らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

清瀬保二

2008年08月25日 22時50分23秒 | 好きな作曲家(作品)
 お気に入りのCDのカテゴリーか好きな作曲家のカテゴリーか迷ったが、好きな作曲家に入れてしまえ!!山形Qでは郷土の作曲という事で、佐藤敏直氏(鶴岡市出身)の作品を以前取りあげたが(第29回定期演奏会でも演奏予定)、その佐藤敏直氏の師匠清瀬保二氏のCDがこのほど販売された。清瀬保二ピアノ独奏曲全集というものだ。

 清瀬保二氏のウィキペディアへのリンク
清瀬保二


 清瀬保二(1900~ 1981)氏は大分県出身の作曲家ながら琉球舞踊(1936)・東北のわらべ唄(1971)など日本各地の日本的旋律を使った独自の和声法で作曲を行った。もちろん管弦楽や協奏曲、弦楽四重奏曲なども作曲している。弟子には先ほどの佐藤敏直氏以外にも武満徹氏や仲俣申喜男氏、長沢勝俊氏などがいる。独自の和声法を使ったのにも理由があって、山田耕筰氏にごくわずかな期間師事しただけでほとんど独学で作曲をマスターしたらしい。

 このCDを聴いていて思うのは、きれいな旋律と和声で日本人の心を和やかにしてくれるような流れを持っているという事だ。CDを全集と言いながら(録音は全曲行われたらしい)東北のわらべ唄は収録の都合で17曲のみ収録されている。全部で102曲もあるそうなので、それだけで是非CD化してもらいたいだ。

 勝手な印象だが、武満徹氏よりは佐藤敏直氏の方がより師匠に影響を受けている印象だ。まだ聴かぬ清瀬保二氏の弦楽四重奏曲に大きい期待がわき上がる。譜面が手に入るなら是非演奏してみたい。

 昔、ジョージ・ウィンストンというピアニストが大流行した事があった。ピアノで聴く風景?ピアノの画家?だかのキャッチフレーズで「春」・「夏」・「秋」・「冬」という4枚のアルバムをヒットさせたピアニストだ。女の子を落とすカーステレオの音楽なんていうので大学生の間では爆発的にヒットした。

 清瀬保二氏のピアノ曲は、和製ジョージ・ウィンストンみたいだ。清瀬保二氏の方が元祖だが。とにかく美しく、古き良き日本の原風景を彷彿させる音楽達のような気もする。本人は作曲時そんな事は意識したかどうかはわからない。

 リラクゼーションや神経科の病室などに流れていたら、マッチすると思う。

 最後にこの作品群を演奏しているピアニスト花岡千春氏について。
 秋田大学助教授を経て、現在は国立音楽大学教授らしい。私の無知のせいだが、最初名前を見てCDを聴いて勝手に女の人だと思い込んでいた。中のブックレットを見て、男の人なのかぁ~とビックリした。繊細なタッチで、とにかく美しい音色を持っている。もの凄く貴重な活動をされているピアニストだ。山形響に呼ばないかなぁ~?
HMVジャパン
コメント (4)
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