[8月6日12:50.天候:晴 東京都千代田区丸の内 JR東京駅]
〔まもなく7番線に、普通、小金井行きが参ります。危ないですから、黄色いブロックまでお下がりください。この列車は、15両です。グリーン車が付いております。……〕
地下総武線ホームから地上の上野東京ラインホームまで移動した魔道士達。
イリーナ:「このキップで、またグリーン車に乗れるの?」
稲生:「そうです」
紙のキップなので、グリーンアテンダントからの改札はある。
イリーナはICカードを持っていない為。
基本的にイリーナは、紙のキップは必要な時(改札口を出入りする時)だけ持っていて、あとは弟子に持たせる。
イリーナ:「それはいいわね。ダンテ先生よりは立場は弁えられるけど、ビジネスクラスに乗れるなんてね」
稲生:「はい」
グリーン車と言っても、中距離電車のそれは同線区を走る特急列車の普通車の座席と大してグレードは変わらない。
だからグリーン料金も、その特急の自由席特急料金とほぼ同水準なのである。
〔とうきょう〜、東京〜。ご乗車、ありがとうございます。次は、上野に止まります〕
東海道本線から快速列車として運転してきた列車が到着する。
だいぶ車内は賑わっていたが、東京駅でぞろぞろと降りてきた。
稲生:「また2階行けるかな……」
5号車に乗り込む。
またもやイリーナは空いている席に座ると、寝入る体勢に入った。
〔この電車は上野東京ライン、宇都宮線直通、普通、小金井行きです。4号車と5号車はグリーン車です。車内でグリーン券をお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので、ご了承ください〕
〔「宇都宮線の普通列車、小金井行きです。東海道線内、快速“アクティー”で参りましたが、東京駅より先は普通列車となります。終点小金井まで各駅に停車致します。お待たせ致しました。まもなく発車致します」〕
停車時間は1分ほど。
外から発車メロディの音色が聞こえて来る。
総武快速線の車両と同じ音色のドアチャイムが聞こえて来て、ガチャンとドアの閉まる音がする。
そして、スーッと電車が走り出した。
〔この電車は上野東京ライン、宇都宮線直通、普通、小金井行きです。4号車と5号車はグリーン車です。車内でグリーン券をお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので、ご了承ください。次は、上野です〕
因みに稲生とマリアは、東京駅で購入した駅弁を昼食としている。
イリーナは要らないようだ。
飛行機の長旅で疲れているとのことだが、それで宗一郎の病院まで来るつもりだろうか。
いや、恐らくそうなのだろう。
先ほどホームで電車を待っている時も、宗一郎の容態を詳しく効いていたくらいだ。
マリア:「勇太のダディは師匠にとっても、『協力者』の1人だから気になるわけよ。もしかしたら、魔法で一気に治してくれるかもよ?」
稲生:「えっ、本当ですか?」
イリーナ:「クカー……」
稲生:「って、寝てる!?」
マリア:「本当に寝入るのは早いな……」
それとも、稲生の期待をやんわり否定する為の狸寝入りであろうか。
[同日13:21.天候:晴 埼玉県さいたま市大宮区 JR大宮駅]
列車は定刻通りに大宮駅に接近した。
〔まもなく大宮、大宮です。新幹線、高崎線、埼京線、川越線、京浜東北線、東武アーバンパークラインとニューシャトルはお乗り換えです。電車とホームの間が広く空いている所がありますので、足元にご注意ください〕
稲生:「先生、先生。そろそろ降りますよ」
イリーナ:「ん……。今度は所要時間が短いねぇ……」
稲生:「東京〜大宮間、上野東京ラインで約30分くらいですから」
列車が減速してポイントを通過する。
高崎線より後から開通した宇都宮線は副線ホームに入ると決まっており、有効長を稼ぐ為に高崎線より比較的前の位置に停車する。
〔「ご乗車ありがとうございました。おおみや〜、大宮です。車内にお忘れ物の無いよう、お降りください。9番線の電車は、宇都宮線の普通列車、小金井行きです」〕
列車を降りると、グリーン車のすぐ近くにはエスカレーターがある。
これでコンコースに上がる。
稲生:「先生、駅から病院までは……」
イリーナ:「ああ、タクシーにしてちょうだい。さすがにここまで来れば、大渋滞も無いでしょ」
稲生:「はい」
どちらかというと、郊外から駅の方に向かう方の道路が渋滞が発生しやすい傾向がある。
改札口を出て東口に向かった。
稲生:「それじゃあ、タクシーに乗ります」
階段を下りて、すぐ目の前にあるタクシー乗り場からタクシーに乗り込んだ。
稲生:「自治医大医療センターまでお願いします」
運転手:「はい、ありがとうございます」
助手席に座った稲生が行き先を告げた。
そして、タクシーは東口のロータリーを出発した。
稲生:「先生、父の容態は……」
稲生が後ろを振り向いた。
運転席の後ろにイリーナが座っているのだが、イリーナはフードを被って黒いマスクをしていた。
イリーナ:「…………」
マリア:「どうやら、何も心配要らないらしい」
稲生:「わ、分かりました」
マリアの解説に頷くイリーナ。
イリーナ:(さっきの電車のエアコンに喉やられたわ。少し喉を保護しておこうかね……)
どうやら大した理由ではないようである。
[同日13:40.天候:晴 さいたま市大宮区 自治医科大学附属さいたま医療センター]
タクシーが正面エントランス前に到着する。
運転手:「はい、ありがとうございます。ちょうど1000円です」
稲生:「カードは使えないようなので、ここは僕が出しておきます」
タクシー会社によって未だにクレカが使えない所もある。
なので大宮駅でタクシーの順番待ちをしていても、すぐ前の客が順番を入れ替わって欲しいと依頼してくることがある。
これはチケットの関係やカードが使えるかどうかであることが多い。
大抵は自分を先にし、依頼者が後になる場合が殆ど。
見ると大抵、現金やチケットしか使えないタクシーであったりする。
自分の後に来る車が、クレカやデビッドカードの利用OKのタクシーであったりする。
それでそのタイミングで乗る為に、順番を入れ替えて欲しいと来るわけだ。
運転手:「こちら領収証です。ありがとうございました」
タクシーを降りると、すぐにセンターの中に入った。
稲生:「父の病室は母から聞いています。行きましょう」
マリア:「何か買って行かなくて大丈夫かな?」
稲生:「母が『それはいい』と言ってましたから大丈夫でしょう」
マリア:「分かった」
入院病棟へ向かう。
〔まもなく7番線に、普通、小金井行きが参ります。危ないですから、黄色いブロックまでお下がりください。この列車は、15両です。グリーン車が付いております。……〕
地下総武線ホームから地上の上野東京ラインホームまで移動した魔道士達。
イリーナ:「このキップで、またグリーン車に乗れるの?」
稲生:「そうです」
紙のキップなので、グリーンアテンダントからの改札はある。
イリーナはICカードを持っていない為。
基本的にイリーナは、紙のキップは必要な時(改札口を出入りする時)だけ持っていて、あとは弟子に持たせる。
イリーナ:「それはいいわね。ダンテ先生よりは立場は弁えられるけど、ビジネスクラスに乗れるなんてね」
稲生:「はい」
グリーン車と言っても、中距離電車のそれは同線区を走る特急列車の普通車の座席と大してグレードは変わらない。
だからグリーン料金も、その特急の自由席特急料金とほぼ同水準なのである。
〔とうきょう〜、東京〜。ご乗車、ありがとうございます。次は、上野に止まります〕
東海道本線から快速列車として運転してきた列車が到着する。
だいぶ車内は賑わっていたが、東京駅でぞろぞろと降りてきた。
稲生:「また2階行けるかな……」
5号車に乗り込む。
またもやイリーナは空いている席に座ると、寝入る体勢に入った。
〔この電車は上野東京ライン、宇都宮線直通、普通、小金井行きです。4号車と5号車はグリーン車です。車内でグリーン券をお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので、ご了承ください〕
〔「宇都宮線の普通列車、小金井行きです。東海道線内、快速“アクティー”で参りましたが、東京駅より先は普通列車となります。終点小金井まで各駅に停車致します。お待たせ致しました。まもなく発車致します」〕
停車時間は1分ほど。
外から発車メロディの音色が聞こえて来る。
総武快速線の車両と同じ音色のドアチャイムが聞こえて来て、ガチャンとドアの閉まる音がする。
そして、スーッと電車が走り出した。
〔この電車は上野東京ライン、宇都宮線直通、普通、小金井行きです。4号車と5号車はグリーン車です。車内でグリーン券をお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので、ご了承ください。次は、上野です〕
因みに稲生とマリアは、東京駅で購入した駅弁を昼食としている。
イリーナは要らないようだ。
飛行機の長旅で疲れているとのことだが、それで宗一郎の病院まで来るつもりだろうか。
いや、恐らくそうなのだろう。
先ほどホームで電車を待っている時も、宗一郎の容態を詳しく効いていたくらいだ。
マリア:「勇太のダディは師匠にとっても、『協力者』の1人だから気になるわけよ。もしかしたら、魔法で一気に治してくれるかもよ?」
稲生:「えっ、本当ですか?」
イリーナ:「クカー……」
稲生:「って、寝てる!?」
マリア:「本当に寝入るのは早いな……」
それとも、稲生の期待をやんわり否定する為の狸寝入りであろうか。
[同日13:21.天候:晴 埼玉県さいたま市大宮区 JR大宮駅]
列車は定刻通りに大宮駅に接近した。
〔まもなく大宮、大宮です。新幹線、高崎線、埼京線、川越線、京浜東北線、東武アーバンパークラインとニューシャトルはお乗り換えです。電車とホームの間が広く空いている所がありますので、足元にご注意ください〕
稲生:「先生、先生。そろそろ降りますよ」
イリーナ:「ん……。今度は所要時間が短いねぇ……」
稲生:「東京〜大宮間、上野東京ラインで約30分くらいですから」
列車が減速してポイントを通過する。
高崎線より後から開通した宇都宮線は副線ホームに入ると決まっており、有効長を稼ぐ為に高崎線より比較的前の位置に停車する。
〔「ご乗車ありがとうございました。おおみや〜、大宮です。車内にお忘れ物の無いよう、お降りください。9番線の電車は、宇都宮線の普通列車、小金井行きです」〕
列車を降りると、グリーン車のすぐ近くにはエスカレーターがある。
これでコンコースに上がる。
稲生:「先生、駅から病院までは……」
イリーナ:「ああ、タクシーにしてちょうだい。さすがにここまで来れば、大渋滞も無いでしょ」
稲生:「はい」
どちらかというと、郊外から駅の方に向かう方の道路が渋滞が発生しやすい傾向がある。
改札口を出て東口に向かった。
稲生:「それじゃあ、タクシーに乗ります」
階段を下りて、すぐ目の前にあるタクシー乗り場からタクシーに乗り込んだ。
稲生:「自治医大医療センターまでお願いします」
運転手:「はい、ありがとうございます」
助手席に座った稲生が行き先を告げた。
そして、タクシーは東口のロータリーを出発した。
稲生:「先生、父の容態は……」
稲生が後ろを振り向いた。
運転席の後ろにイリーナが座っているのだが、イリーナはフードを被って黒いマスクをしていた。
イリーナ:「…………」
マリア:「どうやら、何も心配要らないらしい」
稲生:「わ、分かりました」
マリアの解説に頷くイリーナ。
イリーナ:(さっきの電車のエアコンに喉やられたわ。少し喉を保護しておこうかね……)
どうやら大した理由ではないようである。
[同日13:40.天候:晴 さいたま市大宮区 自治医科大学附属さいたま医療センター]
タクシーが正面エントランス前に到着する。
運転手:「はい、ありがとうございます。ちょうど1000円です」
稲生:「カードは使えないようなので、ここは僕が出しておきます」
タクシー会社によって未だにクレカが使えない所もある。
なので大宮駅でタクシーの順番待ちをしていても、すぐ前の客が順番を入れ替わって欲しいと依頼してくることがある。
これはチケットの関係やカードが使えるかどうかであることが多い。
大抵は自分を先にし、依頼者が後になる場合が殆ど。
見ると大抵、現金やチケットしか使えないタクシーであったりする。
自分の後に来る車が、クレカやデビッドカードの利用OKのタクシーであったりする。
それでそのタイミングで乗る為に、順番を入れ替えて欲しいと来るわけだ。
運転手:「こちら領収証です。ありがとうございました」
タクシーを降りると、すぐにセンターの中に入った。
稲生:「父の病室は母から聞いています。行きましょう」
マリア:「何か買って行かなくて大丈夫かな?」
稲生:「母が『それはいい』と言ってましたから大丈夫でしょう」
マリア:「分かった」
入院病棟へ向かう。