リタイア暮らしは風の吹くまま

働く奥さんからリタイアして、人生の新ステージで目指すは
遊びと学びがたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

きわどいシーンが満載のベッドルーム喜劇

2023年10月10日 | 日々の風の吹くまま
10月8日(日曜日)。☀。今日もいい天気。きのうの最高気温は10月の平均より10度も高い24度。州内の各地で新記録を樹立したそうで、バンクーバー圏では郊外のピットメドウズ27.77度だったそうな。今日もそのくらい行きそうな感じで、日曜日の掃除の間も汗だく。でも、明日は平均的な気温に戻って雨が降るという予報には変わりがないので、束の間の夏を楽しむのは今日限りというところ。

郊外を巡演中のArts Clubの『The Birds & The Bees』がきのうと今日の予定でニューウェストミンスターに来ていて、今日のマチネにチケットを取ってあるので、ランチを済ませて、ひと息入れて、ウォーキングを兼ねて1時過ぎに坂下のアンヴィル劇場へ。電車の駅の道路向かいで、歩いて20分ちょっとだけど、ロイヤルアベニューを渡ってからの最後の300メートルが急な下り坂で、おまけに歩道が左右に傾いているから、年寄りの膝には少々きつい。(だから帰りは駅からバス。)アンヴィル劇場は市が多目的施設として作ったアンヴィルセンターの3階にある360席の劇場で、小さいけどオープンステージ形式の最新設備。作品は、いずれ翻訳したいと思っている『Bed and Breakfast』の作者マーク・クロフォードのもので、4年前にグランヴィルアイランド劇場で上演された時は、個人スポンサーとしてキャストのサイン入りのポスターをもらい、オープニングのレセプションではマークと話をする機会があった。




タイトルの「鳥と蜂」は子供にセックスについて教える、要するに性教育の比喩的表現で、ストーリーは、七面鳥農家の夫と別れて養蜂家の母親のところに転がり込んで来たアラフォーの娘と蜂の研究で修士号を取ろうとしてしている青年、母親とその土地を借りている隣人の農家の男(2人の元夫と元妻が結婚して交流できる距離で暮らしているらしい)のしっちゃめっちゃかなベッドルームコメディ。セットは隣り合わせの寝室2つで、セックスレスやら出会い系サイトやら七面鳥の人工授精やら、笑いで包んだきわどい台詞やシーンが満載。最後は娘に子供が生まれて、初体験でパパになってしまった青年とそれぞれ自立した新しいカップルになり、母親が孫が早産であわやと言う時にサポートしてくれた男に「愛してる」と告白し、出会い系でのもてぶりが自慢だった男がしおらしく「オレもだ」と言って、めでたし、めでたし。

そこに至る伏線として、青年が人生は計画通りに行かないものだから、自然の成り行きに任せることも大事で、どのようにそれを実現できるかという研究論文を書くつもりだと言い、それを聞いた男がミツバチの大量死と農薬の関係性を巡ってたびたび口論していた母親に、「オレの畑とあんたの蜂の巣箱の間にたくさん花を植えて、ミツバチがナニをして増えるようにしよう」と持ちかけるシーンを入れて、さりげなく環境問題に言及しているところが心憎い。芝居が終わって、駅のスシ屋で晩ご飯をテイクアウトして、バスに乗って、ほんわりした気分で帰館。夜、夜景の光が見渡す限りちらちらと揺れていて、とってもきれい。予報通りに天気が変わるのかな。