リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

気持の上で放浪の旅に出ます

2014年10月28日 | 日々の風の吹くまま
かなりの風。玄関のドアを開けると向かいのゴルフ場の林の梢がざわざわ、ごうごう。一瞬、
アルプスの山小屋のハイジの気分になる。どこかでチェーンソーの音がしているのは、倒れ
た木があるということか。温帯雨林と言われる気候のせいか、このあたりの針葉樹は巨木
でもけっこう根が浅くて、ちょっとした嵐でもそれこそ根こそぎどった~んと倒れることがある。
何だか象徴的でもあるような・・・。

何かと雑念に邪魔されながらも仕事をしていたら、何だか嵐模様。普通で6日、がんばって
4日という大きな仕事が倒れ込んで来た。まあ社内のごたごたの総集編みたいなもので、
事の経緯はわかっているから、野次馬の観点からは断る手はないな。でも、遊びの予定が
立て込んでいるから「がんばって4日」の方じゃないと納期に間に合わない。半隠居は楽し
いけど、半現役は(おもしろくても)楽じゃない。

日本でのエボラ熱騒動の報道でヘンなことに気がついた。「きな臭い」と言う感じかな。ワタ
シは職業柄メディアの記事でも何でもかなり裏読み、斜め読みして分析する習癖があるよう
で、書き出したら長くなるから(そうでなくても初心を忘れて長くなって来ているのに)、そのう
ち饒舌版の方にまとめるかもしれないけど、知的で教養のある人までが何か先鋭化したよ
うな発言をするようになって、今回の騒動に関する発言は少なからずショックだった。年代も
学歴も思想傾向も生活環境もまったく違うし、いろいろ困難な状況にあるのもわかっている
けど、友だちだと思っていたからショックだったのかもしれない。もうワタシが知っている国で
はないのかもしれないけど、脈絡もなくもう日本には行かない方がいいのかなあと思ってし
まった。まあ、何にでも終わりがあるってことだろうけど。

長い前置きだけど、仕事が詰まって来たし、英語で書く方にエネルギーを注ぎたい気持も
強いので、しばらくこのブログは留守がちになるかもしれない。精神的な放浪の旅と言うと
大げさ過ぎるけど、ときどき自分の精神風土の根っこの深さを確認したくなることがあって、
今がまたそのときなんだという気がする。だって、冬の嵐に根こそぎ倒されて朽ち木になる
のはごめんだもの。なんて言いながら、ワタシのことだからときどきぶらっと戻ってまた去る
かもしれないけど、ま、去る者は追わず、来る者は拒まず、Only connect・・・。

バイのつく人は何かと騒音に強い

2014年10月27日 | 日々の風の吹くまま
家の外での突然の騒音で目が覚めた。午前10時半。芝刈り機の音とは違うので、ガーデ
ナーのジェリーが前から頼んであった生垣の刈り込みをやっていると推測して、騒音を意識
的に無視してしばらくうとうと。それでも11時には2人とも起きて、カレシは外へ。総延長40
メートルの生垣は放っておくと3メートル以上になって、太陽が低くなる冬は庭の日当たりが
悪くなるし、タレットのある我が家は「眠りの森の城」と呼ばれてしまう(美女はいないけど)。
3時間ちょっとで2メートルに刈り揃えられてすっきり。でも、想定外に早く起きたもので、2人
ともちょっと眠い。

今日こそはと仕事にかかる。医療関連の心理学。いろんな病気の症状の名前を検索、検索。
カレシはラジオをかけっぱなしで、あれこれと話しかけてくるから、ワタシはそうねえ、ああで
こうで、ふんふんと上の空で応じながら、学者特有の日本語を読んで、訳文を考える。2人
にはごく普通の風景だけど、そういえばThe Economist電子版に「バイリンガルの人は周
りで大きな声がしていても答え難い問題に答えられる」という記事があったな。異なる言語
を聞き分け慣れているから、がやがやしていても必要な音声に注意を集中できるということ
か。逆に、集中力が足りないとバイリンガルになり難いということかな。

すわ日本にエボラ熱上陸かと騒いでいたけど、とりあえず陰性だったらしい。日本人ジャー
ナリストだと思っていたら、カナダ人ジャーナリストになり、日系カナダ人ジャーナリストにな
り、英語メディアで探したら何とニューヨークタイムズのオオニシ記者。カナダ人とは知らな
かったけど、昔アフリカの支局長だったから、そのつながりでエボラ熱の取材に行ったんだ
ろうな。で、ヨーロッパ経由で(支局長だったことのある)東京に来て、そこから(今支局長を
やっている)サンフランシスコに帰るつもりだったのかな。何かとねっとうよが目の敵にして
いると聞いているから、日本での反応がおもしろそう。

でも、ワタシのブログもねっとうよが見たら「日本人を名乗って日本(人)を批判している」と
言うのかな。独白だし、周囲の騒音にはどこ吹く風だけど、日系カナダ人はオオニシ記者と
同じだから、コワイ(日本)人たちに睨まれないように気をつけた方がいいのかな。。飛鳥時
代の半島渡来人の血筋だろうなんて言われたりしてね。ワタシ、どう見たって弥生人よりも
縄文人の遺伝子が勝っていそうなんだけど。

プリーズくらい知っていないと

2014年10月26日 | 日々の風の吹くまま
正午過ぎに起きたら、今日は秋晴れ。ハワイをかすめて熱帯低気圧になったハリケーン・ア
ナの成れの果てが明日の夜に西海岸にやってくると言うから、それまでの息抜き。火曜日
には35~45ミリの雨だって。もうパイナップル特急はいいよ、と言っても来るものは来るん
だからしかたないけど。この調子だといつになったら屋根の葺き替えができるやら。また年
を越しちゃったりして・・・。

今日はパンがないので、おととい炊き過ぎたご飯とまだ残っていた松茸で雑炊を作って朝ご
飯。きちんと昆布で出汁を取ったので(松茸のおかげもあるけど)おいしくできた。ほかほか
した気分になって、今日は本腰を入れて仕事だっ・・・と勢い込んだものの、あっちに寄り道、
こっちでぶらぶら。納期が早まったのに、いいのかなあ。遊びすぎと言うよりは遊びの予定
が多すぎて・・・は言い訳にもならない。ワタシの後ろでは、カレシが英語教室関係の「仕事」
で忙しい。スカイプの英語教育コミュニティの掲示板にまた「アイアム日本人。英語勉強した
いからメールして」みたいなポストが上がっているらしくて、「すごい権利意識を持ってるなあ」
とカレシ。まあ、バブルからこの方そういう教育をされたんでしょ。

カレシの古い「無料英語レッスン」のポストが「関連ポスト」として上がって来るたびに日本か
らも似たようなメッセージがたくさん来る。テレビやロック音楽の影響か、スラング満載のタメ
口が「本場の英語」と思っている若者も多いようで、「ゆとり教育世代」とか言われる年齢層
なんだろうけど、先生に「メールしてよ」はないと思うよ。まさかゆとり教育だからと、英語の
教科書から「Please」という単語を削ったわけじゃないだろうな。英語にだって丁寧な言い方
があるんだから、国際人ならPleaseくらい知っていないと・・・。

まあ、カレシには現在スカイプ生徒が3人いて、新規募集してないので悪しからず。週一で
2年続けているベトナムの女子大生トランさんはカレシと議論を戦わせるほどで、最近は
IELTSの試験ですごい高スコアを出したし、四川省から香港大学に留学中のチオンさんも
1年で見違えるほど上達して、今英語で博士論文を執筆中。半分ゆとり教育を受けて来た
N君だってゆとり世代的なところはあっても、国際舞台を目指してがんばっている。みんな
すごい熱意だけど、ゆとり日本人、大丈夫?「アイアム日本人」が葵のご紋だった時代は過
ぎたと思うけど。

ゴードン・ライトフットを聞いて来た

2014年10月25日 | 日々の風の吹くまま
外はどよ~んとした空模様。午後いっぱいぼちぼちと仕事をして、早めに夕食。今夜はゴー
ドン・ライトフットのコンサート。クィーンエリザベス劇場はダウンタウンにあるし、雨がひどく
なって来たしでタクシーで行くことしたのはいいけど、電話をかけたら即刻ホールド。土曜日
の夜だから忙しいんだなあ。でも待てど暮らせど「まもなくおつなぎします」。おい、間に合わ
ないぞよ。結局10分近く待った挙句に諦めて車で行くことにした。

キャンビー橋を渡って、駐車スペースを探して目を凝らしていたら、おっ、路駐から出る車が
いる。しめたっ。速攻で場所を確保。駐車メーターもなくて、午後6時以降はただと来ていて
超ラッキー。3ブロックほど先の劇場に着いたら、タクシーの長い列が次々と客を降ろしてい
た。どうりでタクシーが出払っていたはずだなあ。ドレスサークルの席に落ち着いて、周りを
ぐるっと見渡したら、だいたいが50代から先の年代のメタボ体型でジーンズにスニーカーと
言う典型的な郊外族。まあ、フォークが流行した時代にシンガーソングライターとして活躍し
たライトフットは今年75歳。人気トリオのPP&Mが歌った「Early Morning Rain(朝の雨)」
は彼の作品。

年齢的にも1時間くらいのコンサートかと思ったら、休憩を挟んで2時間歌いっぱなし。圧巻
は何と言っても代表作の「The Wreck of the Edmund Fitzgerald(エドモンド・フィッツジェラ
ルド号の難破)」。1975年11月に五大湖のスペリオル湖で実際に起きた鉱石運搬船の遭
難を扱ったバラード。レイカーと呼ばれる五大湖を往来する貨物船で総トン数13000トン
超。この時期に多いノーイースターと呼ばれる暴風雪に遭遇して、僚船に「持ちこたえてい
る」と連絡した直後にレーダーから消え、3日後に真っ二つに折れて沈没しているのが発見
された。沈没の直接原因は諸説があるけど謎のまま。船長以下乗組員29人は船と一緒に
今でも湖底に眠っている。

ミクソリディアンスケールの物悲しいメロディに乗せて語られる約8分の叙事詩に、新聞もラ
ジオもなかった大昔に世の中の出来事を詩歌に託して津々浦々に伝えた吟遊詩人たちの
姿が見える。今やニュースが即時に世界を巡り、小さな二次元の枠の中で消費される時代。
もう歴史や事件を叙事詩に託して「歌い継ぐ」ような時代ではないんだろうな。チペワ族から
語り継がれる伝説は「11月の空が陰鬱になった時、大きな湖は死者を決して手放さない」
と言う・・・。


どうして金曜日というと・・・

2014年10月24日 | 日々の風の吹くまま
何かチャイムが鳴ったような気がして目が覚めた。そう言えばオカナガン地方のワイナリー
からワインが届くことになっていた。春のArts Clubのワインディナーで向かいに座った美
人の販売部長との会話の流れでコンサルタントのまね事。「謝礼」として大好きなシャセラス
(白ワイン)をもらうことになっていたのが、何だかんだで延び延び。郵便受けを見たら案の
定FedExの不在通知。どうしてもいつも10分の差で逃すんだろうなあ。でも、電話で明日
取りに行けるかと聞いたら、うまく行けば今日中に可能とのことで、連絡待ち・・・。

朝食後にメールをチェック。あちゃ、やっと始めた仕事、発注元の希望で納期を1週間も短
縮されてしまった。しぃ~らないっ。3日あればできる量だから、ぶっ飛ばせば十分間に合う
けど、まあ、短くなった分レートのレベルが一段上がって実質1割増しになるから、がんばっ
ちゃおう。Whole Foodsからのお知らせメールはきのう見逃したらしい。量り売りの商品が
すべて今日1日25%オフ。ああっ、行かなくちゃぁっ。朝食のグラノーラが切れそうだし、か
ぼちゃの種も切らしてるし・・・。さらに「明日はゴードン・ライトフットのコンサートです」という
メール。だいぶ前にチケットを衝動買いしてあった。大変だっ、金庫からチケットを出してお
かなきゃっ。いっそがしいったら・・・。

午後4時前にFedExから連絡。早いなあ。金曜日だからかな。それっと空港近くの営業所
へダッシュ。待たずに大きな箱を引き取って外へ出たら、次々と車が入って来る。ははあ、
みんな配達を逃したクチだな。金曜日午後のラッシュはなぜか早く始まって早く終わるから、
行きも帰りも渋滞なし。さっそく開けた箱の中にシャセラスが4本。2本ほどでいいって言っ
たのに、忘れずに送ってくれた「謝礼」、うれしいね。さっそく1本を冷やして、夕食の銀鮭は
照り焼きに決めた。上品な甘みのあるシャセラスはちょっと甘い味の日本食にぴったりな感
じがする。

夕食後は思いついて冷蔵庫の残り物で「お弁当」作り。白いご飯を炊いて、豚肉のしょうが
焼き、きんぴらごぼう、ほうれん草としいたけの卵焼き、海苔ご飯。ジップロックのコンテナに
入れて(Hマートにはお弁当箱があるかなあ)、ひと息ついたら、グラノーラを買いにあわた
だしくWhole Foodsへ。帰って来ればほどなくしてランチの時間。中国茶を入れて、お弁当
箱を開いて、あ~あ、やっとゆっくり。外はまた雨・・・。

     

荒れ模様はまだまだ続く

2014年10月23日 | 日々の風の吹くまま
夜の間にまた降り出した雨が朝方には大雨になって、どこかで雷も鳴ったらしい。雨量は多
いところで80ミリ。メトロバンクーバーの数十ヵ所で道路が冠水する騒ぎで、折から朝のラッ
シュの時間が重なって、車が水しぶきを上げて行き交っていた。落ち葉が溜まると雨水渠の
排水口が塞がってしまうので、市は道路に掃き出さないように呼びかけている。嵐のせいで
そこら中に落ち葉がすごい量。ま、グリーンごみの容器に入れて収集日に出せばいいんだ
けど。

でも、早々とやってきた雨期の名物「パイナップル特急」。いつも3つくらい列を成して来るか
ら迷惑な話で、今度もまだ来週早々まで続くらしい。やれやれだなあ。それでも、平地での
最低気温が一桁に下がるようになったので、1000mを超える山が20以上連なるノースシ
ョア山脈は冬の訪れ。(一番高いのが標高1739m、1300m~1500mクラスが多くて、
一番低くて1015m。)バラード入江の背後に聳え立つ山並みのうち、標高1449mのシー
モア山は雪、1231mのグラウス山は雪混じりの雨だそうで、スキーヤーやスノーボーダー
が待ちかねたシーズンが駆け足でやって来るという感じ。でも、里の方では大雨続きはやっ
ぱり迷惑なんだけど。

きのう銃撃事件があった連邦議会議事堂では半旗を掲げ、与野党の党首がハグし合った
後、平常通りに質疑を開始。(テロに屈しないと言う意思表示でもある。)テロ対策の議論と
共に懸案中の諸問題を丁々発止出討議していたので、何か頼もしい感じがした。銃撃犯は
シリアに行こうとしてパスポートの発給を拒否されたそうで、すごい数の前科があって、しか
もクラック中毒だったこともわかって来た。ジハードだの何だのと御託を並べてはいるけど、
ISISなんてのは所詮そういうならず者やサイコを集めた殺し屋集団にすぎないことは明ら
か。だから、戦没者慰霊碑を警護していた兵士を背後から撃つという卑怯きわまりないこと
をしても不名誉とさえ思わないんだろうな。

雨が降ったり止んだり、青空が見えたりしながら夜になって、近所の家で花火を上げ始めた。
小さいけど空でカラフルな花を咲かせる本格的な打ち上げ花火。そっか、今日はインド人の
お祭りの「ディワリ」。インド系の人口がサレーに移ってしまって、我が家に近い「パンジャビ
マーケット」はもう何のイベントもやらないくらい寂れている。でも、次々と上がる花火はきれ
いだった。

去るものも去ったものも日々に疎く

2014年10月22日 | 日々の風の吹くまま
テレビをつけたら、首都オタワで戦没者慰霊碑の儀仗兵が射殺され、首相や与野党議員が
いる連邦議会議事堂に侵入して発砲したというニュース。先週モントリオールでイスラムに
改宗したケベック人が兵士を襲撃する事件があったばかりなのにまた?旧フランス植民地
の出身者の多いケベック州はカナダで2番目にイスラム教徒の人口が多くて、先の州選挙
で惨敗したケベック党のようなフランス流の世俗主義を主張する正統派がヒジャブ着用を禁
止しようとしてイスラム教徒の反発を買ったし、おまけにかっては極左のケベック解放戦線
によるテロが頻発したところでもある。不満分子が先鋭化する素地があるんだろうか。

来年は総選挙の年だけど、この事件が政局にどう影響するのか。カナダ、アメリカ、イギリ
スの新聞サイトを巡った後は日本。某新聞に続いてまたひとつ新聞サイトのブックマークを
消した。関心が薄れたと言うか、日本に住んでいないワタシには政治経済以外の記事は見
出しだけで十分だし、記事には見出し以上の情報はないから結局は英語メディアの記事を
探すことになって、灯台下暗しのごとしになることが多いと気づいたから。それに、社会事情
を探るつもりだったら小町横町の井戸端会議を岡目八目で観戦した方がよほど「現場感」
があるし・・・。

もしかしたら、仕事を通して仮想的に繋がっている時間がぐんと減ったもので、「日本」との
間にワタシの気持の上で距離が広がって来たということかな。仕事をしていない時間を過ご
すのは「今いるここ」だし、そのときの「日本」は海の向こうの友だちや家族と共有する私的
な空間に凝縮される。長く離れているとどうしてもこうなるもんなのかな。人生66年と6ヵ月
の60%、社会人として80%以上を「ここ」で生きて来たわけで、ワタシから見ると「去った者
も日々に疎し」ということになるのかな。

笑っちゃうようなことがないとね

2014年10月21日 | 日々の風の吹くまま
雨がち、曇りがちでベッドルームが暗いから、つい寝すぎてしまって、ここのところ起床は正
午すぎ。朝食をして、1日が始まったと思ったらもうすぐに夕食のしたくの時間。まあ、眠れ
ないよりはずっといいけど、後2週間足らずで時計の針を1時間戻して「標準」時間に戻った
らどうなるんだろうな。今はたった4ヵ月の辛抱とは言え、標準時間になると日本の午前9時
が午後5時から4時に繰り上がってしまうので、時差をまたいで期限のある仕事をしている
ワタシにはすごく迷惑なんだけど。

11月はBC州各地で市町村選挙。ラジオでは候補者の選挙運動メッセージがもう耳障りに
なって来た。バンクーバーの現職候補は市役所の外に自分の選挙看板を立てて批判され
ているけど、このレベルの選挙ではいつも笑い飛ばすしかない泡沫候補が登場する。中に
はメディアを賑わす人もいて、今年はお隣のバーナビー市の市長に立候補したおばちゃん
がそのトップかな。何しろ、公約が「公共の場での愛情表現を一切禁止する」市条例を作る
というもので、「セックスを想起させる行為」をすべて禁止するんだって。そうなったら公園で
の結婚式での新郎新婦のキスはおろか、カップルが手をつなぐのも条例違反になるという
から、あんた、女タリバンかい?(泡沫候補だから笑っていられるんだけど。)

細菌や細胞のぬいぐるみを作って売っているGiantmicrobes(巨大微生物)というユニーク
な会社がアメリカにある。ワタシもサンフランシスコの科学館で買って来た「南京虫」のぬい
ぐるみを持っているけど、おもちゃとしてだけでなく、ラベルにはまじめな知識情報を載せて
いて、WHOや製薬会社、赤十字が教育材料として買う得意先だという。その会社のエボラ
ウィルスのぬいぐるみが飛ぶように売れて、品切れになったという話。今どき不謹慎だと怒
る(常識)人に、メーカー側は「何年も作って来たのが今になって急に売れ出した」。ちなみ
にデング熱ウィルスやノロウィルスといった悪者だけでなく、有用な微生物や人体細胞のぬ
いぐるみもあって、何だかコレクションしたいような・・・。

何かと不安、不安と、「不安」に包囲されているような世の中だからこそ、ブラックでもいいか
らちょっとばかりユーモア精神を発揮したり、つい笑っちゃうようなことを見つけなきゃ。特に
不安ストレス症の人はほんとに怖い病気になってしまいかねないよ。これ、ワタシをいつも
見つめている南京虫(トコジラミ)↓
          

営業は好きじゃないので

2014年10月20日 | 日々の風の吹くまま
どんより。予定なしの仕事なし、と思ったら仕事が入っていた。小難しそうな学術論文。それ
も発注元のご指名なんだって。翻訳会社の下請けをやっている身としては、発注元から「同
じ人に」と指名されることくらいうれしいことはない。だって、めったにないことだし、誰でも認
められたいもんだし、発注元が「前回と同じ人に」と指定してリピート発注して来たというの
はワタシの仕事を気に入ってくれたということだし、大きな三重花丸をもらったような気持。

ワタシがこの道に入った頃は専門キャリアの途中でひょんなことから翻訳の道に足を踏み
入れたという人が多かった。ワタシもフリーの翻訳者になるなんて考えてもいなかったのに、
カレシに背中を押され、通訳講座の先生に手を引っ張られて、じゃあそうするか・・・と退職
願を出して、始めてみたら予想外の商売繁盛でそのまま25年、という「たまたま組」。ワタシ
のように学歴や専門の経験がなくても看板を出せたのは、ネットも電子ファイルもメールも
ない時代で、市場が狭かったからだと思う。今なら大学卒でTOEIC何百点以上で専門は
何々という「敷居」があるらしいから、なりたくても無理だな。

ネット時代になって、フリーの翻訳者は世界のどこからでも仕事を請けられるようになった
のは革命的だけど、その分世界中の翻訳者と競争することになって、翻訳会社に積極的に
営業をかけて仕事を取らないと干上がってしまう。ワタシのところには世界中の様々な言語
ペアのフリーランス翻訳者から毎日のように営業メールが来る。(代行送信する業者が翻訳
会社と勘違いしているらしい。)同様にいろんな翻訳会社から登録を勧誘するメールが来る。
でも、応答すれば無料のトライアルを要求して来るだろうし、やって登録したところで仕事が
来る確率は低いから無視するんだけど、しつこく来る。

無料トライアルも営業のうちと言えるけど、これから翻訳業界に参入しようという人には厳し
い営業環境だと思う。ワタシが25年間も営業をやらずに済ませて来られたのは奇跡かもし
れない。そう言うと決まって「ウッソォ~」とやられるけど、営業は好きじゃないので、口コミや
日米加の協会の名簿を見た会社からの引き合いにお任せだったのは本当の話。それでも
すばらしい常連客に恵まれたのは運が良かったとしか考えられない。さて、指名された仕事、
納期まで時間はたっぷり。気合を入れてやらなきゃバチが当たる。

性格が良いのか、悪いのかは

2014年10月19日 | 日々の風の吹くまま
カレシがトラックでドライブに出かけたいと言っていたので、急いで仕事を終わらせて納品し
ておいたのに、寝すぎた上に雨の予報で「や~めた」。それでは、と解凍しておいたバックリ
ブをスロークッカーに仕込んで、今日の夕食の算段はおしまい。肉つきが良くて、長さは60
センチくらい。さぞかし大きな豚だったんだろうな。バックリブは背中から脇にかけてのところ
で肉が多いけど、脇から胸/おなかにかけてのサイドリブは脂身がかなり多い。自分のあ
ばら骨を背中から胃の辺りまでもぞもぞと手探りしてみて、なるほど・・・。

きのうMBTIの性格判断テストのことを思い出して、資料と一緒に保存してあった30年前
のテスト結果を探し出してみた。表紙に「私のタイプは I・N・T・P でした」。中を見るとまず
外(E)か内(I)の思考エネルギーの向きは内向型のIが82%。次に感覚型(S)か直感型
(N)の情報収集タイプはNが80%。思考型(T)か感情型(F)の決断タイプはTが57%。最
後の判断型(J)と知覚型(P)の対外観はPが79%と書き込んである。おしゃべりなワタシ
が内向型なのはヘンだけど、自分の中であれこれ考えるタイプということらしい。考えにふ
けって上の空の大学教授を絵に描いたようなタイプ・・・なんて、うっそぉ。

でも、答を1つか2つ変えると感情型(F)が勝って「INFP」と出て来る。それだけ決断タイプ
が思考型と感情型の間で揺れているということだろうな。ワタシの中に合理主義(NT)と理
想主義(NF)という反目しそうな気質が同居していて、普通は合理主義者がわりと優勢なん
だけど、ときどき理想主義者が「そうは言ってもさぁ~」と合いの手を入れて合理主義者をい
なしている、という感じかな。何か二重人格みたいだけど、ま、人間は誰でも相反する性格
要素を兼ね備えているもんだから、どのペアでも一方が100%という人はいないだろうし、
そのスケールの傾きが人間性に濃淡と奥行きを与えるんだろうと思う。

性格が一種のスペクトラムだとしたら、ワタシは「INFP的INTP」。ここで勝手に「INT(F)P」
という優柔不断なタイプを作ってしまおうかな。一点集中型のハリネズミには理解しがたい
性格かもしれないけど、スペクトラムの上をあっちこっちと走り回る狐にはわかってもらえる
ような気がする。ワタシの性格が良いのか悪いのかはまた別の話だけど・・・。(「性格判断
テスト」のお試しはここでどうぞ。)

血液型A、行動タイプB、ついでにINTP

2014年10月18日 | 日々の風の吹くまま
起きたときは晴れていたけど、雲が広がって、南東の空には何だか黒っぽい雲。雨はだい
たい南東の方から来るから、降るかな、降らないかな。今日も巣篭もりを決め込んで、まず
新聞サイト巡り。日本の某大手新聞のブックマークを消去。日本中で毎日いろんな事件や
災害が起きているのに、いっつも韓国が~、中国が~。日本の人には重大な関心事かもし
れないけど、こんなのを購読していたら、知らないうちに在特会とやらみたいなことを叫び出
しかねないような気がする。ここまで来たらプロパガンダマシン。ワタシ、興味ないもん。

ラジオで輸血用の血液が足りないので献血をと呼びかけているのを聞いて、なぜか日本で
血液型による性格分類が流行っていたのを思い出した。血液型と性格の関係は科学的な
研究で否定されたはずだけど、今も信じる人がいるのかな。でも、1億2千万の人間をたっ
た4つの型に分類するなんて乱暴な話だけど、何かを基準にラベルなりランクなりを決めて、
自分がそのどこにいるかを知りたがるのが日本人なんだそうな。(日本語自体が相手との
上下関係を知らないとうっかり口を開けない言語だから無理もないと思うけど。)

こっちでは献血や輸血をしたことがなければ自分の血液型を知らない人がほとんどで、カレ
シも知らない。A、B、AB、Oの性格というのを見ても、どれもカレシに当てはまらないからエ
イリアン型かも?ワタシはA型だけど、やっぱりぜ~んぜん当たってない。神経が細やか
な気配り型とか優等生タイプとか潔癖できれい好きとか、うっそぉ~。強いて言えばAB型
に近そうだけど、ワタシの血は間違いなくAなの。血液型とは別に行動タイプにもA、B、C
と言うのがあって、タイプAは心筋梗塞、Cはがんになりやすいそうな。ワタシはどのテスト
でもタイプBなので、どんな病気になりやすいのかな。もしかして呼吸器系?

まだ勤め人だった頃に勤め先でMBTIという性格診断テストがあって、3年の間に2回受け
て、2回ともINTP。T(論理的)のスコアがF(感情的)に近いところまで同じで、その後何度
やっても同じ。適職は作家とか芸術家、法律家だそうで、翻訳もそのうちに入りそう。当時の
職業は(勤務評価は良かったけど)まったくの畑違いだったことになる。でも、INTPの女性
は生意気で可愛げがなくて変わっていると言われるらしい。まあ、敢えて否定はしないけど、
同じタイプの男は高く評価されるってのはどうも納得が行かないなあ・・・。

勉強は嫌いだけど、学ぶのは楽しい

2014年10月17日 | 日々の風の吹くまま
雨。当面は晴れるつもりがなさそう。今日は出かける予定がないから、のんびりと巣篭もり。
そういうときに限って(日本の)週明け一番が納期の仕事を置いて行かれるんだけど、金曜
日の夕方に急に持ち込まれる仕事を引き受けてお客さんに重宝してもらうのも商売のうち。
でも今日はのんびり起きて、ベーコンと卵を焼いて朝食。後は仕事は明日に回して、のんび
りとコーヒーを飲みながら、しばしの読書。こういう1日の始まりも捨てがたいもんだな。

きのう『Educating Rita』(「リタの教育」)の台本の部分を読み終わったので、また初めから
読む。芝居を観てから何だかワタシも「学び虫」に取り付かれたような気がする。芝居の台
本は立って読むのがいい。声に出して読むともっといい。それぞれの役を演じているつもり
で読むともっと、もっといい。夫の妨害を乗り越えても学ぼうとするリタ。芝居の中でリタが歩
む道にワタシが通って来た道が重なって見えて来る。「初めにそう言ってくれればいいのに」
と文句を言うリタに、「自分なりに発見することでより良く理解できるんだ」と諭す教授。それ
が「学び」の真髄だと思う。

カナダで働き始めてから何度もカレッジレベルの通信教育に挑戦したけど、仕事と家事の
両方をフルタイムでこなして、何もしないカレシの世話をした上で勉強するには時間もエネ
ルギーも足りなくて、転職を口実にした挫折の繰り返し。我ながら不甲斐ないと思ったけど、
向学心に燃えていたと言うよりは何があっても路頭に迷わずに生きて行ける基盤を確保し
たい一心だったから、ほんとに何を学びたいのかもわかっていなかった。でも、今は違う。
純粋に学ぶための勉強ができるようになったんだし、そのための時間もある。My time has
come!(「時節到来」の意味だけど、「年貢の納め時」の意味にもなる。)そう、今やらない
でどうする?

何だかよくわからないけど、まるで長いこと忘れていた恋心が芽吹いて来たような感じで、
気持がワクワク。学校と言う「箱」の中での教育方式ではうまく学べなかったワタシだけど、
十代の頃にこんな気持になっていたら人生は違っていたかな。でも、大学で勉強して来た
のに何も学ばなかったとしか思えない人たちもいるから、学歴がないことに引け目は感じな
いけど、勉強嫌いのワタシでも学ぶのは楽しい。まあ、60年余りの年を重ねた分だけ少し
は大人の知恵がついたからこそ楽しいと思えるのかもしれないけど。

老後の資金は増やしたいけど

2014年10月16日 | 日々の風の吹くまま
目覚まし起きの木曜日。雨は降っていない。カレシが英語教室に出かけた後、まず洗濯機
を回し始めて、為替の動きをチェック。この1週間にかなり円が上がったので、日本から持ち
帰って金庫にしまったままの25万円を交換する潮時。カナダ銀行のサイトの通貨換算機能
によると、正午のレートで2550ドル(名目レートから4%ディスカウント)。よ~しっとばかり
に銀行へ一目散・・・。

ワタシの収入は米ドル建てと日本円建ての口座に入るのを、必要に応じてまとまった金額
を家計口座に移動するしくみなので、為替で儲けようというつもりはなくてもやっぱりタイミン
グを計って少しでも有利なレートで交換したいのが人情(欲かな?)。アメリカの同業たちが
円高でほくほくしていた90年代の初めは超カナダドル安だったのにワタシは国内の仕事の
みで恩恵なし。やがて世紀が変わって、米ドル建ての客ができて喜んだのも束の間、カナ
ダドルが上がり始め、円建ての客ができたら円が下がり始めて、外国為替に関してはつい
てないこと甚だしい。まあ、これが超零細な輸出ビジネスの現実・・・。

今週は株価もかなり下がったけど、国際原油価格の下落はカナダ経済の先行きの赤信号
なんだそうな。エコにうるさいEUが(ロシア制裁で石油ガスの供給がストップしたときの代
替が欲しくて?)カナダのオイルサンドの原油は「ダーティオイル(汚い石油)」ではないと認
定したそうだけど、そのEU経済を引っ張って来たドイツ経済が息切れして来て、中国経済
も減速しているし、エボラ熱を恐れて世界の人の流れが減ったら飛行機が飛ばなくなって、
世界的に石油の需要が激減して、石油資源に依存するカナダ経済は深刻な打撃を受ける。
とまあ、これが風が吹けば何とか式のいわゆるグローバル経済・・・。

でも、一番大きな打撃を受けるのは老後の資金を株式に投資している庶民だそうな。株式
投資はなくなっても惜しくないお金でする方が楽しいと思うから、ワタシの資金は預金保険
の枠ごとに分散して定期にしてあるけど、定年までに個人年金の基金をできるだけ増やし
ておきたいと思うのはみんな同じ。定期預金はいくら安全でも超低金利の時勢では虎の子
は太らないから、投資で増やそうということになる。株価が上がれば正解だったと喜べるけ
ど、暴落すれば老後の資金は水の泡。そういえば、株価の大暴落は10月に起こることが
多いような・・・。

勉強の秋は犬かきでいこう

2014年10月15日 | 日々の風の吹くまま
雨。ベッドルームが暗いので正午過ぎまで眠ってしまった。毎日「雨、降ってる」という会話
で始まる季節の始まりということだけど、どんよりした日が何週間続いてもへっちゃらなのは
カレシのような生粋のバンクーバーっ子。ワタシも日照時間が極端に少ない土地で生まれ
て、学校でくる病予防の肝油を飲まされて育ったもので、1ヵ月くらい日が差さなくても平気
だけど、よそから来た人は季節性の鬱(SAD)にかかる人も多いらしい。三つ子の魂何とか
と言うし、やっぱり人間の五感は原体験や原風景に深く根ざしているということかな。

今日は「Educating Rita」の本と日本の翻訳協会の会員エッセイ集が同時に届いた。前者
はやっと見つけた古本だけど、大学向けの学習書だったのでびっくり。脚本の後に「文学」、
「教育」、「一般」のカテゴリに分かれた「質問」に答える形式の宿題があって、最後に10の
エッセイのテーマ。読んで、質問の内容を考えて、答をエッセイにまとめる・・・これ、劇中で
教授のフランクが使っていた教授法みたい。同時にカレシの英語教授法でもあるし、どぼん
と飛び込んで自己流の犬かきで泳ぐワタシの自学自習法に通じるところもあるもので、思い
がけない幸運に、俄然勉強熱に浮かされて興奮気味・・・。

協会のエッセイ集はこれで3年目。初年度から連続で投稿して来たけど、翻訳に関連する
テーマと言う制約があるので、いつもみんな硬めの内容が多い。そこでワタシはあまのじゃ
く全開で、今年のテーマは「引退後も人生はあるのか」。引退したら芝居の翻訳をやってみ
たいという、あまり同業者の役には立ちそうにない翻訳者の「白日夢」。でも、民族や歴史の
背景が濃い影を落とすストーリーを日本語訳しても日本の観客が受け入れるのか、ゲイを
テーマにした前衛芝居のせりふのリズム感、感性、音楽性を日本語でうまく表現できるのか
と言ったことは、ちょっとびびりそうな重いテーマ。だからこそ一世一代のチャレンジになる
と思っているんだけど。

今は完全なご隠居さん暮らしに向けての調整期なんて適当な理屈をつけて怠惰を貪って来
たけど、そろそろ長いこと棚に上げっぱなしにして来た「自分のための楽しみ」に本腰を入
れる時期が来ているということかな。せっかくいい学習書が手に入ったんだから、雨にも負
けずのリタを見習って、ワタシもその気になっているうちに、雨に負けずに、いっちょやって
みよ・・・。