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Stan Getz / Long Island Sound ( 米 New Jazz NJLP 8214 )
「オリジナルだけが偉い」とチヤホヤされるこの偏狭な世界では、セカンド・プレス以降のレコードたちは皆どことなく悲し気だ。
何も好き好んで2番目として生まれてきたわけでもないのにな、とみんなそう思っている。
新入荷のエサ箱にパリッとした真新しいビニール袋に入れられて晴れやかな気持ちで中古デビューを果たしたのに、朝一番にやって来たお客から
「なんだ、セカンドかよ」と吐き捨てるようなセリフを浴びせられてスルーされる。それでも気を取り直して精一杯の笑顔で次に手に取られるのを
待つけど、中々手にしてもらえない。1日が過ぎ、また1日が過ぎ、時間が経つにつれて並ぶ列を移動させられ、気が付くとアルファベット順に
区画された場所に移される。そこでは時間は静かに流れ、孤独の中に取り残される。
このスタン・ゲッツのレコードも、そういう感じで転がっていた。でも私がこれを買ったのはなにも憐憫の情にほだされてというのではなく、
この表紙のデザインが好きだったからだ。この趣のある風情がクールな内容には似つかわしく、お気に入りのレコードになっている。
RVGの刻印もしっかりとあって、そのサウンドは輪郭がクッキリとしていてオリジナルよりもこちらの方がいいんじゃないかとすら思う。
どのレコードにもそれぞれの存在理由があり、それぞれの良さがある。このレコードはそういう当たり前のことを教えてくれる気がする。
セカンド・プレスを愛でることができてこそ、本物のヴィニール・ジャンキーと言えるんじゃないだろうか。