リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

暑い夏はふんわりドレスに限る

2018年07月31日 | 日々の風の吹くまま
7月30日(月曜日)。もやっと晴れ。猛暑のピークのはずだったきのうよりも暑いんだけど、
何で?午後3時には33度になって、もう暑すぎ。でも、週末には20度ぐらいまで下がって、
おおっ、雨の予報。リッチモンドの泥炭地の火事が地下に潜って完全消火にあと1週間は
かかるという話で、50度近くにもなる現場で消火活動をしている消防隊にはうれしいニュー
ス。降水確率は60%から70%だそうで、急に涼しくなりすぎても文句は言わないから、お
願ぁ~い、雨を降らせてぇ~。

きのうメールやら何やらに全部返事を出したと思ったら、ひとつ忘れていた。まずは放置し
たままのウェブサイトのドメイン名の更新。前回は5年分まとめて更新したので、今回も最
長の年数分更新しておこうと思ったら、何年分もまとめて今一括で払うよりも「自動更新」
にして1年ごとに払った方がいいというアドバイスで、自動更新に設定変更。でも、よく考え
てみたら、将来料金値上げがあり得るわけで、今5年とか10年とかまとめめて払っておい
た方がワタシには得なんじゃないかと思うけどなあ。15年くらい前だったか州立工科大学
(BCIT)のウェブ制作コースを取っていたカレシが卒業試験で作ったのを、そのままずっと
放置していたものなので、無期限に毎年自動的に更新してもらった方が便利かも。

ランチの後で、ウォルマートの請求の支払いとカレシの薬のピックアップに暑い中をモール
まで。ほんとに暑い。冷房の効いたロビーから一歩外へ出たらものすごい熱気がもわぁ~っ。
わりと乾燥しているから、ミニドレスで可能な限り露出していれば「うだる」という感覚にはな
らないけど、暑いものは暑い。払うものを払って、もらうものをもらって、細長いモールの中
を歩いていたら、出口のすぐ近くの出店にすてきなドレス。インド木綿のノースリーブで、子
供の頃に大人が「アッパッパ」と呼んで着ていたような、ふわぁ~っと裾広がりのロングドレ
ス。売っているのはいかにもアンデスのインディオという顔立ちのおじさんで、着ていた服の
上からすっぽり試着させてくれて、すっかり気に入ってしまったので、色違い、模様違いのを
4枚も買ってしまった。

帰って来てさっそく着てみたら、薄いからふわふわと軽いし、フリーサイズで円錐状に裁って
あるから肌や足にべたべたくっつかなくて、着心地は100点満点。あはは、極楽とんぼ流
の衝動買いは大成功で、うれしぃ~。
   

メールに返事、招待に返事・・・

2018年07月30日 | 日々の風の吹くまま
7月29日(日曜日)。晴れ(だけどもやもや)。猛暑は今日あたりがピークだそうだけど、泥
炭地の火事はまだ鎮火していないし、内陸地方の大規模な森林火災の煙も広がって来て
いるし、郊外はスモッグも発生して大気汚染注意報が出ているくらいで、空はもや~っと灰
色っぽい。バンクーバー圏の夏は「乾期」なのはわかっちゃいるけど、雨、降ってくれないか
なあ。でも、向こう2週間の予報には雨雲は影も形もなし・・・。

ミニ旅行中に友だちから来ていた3通のメール。すぐに返事を送るつもりでいたのが、いつ
の間にか日が経ってしまったので、今日は何とか気分をかき立てて返信。ワタシは今どき
のスマホ常用者のように打てば響くような応答はしない方だというのはみんな知っているし、
前世紀の郵便時代に「手紙」を書いていた人たちだから、メールの返事が3、4日遅れたくら
いで、これまた小町横丁の人間関係のように「疎遠」にされることはないけど、出すべき返
事はちゃんと送るのがマナーってもんなんだよっ、と小町横丁の住人に叱られそう。

メールを書き終わったら、Arts Clubの新しいファンドレイジング計画の第1弾として来月に
あるディナーパーティの招待メールが来ていたので、出席の返事と支払いの手続き。地元
の若手演劇人を養成するプログラムがいくつもあるので、順次BMOセンターのアトリウム
でディナーパーティを開いて、ファンドレイジングを兼ねて後援者の中核グループである
ADCのメンバーの親睦も図ろうと言う狙いらしい。費用は1人2万円だけど、ディナーの実
費以外は寄付金として税控除の対象になるから、高いってことはないかな。劇場のロビー
でもあるBMOセンターのアトリウムは総ガラス張りの吹き抜けなので、レセプションやディ
ナーのような華々しいイベントが周辺のマンションから丸見えになるのがおもしろい。

まあ、劇団の催しの他にもいろいろなイベントに使われるので、住んでいる人たちにしたら
「またか」程度のものだろうけど、巨大な金魚鉢の中で食事をしているような感じなのは趣
向が変わっていて楽しいね。カレシが「またオークションやるのかなぁ」と牽制して来たので、
うん、楽しみだねぇと言っておいたけど、ビルの引退記念ディナーパーティのときに「前例」
を作っちゃったから、あんがいまた何かやらかすと期待されているかもよ。まあ、それはふ
たを開けてみてのお楽しみってことで、うふふ・・・。

何か気持ちが落ち着かないけど

2018年07月29日 | 日々の風の吹くまま
7月28日(土曜日)。晴れ。風向きが変わったのか、AQHIは普通の「2」(低リスクの真ん
中)に戻ってひと安心(と思ったら、夕方にはまた「4」まで上がって中リスクの域に入ってし
まった)。リッチモンドの野火は消防飛行機で水爆弾を落として燃え広がるのを食い止めた
ようだけど、地盤の泥炭が燃え出したらしい。こうなると、火が地下に潜って地上では見え
なくなることがあるので、普通の消火作業は危険が大きくて、いつ鎮火するのか予想できな
くなるから厄介。

リッチモンドとは南支流で隔てられたデルタには面積35平方キロ(ニューウェストミンスター
市丸々2つ分の広さ)という広大な泥炭地があって、ここで火災が起きると何日どころか、地
下に潜ると何ヵ月もぶすぶすと燃え続けるから困る。ワタシが覚えているだけでもけっこう
大きな火事が数回あったし、ちょうど2年前には、火の手がハイウェイを飛び越えてすぐ北
側に隣接する工業団地に広がりそうになって大騒ぎ。今回は現場が都会のど真ん中を横
断する幹線道路に沿ったところで、道路の通行止めで交通が混乱しそうだし、バンクーバー
国際空港へのアプローチの真下だから、空中からの消火活動が必要になれば飛行機の発
着にも影響する可能性だってありそうで、えらいこっちゃ。

まだ何となく気分が落ち着かないので、ごみの処理だけにして1日ぶらぶら。ニューヨークタ
イムズの毎日のクロスワードパズルを1993年まで遡ってやれるので、一番やさしい月曜
日のパズルを遡って行って去年の8月まで到達。所要時間はだいたい10分から15分だけ
ど、やさしそうでも思いがけないひねりがあったりすると30分くらいかかることがある。元々
ボキャブラリの拡大が狙いで始めたのがすっかり病み付きになったクロスワードパズル。し
ばらく遠ざかっていて錆びついていたけど、昔のコツのようなものが戻って来た感じ。

今日はダウンタウン地区のコロンビアストリートで屋台トラックが数十台も大集合するフェス
ティバルがあって、夕食後にウォーキングを兼ねて見物。歩行者天国になった道路は人、
人、人なので、私たちは空いている歩道を歩いてアンヴィルセンター内のマーケットに直行。
今年も出ていた有機果実酢のスタンドで3種類の酢を買って帰宅。去年は最初の300メー
トルの急な坂道で何度も立ち止まっては胸を押さえていたカレシだけど、今年は息も切らさ
ずにあっさりと上り切った。ばんざぁい!

心臓手術後の回復ぶりはあっぱれ

2018年07月28日 | 日々の風の吹くまま
7月27日(金曜日)。晴れ。東の空がかなり霞んで見えるのはスモッグかな。もう18日も雨
が降っていないので、空気も相当汚れて来ているだろうな。でも、何だか煙っぽいので、もし
かしてまたもや内陸地方で燃え盛っている大規模な森林火災の煙が流れて来たと思ったら、
それも多少はあるけど、今日のもやはリッチモンドの国際空港への飛行機の進入路の下に
ある沼沢森林での火災の煙。夜の間に誰かが奥深くまで入り込んで焚き火をしたらしいと
いう話で、バルコニーに出たら南西の空に一面に青っぽいもやがたなびき、デッキに出たら
北西の空が汚れた灰色。

火災現場は国防省が所有していて、普通の人は奥へ入らないところなもので、消防隊員は
チェーンソーで木を伐って消火ホースを引き込む通路を作りながらの作業。でも、やっぱり
都会の消防署の手には負えないようで、州の森林火災局が出動して、ヘリコプターから吊
るしたバケツの水を燃えているところ落とす作業を始めると言うニュース。午後になって南
西の方はもやが少し薄くなって、あまり煙臭くなくなったけど、AQHIは健康リスク「高度」の
範囲(7~10)のうちの「9」で、子供や高齢者、健康リスクのある人は激しい運動をしない
いようにというレベル。夜までには「中度」の5、明日は「4」まで下がるようだから、ちょっと
の辛抱かな。

最後のビタミンB12の注射をして、新しい処方箋を書いてもらいにクリニックに行ったカレシ、
スラニナ先生に「回復の目覚しさはダントツに優等生だよ」と言われたとニコニコして帰って
来た。血圧は高血圧の基準値よりずっと下だし、脈拍数はやや多め正常域だしで、コレステ
ロールだナトリウムだ運動だと気にし過ぎたらかえってストレスになって良くないので、「気
楽にごく普通の生活をするのが一番の養生さ。昼寝はいいことだよ」とのこと。でも、1周年
になる頃には抗血小板薬とβ遮断薬は止められそうだけど後の3種類は飲み続けることに
なるそうで、次の処方箋が必要になる頃に血液や心電図の検査をすることにして、また3ヵ
月分の処方箋をもらって来た。よかった、よかった。

さっそく買い物がてらSave-On-Foodsの薬局に持って行ったら「月曜日ピックアップでよろ
しいですか」。うん、何たって90日分なら合わせて540錠だもの、在庫量が足りないことも
あるのは百も承知で、それを見越して1週間前に処方箋をもらったんだから大丈夫。ママ、
カレシのことは心配しないでね!

あまりにも突然の義母の死

2018年07月26日 | 日々の風の吹くまま
7月26日(木曜日)。晴れ。今日も30度に達する猛暑。午前中にシーラが来て、月一度の
バスルームの大掃除。冷たい緑茶で世間話をして、シーラが帰り、ランチの後で夕ご飯のラ
タトゥイユを仕込んで、マーケットデイなので、ウォーキングを兼ねて30度の暑い中を会場
のティペラリー公園へ。いつものパンの他に野菜をいくつか買って、大汗をかきながら帰っ
て来たところで電話。カレシの弟ジムから「ママが死んだ」。

今朝、痙攣発作を起こして、救急車で病院に搬送。ホームからの連絡で後見人のジムが駆
けつけたときは意識はなかったけど容態は落ち着いていたので、一旦帰ってカレシやトロン
トの末弟デイヴィッドに知らせる算段をしていたら、病院から危篤状態との電話。すぐに(共
に連絡先になっていた)マリルーと一緒に駆けつけたけど、午後3時過ぎ、ママは意識が戻
らないまま眠るように逝ってしまったという。私たちがちょうどマーケットに行っている間のこ
と。前に会ったときはとっても元気で、9月にトロントから来る6人目のひ孫のローガンと会う
のを楽しみにしていたのに、どうしてこんなに突然・・・。

戦争中のことで結婚を急ぎすぎて、幸せに満ちた結婚生活を送ったとは言えなかったけど、
若いうちは貧乏に苦しみながらも黙々と働き詰めて、3人の息子を立派に育て上げたママ。
3人の嫁にとっても最高の(義)母だったママ。子供の頃から独立心が旺盛で、息子たちに
も嫁たちにも干渉することもなく、付かず離れずの姿勢で家族をまとめて来たママ。ジムと
マリルーが離婚したときも、マリルーを家族の一員として受け入れて、再婚相手のロバート
も一緒に家族に迎えたママ。世紀が変わる頃にカレシとワタシが泥沼に足を取られてもが
いていたときも、泣いているワタシを黙って抱きしめてくれて、2人が泥沼を抜け出すまで心
の支えになってくれたママ。嫁たちが「義」を捨てて、ジムの恋人ドナも加えて「仲良し4姉妹」
になれたのも、私たちを娘のように分け隔てなく扱ってくれたママがいたおかげ。
   
   ママ100歳。3人の息子と

去年の100歳の誕生日に、ワタシにもずっとママでいてくれてありがとうと言えたのがせめ
てもの慰めかな。ママねえ、何かとうとう親なし子になってしまったような気がして、悲しくて、
悲しくて、涙が溢れて来てしまうの。息子3人、「娘」4人、孫6人、ひ孫6人を残して、こんな
にもあっけなく逝ってしまったママ。享年101歳。R.I.P.

週末のミニ旅行~友情は上等のコニャックのように

2018年07月26日 | 日々の風の吹くまま
7月25日(水曜日)。晴れ。うっはぁ、暑いぃ~!予想最高気温は30度。後1週間は猛暑が
続くらしい。灼熱の酷暑を英語で俗にscorcherと表現するけど、やけどをするくらいの熱さ
のことで、これ以上暑くなったら、感覚的に「炎暑」よりも「焔暑」の方がぴったりするかな。

週末ミニ旅行の話の続き。日曜日の午後はカレシの50年来の親友エイドリアンを訪問。今
はナナイモの北のパークスヴィルのマンション住まい。私たちもエイドリアン夫婦もたまたま
同じ時期に転居したもので、その混乱でしばらく音信不通になっていたけど、ワタシがFB
で奥さんのロリーンを見つけて無事に「再会」。近くのクームスという小さな村に「おもしろい
ものがある」からと案内してもらって、カントリーマーケットを覗いたり、アイスクリームを食べ
たり。村の名物の「おもしろいもの」というのは何と「屋根の上のヤギ」。マーケットの屋根の
上に草を植えてヤギを飼っていて、冬の間を除いて屋根の上のヤギ小屋で暮らしているん
だって。
   

夕食は目の前にパークスヴィル湾が広がり、遠くに本土の山脈が見えるバルコニーでバー
ベキュー。カレシ75歳、エイドリアン73歳、ワタシ70歳、ロリーンは61歳。大学時代の昔
話をしたり、ここ数年のできごとをキャッチアップしたりで、すごい勢いで会話が弾む。エイド
リアン夫婦は再婚同士なので、合わせて6人も孫。みんな近いところに住んでいるようで、
よく集まって来るらしい。ロリーンは在宅自営業で社内教育関係のビデオ制作をやっていて、
小型機の操縦免許を持っているエイドリアンは模型飛行機作りに熱中。男同士がビールを
片手におしゃべりに夢中になっている間、ロリーンとワタシはワインを片手に女のおしゃべり。
とうとう2人でワイン1本を空にしてしまった。バルコニーで海を眺めながら心地よい風に吹
かれていたら、遥か遠くに白い船影。双眼鏡を借りて見たら巨大なクルーズ船が2隻も。ア
ラスカに行くのかな。
   

午後10時、名残惜しいけどもお暇。いくつになっても親しい友だちっていいもんだね。いや、
年を取るほどに親密さが上等のコニャックのように醸成されて行く感じ。今回のミニ旅行は
エイドリアンとロリーンに会うのが第一の目的だったから、楽しいひと時を過ごせてほんとに
うれしい。翌月曜日の帰りのフェリーは午前9時過ぎに満車。今度は予約時間に間に合っ
て着いてよかった!
   

週末のミニ旅行~そして日曜日は壁画の町

2018年07月25日 | 日々の風の吹くまま
7月24日(火曜日)。その3。

宿にチェックインしたのは午後3時半。アイランドハイウェイから横道に入ったビジネス団地
みたいなところにあるモテル。ベストウェスタンはアメリカ系の大きなチェーンで、ホテル&リ
ゾートとなっているけど、まあ、駐車場が無料だし、木造3階建ての古そうな建物からして昔
ながらのモテル。それにしては1泊35000円って、朝食込みでもたっかぁ~い!観光シー
ズンの真っ盛りだからぼったくり料金になるのはしょうがないかな。どこにも空き部屋がなく
てやっと見つけたところなんだけど、それにしてもなあ・・・。

チェックインが遅くなったので、遠出はせずに近くの(大きな)ショッピングセンターに行って、
まず駐車場の大きさにびっくり。ちょっと中をぶらついて、駐車場の隅にあったバンクーバー
でなじみのチェーンレストランで夕ご飯。デザートにブルーベリーパイを注文したら、パイ皮
のお皿に大好物のブルーベリーを山のように積み上げてあって感激。夜になってカレシが
バスルームの水道の水で薬を飲むのは嫌だと言うので、すぐ近くのSuperstoreに行ったら、
うわっ、でっかぁ~い!都会の街中に住んでいるとこんな大きなスーパーにはお目にかか
らないもので、何だか頭がくらくら。しかも何でもちまちまと単品で売ってないので、水も最低
量が710mLボトル6本のパック。ま、出かけるときに持って行けばいいからと、部屋の冷
蔵庫に押し込んでおいたけど。

翌日曜日はけっこう早く起きて、宴会場らしいところで朝ご飯。セルフサービスなので簡単
にジュースとオートミールとゆで卵とクロワッサンとコーヒー。ワッフルを焼く機械やソーセー
ジやハッシュブラウンもあるけど、見ているとそっちへ行くのは肥満体なんてもんじゃない体
格の人が多い。いや、全体的にどこへ行ってもびっくりするくらいの肥満体がのそのそ歩い
ているって感じで、ニューウェストはバンクーバーに比べて肥満体が多いなあと思っていた
けど、とってもその比じゃない。女性でも体の「幅」も「厚さ」もワタシの倍以上あったりするか
ら、よくあんなに拡張できるもんだと感心することしきり。

午前中は壁画で有名なシュメイナスにひとっ走り。ナナイモの南にあって人口が3千人ほど
のちっちゃな町だけど、不釣合いに大きな劇場があって演劇活動が活発だし、町中が野外
ギャラリーと自慢するほどそこら中に壁画があって、おしゃれっぽいカフェがずらり。
   
   
   
   
   
   郵便局にも・・・
   
   公衆トイレにも・・・
   
   シュメイナス劇場。いつの日かここで・・・

週末のミニ旅行~迷子にならない方が不思議

2018年07月25日 | 日々の風の吹くまま
7月24日(火曜日)。その2。

昔は出港後も車の中に残っていられたんだけど、今は禁止されているので、船室デッキに
上がって座席でのんびり。本を読んでいて、ふと窓の外を見たら、トワッセン行きのフェリー
とすれ違い。両側から同時刻に出港するので、逆方向 に行くフェリーとすれ違ったら、ちょ
うど半分、つまりナナイモまであと1時間。拡大してみたら、あら、乗り損ねたやつ。
   


トワッセン⇔ナナイモ便のターミナルはろナナイモ港の防波堤みたいに突き出したほっそ~
い半島のほぼ突端にあるデュークポイント。本来のナナイモ⇔本土便のターミナルは市の
北よりにあるデパーチャーベイにあって、行き先はバラード入り江の北側のウェストバンク
ーバーからずっと北西のホースシューベイなもので、バンクーバー市の南や東に住む人に
は超不便。そのせいか最近は本土へ行く人と車の40%以上がトワッセンからの便を利用し
ているとか。

午後2時45分、デュークポイント着。宿はナナイモのほぼ北端にあるので、市内を避けて
西側の19号線を北上。ナビゲーターはワタシ(女だけど地図を読むのはカレシより上手な
の)。折りしもナナイモでは名物「バスタブレース」があって、さらに悪名高い「暴走族ギャン
グ」ヘルズエンジェルズがBC州最初の支部結成35周年を祝って州各地のバイカーたち
が大集合。どうりでフェリーのターミナルにでかいオートバイが何台もあって、革ジャンの恐
持ておじさんたちがフェリーのあちこちにいたはずだな。

南北に細長いバンクーバー島には昔から島の東側を南北に縦断する「アイランドハイウェイ」
があるんだけど、区間によって「州道1号線」(全長7800キロのトランスカナダハイウェイの
BC州の区間)、1号線A、19号線、19号線Aと合流したり分岐したりするからややこしい。
宿までは、デュークポイントが起点の19号線から1号線に合流して、市街地に入る手前で
19線A(市内ではターミナルアベニュー)に出てまっしぐら。19号線と区別して「オールドア
イランドハイウェイ」と言うはずなのに、道路標識は単に「アイランドハイウェイ」(Island
Highway)。さらに19号線はナナイモから北が「インランドハイウェイ」(Inland Highway)に
変わっていて、2番目の文字がSとNで違うだけ(当初は「ニューインランドアイランドハイ
ウェイ」という何ともバカっぽい名称だった)。これじゃあ迷子にならない方がおかしいだろう
と思うんだけどねえ。

週末のミニ旅行~フェリーに乗って

2018年07月25日 | 日々の風の吹くまま
7月24日(火曜日)。晴れ。起床午前7時。また異常高温警報発令中。きのうは午後にミニ
旅行から帰って来て、2人ともちょっと疲れてだらだらした挙句に早寝。「自分ち」のベッドは
やっぱりいいもんだな。よく眠って早起き。ハイウェイ沿いのモテルの朝は早いようで、日曜
の朝も月曜の朝もけっこう古そうな木造3階建てのあちこちで6時過ぎからどすん、ばたん。
廊下で部屋のドアがばたん、足音がどすどす。私たちの部屋の隣だったエレベーターがご
とごとと来てドアががっしゃん。7時過ぎには外の駐車場で車やバイクのエンジンがかかる
音。それでもまあ、2人ともちゃんと眠れたみたい。

土曜日は早めに出るはずだったのが、カレシがiPodが見つからないとひと騒ぎするし、リ
ビングのベゴニアに水をやり過ぎてコーヒーテーブルが水浸しになって後始末にひと騒ぎす
るしで、結局出遅れ。最短ルートの川向こうサレー側の産業道路をぶっ飛ばしてトワッセン
のフェリーターミナルに着いたのが出港20分前。遅くとも30分前に着かないと予約が無効
になるので、予約料千円がふい。指示されたスタンバイレーンに並んで待っていたら、あっ
さり「満車になりました」。観光シーズンの好天の週末だから、予約なしだとこうなるわけ。次
のナナイモ行きは2時間半後の12時45分。しかたがないので駐車場の真ん中にあるマー
ケットを冷やかしに行って、ナナイモ周辺の地図を買って、スタバでコーヒーを買って、駐車
場をぶらぶら。ビクトリア行きのフェリーが出た後、あらら、車に戻るのを忘れて取り残され
てしまった車が・・・
   

このターミナルからはビクトリア行き、ナナイモ行き、ガルフ諸島行きが出る。お昼になった
ので、サラダや焼きそば、パスタを好きなように容器に詰めて重さで代金を払う方式のラン
チを買って、車の中で食べて、終わったところで前の便よりもずっと新しいフェリーが到着。
前の便(1976年建造のポンコツ船)に乗り損ねたおかげで、3隻ある「Coastal ○○」のう
ちで一番新しい(2008年建造)。前の便は1960年から1980年にかけて建造された船名
がQueen of ○○のシリーズのひとつで6500トン。乗ったCoastal Inspirationは1万トン
で、車の収容台数300台以上、乗客1600人以上と3割くらい大きい。乗船の順番が最後
の方になってひやひやしたけど、何とか乗れて、やれやれ・・・。
   

旅のプランが急に目白押しになって

2018年07月21日 | 日々の風の吹くまま
7月20日(金曜日)。曇りのち晴れ。朝ごはんが終わったら、ささっと仕事にかかって、ささっ
と仕上げ。最後の方では同じようなことをぐだぐだと繰り返していて、おかげで想定したより
もずっと早く、午前中に終わってしまった。ああ、助かった。これで余裕で明日からのミニ旅
行のしたくができる。何しろ明日はUptown Liveというミュージックフェスティバルがあって、
6番ストリートと6番アベニューを交差点から通行止めにして、3つの仮設ステージでロック
バンドが正午から午後9時までどんちゃかどんちゃかとストリートパーティ。住んでいる人間
にはちょっと迷惑だけど、ニューウェストの「中心」で商業区域に指定されているから「うるさ
いからやめろ」とは言えないので、自衛のために避難。

もっとも飛行機で行くわけじゃないから、したくと言うほどでもなくて、携帯やカメラのバッテリ
の充電器とかカレシの薬を忘れないようにすればいいだけ。トワッセンターミナルまでは車
で40分ほどで、10時15分発のフェリーでバンクーバー島のナナイモまで2時間。昔は到
着順に列を作って、フェリーが満杯で乗れなかったら次の便を2時間も辛抱強く待ったもん
だけど、今は予約ができて(予約料千円)、しかも週日はシニアの料金(2人で約3400円)
がタダ。州民だけが対象らしいけど、帰りの月曜日は車の料金(約5700円)だけになるか
らありがたいね。ナナイモでは市の南端のデュークポイントで下船して、ホテルは北の端。
友だち夫婦が住んでいるパークスヴィルはさらに北へ30分ほどで、名物の壁画を「観光」し
に行くシュメイナスは市から南へ車で30分。

トロントのデイヴィッドから、9月にジュディと娘のローラと孫のローガンが行くからよろしくと
電話。ジュディのお母さんの体調が良くないそうで、9月には生後8ヵ月になるひ孫の顔を
見せに来るらしい。我が家にも泊まってくれることになって、旅行用のベビーベッドを持参す
るから親子3代ひとつの寝室で十分ということで、今から楽しみ。10月には私たちは3週間
半の日本旅行があって、今、その後11月にArts ClubがADCメンバーに斡旋する香港か
らシンガポールへの2週間のクルーズに参加するかどうか思案中。Arts Club向けの特別
料金で1人100万円かかるけど、2人とも70代だから、豪華クルーズのような旅行ができ
るのは今しかないと思うな。

さて、そろそろ「旅の支度」にかかろうか。遊んで来るぞぉ~。

忙中に閑を作りすぎ

2018年07月20日 | 日々の風の吹くまま
7月19日(木曜日)。曇り。きのうから猛暑がひと息ついて、やれやれ。6日分の仕事を4日
でやろうとしているところなので、暑くないのは助かるなあ。もっとも、退屈極まりない訴訟関
係の文書の英訳なもので、初めからあっちに寄り道、こっちで道草。ブログのタイトルを変え
てみたり、元に戻してみたり。それでもきのうはかなり集中的に飛ばしたので、遅れはほぼ
解消したけど、残り時間は今日と明日。

おとといの夜はカレシの英語教室に来ている(17階の)ミスティが手作りの中国餃子を持っ
て来てくれておしゃべり。ミスティは20代後半のとってもかわいい人。中国安徽省の出身で、
システムエンジニアの夫氏の呼び寄せでカナダに来て、永住権を申請中。小学校から中学
校まで同級生だった夫氏(初恋の人!)が高校からカナダに留学して以来12年も遠距離恋
愛だったというからすごい。卒業後にカナダで就職して永住権を得たものの帰国する可能
性があったので、結婚を決めていながらそのまま遠距離。夫氏がカナダ永住を決めて市民
権を取ったのを機会に結婚して移住して来たというから、何とも今どきめずらしい微笑まし
いラブストーリー。

きのうは朝のうち霧雨に近いような曇り空。寒暖の差が激しいどころか、最高気温は10度
も急降下して、地球の寒暖計がどうかしてるんじゃないのかと思ってしまう。おかげでオフィ
スも暑くならず、ダイソンを軽く回しておくだけで快適だったので、仕事が捗って良かったけ
ど、あくびが出そうなくらいドライで退屈なことには変わりがない。そこでずっとご無沙汰だっ
たローカルの掲示板をちょっと覗いてみたんだけど、あら、結婚する前から離婚したときの
財産を半分もらえるのか、シンママはどんな手当をもらえるのか、何々人は○○だから嫌い、
カナダは終わっている、と昔と変わらず暇人で賑わっていて、仕事の方がよほどおもしろい
やと早々に退散。小町横丁もそうだけど、夫の愚痴や身の上相談で妻が夫を「旦那」と呼ん
でいるのを見ると、ああ、この夫婦はもう終わってるなという感じがするね。

午後には気温が上がると思ってスペアの寝室のドアを開けておいたら、室温21度でちょっ
と寒すぎの感。でも、バルコニーに出てプランターのベビートマトを数えたら今日は19個と、
すごい勢いで増えていて、どうやら夏であることには変わりはないらしい。それでは、ホーム
ストレッチを一気に気合を入れて行こっ。

死体花は承認欲求のかたまり?

2018年07月18日 | 日々の風の吹くまま
7月17日(火曜日)。晴れ。カレシが「寝すぎたぁ」と言って突くので目を覚ましたら8時半。
ちょっと寝すぎちゃったけど、暑さで疲れていたのかな。でも、しっかり寝られるのはいいこと
だよね。でも、どかっと仕事が入って来たから、暑いからって顎を出している暇はないか。夏
バテはしないワタシだけど、猛暑になると必ず体重が1キロくらい増える。食生活は変わら
ないし、猛暑が過ぎればあっさり元の体重に戻るので、うは、夏太りだぁ~で済ませちゃっ
ているけど、汗っかきは夏太りしやすいという話なので、ワタシもその手なのかも。

バンクーバーのクィーンエリザベス公園にある温室で世界最大の花タイタンアルム(ショク
ダイオオコンニャク)が開花。腐った肉や汚れたオムツのような臭いを発するそうで、別名
「死体花」。その強烈な悪臭を嗅いでみたい物好きが長蛇の列を作って、きのうは何と4時
間待ちだったとか。この暑いのにごくろうさまなこと。ニュースではみんなスマホをかざして
花の写真を撮ったり、花の前で記念撮影したり、自撮りしたりしてたけど、臭いは投稿でき
なくて良かったね。もしもスマホで臭い(匂い)を送れるようになったら、世界中が臭害、香害
でてんやわんやになりそう。やぁ~だねぇ、もう。

ま、メディア業界のデジタル頭はそんなことに配慮なんかしないで最強のアプリを開発して、
オレってすごいと確認して、ついでに「何でもとにかく持ってないと世の中とつながっている
気がしなくて不安」というデジタル頭に売ってひと儲けしちゃうんだろうな。何かね、全般的
に人間の承認欲求がやたらと強くなっているなあと感じるんだけど、この花の悪臭も承認欲
求ってところかな。ネットやSNSのおかげで世の中が茫洋としすぎて、自分を見失いがち
になったのかもしれないな。で、IT技術がどんどん進んで見える世界が広がれば広がるほ
ど、その世界がスマホのような小さな画面に閉じ込められた「限られた空間」になって、しか
もそこに見える世界の真偽も年代も発信元も判断できないことが多くなって、そのうち疑心
暗鬼になって、不安、不安。

これじゃあ自己評価も自己肯定もしようがない感じで、そうなると疑心暗鬼は募る一方で、
不安のバブルがどんどん膨らんで・・・と、何だか人見知りの激しい子供みたいだけど、自
分を信頼できないと他人を信頼できないから、どうしたもんだろうねえ。他人事ながら、仕事
してから考えてみよっか。

☆猛暑ではあるけど・・・

2018年07月17日 | 日々の風の吹くまま
7月16日(月曜日)。晴れ。異常高温警報発令中。近年は軽く30度まで行ってしまうから、やっぱり地球が暑くなっているってことなんだろうな。でも、我が家はエアコンがないけど、外が30度を超えても窓の開け閉めでけっこう快適に過ごせるのがいい。間取りはWを逆さまにして広げたようなL字型で、Wの2つの山が真東に当たるので、午前中に日が入る寝室やオフィス、ダイニングがあるLの一辺は正午を過ぎると日陰になるし、もう一辺は角のリビングが2時を過ぎると上階のバルコニーの陰に入り、キッチンにつながった園芸ルームとスペアの寝室は奥行きの深いバルコニーがあるおかげで直射日光が中まで差し込まないので夏でも涼しい。[写真]

デベロッパーが広いユニットを配置して高値をつけたがる眺望の一番いい向きが東角だったのは運が良かったと言えるかな。大きなユニットが3戸しかない最上階は全室エアコン付きだけど、その下3フロアの東角の(一番大きな)ユニットは売り出し当初にエアコンがオプションになっていたらしく、聞くところによると実際についているのは我が家のすぐ上だけ。それもよく窓が開いてるところを見ると、新しいオーナーはあまりエアコンをかけていないのかもしれない。我が家も最初の買主が希望しなかったからついていないわけで、後付けは可能らしいけど、今のところは必要を感じない。というわけで、快適ではあるんだけど、ルーフデッキに面した東角のオフィス(一番小さい寝室)だけは、せいぜい10平米のオフィスにPC2台、プリンタ1台、人間2人がほぼ1日を過ごすのに、隅にひとつしかない小さな窓からの風通しが良くないもので家中でダントツに暑い。それでもダイソンのタワー扇風機1台で何とかなっているのは湿度が低いせいかな。

窓壁が2面なので「金魚鉢」と呼んでいるオフィスで、ワタシのスペースはその窓壁の角。前を見ても、横を見ても、空と連なる山並みとフレーザー川。視界の8割は空なので、刻々と形を変えながら流れる視界いっぱいの雲やその視界を横切る旅客機を眺めて、のんびり白日夢を貪っていると、いろんなイメージやストーリーが浮かんで来る。ベースメントの外が見えないオフィスにモグラのように閉じこもって仕事をしていた頃には想像もできなかった解放感というか気持の広がりが15年くすぶり続けていた創作熱を再燃させたと言えるけど、精神的などん底から這い上がるエネルギーになった前回と違って、今度はやり残した夢を追求するためのエネルギー。無事に古希を迎えた今、まだ10年は創作エネルギーが残っていると思うから「これから10年はワタシのもの」。カレシにそう言ったら困ったような顔をしていたけど、カレシと家庭を持ってから43年でやるべきことは全部やったと思うし、ずっと働いて来たおかげで潤沢な年金をもらえるようになったんだから、60年来温めて来た夢に残る人生を賭けても誰にも文句は言われないと思うけどね。


ぐうたらなんだか依存症なんだか

2018年07月17日 | 日々の風の吹くまま
7月16日(月曜日)。晴れ。異常高温警報発令中。暑いなあ。でも、新聞サイトを巡っていた
ら、釧路で30.1度!7月としては観測史上最高。いや、8月でも新記録になるんじゃない
かな。統計を取り始めてからの108年間に「真夏日」は10度目とか。平年より11.5度高
いということは平年並みは19度ってことで、あっ、それならワタシの記憶にある子供の頃の
釧路の夏。冬の石炭ストーブを外した後で夏の間によく薪ストーブを焚いていた。あの釧路
で30度かあ。

朝のうちにカレシを引っ張ってウォルマートへ。元々「とりあえず」買った運動靴の靴紐の穴
が千切れてしまったので、新しいのがいるんだけど、放っておくといつまでも「靴紐を結べな
い」と文句を言い続けるだけで新しいのを買わないから、ここは実力行使。それにしても、い
つもくどくどと「あれがいる」、「これが欲しい」と言いながらいつまでも行動を起こさない(ワタ
シに買ってもらうのを待っている)のは何でなの? 自分の靴や下着や自分が欲しいものくら
い自分で買って来なさいっての。現金は持ち歩かなくてもクレジットカードは持ってるんだか
らさ。ほんとに何なんだろう、この心理。

ウォルマートの靴売り場で(ウォルマートでは値段がお高い方の)ドクターショールの靴を薦
めたら、一番手近にあったサイズ10の白い靴を取って「これでいい」。ふうん、これ「」い
いんじゃなくてこれ「」いいって、試してもみないでほんとにいいの?値札は4500円だけ
ど、安売りが命のウォルマートだし、見た目はいかにも普通の運動靴だし、ワタシがウォル
マートで買った同じブランドの運動靴の履き心地に文句はないから、いいか。でも、よく見な
いで、試し履きもせずに決めたんだから、自己責任ってことで、履きにくいとか何だとかワタ
シに文句を垂れたってダメだからね。

   
暑いから、今日のランチはざるそば。海苔と切りごまと刻みねぎとわさびを添えて、たまに
はいいもんだな。午後には室内が全部日陰になるので、日陰に入った順に窓を開けて回っ
て風を取り込めば、30度でもいたって快適。バルコニーのプランターに植えてあるトマトに
たっくさん花が咲いていて、よぉく見たらベビートマトが6個!おお、豊作になぁれ。夕ご飯が
済んだ午後6時、ニューウェストの気温は32度、湿度は何と26%。東部のように蒸し暑くな
いのはありがたいけど、暑すぎるよぉ、やっぱり。

壁に止まった幸せなハエ

2018年07月17日 | 日々の風の吹くまま
7月16日(月曜日)。続き・・・

そうやって本気を出して、1年かけて書き上げた芝居の脚本が査読を申し込む寸前で棚上げになったのは去年の12月。またもや立ち往生かと思ったけど、それが実は幸運だったとわかったのが3月。半世紀前に役者たちの自主制作の芝居小屋だったArts Clubを3つの劇場で1シーズンに10数本の作品を上演するカナダ最大の劇団に育て上げた芸術監督のビル・ミラードが引退することになって、演劇界の有志が彼の名前を冠した奨学基金の資金集めを兼ねた特別ショーを企画。同じ日にショーに先立って別に資金集めのディナーパーティがあって、私たちもショーとペアのチケットを買って、柄にもなくカクテルドレスとスーツのいでたちで参加したんだけど、「思いがけない幸運」に遭遇したのはパーティでの余興オークションだった。

「リゾートで2泊3日」とか「マンマ・ミーアに端役で特別出演」といったロットがあって、一番最後が「ビル・ミラードと共に~一生に一度の体験(Once in a Lifetime with Bill Millerd)」。ビルが2017年/18年のシーズン最後のミュージカル『ONCE』を演出するので、1日彼のそばにいて、その後で夕食を共にするという趣向だった。それを見たとたんに、これはワタシのだ!と決めて、オープニングの2千ドルで競りが始まると同時に手を上げて、他の人が競り上げるのに負けじと手を上げっぱなし。最後はカナダで有名なシンガーソングライターと俳優の姉妹との一騎打ちになってみんな大いに興奮。粘り抜いてとうとう競り落としたときは5500ドルになっていた。芸術監督サークル(ADC)で親しくしている人たちがカレシに「また心臓発作を起こすんじゃないかとハラハラしたよ」と言って大笑い。でも、ふと見たら、司会者の後ろに立っていたビルが「でかした」と言うように親指を立てるサインを出していて、ああ、やっぱり初めからワタシのものだったんだと納得して感激したのだった。

それが3月の初めで、『ONCE』 リハーサルが始まるのは5月。スペシャルイベント担当のミスティから「その日」について連絡が来るのを首を長くして待っていたら、5月の初めに何とビル・ミラードその人からメールで「来週に最初のミーティングがあるので、退屈かもしれないけど興味があったらおいで。その後に制作会議があるけど日時は未定。5月20日からBMOセンターでリハーサルが始まって、6月初めにグランヴィルアイランド劇場のスタジオに移動して、13日にドレスリハーサルの後1週間のプレビューでオープニングが20日という日程。詳しくは舞台監督のカリンが連絡するからね」。はああ?一生に一度の「ビルとの1日」だったはずが、いつの間にか制作の初めから終わりまで通して見せてもらう話になっていて、どうなってるの?話が違うどころか、天にも昇るような夢のような話・・・。

こうして5月に劇作家の卵の卵のワタシの「舞台芸術特訓コース」が始まって、夢のような1ヵ月をリハーサルスタジオの壁に止まった(世界一幸せな)ハエとして過ごすことになったのだった。