報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「代替修学旅行2日目の夜」 

2022-03-06 20:16:44 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月24日21:00.天候:雪 福島県会津若松市白虎町 会津若松ワシントンホテル上階客室(リサと絵恋の部屋)]

 絵恋:「雪が降って来たわ」

 絵恋は窓から外を見ていた。

 リサ:「ほお……」

 といっても小雪といった感じで、大雪というわけではない。
 ホテルは駅近にはあるものの、駅の方を向いて建っているわけではない為、客室から駅の方は見えない。
 客室から見えるのは、市街地の夜景である。

 リサ:「善場さん、帰ったかな……」
 絵恋:「まさか、このホテルに泊まるってオチだったりしてね?」
 リサ:「ええっ!?」
 絵恋:「冗談よ。確か今夜は私達が貸し切っているはずだから、部屋は空いていないはずだわ」
 リサ:「そ、そうか……」

 と、そこへ部屋がノックされた。

 絵恋:「はっ!?見回りだわ!」
 リサ:「きっと愛原先生!」
 絵恋:「まさか、善場さんも?」
 リサ:「う……」
 絵恋:「私が見てくる?」
 リサ:「た、頼む」
 絵恋:「うん、分かった」

 絵恋はドアに近づき、ドアスコープから廊下を覗いた。
 すると向こう側には、愛原がいた。
 善場の姿は無い。

 絵恋:「大丈夫みたい。愛原先生だけだわ」
 リサ:「よし、開けて」
 絵恋:「はい」

 絵恋はドアを開けた。

 愛原:「こんばんは。恒例の見回りです」
 リサ:「いらっしゃい」
 絵恋:「ど、どうも……」

 リサと絵恋は昨夜同様、体操服にブルマーを着用していた。

 愛原:「オマエ、またこんな格好を……」
 リサ:「だって先生、これが見たいんでしょ?」
 愛原:「リサが自分だけでやるならいいんだが、絵恋さんまで巻き込むなよ。ゴメンな?絵恋さん」

 リサは堂々と緑無地のブルマーを曝け出していたが、絵恋はなるべく体操服の上の裾を引っ張って、ブルマーを隠そうとした。

 リサ:「ヨドバシとコジマの部屋には行った?」
 愛原:「いや、まだこれからだ」
 リサ:「あの2人にもブルマを穿くように言ってある。もし違ってたら教えて。命令違反で制裁するから」
 絵恋:「そ、そしたら裏切り者よ!あの2人……!」
 愛原:「こらぁーっ!」
 リサ:「はい、先生。写真撮って?昨夜もわたし達のブルマ姿、撮影したでしょ?」

 リサは愛原が持っているデジカメを指さして言った。

 愛原:「人聞きの悪いこと言うなァ!無理やり撮らされただけだ!」
 リサ:「ほら、サイトーも隠すな!」
 絵恋:「は、はい……」
 リサ:「はい、先生。写真撮ってー?」
 愛原:「ったく、しょうがないな!」

 リサは絵恋と手つなぎしたり、背中合わせになったり、一緒に体育座りをしたりと、様々なポーズを撮った。

 絵恋:「も、萌えぇぇぇぇっ!!」

 最初は恥ずかしがっていた絵恋も、リサとそういったポーズを取っていく度に恥ずかしさより、リサとくっつける悦びの方が勝ってしまった。
 そして最後には、ついに悶絶の絶叫を上げてしまったのである。

 愛原:「こんなところでいいか」
 リサ:「先生、善場さんは帰った?」
 愛原:「ああ、終電でな」
 リサ:「終電で?ということは、泊まらない?」
 愛原:「そういうことになるな。全く、善場主任も大変だよなぁ……」
 リサ:「先生、撮った写真見せて」
 愛原:「ああ、いいよ」
 リサ:「さすが先生。盗撮技術に優れている」
 愛原:「だから人聞きの悪いこと言うなぁ!」
 リサ:「! あっ、これ……!」

 リサはふと、1枚の写真を見た。
 それは絵恋が体育座りしている写真だった。
 股の横から、ピンク色のショーツがチラ見していた。
 いわゆる、『ハミパン』である。

 リサ:「サイトー、ハミパンしてる~♪」
 サイトー:「ちょ、ちょっと!消してください!!」
 リサ:「だーめ!これはわたしのお宝映像にする」
 サイトー:「リサさんの?愛原先生のじゃなくて?」
 リサ:「どうして?これは、わたしとサイトーの思い出の写真だよ」
 サイトー:「も、萌えぇぇぇぇっ!!じゃ、じゃあ、私もリサさんのハミパン写真ください!」
 リサ:「サイトー、エッチ」
 サイトー:「何で!?」
 愛原:「といっても、そう都合良くは……あっ、あった!」
 リサ:「あるんだ!?」
 絵恋:「どっ、どれですか!?」
 愛原:「ほら、これ」

 それはリサが後ろを向いて、前屈をしている写真だった。
 太ももの付け根辺りから、黒いショーツの裾がチラ見している。

 絵恋:「も、萌えぇぇぇぇぇっ!!」
 愛原:「だけど、黒ショーツのハミパンじゃ、あんまりエッチ感が無いな?」
 リサ:「そう?先生のエッチ」
 愛原:「何でだよ!?」
 絵恋:「こ、この写真!わ、私にください!!」

 絵恋は鼻息を荒くして愛原に迫った。

 愛原:「分かった分かった。後で絵恋さんのスマホに送信しておくよ」
 絵恋:「お、お願いします!」
 リサ:「他にもエロ画像無いの?」
 愛原:「だから言い方!」

 すると、2人の少女が目を丸くする画像があった。
 それは高橋の半ケツ写真。

 絵恋:「せ、先生?こ、ここ、これは……?」
 リサ:「何で兄ちゃんの半ケツ写真が?」
 愛原:「女子生徒に、『1万円差し上げます』って買収されました。高橋が」
 絵恋:「ふ、不潔よぉ!!」
 リサ:「兄ちゃんの半ケツ写真が1万円かぁ……。高いような安いような……」
 絵恋:「そういう問題じゃないわ!」
 愛原:「俺が高校生だった頃、ウリやってた女子は、『脱ぎたて生パンツ1枚1万円』とか言ってたから、安いのかもしれんな」
 リサ:「フムフム、そういう相場が……」
 絵恋:「だから、そういう問題じゃありませーん!」
 リサ:「あ、先生。私のパンツ欲しかったら、タダでいいからあげるねぇ……」
 愛原:「1つ屋根の下で暮らしておいて、何言うとか」
 絵恋:「り、リサさんのパンツ、私がもらいます!」
 リサ:「誰がやるか、アホ」
 絵恋:「そんなぁ……」
 リサ:「兄ちゃんは合意してるの?」
 愛原:「してるんだな、これが」
 リサ:「じゃ、無問題だね」
 愛原:「うーん……」
 絵恋:「誰か突っ込んでー!」

 こうして、楽しい修学旅行2日目の夜は更けて行く。
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“私立探偵 愛原学” 「代替修学旅行2日目の夜」

2022-03-06 16:05:34 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月24日20:00.天候:雪 福島県会津若松市白虎町 会津若松ワシントンホテル1Fロビー]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 今日はクライアントから仕事の依頼で、東京中央学園の代替修学旅行にPTA会長代理として来ている。
 コロナ禍で中等部の修学旅行が中止となった為、高等部1年生の今のうちに、代替修学旅行を決行した次第。
 あくまでも代替である為、当初の予定とは行き先も内容も全く違う。
 また、高校の修学旅行では行われている自由行動も、感染対策の為に行われていない(仮に感染者が出た場合、それが自由行動中だったとなると、どこで感染したか把握しにくくなる為。また、感染対策がしっかりされていない場所に入るのを防止する為)。
 私はここまでの状況を、向かい側の椅子に座るスーツを着たポーカーフェイスの善場主任に話した。

 善場:「……なるほど。では、梅田美樹の事件以降、特に事件には巻き込まれていないということですね」
 愛原:「そうです」
 善場:「まあ、栗原家の御隠居とは遭遇してしまったようですが」
 愛原:「時間切れになって助かりましたよ」
 善場:「それもあるのですが、あの後、孫の蓮華に確認したところ、『人を食った鬼の臭いがしなかったので、祖父もすぐには手を出せなかったのでしょう』とのことです」
 愛原:「なるほど」
 善場:「人間でも、普段から肉食をする人は体臭が強くなると言いますでしょう?BOWも同じです。ましてや、それが人間の肉となると、甚だ臭うことになります」
 愛原:「だから『最も危険な12人の巫女』のうち、リサと善場主任以外の者達は色々な物で誤魔化していたわけですね」
 善場:「そうです」

 中には体臭もステータスと思っている個体もあったが、多くは香水や消臭剤で体臭を誤魔化していた。
 リサもどちらかというと、私に対しては前者である。
 本人が気にしていたので、私が褒めてあげたら勘違いしてしまったようだ。
 リサは確かに人食いをしていないので、他のリサ・トレヴァーのような独特の体臭はしない。
 だが、やはりBOWならではの体臭はある。
 リサ本人も、それを気にしているのでフォローしてあげたのだが……。

 愛原:「それにしても、どうしてリサは人喰いをせずに済んでいるのでしょう?もちろん、たまに食人衝動に駆られることはありますが……」
 善場:「それは、普通の食事で代替できているからです。BOWが食人をするのには、2つ理由があります。1つはBOWに成り立ての時は、とても強い飢餓感に襲われる上、理性もはっきりしていない事が多いです。それで、食人をしてしまうというものです。もう1つは食人に慣れてしまう、または変化したことで味覚がおかしくなり、普通の食事を受け付けなくなるからです。つまり、体が人間の血肉しか受け付けなくなるからということですね」
 愛原:「リサは普通の食事ができるから、食人行動を抑えることができると……」
 善場:「そういうことです。ただ、どうして『2番』のリサだけそれが可能なのかは不明です。比較的『1番』も、ある程度普通の食事ができていたようですが、愛原所長と本格的に相まみえることになった時点で、やはり人肉しか食べれなくなっていたようです」
 愛原:「すると、うちのリサも、そうなる恐れがあると……?」
 善場:「可能性は捨て切れません。なので所長は、リサの食事にも気を付けて頂きたいのです」
 愛原:「ある程度、悪食の部分は目を瞑ってもいいですか?」
 善場:「それは結構です。……あれでしょ?虫とか甲殻類とかを、そのまま生で食べてしまうことでしょう?」
 愛原:「そうです」

 例えば外を歩いていて、蝶々が飛んでいたりすると、捕まえてそのままパクッと食べたり。
 目の前に蜘蛛がぶら下がっていたとしても、捕まえてそのままパクッと食べたり。
 でも、腹を壊したりはしない。

 愛原:「善場主任も御存知なんですね?」
 善場:「ええ。私も人間に戻った後は後遺症で、食べて良い物とそうでない物の区別が付かなかった時がありましたから」
 愛原:「グール病ですか」
 善場:「そうです」

 TウィルスやGウィルス感染者の後遺症の1つ。
 ワクチンが効いて人間に戻れても、しばらくは悪食を繰り返す後遺症のこと。
 グールという、アラブの人喰い鬼の名前に因んで付けられた名前だ。
 但し、グールは生きている人間を殺して食うのではなく、死体を貪り食うので、『死食鬼』と日本語で呼ばれることもある。
 尚、こちらにも女の鬼はいて、それはグーラという。
 鬼の世界でも、既に死んだ人間の肉を貪り食うのは悪食とされているので、この病気の名前の元になったとも言われる。

 善場:「もちろん今は、私は克服していますよ」
 愛原:「はは、それはもう……」
 善場:「修学旅行は明日までですね」
 愛原:「そうです。明日はまた貸切バスに乗って、今度は猪苗代湖畔を観光した後、郡山駅に行って、そこから新幹線で帰京します」
 善場:「分かりました」
 愛原:「何か注意点はありますか?」
 善場:「そうですね……。梅田美樹には、妹がいます。彼女も同じ聖クラリス学院に通っていました」
 愛原:「過去形ですか?」
 善場:「はい、過去形です。何故なら、今は行方不明になっているからです」
 愛原:「えっ?」
 善場:「『1番』によるバイオハザード事件が起きた後、収容された病院で何者かに連れ去られました。もっとも、今はそれは白井伝三郎ではないかと思われています」
 愛原:「すっごい何か嫌な予感がしますね」
 善場:「今はBSAAも動いていますし、南会津郡からだいぶ移動しましたから、今日明日のタイミングで襲撃してくるとは思えませんけどね」
 愛原:「そうですねぇ……。他には?」
 善場:「これは少々先の話になるのですが、BSAA所属の研修生が、留学生として東京中央学園に編入するという話があります。これはもちろん、BSAA側によるBOW監視の為です」
 愛原:「ま、待ってください!BSAAに10代の研修生なんているんですか!?」
 善場:「バイオテロに巻き込まれて、家族を失った子供のうち、有志を集めてエリート養成するという方針がBSAA本部にはあるようです。もっとも、本当に実現するかどうかは不明です。私も半信半疑です。なので、こうして愛原所長にお話ししているのですよ」
 愛原:「確かに今、コロナ禍で、新規の留学生の受け入れとかはストップ状態ですからね」
 善場:「それと……ちょっと今、BSAA内部には内紛がありまして……。これは機密事項なので、あまり大きな声で詳細はお話しできないのですが……」
 愛原:「内紛ですか」
 善場:「リサみたいなBOWを戦力として活用しようという考え派と、それを否定する派ですね」
 愛原:「そんなのがあるんですか」
 善場:「それと今、東欧関係はとても緊迫した状況になっています。BSAAの本部は『西側』にありますが、比較的『東側』に近い場所に位置している為、『東側』の状況如何によっては白紙になるかもしれないのです」
 愛原:「なるほど。旧ソ連に近い場所とのことでしたね?」
 善場:「そうです。アメリカのルイジアナ州で起きたバイオハザード事件の生還者、ウィンターズ夫妻をルーマニアに移住させたのは、BSAA本部が直接監視しやすいようにする為とのことです」
 愛原:「北米支部じゃなくて?」
 善場:「はい」
 愛原:「ふーん……。外国では外国で、色んな事が起きてるんですな」
 善場:「そうですね」
 愛原:「申し訳ないですが、私は国内だけで手一杯なので……」
 善場:「もちろん、今のはあくまでもただの情報です。愛原所長におきましては、リサのことと、その周囲のことだけお願いします」
 愛原:「分かりました」

 善場主任は席を立った。

 愛原:「このままお帰りになるのですか?」
 善場:「はい。今なら、最終列車で帰京できますので」
 愛原:「とんぼ返りですか。大変ですね」
 善場:「これも仕事ですので。失礼します」
 愛原:「お疲れさまです。失礼します」

 善場主任はホテルを出ていった。
 さてさて、私もPTAの仕事に戻らないと。
 再び、就寝前の見回りの仕事がある。
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