[4月1日15:00.天候:晴 埼玉県さいたま市西区・ロボット未来科学館 ※登場人物表記省略]
初音ミク:「もっとずっと♪笑えるように♪流星にお願いしたら♪……」
シアターホールで午後の部のミニライブを行う初音ミク。
ゴンスケ:「えー、美味しいおイモ。おイモはいかがですか〜?」
エミリー:「ただいま・無料・配布中・です」
販売はダメだが、無料配布なら良いということになった。
何故か配布を手伝うエミリー。
シンディ:(さすがに、屋台ごと焼き払ったのはやり過ぎだと思ったか……)
シンディはそんな姉の働きぶりに、そう思った。
平賀未来(みく):「しんでぃ!目かられーざーびーむ出してー!」
シンディ:「目からレーザービームですか!?申し訳ありませんが、今の私はそのパーツは搭載してなくて……。多分、ボーカロイドの誰かが持ってると思います。……あー、検索しましたが、ミクじゃないですね」
未来:「あたし、もってないよー!」
シンディ:「あ、いや、お嬢様のことじゃなくてですね、初音ミクのことです」
海斗:「しんでぃ、空飛んで!」
シンディ:「あ、はい。それならお安い御用です」
シンディも平賀の子供2人に翻弄されているようだ。
敷島孝夫:「明日と明後日は土日だから、もっと客が来そうですね」
平賀太一:「ええ。明後日まででしたら、自分達も協力できそうです」
敷島:「そりゃいい。それなら明日はMEGAbyteでも連れて来ましょうかね」
平賀:「ボーカロイドのことは、敷島さんがいると任せて安心ですね」
敷島:「ありがとうございます。これも平賀先生の協力あってこそ……」
[それから2時間後]
エミリー:「ご来館・真に・ありがとう・ございました」
シンディ:「ありがとうございました!」
科学館の閉館時間は17時である。
マルチタイプ姉妹はエントランスに立って、来館者の見送りを行った。
さいたま市郊外にある為、大宮駅からは地元の路線バスがロータリーまで入って来るようになった。
ただ、バスの本数は1時間に1本と、お世辞にも多いとは言えない。
土曜・日曜ダイヤは30分に1本と、こちらの方が本数は多い。
ここが始発・終着というわけではなく、他の行き先の途中で寄って来るという感じである。
これとは別に、『ロボット未来科学館入口』という少し離れた所に、別の行き先のバス停もある。
警備員:「館内ゼロでーす!」
人間の警備員も一緒に館内を回って、来館者が全員帰ったことを確認する。
敷島達もバックヤードに戻って、控え室となっている会議室に入る。
敷島:「初日のイベント、全て終了です!」
敷島が宣言するように言うと、シンディ達が拍手をする。
敷島:「平賀先生方も、ありがとうございました」
平賀:「いえいえ。これなら、科学館の先行きも安泰でしょう」
奈津子:「明日からの土日は、もっと忙しくなりそうですね」
敷島:「あいにくとミクはスケジュールがぎっしりなので、明日と明後日は無理ですが、幸いにしてMEGAbyteが空いているので、彼女らを呼ぶことにしました」
平賀:「それはいいですね。明日に備えて、ミクの整備をしておきましょう」
敷島:「いつもすいませんねぇ……」
アリス:「シンディは帰る前に、整備してからね」
シンディ:「かしこまりました」
アリス:「アソシエイト・プロフェッサー奈津子。エミリーの整備をするんだったら、この施設の研究室を使っていいってさ」
奈津子:「そうなの?助かるわー。シンディと一緒に整備できそうね。エミリー、ちょっと来て」
エミリー:「イエス」
ミク:「進め♪ガイノイド♪ずっと先へ♪もっともっと電圧上げてー♪」
ミクは通用口の外、業務用駐車場で平賀夫妻の子供達に歌を歌ってあげていた。
平賀:「おーい、ミクー。整備するぞー」
ミク:「あ、はーい。よろしくお願いします。じゃ、ゴメンなさい」
平賀:「お前達も中で待ってろよ」
未来:「えー!」
平賀:「えー、じゃない!……ミク、どこか調子の悪い所あるか?」
未来:「大丈夫だよー、パパ」
平賀:「いや、お前じゃない」
ミク:「あ、えっと……ちょっと右足の動きが……」
平賀:「よしよし。じゃ、ちょっと診てみよう」
[同日21:00.天候:晴 科学館駐車場]
敷島:「どれ、じゃ一旦家に帰るか。平賀先生、ホテルまでお送りします」
平賀:「どうもすいません」
因みに奈津子はエミリーの整備だけ終わると、子供達を連れて、ロボット未来科学館入口バス停に向かって、宿泊先のホテルに戻っていった。
幸い、この辺りから出る大宮駅西口行きのバスはパレスホテルの前である『ソニックシティ前』バス停に止まる。
敷島達は車で来ていた。
敷島:「アリス、早く帰るぞ。明日も早いんだから」
アリス:「ちょっと待って」
アリスは私服に着替えて走って来た。
車に乗り込む。
敷島:「アルエットや萌の整備はいいのか?」
アリス:「うん。本格的な整備はアタシがやるけど、普段の整備はヒラ研究員でも大丈夫よ」
敷島:「ふーん……。そうなのか」
新型タイプなので、メンテナンスも楽なのだろうか。
平賀:「おい、後ろから俺を襲うなよ」
シンディ:「まだ疑ってるの?」
平賀:「当たり前だ!」
オーナードライバーの場合、上座はリアシートではなく、助手席になる。
なので平賀がそこに座ったのだが、下座になる助手席の後ろがシンディという……。
南里の法事に、シンディが呼ばれることはない。
告別式にウィリーの名代としてやってきたのだが、持って来たのが御霊前ではなく御祝儀だったから、平賀やエミリーを激怒させた。
もちろん、シンディは自ら率先して持って来たのではなく、ウィリーの命令で持って行ったのだが。
エミリーが組み付いてこようとしたが、ひらりと交わして離脱したシンディ。
もしあの時、エミリーが組み付いていたら、東京決戦は無かったかもしれない。
[同日22:00.天候:晴 埼玉県さいたま市大宮区・敷島家]
敷島:「やっと着いた。軽く飯にして、風呂入って寝るか」
二海(ふたみ):「お帰りなさいませ」
メイドロイドの二海が出迎える。
二海:「お坊ちゃまは、もうお休みになられましたよ」
敷島:「いつもご苦労さんな」
二海:「いえ、お役に立てて何よりです。明日もお出かけですか?」
敷島:「科学館の週末の集客がどんなものなのか見ておきたい。場合によっては、ボーカロイドを更にうちの事務所に入れて、そこから科学館に派遣できるようになれば、固定の売り上げを確保できる。……あまり高くはできないけどな」
ミクみたいに、本来ならもう東京ドームシティでライブができるようなトップアイドルが行くような所ではないのかもしれない。
シンディ:「二海、ご苦労さん。あとはアタシが交代するから、アンタはもう充電に入って」
二海:「はい。トニーお坊ちゃまは、もうお休みになりましたので」
シンディ:「了解」
二海はシンディと交代すると、3畳くらいの広さの納戸に入った。
そこで充電する為、実質的な二海の部屋とも言えるだろう。
夕食は既に二海が作って保存していた為、シンディはそれを温め直して出すだけで良かった。
アリス:「アタシは先にシャワー浴びて寝るね」
敷島:「ああ」
取りあえず初日は無事に終わった感じだが、週末がどうなるかは分からなかった。
だいぶメディアでも報道されていたようなので、かなり集客が見込める感じはしたが……。
初音ミク:「もっとずっと♪笑えるように♪流星にお願いしたら♪……」
シアターホールで午後の部のミニライブを行う初音ミク。
ゴンスケ:「えー、美味しいおイモ。おイモはいかがですか〜?」
エミリー:「ただいま・無料・配布中・です」
販売はダメだが、無料配布なら良いということになった。
何故か配布を手伝うエミリー。
シンディ:(さすがに、屋台ごと焼き払ったのはやり過ぎだと思ったか……)
シンディはそんな姉の働きぶりに、そう思った。
平賀未来(みく):「しんでぃ!目かられーざーびーむ出してー!」
シンディ:「目からレーザービームですか!?申し訳ありませんが、今の私はそのパーツは搭載してなくて……。多分、ボーカロイドの誰かが持ってると思います。……あー、検索しましたが、ミクじゃないですね」
未来:「あたし、もってないよー!」
シンディ:「あ、いや、お嬢様のことじゃなくてですね、初音ミクのことです」
海斗:「しんでぃ、空飛んで!」
シンディ:「あ、はい。それならお安い御用です」
シンディも平賀の子供2人に翻弄されているようだ。
敷島孝夫:「明日と明後日は土日だから、もっと客が来そうですね」
平賀太一:「ええ。明後日まででしたら、自分達も協力できそうです」
敷島:「そりゃいい。それなら明日はMEGAbyteでも連れて来ましょうかね」
平賀:「ボーカロイドのことは、敷島さんがいると任せて安心ですね」
敷島:「ありがとうございます。これも平賀先生の協力あってこそ……」
[それから2時間後]
エミリー:「ご来館・真に・ありがとう・ございました」
シンディ:「ありがとうございました!」
科学館の閉館時間は17時である。
マルチタイプ姉妹はエントランスに立って、来館者の見送りを行った。
さいたま市郊外にある為、大宮駅からは地元の路線バスがロータリーまで入って来るようになった。
ただ、バスの本数は1時間に1本と、お世辞にも多いとは言えない。
土曜・日曜ダイヤは30分に1本と、こちらの方が本数は多い。
ここが始発・終着というわけではなく、他の行き先の途中で寄って来るという感じである。
これとは別に、『ロボット未来科学館入口』という少し離れた所に、別の行き先のバス停もある。
警備員:「館内ゼロでーす!」
人間の警備員も一緒に館内を回って、来館者が全員帰ったことを確認する。
敷島達もバックヤードに戻って、控え室となっている会議室に入る。
敷島:「初日のイベント、全て終了です!」
敷島が宣言するように言うと、シンディ達が拍手をする。
敷島:「平賀先生方も、ありがとうございました」
平賀:「いえいえ。これなら、科学館の先行きも安泰でしょう」
奈津子:「明日からの土日は、もっと忙しくなりそうですね」
敷島:「あいにくとミクはスケジュールがぎっしりなので、明日と明後日は無理ですが、幸いにしてMEGAbyteが空いているので、彼女らを呼ぶことにしました」
平賀:「それはいいですね。明日に備えて、ミクの整備をしておきましょう」
敷島:「いつもすいませんねぇ……」
アリス:「シンディは帰る前に、整備してからね」
シンディ:「かしこまりました」
アリス:「アソシエイト・プロフェッサー奈津子。エミリーの整備をするんだったら、この施設の研究室を使っていいってさ」
奈津子:「そうなの?助かるわー。シンディと一緒に整備できそうね。エミリー、ちょっと来て」
エミリー:「イエス」
ミク:「進め♪ガイノイド♪ずっと先へ♪もっともっと電圧上げてー♪」
ミクは通用口の外、業務用駐車場で平賀夫妻の子供達に歌を歌ってあげていた。
平賀:「おーい、ミクー。整備するぞー」
ミク:「あ、はーい。よろしくお願いします。じゃ、ゴメンなさい」
平賀:「お前達も中で待ってろよ」
未来:「えー!」
平賀:「えー、じゃない!……ミク、どこか調子の悪い所あるか?」
未来:「大丈夫だよー、パパ」
平賀:「いや、お前じゃない」
ミク:「あ、えっと……ちょっと右足の動きが……」
平賀:「よしよし。じゃ、ちょっと診てみよう」
[同日21:00.天候:晴 科学館駐車場]
敷島:「どれ、じゃ一旦家に帰るか。平賀先生、ホテルまでお送りします」
平賀:「どうもすいません」
因みに奈津子はエミリーの整備だけ終わると、子供達を連れて、ロボット未来科学館入口バス停に向かって、宿泊先のホテルに戻っていった。
幸い、この辺りから出る大宮駅西口行きのバスはパレスホテルの前である『ソニックシティ前』バス停に止まる。
敷島達は車で来ていた。
敷島:「アリス、早く帰るぞ。明日も早いんだから」
アリス:「ちょっと待って」
アリスは私服に着替えて走って来た。
車に乗り込む。
敷島:「アルエットや萌の整備はいいのか?」
アリス:「うん。本格的な整備はアタシがやるけど、普段の整備はヒラ研究員でも大丈夫よ」
敷島:「ふーん……。そうなのか」
新型タイプなので、メンテナンスも楽なのだろうか。
平賀:「おい、後ろから俺を襲うなよ」
シンディ:「まだ疑ってるの?」
平賀:「当たり前だ!」
オーナードライバーの場合、上座はリアシートではなく、助手席になる。
なので平賀がそこに座ったのだが、下座になる助手席の後ろがシンディという……。
南里の法事に、シンディが呼ばれることはない。
告別式にウィリーの名代としてやってきたのだが、持って来たのが御霊前ではなく御祝儀だったから、平賀やエミリーを激怒させた。
もちろん、シンディは自ら率先して持って来たのではなく、ウィリーの命令で持って行ったのだが。
エミリーが組み付いてこようとしたが、ひらりと交わして離脱したシンディ。
もしあの時、エミリーが組み付いていたら、東京決戦は無かったかもしれない。
[同日22:00.天候:晴 埼玉県さいたま市大宮区・敷島家]
敷島:「やっと着いた。軽く飯にして、風呂入って寝るか」
二海(ふたみ):「お帰りなさいませ」
メイドロイドの二海が出迎える。
二海:「お坊ちゃまは、もうお休みになられましたよ」
敷島:「いつもご苦労さんな」
二海:「いえ、お役に立てて何よりです。明日もお出かけですか?」
敷島:「科学館の週末の集客がどんなものなのか見ておきたい。場合によっては、ボーカロイドを更にうちの事務所に入れて、そこから科学館に派遣できるようになれば、固定の売り上げを確保できる。……あまり高くはできないけどな」
ミクみたいに、本来ならもう東京ドームシティでライブができるようなトップアイドルが行くような所ではないのかもしれない。
シンディ:「二海、ご苦労さん。あとはアタシが交代するから、アンタはもう充電に入って」
二海:「はい。トニーお坊ちゃまは、もうお休みになりましたので」
シンディ:「了解」
二海はシンディと交代すると、3畳くらいの広さの納戸に入った。
そこで充電する為、実質的な二海の部屋とも言えるだろう。
夕食は既に二海が作って保存していた為、シンディはそれを温め直して出すだけで良かった。
アリス:「アタシは先にシャワー浴びて寝るね」
敷島:「ああ」
取りあえず初日は無事に終わった感じだが、週末がどうなるかは分からなかった。
だいぶメディアでも報道されていたようなので、かなり集客が見込める感じはしたが……。