リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

妻が夫になりすましてケーブル放送のアカウントをキャンセル

2021年11月30日 | 日々の風の吹くまま
11月29日(月曜日)。☁☁。あぁ~あ、眠い、眠い。何でって、朝の4時半に寝室の外の廊下でいきなりビッ。目が覚めてちょっとしたら、ビッ。あぁ~あ、煙探知器だ。バックアップの電池が切れたのかな。少しするとまたビッ。こんな時間に、もう。隣でぐぅ~すか寝ているカレシが目を覚ますと厄介なので、とりあえず何とかしてしゃっくりを止めなきゃ。ということで、寝室のドアを閉めてからライトを点けて、脚立を出して来て、9ボルトの電池を持って来て・・・とにかく音をたてないように、そろぉ~り、そろぉ~り。外したユニットは赤黒白の3本のワイヤで120ボルト電源につながっているんだけど、どこにバックアップ電池が入っているか、指先でまで回してみても不明。でも、何となく赤ランプを押したら、しゃっくりが止まったので、探知器を天井からぶら下げたまま、ベッドにもぐり込んで寝直し。はあ・・・。

我が家のテレビをShawの同軸ケーブル(古っ)からTelusの光ファイバーに変えて、Shawのアカウントを閉じることになったので、どこにコンタクトするのか調べたら、オンラインのチャットでやるんだって。何か最近のカスタマーサービスはチャットが多いなあ。まあ、カナダみたいな多民族国家だといろんな訛りがあるから、電話で話すよりは効率がいいのかもしれない。チャットをクリックして、エージェントにつながって、名前と住所を聞かれて、アカウントを閉じたいと言ったら、「アカウントの名前が違いますね」。昔から夫の名前なんですけど。「はい、確認しました」。そのアカウントを閉じたいんですけど。「アカウントを閉じることができるのが名義の人だけです」。ワタシにやれって言うんですけど、ダメですかと聞いたら、「ノー」。夫婦なのに何とも杓子定規だなあ。はぁい、それじゃあ夫にやってもらいますわ。「はい、そうしてください」。

昼寝をしていたカレシを起こして、アナタじゃなきゃダメだって言ってるから、やってちょうだい。「何でキミじゃダメなんだよ」とぶつぶついいながら、ラップトップの前に座ってチャットをオープン。ところが、画面が小さすぎるのか、一番下のテキストを入力するボックスが表示されないし、全体を上に移動させることもできない。しょうがないから、ワタシのデスクトップでやってもらうことにして、チャットをオープンして、カレシの名前でチャットを始めたんだけど、左右のボタンを逆にしてあるワタシのマウスの左ボタンをクリックするもので、住所を聞かれたところで横から手を出して入力し始めたら、椅子から立ち上がって「キミがやれよ」。それって、なりすましじゃないの。でも、相手にはわからないよね。ということで、ワタシが椅子に戻って、エージェントのシドニー君の質問に回答。請求書の送り先を聞かれたときは、ワタシのメールアドレスを入れて、「と思う。支払いは女房が扱ってるんで」とやったら、後ろで見ていたカレシは大笑い。

初めからアカウントを閉めると言ってるのに、長々とセールストークをして来るから、「いや、Telusとも長い付き合いで、女房が携帯を壊して新しいのが必要になったときに、ネットも携帯も固定電話もすべてTelusなのでテレビも加えるように勧められたのを承諾して来て、すでにインストールしてます」。後ろにいて読んでいたカレシが「それはオレのセリフだ」。そう、ワタシ、今アナタを演じてるんだもん。あはは。カレシが後ろから茶々を入れて来るのに笑いながらのチャット。こんな機能がある、NetflixもYouTubeも付いて来るよとさらにセールストークを続けていたシドニー君もワタシのカレシの口ぶりを使っての応答に降参して、最後に「では、12月5日いっぱいでアカウントを閉める手続きをします。お別れするのは残念ですが、もし気が変わったらお知らせください」。やったぁ、とハイタッチ。まあ、一時の値引きや特典とやらを追いかけてアカウントをあっちだこっちだと動かすのはコスパが悪いから、長い付き合いの方を重視するのが我が家の方針なので、Shawさん、悪しからず。


ワクチン3度目接種の予約の日だというのに・・・

2021年11月29日 | 日々の風の吹くまま
11月28日(日曜日)。🌧🌧☁。雨、少しはペースが緩むのかなあ。主な幹線ハイウェイは軒並み予防措置として通行止め。おまけにワシントン州との国境のすぐ南のヌクサック川が氾濫するのは時間の問題と言うことで、地理的に氾濫原を共有する郊外のアボッツフォードではまた避難命令発令。やれやれ。でも、今日はまず一番に道路向かいのLondon Drugsに行って、新しいコードレス電話機をゲットして、既存のと入れ替える作業。

と言うのも、きのうカレシが11時にかかりつけのスラニナ先生との予約があったのに午後2時を過ぎても電話が来なくて、オフィスに電話したカレシが「うんともすんとも言わないよ」。試しにワタシの携帯に電話をしてもらったけど、全然鳴らないし、カレシは「何にも聞こえない」。携帯から電話してみたら、リンとも鳴らないうちに即ボイスメールにつながってしまう。カレシの携帯からかけても同じで、メッセージを残してもボイスメールが入ったと言う表示が出ない。もしかしたら寿命が来たのかな。でも、木曜日の夜にはトロントのデイヴィッドから電話が来て、カレシと長電話してたんだけどなあ。でも、でも、新しい電話機にも「回線をチェック」なんて表示が出て、まったくの音なしの構え。しょうがないからTelusのサポートにチャットの申し込み。ほどなくしてつながったジオさんに事情を説明したら「試しに電話します。鳴ったら出てください」。はい。でも、全然鳴らないなあ。つまりは電話機じゃなくて回線の問題ってことか。それからジオさんの指示に従って、オフィスのPCとクローゼットの光ファイバー回線のパネルの間を行ったり来たりして、あれこれいじること2時間近く。最終的に新しい電話機の親機を光ファイバーのボックスのPOTS1というポートに直接につないで何とか通話ができるようになったのは、ワクチン3回目の接種に出かける直前で、問題はその先ということになってテクニシャンの派遣をお願いして、超特急で着替えをして駐車場へ猛ダッシュ。

予約した接種会場は工科大学で、日曜日なら車でせいぜい20分。確認メールで指示された道路からキャンパスに入って行ったら、会場入口に立っていた人が「ワクチンですか、検査ですか」。ワクチンと言ったら近くの受付テントを指さされて、デスクの人が医療保険番号で予約を確認して、「ファイザーとモデルナのどっちにしますか」。へえ、今は選べるんだねえ。カレシは2回ともファイザーだったので即座に「ファイザー」。ワタシも最初のモデルナで7日目に「モデルナアーム」になったので2度目と同じファイザー。駐車場らしい会場には白いテントがいくつも並んでいて、それぞれに車の列。へえ、ここはドライブスルー式なんだ。指定された(ファイザーの)ラインに進んで順番待ちして、テントの中に進んだら、医療保険番号を見せて記録してもらって、スマホに入れてあるワクチンカードを確認して、(右利きと左利きなので)まず運転席のドアを開けてカレシの左腕、次に助手席のドアを開けてワタシの右腕と、座席に座ったままで接種を終了。接種記録のカードをもらったら待機レーンに進んで、エンジンを切って15分ほど。うん、なかなか効率的でいいねえ。(車でない人は専用の会場があるらしい。)記録カードを見たら、あら、「3回目」の下に空白の欄が2つもある。う~ん、4回目、5回目を想定してるのか・・・。

待機時間がアップしたら、そのまま出口に進んで帰宅。トータルで1時間半もかからなかった。途中でスマホにTelusからテキストメールが入って、修理は「12月1日午前9時から11時の間」とのこと。ヴァーチャルか訪問のどっちにするかと聞くから、(もちろん)訪問。クローゼットのボックスにつないだままの電話はちゃんと機能していて、ボイスメールの表示があったのでチェックしたら、私たちがお試しでかけたときのごにゃごにゃというメッセージが4つの他、スラニナ先生の「処方箋を送っとくからね」というメッセージが入っていた。はい、あした買い物に行ったついでに受け取ってきまぁ~す。それにしても、我が家の固定電話はスパム以外はめったに鳴らないから、先生との電話診療の予約がなかったら、今でも不具合に気付かないでいて、新しいプリンタの配達があっても呼び出しをかけられなかっただろうな。やれやれ、きょうはくたびれたぁ。


旅の記憶が薄れないうちに~地中海はグローバル化の揺りかご

2021年11月28日 | 日々の風の吹くまま
11月27日(土曜日)。🌧🌧☔。パイナップル特急の団子3兄弟第2弾の到来。すっぽりと雨雲の中で、窓の外は灰色でなぁ~んにも見えない。太陽の活動が地球上の気候変動に影響を与えるそうで、活動が弱まって黒点が減った時期と地球が寒冷化していた時期が一致するそうだから、今は活動が活発化するサイクルに入っているなら、地球の温暖化もこの異常気象も人間のせいだけじゃないかもしれない。そういえば、ロンドンに向かう飛行機の中からきれいなオーロラが見えたっけ。降り始めからあした日曜日の午後までの雨量は80ミリ、山沿いでは120ミリとか言っているから、せっかく1車線でも何とか通れるようになったハイウェイにまた土砂崩れが起きないといいけどね。もっとも、日本でよくある「豪雨」に比べたら、まだ普通の「大雨」の域かもしれないけど、ほんっとによく降るもんだ。

さてさて、今日は土曜日だから、掃除をして、洗濯をして、後は1日中ずっと巣ごもりかな。のんびりと旅の写真を見て、余韻を味わいながら整理を進めるにはもってこいの天気ではある。マルセイユを出た翌日はDay at Sea。つまりどこにも寄港しない1日をのぉ~んびりと船の上で過ごす日。キャビンで過ごすもよし、8階デッキのプールサイドで過ごすのもよし、レクチャーやゲームなどこの日のためにいろいろと用意されているプログラムを楽しむのもよし、何なら(洗濯機・乾燥機を備えたランドリールームで)洗濯をするのもよし。言うなればカタツムリのように住処ごと移動するクルーズのだいご味を存分に満喫するのが狙い。観光のない日がつまらないとしたら、それはかってのつむじ風のような「パック旅行」の観念を脱していないということかな。観光名所を見て回るのが好きならそれでもいいと思うけどね。ワタシだってSilverseaがせっせと送って来るクルーズのカタログを見るときには、真っ先にどこに寄港するかに目が行くもの。

ヨーロッパはまだ夏時間だったので、日の出は午前8時ごろ。水平線を切り裂くように昇って来る朝日を眺めながらの朝ご飯は格別。

ベランダから見ると、海も空も限りなく大きく、限りなく広がる世界。ついロッド・ステュワートの『リズムオブマイハート』のリフレイン「Where the ocean meets the sky I’ll be sailing」(海と空が出会うところへ帆を揚げて行こう)を口ずさみたくなる風景。ワタシってやっぱり海の子なんだなあ。
   
ランチタイムのデザート。何だか家に帰って秤に乗るのが怖いなあと思うけど、でも、おいしいもので、つい・・・。

地中海のルーツは太古の時代に地球を覆っていたパンゲア大陸が2つに分裂したときにできたテチス海。古代からいろんな文明が起きては消えする中で、「Mare Mediterraneum」(大地の真ん中の海)という名の通り、フェニキア人や古代ギリシャ人が波の穏やかな地中海を行き交って植民都市を作り、やがてローマ帝国が覇権を握って「Mare Nostrum」(我らの海)と呼び、その衰退と共に様々な民族が進出しては覇権を競って栄枯衰勢を繰り返して来たのが地中海の歴史。交易がそれぞれの領土の境界を越えて人を動かす原動力だったわけで、遠い、遠い昔の世界の真ん中の海での「グローバル化」を見ているようでもある。なぁ~んてことを、ベランダのデッキチェアで今も地中海を往来する船影を眺めつつ考えていたのが、ワタシのDay at sea。











今日も地中海に沈んで行く夕日。船の行く先はスペインのバレンシア。


旅の記憶が薄れないうちに~港町マルセイユのロマン

2021年11月27日 | 日々の風の吹くまま
11月26日(金曜日)。🌤⛅☁。嵐の団子3兄弟は、あしたにはきのう駆け抜けて行った「ご長男さま」を追って「次男坊さま」が来るそうで、束の間ながらも青空がのぞいて、ちょっとひと息。起床は9時近くで、どうも「11時就寝/7時起床」は実現しそうにないし、「12時までに就寝、8時には起床」のプランまで怪しくなって来た感じ。まあ、リタイア暮らしなんだから、まともに8時間前後の睡眠を取れていれば、就寝と起床が何時でも特に問題はないと思うけどね。とろけそうな熟れ過ぎバナナ半分とスプーン1杯ずつのアップルソースをミューズリに入れての朝ご飯。午後には買い物に行かなくちゃ。

それでも天気のいい日は気持ものんびりして、旅の写真の整理を再開。今日はクルーズ4つ目の寄港地マルセイユ。港町釧路の生まれ育ちのせいかどうか知らないけど、十代の頃から「古い港町マルセイユ」にロマンチックな憧れを持っていたのは確かで、高校3年のときに進路指導の先生に(大学は行きたくないと言っているのに)しつこく大学の選択を迫られて、しぶしぶ考えていてふと浮かんだのが「海を行く大きな船の船長」のイメージ。意気揚々と東京商船大学を受けると報告したら「あそこは女子はダメなんだよ」と言われて、じゃやっぱりどこにも行かないっと進学問題にけり。でも、海への憧れはずっと消えないまま、初めての就職先が船舶代理店で、その後外資企業に勤め、太平洋を渡ってカナダまで来ちゃって、年を取ったらクルーズ三昧で、死んだら灰を太平洋に帰してもらうことしているから、ワタシの人生は海と深い縁でつながっていたんだってことかな。


夜明けの港町マルセイユにしずしずと入港
ツアーバスから見たマルセイユの街角。漁師と船乗りの荒っぽいうらぶれた港町と言う(失礼な)先入観に反して、南仏プロヴァンスの明るいイメージに近い雰囲気。ガイドの話では、長いこと治安の改善に努力を重ねて来た結果、ひと昔のような怖いところではなくなったとのこと。ただし、スリだけは駆逐することできなかったそうで、ベテランとなると、まったく気づかれずにポケットから財布を掏り取るなんてお茶の子さいさいだそうで、バッグの類は体の前に来るように持ちなさいというアドバイス。人口が100万人近いフランス第3の大都市であれば、治安の悪い地域があっても驚かないけど。
   
ノートル・ダム・ド・ラ・ガルド聖堂を目指して延々と階段を上る観光客。
四角い尖塔の上に海を向いて立っているのはマルセイユっ子がBonne Mere(良き母)と呼ぶ聖母マリア様で、船乗りや漁師を守ってくれるお母さん。
聖堂の中は海と船にまつわる装飾がたくさん
   
天井からいくつも下がっている船の模型をつないだ飾り。もしかしたら日本で神社に絵馬を奉納するのに似たような習慣があったのかな。

聖堂のある丘はマルセイユで一番高いところで、眺望は360度。青い海に小説『モンテクリスト伯』に出て来る監獄の島シャトー・ディフが浮かんでいた。アルカトラズのマルセイユ版というか、アルカトラズがシャトー・ディフのサンフランシスコ版というか・・・。

下町的な雰囲気の小路を歩くと『マルセイユの屋根の下』なんてシャンソンが聞こえて来そう。

港に近い大聖堂はマルセイユ大司教区の本山

マリーナと市民の広場になっている旧港にある観覧車

長い防波堤の内側に停泊中のシルバーシャドウ号

細道を通り抜けようとしたら、二重停車していたトラックが通せんぼ。近くにいたおじさんが「隙間はこのくらい」。

おじさんが運転手を呼んで来てトラックを少し移動させてくれたので、ぎりぎりで何とか接触せずに通り抜けたけど、バスの運転手は冷静そのもの。フランス最古の港町マルセイユではよくあることらしい。
   
パレ・ロンシャンは名前こそ「宮殿」だけど、実は水不足に悩んだマルセイユに運河で水を引いた大事業の記念碑。市民の憩いの場になっている。

噴水に虹

旧港の風景。シャトー・ディフに行く観光船が出ているらしい。

船に帰る途中に、中心街でバスを降りてちょっと自由行動。酒屋を探して入ったショッピングモールBourseではトイレが有料。料金は50ユーロセントで、駅の改札口のような入口には両替機まであった。

マルセイユにもクルーズ船ターミナルがあって、大型の船が何隻も停泊中
   
マルセイユを出港。夕暮れが迫るシャトー・ディフを見ながら、さようなら、マルセイユ。いつかまた来たいね。


ディケンズがクリスマス・キャロルで語りかけたかったこと

2021年11月26日 | 日々の風の吹くまま
11月25日(木曜日)。☂🌧☔。ゆうべは寝るのが遅かったので、起床は9時。いやぁ、降ってる、降ってる。すっぽりと雨雲の中に入っているから、下の道路もかすんで見える。これ、団子3兄弟でやってくる嵐の先頭なんだそうで、週末に2番目、そして週明けには暴れん坊の末っ子が来るという予報。やだねぇ、もう。ハイウェイ1号線(トランスカナダ・ハイウェイ)が今日もしかしたら何とか開通するかもと言うことで、朝から車が並び始めて、警察官がいつになるかわからないから「帰れ」と説得していたとか。実際に通行止めが(制限速度を落として)解除になったのは午後2時だったけど、もしかして「おれ、一番乗りぃ~」とインスタにでも載せるつもりだったのかな。だったら、アホじゃなかろか、もう。

きのうは午後4時半に早々と晩ご飯を済ませて、5時に出発。FedExが4時に届けて来た新しいチュニックを着て行こうかと思ったけど、雨の中を歩くのは寒そうなのでセーターに変更して、ジャケットのフードで間に合わない降りになった場合に備えて折りたたみ傘を持参。いつもは2区画の真ん中に堂々と止まっている車は、先週駐車場のスプリンクラーの冬支度のために頭上にヘッドのない区画に寄せたので、何だか窮屈そう。燃料ゲージによると、ガソリンの残量はタンクの半分をほんのちょっと切った4本線で、これなら十二分に大丈夫。ラッシュアワーなので、普通ならあちこちで渋滞に引っかかるところだけど、思いのほかすいすい。グランヴィルアイランドでは午後6時以降は駐車が無料になるので、ちょうどいいタイミング。劇場の入口で「ワクチンカード」をスキャンして(免許証と照合して)からロビーに入って、名札をもらって、二階のラウンジへ。名札と言い、ラウンジと言い、何だか懐かしい気分。バーで赤ワインを注いでもらって、懐かしい仲間と再会と劇場再開を祝って乾杯しながら30分ほどにぎやかにおしゃべりしてから、劇場内で専務理事ピーターの挨拶と演出家のボビー・ガルシアによる作品紹介。

レセプションは7時にお開きになって、その足で雨の中を20分ほど歩いてスタンリー劇場へ。着いてみたら、うは、劇場の前から角を曲がって続く長ぁ~い行列。入場制限が解除されたので満員なら620人。コロナ・プロトコルで全員のワクチンカードと身分証明を照合しなければならないから、Arts Clubのボランティアが3人がかりでスキャンしても行列はなかなか前に進まない。ゲストサービス担当のマネジャーのピーターが行列に沿って歩きながら「カード、身分証明、チケットの順にスキャンしますので早めに用意してください」と声かけ。慣れないことだからしかたがないな。結局は30分遅れて開演。待っている間ぐるりと見まわしたら、ほんとにほぼ満員。私たちの席は6列目のど真ん中で、前の列にインド料理レストランの人気シェフと奥さんが座っていたし、メディアで見覚えのある顔もちらほら。舞台の奥に(衣装を着た)バンドが着席して、音楽と共に役者たちが舞台に躍り出て来て、すぅ~っとと『クリスマス・キャロル』の世界へ・・・。

舞台は(ドリー・パートンが生まれ育った)テネシー州東部アパラチア山脈の小さな炭鉱の町。炭鉱の持ち主で銀行から商店までを支配しているスクルージはどけちの嫌われ者。クリスマスなんてのは時間と金のむだ使いでしかない。1936年、そのスクルージに吹雪のクリスマスイヴの夜、かって葬り去った相棒マーリーの亡霊が現れ、その予告の通り、過去、現在、未来の精霊が次々とやって来る。過去の精霊は救世軍風の服装で、スクルージに貧しい素朴な青年だった自分を見せる。心優しい妹ファニーが燭台に3本のろうそくを点して3つの願いを歌う「Three Candles」(3本のろうそく)には、慈善活動家でもあるドリー・パートン(結婚して55年で子なし)の人柄がにじみ出ていて、涙が出て来てしまった。現在の精霊は炭鉱夫の姿で、スクルージに貧しいながらもクリスマス精神を分かち合う人たちの姿を見せ、未来の精霊はすっぽりマントを被ったバイオリン(カントリー音楽ではフィドル)奏者で、自分の死を喜ぶ人たちの姿や墓に花を供えに来る甥のフレッド(ファニーの息子)を見たスクルージの問いに無言でフィドルを弾いて答える。ディケンズの原作に忠実な展開で何の違和感も起きないのは、永遠に変わることのないテーマを提示したヒューマンストーリーだからなんだと思う。

雨脚が緩み始めた夕方、ふと晩ご飯のテーブルをセットする手を止めて外を見たら、クィーンズ公園の端に今年も市のクリスマスツリーにライトが点っていた。あとひと月でクリスマス・・・。



待ちに待ったミュージカルのオープニングナイト

2021年11月25日 | 日々の風の吹くまま
11月24日(水曜日)。☁☁☂。またまた大雨注意報。パイナップル特急が3個もつながって来るんだそうで、洪水に遭った郊外でがまだやっと水が引き始めたばかりなのに、物資の輸送が少しずつ回復し始めて来たところのなのに、心配でやきもきしてしまう。一般車のガソリンの給油制限は今月いっぱいということだけど、州の供給量の3割をまかなっている製油所が手持ちの原油を切らしたと言うニュースもあって、先行きは不透明。アメリカからガソリンを積んだはしけがもうすぐ到着するということだけど、陸揚げや配送をどうするかはまだ不透明。窓の下に見えるガソリンスタンドには日曜日の夜に次いでけさもタンクローリーが来ていたから、まだそれほど危機感はないんだろうけど、今夜からの雨の量によってはいつ危機に転んでもおかしくないよね。やれやれ、どっちを向いても五里霧中・・・。

今日はArts Clubの『Dolly Parton’s Smoky Mountain Christmas Carol』のオープニングナイト。スタンリー劇場でフルキャストでシーズンを開けるのは2年ぶりで、しかもミュージカル。ディケンズの名作『クリスマス・キャロル』を、舞台を1930年代のアメリカはテネシー州東部の鉱山町に移して、歌手のドリー・パートンが全ナンバーを作詞作曲した大作。1930年代と言えば、世界経済が大恐慌に陥っていた頃で、コロナのパンデミックで世界中が混沌としている今にふさわしい作品と言えそう。劇場の灯が再びともるのは何よりもうれしい。おまけにADC(劇団支援者の中枢グループ)のレセプションまであるから、うれしさ倍増。ただし、コロナ対策のプロトコルによって50人以上の集まりは「要着席」になっているので、グランヴィルアイランドの劇場内での「レセプション」。普通のレセプションのようにグラス片手にそこここで談笑というわけには行かないみたいだけど、それでも親しくなったパトロン仲間に会えると思うと、雨なんかなんのその。

ガソリンは(カレシによると)タンク半分くらいあるので、バンクーバーまで行って帰って来るのに十分。まだ普通のレセプションのように会場と劇場の間をバスで送迎することができないため、グランヴィルアイランドからは各自で移動ということで、2つの劇場の中間のどこかに車を止めようと思ったけど、考えた末にアイランド側の駐車場に車を止めて、レセプションの後でスタンリー劇場まで歩くことにした。まあ、少々上り坂だけど、せいぜい20分くらいの距離だから、クルーズのツアーで鍛えた足を活用すればいいよね。何よりも駐車できるところを探すのとアイランドまで歩く時間が省けるから、普通のときの同じ時間に出ればいいし、スタンリーからの帰り道は何時に着くという制約がないし、しかも下り坂なんだし・・・。

先週の火曜日が配達予定になっていたアメリカからの品物2つの発送品は、ちょうどハイウェイが軒並み寸断されたときにバンクーバー圏に向かっていたようで、以来追跡情報は「配達予定は不明」のまま。いつになるかわからないなあとため息をついていたら、けさ一番にFedExから「配達車搭載、本日中配達」というお知らせ。おお、やったぁ。何本もの幹線道路が不通になっていたから、いったいどこをどうやって回って来たんだろう。国境を越えてアメリカ側を迂回して来る大型トラックもあるそうだし、1週間もの間どんな迷路をっくぐり抜けて来たのか知りたいところだなあ。スマホを片時も遠くに置かず、「配達済み」のお知らせはまだかなあと、チラチラ・・・。


旅の記憶が薄れないうちに~ニースはナイス

2021年11月24日 | 日々の風の吹くまま
11月23日(火曜日)。🌤⛅。まぶしい朝日は嵐の前の何とかかな。でも、太陽が低くなる冬の朝は奥の奥までまぶしい日差しが入って気持ちがいい。明日の夜からまた「大気の川」が押し寄せて来るそうだけど、「パイナップル特急」が突進して来ると言った方がピンと来るような気がするな。やっと少しずつ輸送ルートが開き始めたところなのに、コロナと言い、前代未聞の酷暑と言い、前例のない大雨被害と言い、2021年は忘れたくても忘れられない年になりそう。

束の間の明るい日差しを精一杯楽しみながら、今日の旅の記憶は2年ぶりに実現したクルーズの3つ目の寄港地ニース。当初はモナコのモンテカルロに寄港する予定だったのが、モナコが今年いっぱい「クルーズ船お断り」を決めたので急遽変更になったのがニース。エージェントのジェフが「ニースの方が楽しめるよ」と言っていた通り、モナコに近いエズと40キロほど離れた反対側の芸術家村サン・ポール・ド・ヴァンスのツアーは、中世の細道をてくてくとよく歩いたけど、すごく楽しかった。フォルダに入っている写真は約250枚。記憶を写真でまとめてみようかな。


朝ご飯はバフェ。今日も歩け、歩けのツアーだから、腹ごしらえしておかなくちゃ。初めて食べたランブータンはちょっぴりライチみたい。

朝焼けの残るニース港。ツアー会社のテントがバスと客を待っているところ。私たちのツアーは8時半発。

交通渋滞はどこでも同じ

エズ村。イタリア語でエツァ、オクシタン語ではエサ。人口2000人ちょっとの小さな村だけど、紀元前2000年から人が住み着いて、ローマ帝国、ムーア人、プロヴァンス王国という変遷を経て、14世紀からこの方、フランスになったり、イタリアになったり、一時はトルコ領になったりの波乱の歴史。フランスに落ち着いたのは19世紀も半ばになってのことで、エズの住人たちが自主的に選択した結果だそうな。


有名なブティックホテル「Chateau de la Chevre d’Or」の門。 「金羊城」とでも言うのか、中世のシャトーを1920年代にホテルに改装したものだそうで、ウォルト・ディズニーがPRに一役買ったらしい。今はルレ・エ・シャトーの5つ星ホテルで、レストランはミシュランの星2つ。映画祭のあるカンヌに近いのでよくセレブが泊まるそうだから、すごく高いんだろうなあ。


ホテルの名になっている金の羊

どこまで行くのか、エズの細道

熱帯植物園にゴリラがいた??

山の上のバロック時代の教会の中。

ジグザグと細道をあそこまで上って、ジグザグと下りて来て・・・

粋な歩道のマーク

サン・ポール・ド・ヴァンス(イタリア語名サン・パオロ・ディ・ヴェンツァ、オクシタン語名サント・パウ・デ・ヴェンサ)。フレンチ・リヴィエラでは最古の中世の集落のひとつだそうで、サルトルやピカソ、シャガール、マティスが愛し、戦後は世界中から映画俳優や詩人、ミュージシャンが集まって来たという、人口3千人ちょっとの「芸術村」はおしゃれな観光スポット。


壊れたままの古いチャペルは今レストラン

村のたたずまい。山の上の城跡まで、どっちを見ても石畳の細道で、両側は村に住むアーティストの作品や工芸品を売る店やギャラリーがずらり。

星の王子様、欲しかったんだけど・・・

ニースへ戻るバスの中から見たサン・ポール・ド・ヴァンス

モナコからフランスのツーロンの辺りまでのフレンチ・リヴィエラは「コートダジュール」(青い海岸)として有名だけど、その名の通りに、ニースの海岸沿いに延々7キロも続くプロムナード・デ・ザングレ(避寒に来たイギリス人たちが整備したので「イギリス人の遊歩道」と呼ばれる)を行くと、地中海の太陽の下、海の色がほんっとに目に染みるくらい鮮やかな「紺碧」の青。


港に帰る途中のバスの窓から見たニースの街角には普通の暮らしがある
長い防波堤で釣りをする人たち。どんな魚がいるんだろう
賑やかにセーリングの練習。赤い帆が真っ青な海に映えて絵のよう。
夕焼けで暮れるニースの1日。午後7時出港。目指すはマルセイユ。


ハイパーインフレが現実味を帯びて来たような・・・

2021年11月23日 | 日々の風の吹くまま
11月22日(月曜日)。☁☂☁。目が覚めたら、何ともう9時。朝ご飯を食べ終わって、さてっとなった頃にはもう10時近く。揃ってよく眠ったみたいだからいいけど、どうしちゃったのかな。次のパイナップル特急が接近しているそうで、天気図を見たらおおむね北寄り。北の方の人たちには悪いけど、こっちは雨はもう当分いいの。でも、週末に向けてさらに降るらしいから、やれやれだな。下のガソリンスタンドはゆうべ遅くにタンクローリーが来て補給。それを見つけた車がさっとポンプの前に横付けしたのには笑ってしまった。危険なので道路で待てと追い出されたようだけど、それほど必死なんだねえ。けさは道路にはみ出すような行列はできていないけど、はて、夕方のラッシュ時にはどうなることか。

水曜日と日曜日にバンクーバーへ行く予定があるんだし、ガソリンがあるとわかっているんだから、うちも混んでいないときに車を持って行って満タンにした方がいいかもよとカレシに言ったら、「わざわざ並んで待って(ぶつぶつぶつ)」という返事。あっ、そ。順番を待ちそうかどうかは窓からチェックできるのになあ。まあ、水曜日の分はまだ十分にあると思うから、今すぐでなくてもいいけど、待つのが嫌だから不測の事態に備えないというんだったら、その不測の事態になっても、それは自分の意志で先延ばしした結果なんだから、誰がどうの、何がどうのとぐだぐだ文句を言わないでよね。いざとなれば給油制限のないタクシーを使えばいいんだし、(信じない向きも多いかもしれないけど)政府も業界も頑張ってるんだし、この状況が永久に続くわけじゃないんだから、リタイアして時間やリソースに余裕があるんなら何も焦る必要はないのよ。脳内レーダーを働かせて、信頼できる情報を自分なりに分析すればいいの。人間の思考過程ってのは、ずばり「分析」に他ならないんだからさ。

出だしが遅かったので、何もしないうちに午前中が終わってしまって、午後は雨の間を縫ってスーパーへ偵察がてらの買い物。店の中はいたって静かで、特に買いだめ族に侵略された気配はなし。卵の棚には「1世帯1パック」、牛乳製品も「1世帯2本」の張り紙。(「1世帯」にしているのは、「1人」にするとじじばばから子供まで動員して来てどっさり買おうとする人たちがいるから。)肉の売り場では、生産地が大被害を受けた牛肉はシチュー肉が何パックか、鶏肉は骨付き皮付きのもも肉と手羽が何パックか残っていただけで、後はみごとに空っぽ。豚肉はまだけっこうあって、生ソーセージの類はいつも通りだったけど、シングル用パックはすっからかん。魚の売り場にはあまり変化がなくて、野菜はレタスがロメインだけになっていた以外今のところはまあまあ。その他はほとんど変わりがなくて、何となく拍子抜けの感じ。

それでも、レジの合計を見たら、そんなに余分なものは買っていないのに、うへぇ。先月の消費者物価は4.7%のアップ、食料品だけでも3.8%上がったそうで、これから野菜などを輸入に頼らなければならない冬を控えて、輸送の遅れや人手不足に先週の大雨被害が重なって、大変なインフレになりそうだという話が現実味を帯びて来た感じ。肉類はもう20%くらい上がっている感じがするし、40年前に経験した2桁インフレが戻って来るのかな。今回はコロナにカナダ史上最悪の災害のダブルパンチだったんだからしょうがないけど、こんなにどんどん値上がりしたら、買いだめや買い占めに走るどころじゃなくなるよねえ。でも、寸断されたハイウェイは緊急車両や必需品を輸送するトラックに限って1車線だけ開通させたところが出て来たし、止まっていた鉄道輸送もCP鉄道が明日にでも運行を再開できそうな見通しだそうだし、また大雨という予報は気にかかるけど、物資の動きは少しずつ、少しずつのペースながらも回復に向かっていることは確かだと思う。ここはがまんのしどころか・・・。


旅の記憶が薄れないうちに~ポルトフィーノ

2021年11月22日 | 日々の風の吹くまま
11月21日(日曜日)。⛅🌤⛅。日曜日だというのに、今日もガソリンスタンドは朝から大盛況。へえ、まだガソリンがあるんだぁと感心していたら、ランチの頃にはスタンドの周囲に黄色いテープが張られていた。とうとう地下の貯蔵タンクが空っぽになってしまったらしい。郊外へ行く途中にあるニューウェストでは、場所を知っているだけで5カ所、私たちの普段の徒歩圏内だけでも3ヵ所あるけど、バンクーバーは人口の割にはガソリンスタンドが極端に少ないので、すでにどこも品切れらしい。それにしても、テープが張ってあるのに車を乗り入れて、しばらくして回れ右で出て行く車のなんと多いこと。看板の価格だって消えているんだから、通りすがって「あ、ないんだ」と思いそうなもんだけど、アプリで確認でもしているのかな。仮想現実じゃない本物の現実には対応できないって人が増えたのかなあ。

ガソリンを入れられるところを探し回って走りっている間にタンクのガソリンをどんどん消費するわけで、結局どこも品切れだったら骨折り損の何とかだなあと半ば同情しつつ、出かける用がない今日なぜか中断していた旅の写真の整理。ローマを出てから2つ目の寄港地はイタリアン・リヴィエラのポルトフィーノ。今はおしゃれなリゾートだけど、元々は漁村だそうで、小さな入り江に面した小さな広場(ピアツェッタ)を囲むように絵のような建物が並び、マリーナにはセレブが持っていそうな大型クルーザーやスーパーヨット。クルーズ船が接岸できる場所がないので、沖に錨を下ろした船からテンダーと呼ばれる補給船(緊急時は救命ボート)で入り江の端の船着き場へ。


   

入江を形作っている岬がぐっとくびれるところにあるサンジョルジョ教会を目指して細い坂道をてくてく。その狭さと来たら、人間がすれ違うのがやっとなんだけど、両側の高い塀の中は古くからある住宅。住んでいるのは富裕層だろうけど、車で上がれないところでは不便じゃないのかなと思ったけど、開いていた門から家の裏の斜面に庭があるのが見えたので、そっか、下に車庫があって階段か何かで下りて行くようになっているのかもしれないと納得。門に自転車を立てかけてあったのにはびっくりしたけど。



ガイドさんが指さした「絵に描いた窓」。ピアツェッタに面した建物の窓も良く見ると絵に描いたものが多い。昔、昔のこと、窓に税金をかけたお殿様がいて、住人はそれはたまらんと実際に開けられる窓の数を最小限にして税金を減らし、後は壁に窓の絵を描いて体裁を保ったんだそうな。税金を逃れたいのは今も昔も洋の東西を問わず同じってことだな。


   

岬がぐっとくびれたところにあるサンジョルジョ教会は12世紀創建だそうで、両側が海にすとんと落ちるような崖。重機も何もない時代に、こんなところにどうやって建材を運び上げたんだろうな。(他の寄港地でも中世の城塞や教会を見るたびに同じことを言っていたワタシ・・・。)


丘の上にそびえている塔はカステロ・ブラウン(ブラウン城)。ローマ時代の紀元前に作られて何度か改装された末に廃墟になっていた城砦を19世紀にイギリス領事が買ってヴィラに改築して住んだところで、イギリスの小説家エリザベス・フォン・アーニムは後に映画化された『Enchanted April』(『魅せられて四月』)をここで書いたんだって。(映画もここでロケをしたらしい。)現在は市の博物館。




教会から岬の突端にあるポルトフィーノ灯台へさらに細くなった道をてくてく。マリーナに来る途中のテンダーから見えていた白い灯台で、100年ほど前に作られて今でも現役。沖には目が覚めるような青い海に揺られて待っている真っ白なシルバーシャドウ号。鈍い青緑色の海を見て育ったワタシには、地中海ブルーはほんっとに息を呑むような強烈な青。灯台のすぐそばにあるレストラン/ラウンジは人気スポットらしい。ピアツェッタから歩いて30分もかからないし、坂道だから少々顎は出るかもしれないけど、冷たいカクテルを片手に眼下にポルトフィーノを眺めるのはさぞかしゴージャスな気分だろうな。


ピアツェッタに戻って間もなくテンダーがお迎え。坂道を上ったり、下りたりで、何日分ものウォーキングをまとめてやったような気分。船に戻ったら、まずはランチ。私たちのお気に入りのLa Terrazzaは夜は予約制だけどランチタイムにはバフェになって、何を食べようかなあとずらりと並んだご馳走を眺め渡すのが楽しい。今はコロナ防止策で自分で取らせてもらえなくて、あれ、これと指さしてはお皿を差し出して載せてもらう仕組み。今日のランチはサラダと巻きずし。握りをころんっとお皿に置いてくれたハンサムなお兄さんが「ワサァ~ビを付けますか」とスプーンにいっぱい。午後はキャビンでのんびり過ごすのもよし、海風に吹かれてデッキを散歩するのもよし。やっと実現したバケーションなんだもの。

   




いざという時こそ人となりが出て来るらしい

2021年11月21日 | 日々の風の吹くまま
11月20日(土曜日)。⛅☁。また8時半まで寝てしまったけど、2人ともよく眠れた気分なので、まあ、いいや。起き出して、リビングの窓から下のガソリンスタンドを見たら、ゆうべは私たちが寝る時間になっても列ができていたのに、朝からもう車の列。パニック状態だな、これ。メトロバンクーバーに通じるハイウェイはいくつもの区間で「エッセンシャル」と指定された車両以外の通行が禁止されていて、一般車両は見つかったら20万円とかの罰金を取られるんだから、週末でも遠出できるところはそうないだろうと思うんだけどな。まあ、何かが急に手に入らなくなったり、数量を制限されたりすると、特に必要がなくても「手に入れなきゃっ」と焦っちゃうのが人間の性なのかもしれない。

掃除の日の今日は、特に念を入れて床の掃除。我が家は昔から家の中に入ったら靴を脱ぐ習慣になっているけど、上がり框というものがないから、靴を「脱ぐ場所」が明確じゃないし、ルーフデッキやバルコニーに出るときはスリッパのままなので、特に雨が続くとどうしても床の汚れが目立って来る。タイルに替えたキッチンは汚れが見えるたびにモップで拭いているけど、あとは土曜日の仕事。家中の床を隅々まで箒で掃いて、その後で全体にしっかりと掃除機をかけてから、床用洗剤をスプレーしながらモップでごしごし。大汗はかくし、足腰が痛くなって来るけど、仕事にかまけていた現役時代は20年も自分の家を掃除していなかったし、まあ、元々から神経質なほど潔癖な性質じゃないから、きれいになったと思ったらそれでよし。プロの主婦の目にはとんでもないぐうたらに見えるだろうけど、ワタシは「主婦」をしているつもりがないからいいの。

午後はのんびりのはずが、このところあまり良くなかったプリンタの調子がますます悪くなって、急遽買い替えることに。今あるのはもう10年以上使っているから、カラーで印刷すると色がずれるようになっていて、まるで乱視でモノが二重に見えているみたいな仕上がりになるので、最近急激に普及して来た観があるQRコードなんか、おそらくスキャン不能なんじゃないかな。それでは困るので新しいのをということになったんだけど、HPのサイトを見ると、カラーのレーザープリンタは軒並み「品切れ」。カレシはどうしてもスキャナの機能が必要だというし、ワタシはコピー機能が欠かせないので、それだと「在庫あり/即出荷」になっているのはモノクロの機種が3つだけ。カラーじゃないから値段はそれなりに安いし、トナーの費用も減るわけだけど、どうしようかと2人で思案投げ首。結局は、どうしてもカラーで印刷する必要があるときは道路向かいのプリントショップでやってもらえばいいので、カラーでなくてもいいということになって、スペックを比べたうえで評価が一番高い6万円の機種に決定。まあ、諸般の事情が事情だから、今注文してもいつ届くかわからないけどね。

窓から見えるガソリンスタンドは1日中引きも切らずの車の列で、夜になってもまだ次々と車が入っている。給油量が30リットルと制限されているけど、基本的に自主的なものだから無視する人は多いだろうし、1回の給油当たりの制限だからスタンド巡りをする人もいそうだな。野次馬気分で眺めていたら、一時的に車がいなくなっても、1台が入ると、通りかかった車が次々に入って来るから、おもしろい心理だな。でも、普通ならポンプの前で止まったらすぐエンジンを切って給油にかかると思うんだけど、どの車もなかなか尾灯が消えないで、1分くらいしてやっと消えたり、中にはそのまま出て行く車もいる。スタンドに入ったけど、ポンプの前をのろのろと通り過ぎて出て行ってしまう車もいるから、もしかしたらレギュラーが売り切れて、高いプレミアムしか残っていなくて、どうしたものか悩んでいるのかもしれない。人間の心理って、観察するほどにおもしろいね。


ぐうたらを決め込んでスウェットパンツをはいたままで改造

2021年11月20日 | 日々の風の吹くまま
11月19日(金曜日)。☁🌥⛅。起床8時半近く。寝たのは真夜中の寸前だったから、もう元の「標準時間」に戻りつつあるという感じ。カレシが英語レッスンのスケジュールを再編するのに、まず午前中のレッスンを全部キャンセルしたので、特に早起きする動機がなくなったせいもあるのかな。でも、日付が変わらないうちに寝るという一線だけは何とか守りたいところだけど、はてさて、どうなるかなあ。

今日は予定外の針仕事。きのう受け取って来た新しいスウェットパンツをさっそくはいてみたら、何だか長過ぎて。同じ袋に入って来た新しいスエードのモカシンを履いて歩くと裾を踏んづけてしまう。サイズはいつものXS(日本的にはSSかな?)で、パンツ類はおチビサイズ(PXS)だと短過ぎるのでいつもちょっと長めなのを承知でレギュラーを買うんだけど、このスウェットは完全に長過ぎ。ということで、針と糸を出して来て、はいたままで裾上げ。ついでに、幅広のゴムが入ったウェストバンドのフロントにある引き紐がやたらと太くて目立つので、引き出せるだけ引っ張り出して、ハサミでばっさり。紐の穴が残ったけど、ちょっと考えて飾りボタンを付けて「隠ぺい」。ティッシュを入れておけるポケットがないので、ついでのついでに小さいポケットを作ることにして、去年最初の布マスクを作った手ぬぐいタオルの残り布を持ち出して来て、取り外しの利くものにしたいけど、さてどうしよう。

あれこれ思案しながらランチを作って、食べて、よし、タオル掛けのような仕組みにしてみようか。ポケットの裏の部分を上に延ばして、タオル掛け替わりにスウェットのウェストバンドの内側にバイアステープを縫い付けて、ポケットの延長部分を折り込んでやれば、何となく「内ポケット」。ウェストのゴムが硬くて縫い付けるのにちょっと苦労したけど、スウェットをはいている間はそのゴムがポケットをウェストに押し付けてくれるので、ずり落ちる心配がないし、ティッシュの出し入れはウェストを引っ張るだけ。初めはスナップを付けようと考えたのが、ウェストに硬い金物が当たるのは嫌だなあと思って、布のバイアステープに変えたんだけど、うん、我ながらいい思いつきだったなあと内心で自画自賛。ついでのついでのついでで、ポケットの上の縁に切り取った引き紐を縫い付けて、ティッシュを出し入れするときに手が入りやすいようにしたのも名案だったな。ポケットを2枚作らなくても、もう1本のスウェットを裾上げするときに、ウェストバンドの内側にバイアステープを縫い付けておけば、1本を洗濯するときにポケットを外して付け替えればいい。ぐうたらな「名案」だけど、せっかくの温かくてはき心地のいいスエットを脱がずにワタシ仕様に改造するにはこれが一番。



週明けはまたかなりの雨が降るそうだけど、今日の夕日はみとごな金色。上流ではあちこちで氾濫して大災害を起こしているフレーザー川も、夕日の色に染まってまぶしい。州政府が、パイプラインの送油停止でガソリンの供給不足が心配されるため、州の南西部(メトロバンクーバーと近隣の地域)とバンクーバー島南部で、ガソリンスタンドでの給油を「1回につき30リットル」に制限すると発表。ただし、せいぜい向こう2週間くらいの一時的な措置だそうだけど、窓から見えるガソリンスタンドには夜になっても行列ができていた。みんな、カリカリしてるんだなあ、やっぱり。でも、あまりにも長い行列でエンジンを吹かして順番待ちしていたら、30リットルじゃ足りなくなるんじゃないのかと心配になるんだけど・・・。



食料品の買いだめはまだ身近に迫ってはいないけど・・・

2021年11月19日 | 日々の風の吹くまま
11月18日(木曜日)。☂☁☂。起きたら、雨。あぁ~あ、またかぁ。でも、しょぼしょぼ程度の降りでよかった。空模様を眺めながら、2つの注文を追跡番号でチェックしたら、きのうFedExが配達するはずだったものはもろに「遅延~配達日不明」。あっちゃあ。でも、もうひとつは何とおととい小包の受取代行オフィスに「配達済」。へえ、立ち往生せずに奇跡的に届いたんだ。たぶん間髪の差でメトロバンクーバーに入っていたんだろうな。ということで、さっそく受け取りに行って、ついでに行きつけのスーパーの方へ回って「偵察」。肉の売り場に隙間が目立つ以外は今のところあまり変化はなさそうで、よしよし。

いろいろなメディアを見渡すと、パニック買いが起こっているのはどうやら洪水に見舞われた郊外のアボッツフォードやチリワックと、ハイウェイの被災地点よりずっと内陸のケロウナやカムループスのような中堅都市。ソーシャルメディアにアップされる写真を見ると、肉売り場も商品棚も卵や牛乳の冷蔵ケースもすっからかん。バンクーバーとの交通が遮断されたことで「モノが来なくなる」と早合点したのではないかということで、政府や運送業界は「アルバータ州から持って来る手もあるんだから心配するなっ」。でもねえ、突然空っぽになった商品棚を目の前にしたら、直感的に「モノがない!タイヘンだ!」とパニックってしまう心理も、何個か残っていたら不要なものでも「他人に買われないうちに」と全部買ってしまう心理も、わからないではないけど、理知的な行動とは言えないな。

朝の偵察でスーパーには品物があるとわかって、雨が止む気配がないので、いつもより少し早めに買い物。店の中はあまり客がいなくて、ちょっと拍子抜け。商品棚のあちこちに空隙があるのは、去年からもうずっと見慣れた光景だけど、今日は棚の奥の空間を隠すようにあるだけを前の方にずらりと並べていて、何となく品物が豊富という感じがする。パニック買い防止の策なのかな。卵は棚が半分くらい空だったけど、売れていたのは普通の卵で、有機卵は(高いからか)まだ豊富。ミルクもまだ豊富。肉の売り場は鶏肉のセクションがほぼ空になっていて、牛肉もちょっと品薄がちで、たっぷりあるのは豚肉。去年の春に買いだめ騒ぎがあったペーパー類はいつもと変わりない「密度」。パンもちゃんとあるし、加工食品の冷凍庫にも、野菜売り場にも特に変わったところはないという印象。おかげでショッピングリストにあった品目はすべて買うことができたけど、この次はどうなっているやら。

郊外の養鶏場では、鶏舎が水没したり、停電で冷え込んだために何万羽もの鶏が死んだそうだから、鶏肉がなくなっていたのは当然の成り行きかな。大災害でストレスを受けているのは人間だけじゃなくて、生き残った鶏も卵を産む気力はないだろうし、牛だって乳を出す気分にはなれないだろうと思うから、卵やミルクもたぶんこれから品薄になって来るかもしれないな。そうしたら買いだめ心理が働くかもしれない。ホーガン州首相が「あなたが必要なものは他の人も必要なんだ。卵は48個もいらないだろう。1ダースで十分だから、後は他の人に回しなさい.」と訴えていた通りで、肉や魚と違って、卵やミルクは買いだめして冷凍保存するというわけにはいかないから、他人に「買わせなかった」分をむだに腐らせてしまいかねない。そこは理性を働かしてシェアするのが一番だと思うけど、はて、どうなることか・・・。


陸の孤島で防火設備の点検とワクチン3回目の予約

2021年11月18日 | 日々の風の吹くまま

11月17日(水曜日)。☀🌤。起床は7時半。見渡せる限り、どの屋根も霜で真っ白。ちょうどベーカー山の頂上あたりから日が昇って来るところで、冬至まであと1ヵ月の今はどんどん日の出が遅くなる時期。でも、もしも来年3月に夏時間に切り替えて、そのまま時計の針を動かすのを廃止したら、緯度の高いところでは日の出が今ごろなら午前8時半、冬至には9時過ぎになって、まだ真っ暗な中での通勤通学ってことになるんだけど、どうなんだろうなあ。冬になっても夏時間を続けようというのは太陽がいっぱいの南の方の人間の発想じゃないのかな

週末の大嵐は前例がないと言われるほどの大災害になって、メトロバンクーバーはまだ陸の孤島状態。鉄道は線路が土砂崩れで埋まったり、流されたりしてアウトだし、ハイウェイはどこもかしこも交通止め。でも、ハイウェイ7号線が郊外のアガシーから西が一車線だけ開通したそうだし、ハイウェイ3号線は来週明けには一部だけ復旧できるらしいし、何よりも、連邦政府が住民や家畜の避難やサプライチェーンが寸断された物資の輸送を応援するために軍隊を派遣するということだから、細々ながらでも「外界」とのつながりを回復できるんじゃないかな。生活物資の品不足はある程度は避けられないかもしれないとしても、ホーガン州首相が州全体に非常事態宣言を出したので、政府が必需品の分配を監督できるから、何とかしのげるんじゃないのかな。洪水や土砂崩れなどの災害の状況がわかって来るにつれて、カナダでの史上最高の被害総額になりそうだと言われている。

今日は1年に1度あるマンション内の防火設備の点検の日。いつも午前8時半に最上階から始まるので、その調子なら23階の我が家に来るのは9時過ぎくらいと目論んで、PCの前でのんびりしていたら、いきなり頭の上の警報器から耳をつんざくようなビビィ~ッという警報音。時々話し声が混じるので、ロビーにあるメインの制御盤をチェックしているんだとわかるけど、いきなりだからびっくりして椅子から落っこちそうになったじゃないの。でもまあ、聞こえるってことは正常に作動しているってことだから、いっか。検査員の若いお兄ちゃんが来たのは9時半近くで、まず我が家には5ヵ所にある警報器をチェック。次に玄関と寝室に通じる廊下の2ヵ所にある煙探知機にスプレーをシュッ。ピーピー鳴り出したところで、被っていた野球帽を脱いでパタパタとあおいで鳴り止むのを確認して、「すべてOKです」。はあ。それじゃあ、また来年ね。

今日の「やっちゃおう案件」はコロナワクチンの3回目接種の予約。おととい「お誘いメール」が来たと思ったら、けさは「3回目接種のワクチンが待っています」なんて、お役所のお知らせとしては何ともヘンなタイトルのメール。デルタ株の亜種が州内でも見つかったということだし、やんわり口調ではあるけど促進に切り替えたってことか。それじゃあってことで、まずカレシ宛のメールのリンクをクリックしたら、開いたページに「○○さん、予約の準備ができています」。登録確認番号が表示されているので、医療保険番号を入れるだけという手軽さ。で、「予約する」をクリックしたら、次は接種場所の選択で、残念ながらニューウェストにはリストになくて、近隣を探し回ってバンクーバーに近いバーナビー西端のBCIT(ブリティッシュコロンビア工科大学)のセンターを選択。次の日時の選択では、日曜日なら交通量も少なくていいだろうと12月5日を選んだけど、11月を見たら28日にもスポットがあって、午後の時間帯は選り取り見取りで、車で行く時間を考えて「1時40分」を選択。すぐに確認メールが来たので、すかさずワタシ宛のメールから同じ場所で同じ日の「1時45分」を予約。2回目のときもそうだったけど、BC州が立ち上げたワクチン予約サイトはほんっとにシンプルでよくできていると感心。まあ、「2回目から6ヵ月」にはほんの少し早いけど、来年まで待たなくてもよくなって、ほっとひと安心。


台風一過というところだけど

2021年11月17日 | 日々の風の吹くまま
11月16日(火曜日)。☀☀。朝日がまぶしいっ。まさに台風一過で、空の色も透き通るような青。でも、ハイウェイはずたずたで、鉄道輸送も寸断されて、国境の南のワシントン州でもかなりひどい状況だそうだから、メトロバンクーバーはほんとに陸の孤島。復旧を急いでいるとは言っても、いつまでかかるかわからないから、いろんなものが品不足になるんじゃないかな。すでに遠い郊外や内陸部ではあちこちで買いだめに走る人たちがスーパーの棚を空にしているというニュースもあって、政府もトラック輸送の団体もパニック買いに走るる必要はないと言っているけど、コロナのせいでみんな疑心暗鬼の心境になってるから、どうなることやら。

まあ、ここんところはケセラセラで行くしかないから、腹をくくってやるべきこと、やりたいことに集中することにして、まずはまた切れた寝室のブラインドのチェーンの修理。前回ワルデマーが直してくれたのと同じブラインドで、巻き上げようとしてまたプッツン。でも、幸いチェーンの端が外れずにスプロケットに残ったので、この3日ほど下から見上げてはどうやって引き出そうかと思案投げ首。でも、いつまでも考えていてもしょうがないから、ブラインドの下に箱を置いて持ち上げておいて、脚立に乗ってチェーンの端っこのボールをプライヤーでつまんで、そろぉ~っと引いたら、おお、成功。さらにチェーンをそろそろと引っ張り出して、ボールの穴をちっちゃなペグを押し込めるだけ広げてチェーンをつなぐ作業はちょっと手こずったけど、何とか成功。広げた部分をプライヤーで締めて、外れないことを確認して、修理は終了。でも、また切れる可能性はあるから、内側にカーテンを取り付ける算段をした方が良さそう。ブラインドはマンションの規約で外せないから、巻き上げたままにしておくしかない。

ひと仕事終わったので、後はのんびりと旅の写真の整理を再開。ローマのチヴィタヴェッキアを出港して、最初の寄港地はリヴォルノ。クルーズ船は朝7時に入港、夜7時か8時に出港というスケジュールが多いようで、夏時間だったヨーロッパでは寄港地に着くのがちょうど日の出の時間。リヴォルノに入港したのも起きて身支度をしているときで、朝焼けの空の下、静かな海をまだ消えやらぬ港の灯りが近づいて来るのを見ていると、ワタシの遺伝子のルーツは間違いなく海洋民族なんだというか、何とも言えない感慨がわいて来る。



リヴォルノはトスカナへの玄関口といったところで、船からのツアーにはピサやフィレンツェがあったけど、私たちはピサのさらに先のルッカと言うところにある19世紀初めに造られた植物園に行くことになっていた。でも、朝起きたとたんに揃って「やめとこうか」。ロンドンでのごたごたとローマでの駆け足の観光の疲れが後を引いていたんだと思う。ということで、返金なしのツアーだけどすっぽかすことにして、1日船の上でごろごろ。それでも、ベランダからはフォルテッツァ・ヴェッキア(旧要塞)に建つ円形の塔マスティオ・ディ・マティルデ(マティルダの天守閣)や遠く市の中心街にあるバロック時代のサンタ・カテリナ教会が見えたし、近くにはフェリーやクルーズ船のターミナルもあって、タグボートや漁船が忙しく往来していて、居ながらにしてのんびりと観光気分。それもクルーズの楽しみのひとつ、かな。


船室のベランダから

中世の要塞

大漁だったのかな

巨大なクルーズ船


台風並みの大嵐で陸の孤島になってしまった

2021年11月16日 | 日々の風の吹くまま
11月15日(月曜日)。🌀🌧☁⛅☁。うは、台風並みの大嵐だ。大雨警報に強風警報が加わって、西の風、瞬間風速は15メートル。ラジオのニュースによると、ハイウェイ1号線(トランスカナダ・ハイウェイ)を始め、3号線、5号線、7号線、99号線と、バンクーバーに通じる主要なハイウェイが軒並み土砂崩れや冠水で不通になっているという話で、バンクーバー島を結ぶフェリーも欠航が相次いで、メトロバンクーバーは「陸の孤島」も同然の状況。初めは100ミリとか言っていた予想雨量は多いところで200ミリ超になっていて、川の氾濫が心配される郊外の平野部やさらに内陸の方で避難命令や避難勧告が出ているところがあるし、メトロバンクーバーの東隣のフレーザーバレー地方行政区(「郡」に相当)ではすでに洪水が起きていて、緊急事態宣言。雨は午後には収まってくれるらしいけど、何ともはや。

けさはミルクがなくなっているので、ポーチドエッグときのうのうちに焼いておいたベーコンで朝ご飯。超厚切りのベーコン(500gのパックに8、9枚)はエアフライヤーで30分ほどかけて焼くと、脂が落ちてカリカリのヘルシー。灰色の雨雲がすごい勢いて雨粒満載の窓壁の外を流れて行くのを見ながら、のんびりとコーヒーを飲んでいたら、バイブレーションに設定してあるスマホがズズズズっ。Gメールのアイコンにバッジが付いていたので開けてみたら、「COVIDワクチン接種予約サイトのリンク」とかいうタイトルのメールが、カレシ宛とワタシ宛に2件。うへえ、もう3回目接種のお知らせが来ちゃってる。早っ。まあ、70歳以上は最優先グループに入っているし、2回目接種から今日で5ヵ月になるから、そろそろ3回目の予約を入れませんかと言う「お誘い」が来たわけか。予約には2回目の時にもらった登録確認番号と医療保険番号があれば簡単。ということで、了解。

ランチの用意をしていたら、朝からずっとどばどばと降っていた雨が急にピタッと止んでびっくり。大雨警報も解除になって、残っているのは強風警報だけ。西風だから、我が家の側では風も収まったように見えるけど、マザーネイチャー、いったいどうしちゃったのかな。ランチの後のエスターとのレッスンが終わって、ガスパッチョの材料を買いたいというカレシと2時過ぎに一緒に買い物に出たら、風はまだ強いし、冷たいし。重くなったカートをカレシに引っ張ってもらって帰って来たら、北東の空には青空がのぞいて、うっそぉ~。でも、近場の山波は頂上の雪がすっかりなくなっていた。青空は短命だったけど、例年なら今ごろに第1号、第2号が来るのに、今年はもう5回目という「大気の川」が通り過ぎるところか。これも気候変動の「症状」ってことなんだろうね。








夜には空高くお月さんが昇って、周りの夜景がキラキラ。雨風で空気が洗われて澄み切っているのか、光がやけにシャープな感じ。あしたは風はまだ強いけど、久しぶりに晴れるんだそう。予報、当たるかなあ。ここからわずか100キロほど先のハイウェイ7号線では、2ヵ所の土砂崩れの間で立ち往生して車の中で一夜を過ごした300人近い人たちを、空軍の大型ヘリコプターが順次救出しているそうだけど、そうでなくても物資の輸送が滞りがちなのに、この分ではある程度の品不足が起きるのは避けられないかな。やれやれ。まあ、おたおたしてもしょうがないから、あしたはまた旅の写真の整理にかかろうっと。