リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

今日も朝から腹ぺこ

2016年04月30日 | 日々の風の吹くまま
明るくて目が覚めたらまだ6時前。今は夏時間だから、標準時なら5時前に日の出と言うこ
とか。どでも何とか眠りに戻って、起床は7時半。目を開けたカレシにおなか空いたぁ。ほん
とにほぼ毎朝空きっ腹を抱えて起きる。体重は去年引っ越しのどさくさでいきなり3キロ減っ
て以来変わりがなくて、いつも朝には寝る前より1キロは減っているから、腹ぺこなのは当
然か・・・。

窓を開けて土曜日のまじめ掃除。ケースメント窓3つとルーフデッキとバルコニーに面した
スライディングドア4つを全部開けると風通しは良すぎるくらい。いつものように床を掃いて、
モップで磨いて、ごみとリサイクル品を処理。ランチの後はバルコニーで土いじりをしている
カレシの横でガラス拭き。スライディングドア2枚とガラスの壁6枚、手すりのパネル8枚。冬
中荒れることが多かったせいか、奥まっているのに外側はかなりの汚れ。クリーナーをスプ
レーして、雑巾できゅっきゅっ。新しい雑巾で手すりのパネルの内側もきゅっきゅっ。おお、
ガラスが入っているとは気がつかないくらいにピカピカで、世界が明るく見えるっ!

今日は遅ればせの誕生日のディナー。引っ越して以来「いいレストラン」に行っていなくて、
2人とも「おでかけ」したくなっていたところだったので、前は遠い感じがしたけど今は20分
で行けるThe Pear Treeに予約。え、こんなところに?と思うような場所だけど、6時に行っ
たら小さなレストランはほぼ満席で、いい予感。ワインはカリフォルニアのシャルドネ。前菜
はホタテとベーコン入りリゾットをシェアして、メインはワタシはコーニッシュヘン、カレシはス
チールヘッドます。デザートはチョコレートのパンナコッタとエスプレッソ。どれもため息が出
るくらいおいしくて、おなかも満足、満足・・・。

帰りはのんびり横道からローヒードハイウェイに出て、ノースロードに右折して、ホームズ通
りに右折すればバーナビーとの境の10番アベニュー。パタロ橋に通じるマクブライド通りは
常時サレーに向かう車やトラックで混んでいるのに今日はガラガラ。(沿道に住む人は静か
でいいかも。)暗くなってからも、サレーから橋に向かうキングジョージ通りの途絶えることな
くキラキラと数珠つなぎのヘッドライトがまったく見えない。無料のアレックスフレーザー橋は
終日渋滞したそうで、月曜日の朝が思いやられるけど、夕日を浴びたサレーはきらきら。あ
したも天気になぁれ。

 

橋の通行止めとバスのストが重なったらどうなる?

2016年04月29日 | 日々の風の吹くまま
小雨模様だけど、午後には晴れるという予報。何となく早起き。と言っても7時10分過ぎだ
けど、1日が長いのはいいとしても11時過ぎにはもう腹ペコになってしまうから困る。我が
家の夕食はいつも5時半から6時の間くらいで普通より早いけど、腹ペコだからと言って早
めにランチを食べると4時前にはもう腹ペコ。カレシは好物のピクルスかなんかを摘んでし
のいでいるけど、間食をしないワタシは冬眠から覚めたばかりの腹ペコ熊の心境・・・。

ラジオを聞いていたら、今日は交通関係のニュースがてんこ盛り。まずはニューウェストと
川向こうのサレーを結ぶパタロ橋の大規模な修繕工事の始まり。何せ齢79歳のオンボロ
橋なので、今後10年くらいに予想される架け替えを待っていられないということで、巨費を
かけての応急処置。今夜午後8時から週明けの月曜の朝までの全面閉鎖に始まって、9月
いっぱいまで片道1車線ずつになり、週2、3回は夜間、月1回は週末に完全な交通止めの
予定。予想される大渋滞を避ける代替ルートはずっと東の有料のポートマン橋かずっと西
のアレックスフレーザー橋。後者は無料だけど、毎日のように渋滞する難所。どっちにして
もサレーから通勤する人たちには地獄の夏・・・。

当局は電車やバスの利用を呼びかけているけど、きのうはバスの運転手の組合がストの
賛否を問う投票をやった結果賛成98%で、今後の労使交渉次第ではメトロバンクーバー
全域でバスが止まってしまう可能性が出て来た。おまけにバンクーバー市内は何やかやと
幹線道路の通行止めがあるそうだから、サレーの人たちはもう踏んだり蹴ったりの泣きっ面
に熊蜂。北米のストは日本の時限ストみたいな生やさしいもんじゃなくて、交渉が妥結する
か(公共機関の場合は)政府が職場復帰命令を出すまで延々と続くから市民はえらい迷惑。
30年くらい前には4ヵ月も続いて辟易した。バスターミナルのある駅にピケを張られて電車
まで止まることにならないといいけど・・・。

メトロバンクーバーの公共交通を所管する州の公社TransLinkが、スカイトレインの改札口
を全面稼動してから1ヵ月足らずで運賃収入が7%も増加したと発表。つまり、これまではそ
のくらい無賃乗車が横行していたってことだよね。何を今さらって感じだけど、信用システム
とか何とか格好をつけて改札口を設置せずに開通してから30年。いったいどれだけ巨額
の損失があったことやら・・・。

窓拭きスパイダーマン参上

2016年04月28日 | 日々の風の吹くまま
木曜日。日本は金曜日でゴールデンウィーク。朝一番にメールをチェックして仕事がないこ
とを確認したので、ワタシもゴールデンウィークだっ。ばんざぁ~い!来週の初めと終わりに
ある中途半端な平日に仕事が入るとは思えないから、遊びモードのスイッチをカチッと入れ
て、しっかり羽を伸ばそう。3月からずっと、仕事も忙しかったけど、いろんなことがあって何
だかバタバタと忙しかったな。おかげであっという間に1年の3分の1が過ぎてしまって、し
あさってはもう5月。ああ、風薫る5月・・・。

今日は窓拭き作業の3日目。初日にルーフデッキの上の階の窓と手すりのガラスパネルの
外側、2日目のきのうはリビングの北東側の窓。今日はリビングの南東側の窓。手すりのガ
ラスも対象とは知らなかったけど、掃除するのは居住者が掃除できない外側だけ。てことは、
ガラスの内側は自分で掃除するってことか。我が家のルーフデッキの手すりはオフィスの端
からダイニングの端までぐるっとガラスで12枚、バルコニーの手すりは8枚で、全部で20枚。
うはっ、えらいこっちゃ・・・。

     

カレシが英語教室に出かけた後、床を掃いていたら窓の外に2本のロープ。 しばらくして足
が2本。来たっ、スパイダーマンの登場。マンションの窓拭きには大仰なゴンドラは使わない。
ひとりでぶらんこのようなボースンチェアで屋上からぶら下がって、左右に手が届く範囲(半
分)をしゃっしゃっと拭いて、終わったらロープを手繰ってすっと下の階に下がってまたしゃっ
しゃっ。午後には残り半分を上から下までまたしゃっしゃ。夕方にはバルコニーの手すりの
半分(ガラス4枚)まできれいになった。ためしにウィンドウクリーナーと雑巾を持って出て、
1枚だけ内側を拭いてみたら、うは、世界がくっきり見えるじゃないの。まあ、それだけ汚れ
ていたわけで、週末に退屈したら、カレシに手伝わせて拭いてみよう。

掃除はものぐさなワタシの性に合わないと思っていたけど、引っ越してから自分でするよう
になったら、これが何と意外にも楽しい。カレシが英語教室に出かけた後で、ひとり鼻歌を
歌いながら箒でていねいに掃いて、まとめたごみをスティッククリーナーで吸い取って、モッ
プで洗剤をスプレーしながらごしごし。きれいになった床を裸足で歩くときの快さと来たら!
だから窓拭きも楽しいんじゃないかと思うけど、窓拭きスパイダーマンはどう思っているんだ
ろうな。

いつ弾けるのか、このバブル

2016年04月27日 | 日々の風の吹くまま
ちょっと雲があったけど、いい天気、まだ継続中。午前9時を過ぎて、ダイニングの外のデッ
キに2本のロープがどさっと落ちて来て、バケツを持った窓拭きのお兄ちゃんが別のロープ
でするする。オフィスの窓から見ていたら、降りるのに使ったロープを外して、きのう屋上か
ら手すりまでかけ渡したままにして行ったロープをつけて、えいやっと手すりを越えて姿を消
した。青空が広がって、差して来た日がガラスに反射しているだろうに、まぶしくないのかな
あ。今日もごくろうさぁ~ん。

今日はカレシもワタシも揃ってだらだら。ラジオのニュースでCMHC(カナダ住宅ローン・住
宅公社)がバンクーバーの住宅市場は過大評価ではあるけど過熱状態ではないと発表し
たと言っていた。へえ?住宅相場はもう10年以上も過大評価の状態で、何か1980年頃
のパニック買いの再来を思わせるくらい過熱しているように見えるけどな。戸建てなんか郊
外でさえ1年で20%くらい値上がりして、あまり注目されていなかったニューウェストでさえ
築80年くらいの家が1億円。戸建てがダメならせめてマンションと、これまではさほど派手
に値上がりしなかったマンションも戸建て並みのペースで値上がりし始めて、家族の需要が
高い3寝室のユニットは元々数が少ないから、子育て世代には手が届かなくなりつつある。

午後の散歩がMarket Crossingへのトラックの散歩になったので、夕食後にご近所を散歩
しようと言うことになって、店先に並んでいる花を見に6番アベニューに回って、ちょっとばか
りのつもりでムーディ公園まで足を伸ばしたら、いつのまにか公園を抜けて12番ストリート
に出てしまった。「ブラウ・オブ・ザ・ヒル」と言う、今は少々治安が良くない言われているけど、
クィーンズパークと並んで歴史のある地区で、1950年代に建てられた3階建てのアパート
がたくさんある中に築100年以上のドールハウスのような家があちこちにあって、よく手入
れされていれば売値はたぶん1億円近いだろうな。

私たちが初めてのマイホームを買った1982年は、パニック買いが行き着けるところまで行
き着いて、インフレ退治の高金利政策の副作用で起こった深刻な不況で大暴落した住宅市
場が下げ止まりつつあったときだった。超低金利でインフレもない今、はたしてまたあのとき
のなだれのような暴落が起きるのか。膨らみすぎた風船はいつかパンッ!と派手に弾ける
はずだけど・・・。

新しい1年の始まりと言うわけではないけれど

2016年04月26日 | 日々の風の吹くまま
ほっぺたをくすぐられて目を覚ましたら、「ハッピーバースデイ+ワン!」とカレシ。あ、68歳
と1日。時計を見たら午前8時。疲れていたせいかよく眠った。きのうはワタシと同じ誕生日
の義弟のデイヴィッドとテキサス州に住む友達のシャーラと「ハッピーバースデイ」の交換。
高校時代に文通していたパリジェンヌのアンヌマリーとは「生年月日」が同じだったし、人気
のある日なのかな。明けて今日は姪孫のアナベルの誕生日。生まれるのが15分早かった
ら、家族に同じ誕生日が3人ということになっていたのに・・・。

きのうの夜は恒例のカリフォルニアワインフェア。バンクーバーではArts Clubのファンドレ
イジングのイベントになっている。開場は午後7時なので、ピッツァと前日の残りのサラダで
夕食を済ませて、6時に駅に向かった。試飲だからグラスに2、3口分注いでくれるだけでも、
350本はあるのをもれなく飲んだら昇天しかねないから、2時間くらいで味見したのは12種
類ほど。クラレットについて知識を仕込んだし、シラーとプティットシラーの違いも勉強になっ
た。グラス片手にArts Clubの人たちやアメリカ総領事との立ち話も楽しかった。

今日からまた新しい1年・・・と気合いを入れたわけじゃないけど、カレシが英語教室に出か
けた後は、冬の毛布を角を曲がってすぐのドライクリーニング屋に持って行って、となりのサ
ロンでカットの予約。用事が10分もかからないなんて、ほんっとに便利。(便利すぎて、いつ
でも行けるとつい先延ばししてしまうと遠くて不便なのと変わらなくなってしまうけど。)帰っ
て来たら、冬の七分袖を夏の半袖と入れ替える作業。最高気温が15度くらいになると身軽
な半袖のTシャツ1枚で出られるので、気分も軽くなるってもの。

今日から窓拭き。アクセスできない窓だけなので、我が家はリビングの2面以外は対象外だ
けど、ルーフデッキに面した壁一面の窓とドアは上の階の窓を柄の長いブラシで洗うときに
流れ落ちる水で「すすぎ洗い」されて、けっこうきれいになった。デッキから下の階の窓を拭
くには、清掃道具を入れたバケツとお兄ちゃんが屋上から垂らしたロープでロッククライミン
グよろしくするする。下まで行き着いたら屋上に戻って、引き上げたロープを移動してまたす
るする。デッキに降り立って軽々と手すりを乗り越えて行くお兄ちゃんに見とれるワタシ。そ
ろそろワタシもバルコニーに面した窓を拭かないと・・・。

極楽とんぼの人生68年

2016年04月25日 | 日々の風の吹くまま
いい天気。今日はワタシの誕生日。なかなか子供に恵まれなかった両親の尋常でない努
力によって命を授かったワタシ。予定日を大幅に過ぎて、長時間の大変な難産の末に、へ
その緒を巻いて、産声も上げずにいきなり生きるか死ぬかの狭間に生まれたワタシ。敬虔
なクリスチャンのお産婆さんのお祈りが天の神様に届いたのか、生きることになったワタシ
は病弱で、かなり手のかかる子だったらしい。おまけに左利きで、父が「生まれつきバタ臭
い子」と評した異端児。今の時代だったら何らかの発達障害と診断されたかもしれないな。

絵を描いて何回か入選したり、作文好きで10歳か11歳で大きくなったら小説家になると宣
言したり、おてんばで男の子と取っ組み合いのけんかをして先生に叱られたり、そのくせ泣
き虫の甘ったれだったり、手先が器用で男の子がやるような工作は好きなのに裁縫のよう
な女の子らしいことはからっきしダメで、よく母に「器用貧乏」と言われたりした子供時代の
ワタシ。中学生になって初めて英語の教科書を開いて、思い描いていたことを別の方法で
言い表せるんだぁ~と感激して英語好きになったワタシ。高校時代は英語だけダントツにで
きて、苦手な学科はいつも赤点すれすれだったワタシ。それなのに、この大学、あの大学と
進学を勧められて、学校が嫌いなのにこの先まだ4年も行くのは真っ平ごめん!と就職組
に入ったワタシ。

社会人になったら、嫁の貰い手がないことをいいことに夜な夜な天体望遠鏡をのぞいてい
たワタシ。ひょんなことから縁があってお嫁に来たカナダの水が合ったおかげで深く根を生
やして、庇どころか母屋まで取るくらいに伸び放題の雑草みたいなワタシ。そういうワタシも
今日で満68歳。還暦だぁと騒いでいたのがついこの間で、年金をもらってご隠居さんだぁと
張り切っていたのがきのうのことみたいなのに、何ともう60代も後半。もちろんあちこちに
何かとガタが来つつあるのはわかるけど、「年相応」ということがどういうことなのかイマイチ
よくわかっていないところがあって、頭の中では未だに年を取ったという実感がわいて来な
いから困ったもんだ。(ほんとは本人としてはちっとも困っていないんだけど。)

今日で68歳。重ねた年の数だけいろいろあったはずなのに何かあっという間だったと言う
感じもしないではないけど、振り返ってみて後悔することが思いあたらないのが極楽とんぼ
の真骨頂かも・・・。

バースデイ・イヴというものがあったなら

2016年04月24日 | 日々の風の吹くまま
日曜日。午前8時。まぶしくて目が覚めた。今日は雨の予報だったから遮光パネルを入れ
ずに寝たのに、晴れるとは何ごとだっ。でもまあ、雨(と風)ばっかりの長い冬(雨期)の後は
やっぱり毎日たっぷり日がさして明るいのがいいに決まっているから、文句を言うのは天気
にじゃなくて当たらない天気予報ってことにしておこう。まっさきにきのう全部終わらせてお
いた3つのファイルをさくっと圧縮ファイル1個にまとめて、さくっと送って納品完了。日本は
月曜日午前1時。めでたく自由の身になって、流れ行く雲を眺めて白日夢・・・。

 

視界いっぱいに広がる空を行く曇は色も形も毎日違っていて、ほんとに見飽きることがない。
リビングの隅のお気に入りのロッキングチェアに座って、オットマンにゆったりと足を伸ばし
て、だら~りのんびりと空を眺めていると、ああ、いいなあと幸せな気分になる。引越し熱に
浮かされる要因にもなったcabin fever(閉所熱)もどこかへ吹っ飛んでしまった感じ。(北米
では長い間隔離状態にあったときに起きる抑うつ感、疎外感、イライラなどに苛まれる異常
な精神状態のことを人里離れた山小屋(cabin)に篭った状態に準えてcabin feverと呼ん
でいる。一種の閉塞感かな。)

明日の誕生日はワインフェアに行くし、カレシが土曜日に遅ればせのディナーの予約を取っ
てくれたので、思いついて今日のうちにバースデイスペシャルをやることにした。極楽とんぼ
亭ではシェフの誕生日はシェフ自身が腕を振るうことになっている。仕事の手が空いたばか
りで絶好のタイミング。何がいいかなあと思案投げ首。陽だまりで雲を眺めながらぼんやり
考えていて、ふと浮かんだのが今日本で大人気らしい「寿司ケーキ」。さっそくググってみた
ら、うわっ、もう、すんごぉ・・・。

フリーザーから出したマグロ、イカ、サーモン、タコ、ホタテ、トビコ、イクラを解凍。もう40年
使ったサンヨー電気釜でご飯を炊いて、寿司飯を作って、後は閃きしだい。カウンターの反
対側のスツールに陣取ったカレシと、ビタースでほのかにピンク色に染まったマティニをやり
ながらのひととき。スプリング式ケーキ型でデコレーション風、プリン型でプリン風、変わりス
シ型でニシンの酢漬けを載せてプチフール風、マグロの切れっ端と海苔でネギトロ風にして、
バースデイ・イヴ(なんてあるかのどうか知らないけど)のごちそう、できあがりっ。1日早い
ハッピーバースデイ・トゥ・ミー! 

     


仕事三昧はもういいよ

2016年04月23日 | 日々の風の吹くまま
雨っぽい朝。朝食が済んだとたんにカレシが「よ~し、やるぞっ」。何を?「掃除だよっ」とカ
レシ。あ、そっか、今日は土曜日か。しっかり仕事モードになってしまうと、何曜日なんだか
わからなくなる。カレシはさっさとランドリールームからクリーナーとスポンジと雑巾を出して
来て、バスルームの掃除に着手。トイレのクリーナーのキャップを開けてくれと言って来なく
なったのは、やっと開け方を体得したということかな。何しろ子供が簡単に開けられない仕
組みになっているキャップは、カレシもいつも開けるのに苦戦・・・。

カレシが鼻歌交じりに掃除をやっているので、ワタシもダスターを持って来て、こちょこちょと
家具の埃を払ってから、床の掃き掃除。木曜日にしっかりと掃除したのでそれほど汚れて
いないけど、まずリビングとダイニングは新しいフローリングの部分に専用クリーナーをスプ
レーして、湿らせたパッドで磨いてから、全体をいつものモップで掃除。その間にカレシはス
ペアの寝室にたまっていた段ボール箱を解体して、ゴミ捨て場のコンテナに捨てに行ってく
れた。おかげでモップかけの面積が増えて、汗はかくし、腰は痛くなるし、手も痛くなるし。で
も、掃除したての部屋の匂いって気持がいいね。

雨が降ったり、止んだりで、合間に青空が出たり、曇ったり。真っ白な雲や真っ黒な雲が混
じったり離れたりしながら流れて行くのをちらちらと見ながら、仕事、仕事。午後いっぱい仕
事。夕食後も仕事。がんばったおかげで、午後10時には手持ちのファイル3つの上書き作
業が完了。ラッシュ、ラッシュの後で、ここらでちょっとひと息つかせてもらいたいもんだけど、
日本では来週末はゴールデンウィークの始まりだから、「結論を急ごう」ってことになるのか
な。(ずっとずっと昔だけど、こんなせりふが出てくるテレビ番組があったっけ。)

今日は川向こうのサレーでシーク教徒の祭「ヴァイサキ」の盛大なパレードがあって、35万
人の人出があったとか。サレーでは今年になってギャング抗争絡みの発砲事件がもう30
件以上もあって問題になっているけど、この日だけはシーク教徒だけでなく、いろんな人た
ちがずらりと並んだ屋台で配られるインド料理を目当てに集まって、お祭ムード一色だった
らしい。夜になってもお祭ムードは冷めていないようで、遠くで打ち上げられる花火がきれい。
あ~あ、早く遊びモードに戻りたいなあ・・・。

物忘れとんぼと不思議な花と

2016年04月22日 | 日々の風の吹くまま
はあ、花の金曜日だけど、今日もまた仕事日。思い描いて来た「のどかな隠居さん暮らし」
のイメージが絵に描いた餅になってしまった感じで、とにかく仕事、仕事。予報通りに天気が
崩れて来ているし、仕事の内容が内容だしで、あんまり気分が乗らない。カレシの提案で昼
前に買い物。天気予報サイトで「午前11時半に雨が降り始める」と書いてあったけど、その
11時半にモールから出てきたら、あら、ほんとに雨だ。

ランチの後もちんたらちんたら。何とか半分くらい進んだところで、思い立って炭酸水のカー
トリッジを交換しにすぐそばのLondon Drugsへひとっ走り。新しいカートリッジ2本と新しい
ボトルの3本セットを抱えてレジに並んでいて気がついた。お財布、忘れたぁ。品物を棚に
戻して、急いでお財布を取りに帰ったけど、徒歩1分の距離なのがせめてもの幸い。でも、
徒歩30分だった旧居時代にはお財布を忘れることなんかなかったな。もしかして加齢現
象?いやいや、買い物の便が良すぎて、何か必要なものを買って来ようと思い立ってその
まま出てしまうせいじゃないのかな。トートバッグと靴は玄関脇のランドリールームにあるけ
ど、お財布はオフィスの本棚なので、ついうっかり・・・。

お財布を持って店に戻って、カートリッジをボトルを買って帰って来るまで、カレシはソファに
ひっくり返ってスヤスヤ。夜はちょっとしたことで目が覚めて眠れなくなる人が、昼寝のとき
はちょっとした物音では目を覚まさないんだから不思議。不思議と言えば、先月のゼラニウ
ムに次いで、カレシが好きなレウィシアがひとつの茎に色の違う花を咲かせている。(レウィ
シアの場合はあまり不思議でもないらしい。)

 

レウィシアはアメリカはオレゴン州からカリフォルニア州にかけてのロッキー山脈の亜高山
帯が原産地。名前の由来はアメリカ大陸を横断して太平洋岸に到達したルイス&クラーク
探検隊のルイス隊長だろうな。(だから「ルイシア」と言う方が近い。)屋根のあるバルコニー
に置いているけど、冬の最中でもときどき思い立ったように可憐な花を咲かせてくれる。もう
いくつも鉢を持っているのに、園芸センターに行くと「あ、この色はないなあ」とか何とか言っ
て新しいのを買って来るカレシ。一番新しい白い花は花嫁衣裳のようだし、オレンジ色は陽
気な太陽。でも、どんな色でも、みんな頬ずりしたくなるようなかわいらしいな花。たくさん咲
いてくれるといいな。

ご隠居さんへの道は遠い

2016年04月21日 | 日々の風の吹くまま
ちょっと雲が広がって、高く舞い上がった気温が下がって来た。いくら何でもやっぱり4月に
真夏の気温はないもんだ。カレシが英語教室に出かけた後、まずは火曜日にやり損ねた床
掃除。かなりの力を入れて磨いていたら、新しいフローリングもだいぶきれいになって来た。
考えたら、大きな工場で製造したフローリングを1枚ずつ裸足で歩いても足が汚れないくら
いきれいな状態にして出荷するわけがないし、梱包したままで物置に3年も積み上げられて
いたら、汚れが重みで密着しても不思議はない。それでも入居したての頃の汚れっぷりに
比べたら、これでもきれいな方・・・。

洗濯機を回しながらの掃除が終わったら、今日も引き続いて「仕事モード」。毎日同じ問題
のレポートが1件ずつラッシュのフラグ付きで入ってくる。書き上がった端から出稿している
らしい。どれも半日くらいでやれる量なんだけど、こう毎日ちょこちょこと入って来られると、
結局は半ば缶詰状態になって、毎日が仕事日。今年は現役の比率を15%に減らすつもり
だけど、この調子だと何となく怪しい雲行き。まあ、楽しいことをする資金を稼ぐための仕事
だし、2つの言語の間に挟まって知恵を絞るのはボケ防止にもなるから、物品サービス税
の徴収免除の限度さえ超えなければいいか・・・。

今日の納品分が無事に終わったので、郵便受けをチェックしにロビーに降りたら、Airbnbを
含む短期(30日以下)の賃貸は禁止されているので注意するようにという管理会社からの
お知らせが貼ってあった。たまに大きなスーツケースを運んでいるアジア人をみかけるけど、
おどおどしているので住人でないことは一目瞭然。つまり、投資で買ってこっそり「民泊」を
やっているオーナーがいるってことで、気づいた人が通報したに違いない。へえと思ったの
は、ニューウェストでは短期の賃貸が市の条例で禁止されているという件。お知らせには
Airbnbが見つかったら市に通報すると書いてあった。はて、罰金を取られるのかな・・・。

夕食後は床の修理のために段ボール箱に入れて避難させてあったグラス類やマグを元の
食器棚に戻して、これで100%元通りになった勘定。あまり不便はなかったのでそれほど
ストレスにはならないで済んだけど、それでも「平常」への復帰を実感するとほっとした気持
になる。さて、続きの仕事が2つも入って来て、期限はまとめて日曜日の夕方ということで、
あ~あ、明日もまた仕事日・・・。

歩いて来なかった人生は

2016年04月20日 | 日々の風の吹くまま
今日も夏。遠くの景色がかすんで見えるのはスモッグかな。バンクーバーのビーチではpot
headたちが恒例イベントでマリファナを燻らしているから、ビーチ沿いに建ち並ぶ高級マン
ションの住人たちはえらい迷惑をしているだろうな。トルドー君がマリファナを合法化すると
約束したからこぞって自由党に投票したのに、なかなか公約を実行してくれないもので、
「活動家」たちはイライラ。集団でラリって気勢を上げようと言うところか。

今日は仕事日。朝から窓と言う窓を全部開け放して、「んっとに何をやってんだか」というよ
うなレポートと取っ組み合い。手記のような文章だから、主観的な感情が多くて、何だか文
芸翻訳をやっているみたい。まあ、会社が全然ブラックでなくても配属先の上司がブラックと
言うこともあるわけで、ほんとに日本の職場はタイヘンなところだなあと思う。もちろん、日
本でなくても職場でのいじめやパワハラ、セクハラはあるけど、少なくとも北米には(おそらく
報復を恐れて)黙って耐えることを美徳とする気風はないし、そういうことへの同調圧力もな
い。まあ、雑多な人間の集まりだから必然的にそうなるんだろうけど。

でも、ワタシが日本を離れることなく独身のままで日本のどこかで働いていたら、こんな会
社にいたかもしれないと思うと背筋が寒くなる。「箱」の外にはみ出していたワタシなんか、
やってらんなぁいと逃げ出したかもしれないし、もしかしたら精神を病んで休職を余儀なくさ
れたかもしれない。何しろ高卒で就職した地方企業が今で言うブラック企業で、月曜から土
曜まで週6日、午前8時半から午後4時半の勤務時間に加えて、ときには深夜に及ぶ残業
が月に50時間以上はあったし、日曜出勤もざらで、しかも残業手当はゼロ。(黙っていても
午後7時になると誰かが(たぶん上司)がワタシのタイムカードを押していたから、帳簿上は
残業しなかったことになっていたわけだけど。)

法的には子供だから先輩にはやさしくしてもらったけど、結局は父の転勤を口実にサヨナラ。
(寿退社と勘違いされてプレゼントをどっさりもらったのには笑ってしまうけど。)その後秘書
学校を出て外資の営業所を切り回していたけど、その会社も今では完全に日本化。あれか
らもう半世紀近く経つのに日本の労働環境はあまり変わっていないどころか悪くなっている
ような印象を受ける。まあ、歩いて来なかった人生は想像すらできないけど・・・。

クールに、そしてにこやかに

2016年04月19日 | 日々の風の吹くまま
今日も暑そう。きのうは軒並みに最高気温の記録を更新したとか。まあ、平年の倍の温度
というのはやっぱりちょっと異常だとしか言いようがないし、天気が変わる予兆もある。きの
うの続きで入って来た仕事を始める前に床の掃除くらいはしておこうと、まずは箒を持ち出
して掃き掃除。埃が散らないように神経を集中しながらゆっくり箒を動かしていると、何とな
く禅の精神修養のような気分になって来る。ダイニングエリアまで埃を掃き出したところで、
ドアにノック・・・。

予告はなかったけど、アミエルが幅木のペンキ塗りに登場。「プライマー処理をしてあるから
見た目にわからなくても、やはりきちんと塗らないと」ということで、元の位置に戻してあった
家具を少しだけ動かしてスペースを作り、床に幅木に沿ってマスキングテープを貼ってペン
キ塗りの準備。その間ワタシは仕事に集中。気温が高いし、窓から風が通るので、「塗る端
からどんどん乾いて楽だよ」。壁と幅木の間のコーキングもあっという間に終わって、「これ
で全部おしまい」。そっか、全部終わったのか。これで元の日常に戻れる。改まった口調で
「大変ご迷惑をおかけしました」と言うアミエルとありがとうの握手。

入れ替わりにカレシが帰って来たので、ランチの後はまず仕事を仕上げて送るだけにして
おいて、スペアの寝室に積んであった本を運んで来る作業。先週は本棚ひとつ分をワタシ
ひとりで運んだけど、今日はカレシが運んで、ワタシが2つの本棚に分けて並べる。せっか
くだから、てんでに並べないで、少しばかり計画的にこれはあっち、これはこっち。大汗をか
いたけど、本棚はやっぱり本が並んでいるのが一番で、空っぽのままではどうしても気分が
落ち着かなくていけないな。家具のない部屋が落ち着かないのと同じで、「あるべきもの」が
ないからかもしれない。

小物雑貨も元の場所に飾って、リビングが元通りになったところで、仕事を送って、夕食。こ
れで残るは箱に入れて保管してあったグラスやマグの類を食器棚に戻す作業だけになった。
フローリングの不具合を報告してからほぼ6週間。カレシには中途半端な非日常はストレス
だっただろうと思うけど、英語先生になって身に着けた忍耐力を発揮して気長に構えていて
くれたのはちょっと意外だった。ま、カリカリしたところでストレスになるだけで何の解決にも
ならないから、こういうときはあくまでもクールに、にこやかに・・・。

まだ4月なのに30度はないでしょ

2016年04月18日 | 日々の風の吹くまま
何度カレンダーを見てもやっぱり4月なんだけど、この暑さは何なんだろうな。4月と言えば
「春」でしょ?どんなに背伸びしたってまだ「夏」じゃないでしょ?もしかして今年の夏は猛暑
とか言う予告みたいなものだったりしたら、冗談がきついなあ。まだやっと4月下旬なんだけ
ど。「生命がみなぎる春」に生まれたワタシの誕生日までまだ1週間あるんだけど。つまり、
「夏」はまだずっと先のはずなんだけど。

だけど、だけど、午前中にはあっさり20度を超えて、ランチが終わる頃にはバンクーバーの
ダウンタウンで何と25度。あのぉ、ワタシの皮膚感覚では25度ってのは「夏日」どころかも
う「真夏日」のレベルで、ショーツにタンクトップでしのぐ暑さなんだけど。バルコニーから下
を見たら、ほら、芝生に寝そべるビキニの2人。ほんとにそういう信じられない陽気。旧居に
いたら今頃はクーラーを始動して、ガンガンかけていただろうな。二階の寝室は特に暑かっ
たから。新居にはクーラーがついていないので、窓を開け放しての「エコ冷房」。そよ~っと
吹き抜けて行く風が、ああ、何とも言えない気分・・・。

午後はドライブ気分でオークリッジのモールまで。久しぶりなのにあまり懐かしい気はしない
な。「中国旅行に来たみたいだ」とカレシ。ほんと、モールを歩いているのはほとんどがアジ
ア人で、中国語が飛び交っている。まあ、中国人が札束を切って住宅を爆買いしている地
域の東端だから必然的にそうなってしまうんだろうけど、おかげで、ティファニーもスワロフ
スキーもその他の超高級ブランド店も商いはいたって順調らしい。私たちの行き先はCrate
& Barrelで、カレシは(必要ではないけど)カクテルグラス、ワタシはひびが入ったり、割れ
たりして奇数になっていたコーヒーマグやスープボウルの買い替えと買い足しが目当て。

結局あれこれと買い込んで車に戻って来たら、うはあ、あじぃ~。エアコンをガンガンかけて
も暑い。帰り道のラジオで「現在の気温は30度です」。おいおい、バンクーバーは真夏でさ
えめったなことで30度を超えないところなのに、まだ桜が残っている4月の中旬に30度は
ありえない。でも、 帰って来てみたら、ガラス張りに等しい我が家の中はちっとも暑くなって
いなかったので、驚くやらうれしいやら。窓を開けっ放しにしておいたせいだろうけど、この
調子ならちょっとくらい猛暑の夏でも「エコ冷房」で大丈夫という予感・・・。

もう夏が来てしまったの?

2016年04月17日 | 日々の風の吹くまま
目が覚めて、今日は何曜日だっけ?とっさに曜日がわからなくなるのは、ほぼご隠居さん
状態のせいもあるけど、ずっと片目で日本時間を示す時計を睨んでいたもあるかもしれな
いな。カレンダーを見ると「日曜日」に赤いフラグがついているけど、脳内の「仕事モード」の
領域では「月曜日」。先週のラッシュ仕事のついでにと置いて行かれた仕事は日本時間月
曜日午前9時(こっちは日曜日午後5時)が期限なので、まずは「月曜日」をやって、次に頭
を「日曜日」に切り替え。ご隠居さん化が進んだのか、近頃は遊びモードへの切り替えがわ
りとスムーズ(逆の場合は別)・・・。

周囲に日差しを遮る建物がないので、ブラインドを下ろさないと明る過ぎる感じ。予想最高
気温は20度に届きそうで、何だか一足飛びに夏が来たような陽気だから、窓を開けて風通
し。外界の音はときたま疾走するバイクの轟音以外は騒音として感じられるほどうるさくは
ないし、虫もめったに飛んで来ない。埃も戸建て住まいの頃よりずっと少ない感じで、週2回
ほどダスターでしゃっしゃと払えばいいから楽なもの。共のランチは極楽とんぼ亭名物「スク
ラップスープ」。フリーザーの使い残した肉の切れ端と冷蔵庫に半端に残っている野菜が材
料のいい加減スープで、20分もあればできるし、カレシのお気に入りだから楽なもの。

遊びモードは何と言っても楽なことをやるのが一番で、好きなことならなおいい。運動不足
で「体重が増えたからダイエットしなきゃ」と騒いでいるカレシを誘って、夏のマーケットが開
かれるティペラリー公園まで散歩。新しい植民地の首都建設のために派遣された王立工兵
隊の司令官ムーディ大佐の都市計画で作られた公園のひとつで、クィーンズ公園が庶民の
遊び場なら、ティペラリー公園はそぞろ歩きと憩いの場。州議会議事堂が計画された区画
に建っている市役所とティペラリー公園の間には「フレンドシップガーデン」がある。小さな池
と小さな滝をいくつもつないだ流れを中心とする日本風の庭園になっていて、桜の名所でも
あるらしい。

          

     

そこここに潜む小さな滝の水音を聞きながら庭園を歩いていたら、おや、小さな石ころを積
み上げたバランスアート。いったい誰が積んだのかな。もしかしたら誰でも好きなように積ん
でいいのかな。絶妙のバランスのポイントを見抜くのは禅の修業のようなものだろうな。何
だかワタシもちょっとやってみたいような・・・。

オネーギンは遅すぎた男

2016年04月16日 | 日々の風の吹くまま
雲が広がっているけど、雨の気配はなし。朝食が済んだら、まずは恒例の掃除。掃き掃除
をした後で、新しいフローリングの部分を、専用のクリーナーをスプレーしながら湿らせたス
ポンジでごしごし。その後でモップで全体を力まかせに磨いたら、心なしか光沢の違いがそ
れほど目立たなくなった。掃除が終わる頃には額に大汗。最終日の冬のマーケットでカレー、
しょうが、トリュフの3種類の塩とお気に入りのブリオシュパンを買って来て、慌しくランチの
したく。今日は忙しい日・・・。

今日はミュージカル『Onegin』の見納めにひとりでおでかけ。オリンピックヴィレッジの新劇
場は足の便が良すぎて開演の30分前に着いてしまった。ドアが開くのを待つ間、ロビーで
コーヒーを飲みながらピープルウォッチング。年配の女性の2人連れ、3人連れが多いかな。
カップルもけっこういる。芝居の開演を待つのはいつも胸がワクワクするひととき。ワタシの
席は2列目のど真ん中。ミュージシャンとキャストが登場して、客席と即興のやり取りをしな
がら、始まり、始まり。さっそく全員で歌う「天にまします親愛なる父よ、どうか私たちを退屈
から解放してください」の繰り返されるメロディが頭の中に録音されてしまう。

土曜日の午後なのに満員御礼で、パフォーマンスもオープニングナイトと比べると格段にパ
ワーアップした感じ。終盤のオネーギンがタチアナに迫り、タチアナが拒絶する場面では隣
の若い女性がしきりに涙を拭っていた。(ワタシも目がうるうる・・・。)何しろなじみの薄いロ
シア文学がベースのまったくの新作とあって、当初はチケットの売れ行きが芳しくしなかった
けど、新聞に絶賛されたら一気に連日売り切れ。ブロードウェイのプロデューサーが何人か
わざわざニューヨークから観に来ていたという話もあるくらいの大ヒット。パトロンとしてのワ
タシの思い入れは別にしても絶賛に値する秀作だと思う。ライトが消えた瞬間に客席は歓
声を上げて総立ち・・・。

それにしてもオネーギンってほんっとに身勝手な男だな。恋に燃えているタチアナを「オレは
結婚するタイプじゃない」と拒絶して、「キミはおぼこすぎるから気をつけなよ」なんて説教ま
でしておきながら、公爵夫人になっていたタチアナに再会してまだ愛してくれていると知った
とたんにタチアナの気持も考えずに「愛してる、愛してる」の猛アタック。どこまで身勝手なん
だか・・・おせぇよ、もう。