[4月1日08:00.天候:晴 埼玉県さいたま市西区・ロボット未来科学館 3号機のシンディ、敷島孝夫、アリス敷島、初音ミク]
荒れ地の広がる道を進む1台の車。
敷島:「ほんの数ヶ月前まで、ここでバージョン無双したなんて信じられないなぁ……」
敷島はハンドルを握りながら呟いた。
シンディ:「レイチェル戦の時か」
敷島:「まあ、あの時はアルエットやゆかりに助けられたけどな」
シンディ:「さすがに、同型の姉妹機とのガチバトルはキツかったなぁ……」
助手席に座るシンディは、ヘッドレストに頭をもたげて答えた。
敷島:「で、結局負けたと……」
シンディ:「ちょっと油断しただけよ。エミリーが相手だったら、レイチェルの方がバラバラにされてたさ」
敷島:(ということは、あの三姉妹でシンディが1番攻撃力が弱かったということか???)
とはいえ、シンディが弱いわけではない。
近接戦が他の姉妹機より不得意とはいえ、それが全く弱いわけではないのだ。
現段階において、エミリーやシンディ以外の旧型マルチタイプの復元については、検討すらされていない。
アルエットのような新型機については、検討されている。
敷島:「アリス。……おい、アリス!」
アリス:「zzz……」
敷島は、リアシートに座るアメリカ人妻をルームミラー越しに見た。
敷島:「全く、こいつは……」
シンディ:「いいじゃないの。夜泣きしたお坊ちゃまをずっとあやしていたんだからさ」
敷島:「そうなのか!?俺、知らないぞ?」
シンディ:「だって、社長はグースカ爆睡してたじゃん」
敷島:ギクッ!「……お、俺はミクと打ち合わせを……」
シンディ:「ミクはお坊ちゃまの為に子守唄を歌ってあげてたわよ」
ミク:「ちょうど、データにあって良かったです。本当は、リンやレンの持ち歌なんですけどね」
敷島:「そんなのあったか?」
ミク:「“ぜんまい仕掛けの子守唄”です」
敷島:「永眠しそうな歌だからやめてくれ!」
どうにか科学館の通用口前に到着する。
通用口前には業務用駐車場があり、敷島達はそこに車を止めた。
敷島:「おい、アリス。着いたぞ」
アリス:「んー……」
シンディ:「マスター、起きてください」
シンディ、アリスの手を取って車から降ろす。
敷島、先に通用口から中に入り、警備受付で受付を行う。
アリスは正式なスタッフなので既に社員証を持っているが、敷島達はここで入館証を借りなければならない。
一般客が立ち入れる展示室スペースではそんなもの必要無いが、要はバックヤードに入る際に必要だし、それに……。
敷島:「おっ、セキュリティロボット」
警備室には人間の警備員もいるが、館内は2足歩行のセキュリティロボットが常時巡回している。
敷島達の姿を見かけた2機がギラッと両目を光らせて、こちらに向かって走って来た。
シンディから見て、明らかに敷島達に対して警戒行動を行っているのが分かる。
シンディ:「ちょっとあんた達、本日の入構者データ、入ってないの?それに、社長達は今、受付中……ん?」
セキュリティロボットA:「ハッ、初音ミクさン!ヨ、良カッタラ、ボボ、ボク達ト握手シテ下サイ!」
セキュリティロボットB:「ズット大ファンデス!応援シテマス!」
初音ミク:「あ、ありがとうございます」
シンディ:「仕事しろ、オマエら!!」
ボーカロイドは人間だけでなく、人工知能搭載の他のロボットやロイドからも大人気なのであった。
[同日08:30.天候:晴 科学館1Fシアターホール シンディ、敷島、初音ミク]
ミクはここでミニライブを行うことになっている。
今は音響リハを行っていた。
スタッフ:「マイクテストお願いしまーす」
初音ミク:「はい、初音ミクです。よろしくお願いします」
スタッフ:「はい、ありがとうございます。MC後に暗転、下手に捌けまーす」
敷島、他のスタッフ達とミニライブの打ち合わせを行っている。
敷島:「……はい、ですからここはもう少し照明を……」
スタッフ:「では、そこは登場のタイミングと合わせまして……」
アリスは館内の研究室エリアに行ってしまった。
シンディはこの間、何もやることが無い。
そこで従妹機のアルエットに会うことにした。
シンディ:「アル!」
アルエット:「お姉ちゃん!」
アルエットは8号機のナンバリングがされており、それはつまりエミリーやシンディと連番になっていることを意味しているが、同型の姉妹機というわけではない。
アルエットはそう思っているつもりだが、実際はオリジナルタイプの1号機や3号機をモデルチェンジ(軽量化、小型化した結果、ロリ化)したため、外観から性能まで異なっている。
その為、エミリーやシンディから見れば実妹というよりは従妹という感じになっている。
シンディ:「もう直ったんだね。良かったね」
アルエット:「会いたかったよ。お姉ちゃん」
シンディ:「ゴメンね。あんたのこと壊しちゃって……」
アルエット:「ううん」
その時、アルエットのオレンジに近い赤い髪の中から、妖精が現れた。
実際は妖精によく似たロイドである。
萌:「へへっ(笑)、ボクのことも忘れないでくださいよー」
一人称でボクと呼んでいるが、これは試作機だった頃、まだ性別設定が無かった頃の名残だ。
今では量産先行機扱いとなり、性別設定も女になっているのだが、一人称は相変わらず試作機時代のままで、いわゆる『ボクっ子少女』のような状態になっている。
シンディ:「そういやアンタ、いたねー。アンタもまたKR団潰しの立役者だったわね」
萌:「今ではアルと一緒で、この科学館のメインキャラクターですよ?スゴイでしょー?」
シンディ:「うん、そうだね。アルエットと一緒に人気者になりそうだね」
萌:「シンディさんも人気者ですよ?」
シンディ:「は?」
ザシャアアアア〜ッ!(ポテンヒットさん、度々すいまそんw)
ロボット警備隊長:「究極ニシテ至高ナル存在、且ツ我等ガ崇高ナ女王ニシテ、ロイドノ太陽デアラレル所ノ、シンディ・サード閣下ニ対シ、敬礼!!」
セキュリティロボットC・D・E・F:「ハハ〜ッ!シンディ様!」
敬礼どころか、警備ロボット軍団に伏せ拝をされるシンディだった。
萌:「ホラ、人気者w」
シンディ:「オマエら、いい加減にしろ!!」
アルエット:「そうだよ!お姉ちゃんが困ってるじゃない!」
シンディ:「アルエットからも言ってやって。これじゃ、任務になりゃしない」
アルエット:「まだまだ頭が高いわよ!ほら、そこのD号機!もっと地に頭をつけて!」
セキュリティロボットD:「ハハッ!申シ訳ゴザイマセン!」
シンディ:「アンタのせいかい!w」
シンディは従妹機に軽くゲンコツをして突っ込んだ。
荒れ地の広がる道を進む1台の車。
敷島:「ほんの数ヶ月前まで、ここでバージョン無双したなんて信じられないなぁ……」
敷島はハンドルを握りながら呟いた。
シンディ:「レイチェル戦の時か」
敷島:「まあ、あの時はアルエットやゆかりに助けられたけどな」
シンディ:「さすがに、同型の姉妹機とのガチバトルはキツかったなぁ……」
助手席に座るシンディは、ヘッドレストに頭をもたげて答えた。
敷島:「で、結局負けたと……」
シンディ:「ちょっと油断しただけよ。エミリーが相手だったら、レイチェルの方がバラバラにされてたさ」
敷島:(ということは、あの三姉妹でシンディが1番攻撃力が弱かったということか???)
とはいえ、シンディが弱いわけではない。
近接戦が他の姉妹機より不得意とはいえ、それが全く弱いわけではないのだ。
現段階において、エミリーやシンディ以外の旧型マルチタイプの復元については、検討すらされていない。
アルエットのような新型機については、検討されている。
敷島:「アリス。……おい、アリス!」
アリス:「zzz……」
敷島は、リアシートに座るアメリカ人妻をルームミラー越しに見た。
敷島:「全く、こいつは……」
シンディ:「いいじゃないの。夜泣きしたお坊ちゃまをずっとあやしていたんだからさ」
敷島:「そうなのか!?俺、知らないぞ?」
シンディ:「だって、社長はグースカ爆睡してたじゃん」
敷島:ギクッ!「……お、俺はミクと打ち合わせを……」
シンディ:「ミクはお坊ちゃまの為に子守唄を歌ってあげてたわよ」
ミク:「ちょうど、データにあって良かったです。本当は、リンやレンの持ち歌なんですけどね」
敷島:「そんなのあったか?」
ミク:「“ぜんまい仕掛けの子守唄”です」
敷島:「永眠しそうな歌だからやめてくれ!」
どうにか科学館の通用口前に到着する。
通用口前には業務用駐車場があり、敷島達はそこに車を止めた。
敷島:「おい、アリス。着いたぞ」
アリス:「んー……」
シンディ:「マスター、起きてください」
シンディ、アリスの手を取って車から降ろす。
敷島、先に通用口から中に入り、警備受付で受付を行う。
アリスは正式なスタッフなので既に社員証を持っているが、敷島達はここで入館証を借りなければならない。
一般客が立ち入れる展示室スペースではそんなもの必要無いが、要はバックヤードに入る際に必要だし、それに……。
敷島:「おっ、セキュリティロボット」
警備室には人間の警備員もいるが、館内は2足歩行のセキュリティロボットが常時巡回している。
敷島達の姿を見かけた2機がギラッと両目を光らせて、こちらに向かって走って来た。
シンディから見て、明らかに敷島達に対して警戒行動を行っているのが分かる。
シンディ:「ちょっとあんた達、本日の入構者データ、入ってないの?それに、社長達は今、受付中……ん?」
セキュリティロボットA:「ハッ、初音ミクさン!ヨ、良カッタラ、ボボ、ボク達ト握手シテ下サイ!」
セキュリティロボットB:「ズット大ファンデス!応援シテマス!」
初音ミク:「あ、ありがとうございます」
シンディ:「仕事しろ、オマエら!!」
ボーカロイドは人間だけでなく、人工知能搭載の他のロボットやロイドからも大人気なのであった。
[同日08:30.天候:晴 科学館1Fシアターホール シンディ、敷島、初音ミク]
ミクはここでミニライブを行うことになっている。
今は音響リハを行っていた。
スタッフ:「マイクテストお願いしまーす」
初音ミク:「はい、初音ミクです。よろしくお願いします」
スタッフ:「はい、ありがとうございます。MC後に暗転、下手に捌けまーす」
敷島、他のスタッフ達とミニライブの打ち合わせを行っている。
敷島:「……はい、ですからここはもう少し照明を……」
スタッフ:「では、そこは登場のタイミングと合わせまして……」
アリスは館内の研究室エリアに行ってしまった。
シンディはこの間、何もやることが無い。
そこで従妹機のアルエットに会うことにした。
シンディ:「アル!」
アルエット:「お姉ちゃん!」
アルエットは8号機のナンバリングがされており、それはつまりエミリーやシンディと連番になっていることを意味しているが、同型の姉妹機というわけではない。
アルエットはそう思っているつもりだが、実際はオリジナルタイプの1号機や3号機をモデルチェンジ(軽量化、小型化した結果、ロリ化)したため、外観から性能まで異なっている。
その為、エミリーやシンディから見れば実妹というよりは従妹という感じになっている。
シンディ:「もう直ったんだね。良かったね」
アルエット:「会いたかったよ。お姉ちゃん」
シンディ:「ゴメンね。あんたのこと壊しちゃって……」
アルエット:「ううん」
その時、アルエットのオレンジに近い赤い髪の中から、妖精が現れた。
実際は妖精によく似たロイドである。
萌:「へへっ(笑)、ボクのことも忘れないでくださいよー」
一人称でボクと呼んでいるが、これは試作機だった頃、まだ性別設定が無かった頃の名残だ。
今では量産先行機扱いとなり、性別設定も女になっているのだが、一人称は相変わらず試作機時代のままで、いわゆる『ボクっ子少女』のような状態になっている。
シンディ:「そういやアンタ、いたねー。アンタもまたKR団潰しの立役者だったわね」
萌:「今ではアルと一緒で、この科学館のメインキャラクターですよ?スゴイでしょー?」
シンディ:「うん、そうだね。アルエットと一緒に人気者になりそうだね」
萌:「シンディさんも人気者ですよ?」
シンディ:「は?」
ザシャアアアア〜ッ!(ポテンヒットさん、度々すいまそんw)
ロボット警備隊長:「究極ニシテ至高ナル存在、且ツ我等ガ崇高ナ女王ニシテ、ロイドノ太陽デアラレル所ノ、シンディ・サード閣下ニ対シ、敬礼!!」
セキュリティロボットC・D・E・F:「ハハ〜ッ!シンディ様!」
敬礼どころか、警備ロボット軍団に伏せ拝をされるシンディだった。
萌:「ホラ、人気者w」
シンディ:「オマエら、いい加減にしろ!!」
アルエット:「そうだよ!お姉ちゃんが困ってるじゃない!」
シンディ:「アルエットからも言ってやって。これじゃ、任務になりゃしない」
アルエット:「まだまだ頭が高いわよ!ほら、そこのD号機!もっと地に頭をつけて!」
セキュリティロボットD:「ハハッ!申シ訳ゴザイマセン!」
シンディ:「アンタのせいかい!w」
シンディは従妹機に軽くゲンコツをして突っ込んだ。