報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“Gynoid Multitype Cindy” 「ロボット未来科学館・オープン当日」 3

2016-04-26 19:14:09 | アンドロイドマスターシリーズ
[4月1日15:00.天候:晴 埼玉県さいたま市西区・ロボット未来科学館 ※登場人物表記省略]

 初音ミク:「もっとずっと♪笑えるように♪流星にお願いしたら♪……」

 シアターホールで午後の部のミニライブを行う初音ミク。

 ゴンスケ:「えー、美味しいおイモ。おイモはいかがですか〜?」
 エミリー:「ただいま・無料・配布中・です」

 販売はダメだが、無料配布なら良いということになった。
 何故か配布を手伝うエミリー。

 シンディ:(さすがに、屋台ごと焼き払ったのはやり過ぎだと思ったか……)

 シンディはそんな姉の働きぶりに、そう思った。

 平賀未来(みく):「しんでぃ!目かられーざーびーむ出してー!」
 シンディ:「目からレーザービームですか!?申し訳ありませんが、今の私はそのパーツは搭載してなくて……。多分、ボーカロイドの誰かが持ってると思います。……あー、検索しましたが、ミクじゃないですね」
 未来:「あたし、もってないよー!」
 シンディ:「あ、いや、お嬢様のことじゃなくてですね、初音ミクのことです」
 海斗:「しんでぃ、空飛んで!」
 シンディ:「あ、はい。それならお安い御用です」

 シンディも平賀の子供2人に翻弄されているようだ。

 敷島孝夫:「明日と明後日は土日だから、もっと客が来そうですね」
 平賀太一:「ええ。明後日まででしたら、自分達も協力できそうです」
 敷島:「そりゃいい。それなら明日はMEGAbyteでも連れて来ましょうかね」
 平賀:「ボーカロイドのことは、敷島さんがいると任せて安心ですね」
 敷島:「ありがとうございます。これも平賀先生の協力あってこそ……」

[それから2時間後]

 エミリー:「ご来館・真に・ありがとう・ございました」
 シンディ:「ありがとうございました!」

 科学館の閉館時間は17時である。
 マルチタイプ姉妹はエントランスに立って、来館者の見送りを行った。
 さいたま市郊外にある為、大宮駅からは地元の路線バスがロータリーまで入って来るようになった。
 ただ、バスの本数は1時間に1本と、お世辞にも多いとは言えない。
 土曜・日曜ダイヤは30分に1本と、こちらの方が本数は多い。
 ここが始発・終着というわけではなく、他の行き先の途中で寄って来るという感じである。
 これとは別に、『ロボット未来科学館入口』という少し離れた所に、別の行き先のバス停もある。

 警備員:「館内ゼロでーす!」

 人間の警備員も一緒に館内を回って、来館者が全員帰ったことを確認する。
 敷島達もバックヤードに戻って、控え室となっている会議室に入る。

 敷島:「初日のイベント、全て終了です!」

 敷島が宣言するように言うと、シンディ達が拍手をする。

 敷島:「平賀先生方も、ありがとうございました」
 平賀:「いえいえ。これなら、科学館の先行きも安泰でしょう」
 奈津子:「明日からの土日は、もっと忙しくなりそうですね」
 敷島:「あいにくとミクはスケジュールがぎっしりなので、明日と明後日は無理ですが、幸いにしてMEGAbyteが空いているので、彼女らを呼ぶことにしました」
 平賀:「それはいいですね。明日に備えて、ミクの整備をしておきましょう」
 敷島:「いつもすいませんねぇ……」
 アリス:「シンディは帰る前に、整備してからね」
 シンディ:「かしこまりました」
 アリス:「アソシエイト・プロフェッサー奈津子。エミリーの整備をするんだったら、この施設の研究室を使っていいってさ」
 奈津子:「そうなの?助かるわー。シンディと一緒に整備できそうね。エミリー、ちょっと来て」
 エミリー:「イエス」

 ミク:「進め♪ガイノイド♪ずっと先へ♪もっともっと電圧上げてー♪」

 ミクは通用口の外、業務用駐車場で平賀夫妻の子供達に歌を歌ってあげていた。

 平賀:「おーい、ミクー。整備するぞー」
 ミク:「あ、はーい。よろしくお願いします。じゃ、ゴメンなさい」
 平賀:「お前達も中で待ってろよ」
 未来:「えー!」
 平賀:「えー、じゃない!……ミク、どこか調子の悪い所あるか?」
 未来:「大丈夫だよー、パパ」
 平賀:「いや、お前じゃない」
 ミク:「あ、えっと……ちょっと右足の動きが……」
 平賀:「よしよし。じゃ、ちょっと診てみよう」

[同日21:00.天候:晴 科学館駐車場]

 敷島:「どれ、じゃ一旦家に帰るか。平賀先生、ホテルまでお送りします」
 平賀:「どうもすいません」

 因みに奈津子はエミリーの整備だけ終わると、子供達を連れて、ロボット未来科学館入口バス停に向かって、宿泊先のホテルに戻っていった。
 幸い、この辺りから出る大宮駅西口行きのバスはパレスホテルの前である『ソニックシティ前』バス停に止まる。
 敷島達は車で来ていた。

 敷島:「アリス、早く帰るぞ。明日も早いんだから」
 アリス:「ちょっと待って」

 アリスは私服に着替えて走って来た。
 車に乗り込む。

 敷島:「アルエットや萌の整備はいいのか?」
 アリス:「うん。本格的な整備はアタシがやるけど、普段の整備はヒラ研究員でも大丈夫よ」
 敷島:「ふーん……。そうなのか」

 新型タイプなので、メンテナンスも楽なのだろうか。

 平賀:「おい、後ろから俺を襲うなよ」
 シンディ:「まだ疑ってるの?」
 平賀:「当たり前だ!」

 オーナードライバーの場合、上座はリアシートではなく、助手席になる。
 なので平賀がそこに座ったのだが、下座になる助手席の後ろがシンディという……。
 南里の法事に、シンディが呼ばれることはない。
 告別式にウィリーの名代としてやってきたのだが、持って来たのが御霊前ではなく御祝儀だったから、平賀やエミリーを激怒させた。
 もちろん、シンディは自ら率先して持って来たのではなく、ウィリーの命令で持って行ったのだが。
 エミリーが組み付いてこようとしたが、ひらりと交わして離脱したシンディ。
 もしあの時、エミリーが組み付いていたら、東京決戦は無かったかもしれない。

[同日22:00.天候:晴 埼玉県さいたま市大宮区・敷島家]

 敷島:「やっと着いた。軽く飯にして、風呂入って寝るか」
 二海(ふたみ):「お帰りなさいませ」

 メイドロイドの二海が出迎える。

 二海:「お坊ちゃまは、もうお休みになられましたよ」
 敷島:「いつもご苦労さんな」
 二海:「いえ、お役に立てて何よりです。明日もお出かけですか?」
 敷島:「科学館の週末の集客がどんなものなのか見ておきたい。場合によっては、ボーカロイドを更にうちの事務所に入れて、そこから科学館に派遣できるようになれば、固定の売り上げを確保できる。……あまり高くはできないけどな」

 ミクみたいに、本来ならもう東京ドームシティでライブができるようなトップアイドルが行くような所ではないのかもしれない。

 シンディ:「二海、ご苦労さん。あとはアタシが交代するから、アンタはもう充電に入って」
 二海:「はい。トニーお坊ちゃまは、もうお休みになりましたので」
 シンディ:「了解」

 二海はシンディと交代すると、3畳くらいの広さの納戸に入った。
 そこで充電する為、実質的な二海の部屋とも言えるだろう。
 夕食は既に二海が作って保存していた為、シンディはそれを温め直して出すだけで良かった。

 アリス:「アタシは先にシャワー浴びて寝るね」
 敷島:「ああ」

 取りあえず初日は無事に終わった感じだが、週末がどうなるかは分からなかった。
 だいぶメディアでも報道されていたようなので、かなり集客が見込める感じはしたが……。
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“Gynoid Multitype Cindy” 主な登場人物改めて紹介

2016-04-26 16:04:28 | アンドロイドマスターシリーズ
 シンディ:

 作品のタイトル通り、今回は主人公を張るが、未だに敷島孝夫のキャラクターぶりに負けていそう。
 2号機の兄がいたが、破壊処分されている。
 特に欠番繰り上げになることはなく、そのまま3号機にナンバリングされている。
 敷島エージェンシーにおける立場は社長秘書兼護衛。
 敷島家における立場はSP。
 人間に対しては朗らかな性格で愛嬌を振り撒くが、他のロイドやロボットに対しては傲慢と言えるほどの尊大な態度で接する。
 ボーカロイド達に対しても、一段上からの目線で接する。
 MEIKOなどは臆することなく、同等目線で接してはくるが、MEIKOに対しては今さらといった感じで、怒ることはない。
 前期型は大型ナイフを振り回すなど、エミリーに負けず劣らずの肉弾戦を得意としていたが、後期型になってからはそれが無くなり、却って遠距離からの攻撃を得意とするようになった。
 姉のエミリーに対しては、『怒らせると自分でも手が付けられない』と思っている。
 ロボット未来科学館では、スナイパーの技を披露したり、エミリーと組んでフルートを吹いたりしている。
 暴走していたとはいえ、製作者であるウィリアム・フォレスト(通称、ドクター・ウィリー)を惨殺してしまったことに対し、大きな負い目を感じている。
 オーナー登録者はアリス敷島、ユーザー登録者は敷島孝夫である。
 オーナーの命令は絶対的、ユーザーの命令は相対的に考えている(ユーザーの命令がオーナーの命令と異なったり、オーナーの意向に反するものと判断されるものについては拒否する)。

 エミリー:

 シンディと同型の姉機であり、マルチタイプのトップナンバー。
 シンディが目立つため、表情に乏しいように見えるが、大きく笑うことが無いというだけで、決して常に無表情とかいうわけではない。
 口数もシンディより少なく、ゆっくりと文節ごとに区切った喋り型をする(いわゆる、ロボット喋り)。
 感情も乏しいということはなく、シンディよりも表に出さないだけである。
 オーナー登録は平賀太一、ユーザー登録は平賀奈津子となっているが、かつてユーザーだった敷島の言う事もちゃんと聞く。
 シンディはユーザーの命令がオーナーの意向に反する時はスッパリ拒否するが、エミリーの場合は、なるべくオーナーの意向と擦り合わせるようにして、なるたけユーザーの命令を聞くようにしている。
 つまり、基本的に人間の言う事は何でも聞くということである。
 人間に対して忠誠的であるが、シンディと同様、ロボットやロイドに対しては命令する立場にある。
 シンディほど尊大な態度ではないものの、やはり礼節を欠く者、人間に迷惑を掛ける者に対しては容赦が無い。
 ロボット未来科学館でサツマイモを無許可で販売しようとしていたゴンスケの屋台を、装備している火炎放射器でイモごと全て焼き払うサディスティックな性格が垣間見える。
 近接戦が得意で、組み付かれたらシンディですら振り払えない。
 ボーカロイドのMEIKOとはケンカするほど仲が良い。
 
 アルエット:

 ロボット未来科学館専属のマスコットロイド。
 それまでのエミリーやシンディよりも小型化、軽量化をコンセプトに製造されたところ、女子中学生くらいの少女のような外観になった。
 従姉のシンディ達が充電されたバッテリーや油圧などで動いているのに対し、こちらは燃料電池が動力らしい。
 護身用として右手を光線銃に変形させることが可能。
 普段は科学館のエントランスホールで、来館者の出迎えをしている。
 妖精型ロイド、萌と組んでいることが多い。

 萌:

 KR団の秘密研究所から救出された妖精型ロイド。
 救出時は試作機としてまだ性別設定がされていなかったせいか、一人称は『ボク』であったが、その後、量産先行機に移行されて性別が女になっても、まだ一人称を変えずにいる。
 2階吹き抜けの科学館エントランスホールを悠然と舞い、来館者に愛想を振り撒くも、宙がえりで失速して、シースルーエレベーターのガラスにぶつかるというヘマをよくやらかしている(エレベーターのガラスは強化ガラスなので、萌がぶつかったくらいではビクともしない)。
 特に攻撃力があるというわけでもないが、ファンタジー世界における妖精と同様、全身を発光させることができ、同時に発熱もするので、それで敵を怯ませることはできる。

 ゴンスケ:

 どこかのアニメにも似た個体がいるって?【お察しください】。
 どういった経緯で製造・開発されたかは不明。
 埼玉研究所が科学館としてリニューアルオープンしても敷地内にイモ畑を展開しており、サツマイモやジャガイモの栽培に勤しんでいる。
 但し、イモ栽培は『家庭菜園』扱いだから良いようなものの、それの販売に際しては保健所の許可が降りていない。
 その為、無許可で販売しようとする為、館内のセキュリティロボット達から警戒されている。
 また、エミリーからは火炎放射器で栽培したイモを屋台ごと焼き払われるという、もはやイジメに近い仕打ちを受けているが、それでもめげずにイモ栽培を続けている。
 何故か少しずつ畑が拡幅されているが、そもそもが研究所時代からしてさいたま市郊外の荒地にあったため、誰も気づいていない。
 
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“Gynoid Multitype Cindy” 「ロボット未来科学館・オープン当日」 2

2016-04-26 10:19:49 | アンドロイドマスターシリーズ
[4月1日11:00.天候:晴 埼玉県さいたま市西区・DCJロボット未来科学館 3号機のシンディ]

 式典は10時から始まり、くす玉割ったり、テープカットしたりとベタな法則であった。

 ミク:「さあ♪光線銃を♪打ち上げろ〜♪」

 ミクはシアターホールでミニライブを行ったが、トップスターが来たもんだから、入場制限をしなければならないほど賑わいぶりだった。

 ゴンスケ:「石焼きイモ〜♪おイモ♪おイモ♪おイモ♪おイモだよ〜♪」
 セキュリティロボットH:「ゴンスケ!館内デ石焼きイモは禁止ダ!」
 シンディ:「あいつ、イモ栽培するだけじゃなかったのね」
 アルエット:「石焼きイモ屋さん、1つちょうだい」
 シンディ:「買うな!てか、ここで売るな!」

 シンディとセキュリティロボットHに連れ出されるゴンスケだった。

 敷島:「おっ、シンディ。ここにいたのか!」
 シンディ:「社長」
 敷島:「お前もイベントに出てもらうぞ!」
 シンディ:「用途外の内容ならできないよー?」
 敷島:「大丈夫だ。お前に打ってつけの内容だ」
 シンディ:「?」

 100メートル先の的のど真ん中にライフル弾を命中させたシンディ。
 右手をライフルに変形させたシンディは、100メートル先の的に弾を当てるのも可能である。
 あと、ダミー人形が3体ほど左右に動く的にあっては、マシンガンに変形させ、少し近づいて発砲し、バラバラにした。
 敷島が通信機でシンディと交信する。

 敷島:「よーし!いいぞ!来館者から好評だ!」
 シンディ:「お役に立てて、何よりです」

 と、シンディは応えたが、近くで見ていたエミリーはこう思った。

 エミリー:(ツイッターに・『女ゴルゴ現る!』・『マジ、ターミネーチャン』と・書かれている・の・だが……)
 ゴンスケ:「えー、栽培したての美味しいサツマイモはいらんかね?」
 セキュリティロボットJ:「ゴンスケ!販売ノ許可ハ出テイナイ!直チニ、退去セヨ!」
 エミリー:「待て、J。私が・協力しよう」
 セキュリティロボットJ:「エ、エミリー様!?」
 ゴンスケ:「おおっ!さすがはマルチタイプのトップナンバーは話が分かる!」
 エミリー:「お前の・サツマイモの・食べ方、オススメは・あるか?」
 ゴンスケ:「そりゃもちろん、焼き芋です」
 エミリー:「ならば、私が・焼こう」
 セキュリティロボットJ:「エミリー様、恐レ入リマスガ、コチラデノ販売ノ許可ハ……」
 エミリー:「黙れ」

 エミリー、両目をギラッと光らせてセキュリティロボットを黙らせる。
 というか、フリーズしてしまったJ号機。

 ゴンスケ:「いま、着火道具を持って来ますんで……」
 エミリー:「その・必要は・無い」

 エミリー、右手を火炎放射器に変形させる。

 ゴンスケ:「え、エミリー様?も、もしかして……もしかすると……」
 エミリー:「もしか・するぞ」

 エミリー、右手から火炎放射器を発射させる。
 あっという間に、屋台ごと黒焦げになるイモ全部。

 エミリー:「火力が・強過ぎた。やはり・事前の・許可が・必要の・ようだな」
 ゴンスケ:「……………」(←口をあんぐり開けて、フリーズしてしまっている。手動による再起動が必要なほどに)

 エミリーはシンディと違って大きく笑うことは無いが、しかし浮かべた微笑は氷のようであった。

 セキュリティロボットJ:「し、シンディ様……!」
 シンディ:「絶対、アタシより鬼軍曹じゃんね……。いい、アンタ達?エミリーを怒らせたら、アタシでも手が付けられないから。そこんとこ、よーくデータに入れておくのよ?」
 セキュリティロボットJ:「ハハッ!」
 セキュリティロボットK:「カシコマリマシタ!」

[同日12:00.天候:晴 科学館2F・レストラン“AI” 敷島孝夫、アリス敷島、平賀ファミリー]

 昼時になって館内のレストランを利用することにした敷島達。

 敷島:「ミクのミニライブは大成功でしたね」
 平賀:「いや、良かったです。午後の部もあるんでしたね?」
 敷島:「そうです。これだったら、もっとグッズ一杯持って来るべきでしたよ。失敗したー」
 奈津子:「まあまあ。あくまでも今日は、科学館さんオープンのイベントなんですから。気持ちは分かりますけど、ミクのイベントがメインではないんですから」
 敷島:「まあ、そうですけどね」

 そこへメイド服姿のメイドロイドがやってくる。

 九海(このみ):「いらっしゃいませー!メニューをどうぞ!」
 平賀:「おう。悪いな」
 敷島:「平賀先生開発のメイドロイドも、だいぶ調子が良いみたいですね」

 試作機の七海は、未だに平賀家でメイドロイドとして稼働している。
 昔は与えられた命令に対し、漢字変換をミスってとんでもない行動をしたりしていたが、今はそれも無くなったらしい。
 同じ読みでも、漢字が違えば思いっきり内容が違うのが日本語だ。
 そこの調整も苦労したらしい。
 但し、主人に対する忠誠心は本物で、七海の場合、明らかに力の差が大人と子供なのに、暴走したシンディに襲われた平賀を守る為に立ち向かったことがある。

 平賀:「おかげさまで……」
 アリス:「DCJとのライセンス契約で、いくらもらってるの!?」
 敷島:「そんなこと聞くんじゃない!……あー、ビーフカレー1つ」
 九海:「はい!今ならオイル交換無料です!」
 敷島:「ロイドじゃねぇ!」
 平賀:「ハンバーグ定食。オイル交換無料だってんなら、これに補充してくれ」

 平賀、手持ちのオイルライターを取り出す。
 この場において、唯一の喫煙者である。

 九海:「ガソリンですか?軽油ですか?重油はお取り寄せになってしまいますが?」
 平賀:「殺す気か!」
 未来:「お子様ランチー」
 海斗:「ぼくもぼくも!」
 九海:「バッテリーパックはお付けしますか?」
 平賀:「ロイドじゃねぇ!」

 何とか注文を完了させた。

 平賀:「昔の七海みたいで懐かしいなぁ……」
 敷島:「あんな感じでしたっけ?」
 奈津子:「確かにそうね。でも、あの純朴さがまたいいのよ」
 敷島:「確かに、ある意味で人気を呼びそうですね。天然ドジっ子メイドなんて、萌要素以外の何物でも無いですからねぇ……」

 敷島はグラスに入った水を飲んだ。

 敷島:「東京決戦で、何気に活躍しましたからね。七海が助けに行かなかったら、平賀先生、この世にいませんよ?」
 平賀:「ええ、それは確かに。七海が時間稼ぎしてくれたおかげです」

 七海を壊したシンディは、平賀にトドメを刺そうとしたが、そこへドクター・ウィリーからの帰還命令が入ったため、断念せざるを得なかった。
 つまり、七海が割って入らなければ、平賀はそのまま殺されていたわけである。

 平賀:「そういう歴史をもっと細かく紹介するってのもいいかもしれませんね」
 敷島:「黒歴史も入ってますけど、そこは省いて?後でデイライトさんに相談してみましょうか」

 さてさて、午後は一体どうなることやら……。
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