC
は「痴呆症」が進んで、言うことを聞かないとカリカリ。新しいのを買えと言ってるのに、
「もうひとつのでやれるから大丈夫」ともう半年・・・。で、しばらく静かだと思ったら、今度
は個人年金口座にログインできないとカリカリ。「アクセスカードなんかオレは持ってな
い!」と言うから、金庫からカレシのデビットカードを出して来て、はい、これ。

金庫から出した箱にごちゃごちゃ入っている封筒の中身を見たら、次の旅行用に取っ
てある使い残しのアメリカドルと日本円。他にポンド札が合計85ポンド、ユーロ札が合
計80ユーロ。イギリスとアイルランドに行ったのは数年前で、再来年の会議はイギリス
のヨークに決まったけど、2人とも不参加に傾いているので、「この次」はなさそうな感じ。
今のレートで換算したらポンドとユーロを合わせてざっと250ドル。(当時はカナダドル
安だったから、すごい為替差損。)現金レートでも200ドル以上になるから、ちょっとす
てきなディナーに行けるな。

夕食後、気持を入れ替えるためか、園芸ルームの本棚に積んであった古い園芸雑誌
を持ち出して来て整理し始めたカレシ。20年前のもあるというからすごい。「庭仕事は
何十年経っても変わらないからね」と、1冊ずつ発行年月日を見ては古いものから順番
に並べ替え。ひと抱えもある雑誌の山を園芸ルームへ戻しに行ったのはいいけど、突
然どさどさどさっ。抱えたまま本棚に入れようとして、全部床に落したらしい。やり直しな
の?「いや、そのまま突っ込んだ」と憮然とした顔のカレシ・・・。

世の中にはなぜか次々と問題に遭遇する人がけっこういる。カレシの場合は「うっかり」
が原因なので、自業自得と言えないこともないけど、そうでなくてもなぜかよく小さな事
故に遭ったり、健康に注意しているにも関わらずよく風邪を引いたり、病気になったりす
る人がいる。どうしてだろうな。まあ、そういう人たちは日頃からそうやってちょこちょこ
と厄を落しているから、あまり重大な事故や病気には遭わないのかな。だとしたら、気
をつけた方がいいのは、いい加減にやっているのにあまり問題らしい問題も、事故や
病気にも出くわさない極楽とんぼのワタシの方・・・?

SNSでのおつきあいは・・・

2013年10月19日 | 日々の風の吹くまま
何だかんだ忙しかった1週間が過ぎて、やっと2人とも「冬眠」モード。正午に起きてテレ
ビをつけたら、エドモントン付近で原油とLNGを積んだ貨車が脱線して爆発炎上、と言
うニュース。事故の発生は午前3時というから、デイヴィッドはまだロッキー山脈のずっ
とこっち側。向こう側のエドモントンに着くのは今日の夜中近くだけど、火災が自然鎮火
するまで待つことになったそうで、乗っている列車が立ち往生しないといいけどね。

完全ぐうたらの今日はぶらりと小町横丁の散歩。ふむ、同じ課の「苦手な」同僚を思うと
ころがあってSNSから削除したら、相手の態度が冷たくなった、という相談。最近の
Maclean’s誌にも、職場の人間関係がSNSによって複雑化したという記事があったな。
つながれば誰でも即「友達」になるSNSのおかげで「同僚」と「友だち」の線引きが曖
昧になって、公私の区別があやふやになっている人たちが洋の東西を問わず増えてい
るということか。でも、どうして職場で毎日顔を合わせて言葉を交わす同僚とSNSでつ
ながらなきゃならないんだろうな。

FBはワタシも持っているけど、「友達」は家族と親しい人たちだけ。「秘密保持」の観点
からも、よく知らない人と簡単に「FB友達」になるのはリスクを伴うような気がするけど、
同僚と友達がごっちゃになっている人は職場のできごとでも気軽にSNSに書き込んで
しまうのかもしれない。最近はSNSに悪ふざけ写真を投稿する輩が増えているそうだ
けど、それと似たような心理かな。人と「つながっている」という安心感と「注目されてい
る」という肯定感を求めているとすれば、ちょっとした行き違いであっさり「友達」を切っ
てしまえる心理もわからないではない。

SNSではなかったけど、ワタシにもそれに近い経験がある。別のアドレスが着信拒否
されていた(らしい)のに気づかず、何が相手の気に障ったのかも思いつかないくらい
のKYなので、送ったメールに遠まわしに拒絶を仄めかす返事が来て初めてあれ?と
思ったんだけど、SNSでは「削除」されたことになるんだろうな。でも、誰かがワタシを
「削除」しても、それはあちらの都合で、ワタシの自己価値が下がるわけじゃないから、
去る者は追わず。それでも、ドアが鼻先でバタン!と閉まったような気分にはなるけど、
まっ、風に煽られたんだろうと思えば怒る気にもならないよね。