[2月28日15:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を営んでいる。
リサ:「ただいま」
この時間、学校に行っていたリサが帰って来た。
愛原:「お帰り。どうだった?」
リサ:「首尾はここに」
リサはニヤけた顔で、手帳を私に差し出した。
そこには、斉藤絵恋さんが冬休み、北海道で過ごした内容が詳細に書かれていた。
愛原:「凄い!よくここまで詳細に聞き出せたねぇ!?」
リサ:「わたし、探偵の素質ある?それより、報酬を……」
リサは目を閉じて、唇を指さした。
愛原:「しょ、しょうがないな。あくまでも、報酬だぞ?」
私はリサの唇に軽くキスをしてやった。
リサ:「ヴェェェェェェイ!」
愛原:「バイオ村のアンジーか!」
リサ:「先生こそ、『女子高生とキスできて功徳~~~~~~!!』じゃない?」
愛原:「そうだな。それにしても、ホントよくここまで聞き出せたよ。よく絵恋さん、ここまで覚えてたな?」
リサ:「忘れていた部分もあったから、思い出してもらった」
愛原:「……まさか、拷問とかしなかっただろうな?」
リサ:「大丈夫。ちょっとキスして、老廃物を吸い取ってあげただけ」
愛原:「血液は?」
リサ:「ほんのちょっと……」
愛原:「そんなことしたら、余計に忘れそうな気がするけどな」
リサ:「聞いた感じ、白井と会っていた様子は無かったよ。ただ、サイトーのお父さんが時々どこかへ出かけてたみたいだけど……」
愛原:「なるほど。やっぱり善場主任の言う通り、斉藤社長は未だに怪しいのかね」
リサ:「どうするの?」
愛原:「もちろんこれは、後で善場主任に提出するさ。ちゃんとオマエは上手くできたって言っといてあげるからな」
リサ:「おー!」
愛原:「金一封くらい出るかもよ」
リサ:「おおー!」
私は早速、善場主任に連絡した。
善場:「ありがとうございます。それでは、すぐに取りに伺いますので」
とのことだ。
愛原:「善場主任、こっちに来るって」
リサ:「ヴェへへへ……」
第1形態に変化しながら、心ここに在らずといった感じのリサ。
愛原:「おーい、リサ。戻って来い。あと、笑い方がまんまBOWだからやめろ」
それから1時間くらい経って、善場主任がやってきた。
善場:「お疲れ様です、愛原所長」
愛原:「お疲れ様です。これが、リサが調査した内容です」
善場:「ありがとうございます」
愛原:「リサのヤツ、ちゃんと仕事しましたよ」
善場:「そのようですね。それじゃリサ、これは報酬です」
リサ:「クオカード……」
善場:「制度上、現金はあげられないの。分かってね」
リサ:「分かった」
とはいえ、想定外の物をもらって腑に落ちない感じのリサ。
クオカードの額面は、けして安いものではなかったが。
まあ、本当に高校生のお小遣い程度か。
愛原:「先に少し確認しましたが、どうも絵恋さんよりは斉藤社長自身が何だか怪しいようです」
善場:「そりゃ、自分で不利な発言はしないでしょうね」
愛原:「えっ?」
善場:「しばらく私達は、北海道の調査に行ってきます」
愛原:「あの、斉藤社長から今後仕事の依頼が来た場合は……?」
善場:「それはお引き受けになっても構いません。但し、私共の事についての情報提供については断ってください」
愛原:「はい。それはもう……」
[同日18:00.天候:晴 同地区内 愛原のマンション]
事務所を閉めて、マンションに戻る。
高橋:「あ、先生。お帰りなさいっス」
愛原:「ああ、ただいま」
リサ:「ただいまぁ」
高橋:「オマエはもう少し早く帰ってこい」
愛原:「いいんだ。今日に関しては、善場主任が来てたからな」
高橋:「善場の姉ちゃんが?何の用で?」
愛原:「まあ、色々な。それより、今日の晩飯は?」
高橋:「あ、はい。今日はトンカツです」
愛原:「豚肉が安かったか?」
高橋:「そうっスね。本当は挽き肉でも買って、ハンバーグにでもしようかと思ったんですが、昨日、ハンバーガー食っちまったんで」
愛原:「それもそうだ。リサも頑張ったから、今日の夕飯は肉だぞ」
リサ:「おおー!」
私は自分の部屋に入り、スーツから私服へと着替えた。
リサも自分の部屋に戻っていった。
高橋:「それで先生、何か分かったこととかあるんスか?」
愛原:「どうも、この期に及んで、また斉藤社長が怪しくなってきたっぽい」
高橋:「マジっスか。リサから勝手にサンプル採取しただけじゃ、済まなかったんスね」
愛原:「ややもすれば、実は白井と繋がってたんじゃないかって話になってきた」
高橋:「そうなんですか。何かヤバいっスね。そうなると今後、社長からの仕事は……」
愛原:「いや、それは受けていいらしい。まあ、いきなり断るようになったりすると、却って怪しまれるからだろうな」
高橋:「それもそうっスね」
リサも着替えて来た。
白いTシャツに、黒い短パンである。
リサ:「おー、トンカツ」
愛原:「早速食べよう」
私は早速、箸をつけた。
リサ:「先生。春休みはどこか行かないの?」
愛原:「そうだな……。もしかしたら、斉藤社長からまた依頼があるかもな?」
高橋:「ああ。『娘のお守りよろしく』ってヤツですか」
愛原:「特に、年度末は社長も忙しい。何だか、依頼がありそうな気がしてしょうがないんだ」
高橋:「有り得ますね。どこに行きますか?」
愛原:「さーてなぁ……」
私はいくつか候補を思い浮かべたが、こればかりは依頼が無いとな……。
そうだ。
いっそのこと、斉藤社長に営業を掛けてみるというのはどうだろう?
うん、そうだな。
そうしてみようか。
愛原:「明日、斉藤社長に本当に依頼は無いかどうか聞いてみるよ。依頼があるなら、希望を聞かないとな」
高橋:「またあのレズガキのお守りですか」
愛原:「そう言うな。旅行に行くだけで報酬がもらえる、美味しい仕事だぞ?」
高橋:「まあ、そうなんスけどねぇ……」
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を営んでいる。
リサ:「ただいま」
この時間、学校に行っていたリサが帰って来た。
愛原:「お帰り。どうだった?」
リサ:「首尾はここに」
リサはニヤけた顔で、手帳を私に差し出した。
そこには、斉藤絵恋さんが冬休み、北海道で過ごした内容が詳細に書かれていた。
愛原:「凄い!よくここまで詳細に聞き出せたねぇ!?」
リサ:「わたし、探偵の素質ある?それより、報酬を……」
リサは目を閉じて、唇を指さした。
愛原:「しょ、しょうがないな。あくまでも、報酬だぞ?」
私はリサの唇に軽くキスをしてやった。
リサ:「ヴェェェェェェイ!」
愛原:「バイオ村のアンジーか!」
リサ:「先生こそ、『女子高生とキスできて功徳~~~~~~!!』じゃない?」
愛原:「そうだな。それにしても、ホントよくここまで聞き出せたよ。よく絵恋さん、ここまで覚えてたな?」
リサ:「忘れていた部分もあったから、思い出してもらった」
愛原:「……まさか、拷問とかしなかっただろうな?」
リサ:「大丈夫。ちょっとキスして、老廃物を吸い取ってあげただけ」
愛原:「血液は?」
リサ:「ほんのちょっと……」
愛原:「そんなことしたら、余計に忘れそうな気がするけどな」
リサ:「聞いた感じ、白井と会っていた様子は無かったよ。ただ、サイトーのお父さんが時々どこかへ出かけてたみたいだけど……」
愛原:「なるほど。やっぱり善場主任の言う通り、斉藤社長は未だに怪しいのかね」
リサ:「どうするの?」
愛原:「もちろんこれは、後で善場主任に提出するさ。ちゃんとオマエは上手くできたって言っといてあげるからな」
リサ:「おー!」
愛原:「金一封くらい出るかもよ」
リサ:「おおー!」
私は早速、善場主任に連絡した。
善場:「ありがとうございます。それでは、すぐに取りに伺いますので」
とのことだ。
愛原:「善場主任、こっちに来るって」
リサ:「ヴェへへへ……」
第1形態に変化しながら、心ここに在らずといった感じのリサ。
愛原:「おーい、リサ。戻って来い。あと、笑い方がまんまBOWだからやめろ」
それから1時間くらい経って、善場主任がやってきた。
善場:「お疲れ様です、愛原所長」
愛原:「お疲れ様です。これが、リサが調査した内容です」
善場:「ありがとうございます」
愛原:「リサのヤツ、ちゃんと仕事しましたよ」
善場:「そのようですね。それじゃリサ、これは報酬です」
リサ:「クオカード……」
善場:「制度上、現金はあげられないの。分かってね」
リサ:「分かった」
とはいえ、想定外の物をもらって腑に落ちない感じのリサ。
クオカードの額面は、けして安いものではなかったが。
まあ、本当に高校生のお小遣い程度か。
愛原:「先に少し確認しましたが、どうも絵恋さんよりは斉藤社長自身が何だか怪しいようです」
善場:「そりゃ、自分で不利な発言はしないでしょうね」
愛原:「えっ?」
善場:「しばらく私達は、北海道の調査に行ってきます」
愛原:「あの、斉藤社長から今後仕事の依頼が来た場合は……?」
善場:「それはお引き受けになっても構いません。但し、私共の事についての情報提供については断ってください」
愛原:「はい。それはもう……」
[同日18:00.天候:晴 同地区内 愛原のマンション]
事務所を閉めて、マンションに戻る。
高橋:「あ、先生。お帰りなさいっス」
愛原:「ああ、ただいま」
リサ:「ただいまぁ」
高橋:「オマエはもう少し早く帰ってこい」
愛原:「いいんだ。今日に関しては、善場主任が来てたからな」
高橋:「善場の姉ちゃんが?何の用で?」
愛原:「まあ、色々な。それより、今日の晩飯は?」
高橋:「あ、はい。今日はトンカツです」
愛原:「豚肉が安かったか?」
高橋:「そうっスね。本当は挽き肉でも買って、ハンバーグにでもしようかと思ったんですが、昨日、ハンバーガー食っちまったんで」
愛原:「それもそうだ。リサも頑張ったから、今日の夕飯は肉だぞ」
リサ:「おおー!」
私は自分の部屋に入り、スーツから私服へと着替えた。
リサも自分の部屋に戻っていった。
高橋:「それで先生、何か分かったこととかあるんスか?」
愛原:「どうも、この期に及んで、また斉藤社長が怪しくなってきたっぽい」
高橋:「マジっスか。リサから勝手にサンプル採取しただけじゃ、済まなかったんスね」
愛原:「ややもすれば、実は白井と繋がってたんじゃないかって話になってきた」
高橋:「そうなんですか。何かヤバいっスね。そうなると今後、社長からの仕事は……」
愛原:「いや、それは受けていいらしい。まあ、いきなり断るようになったりすると、却って怪しまれるからだろうな」
高橋:「それもそうっスね」
リサも着替えて来た。
白いTシャツに、黒い短パンである。
リサ:「おー、トンカツ」
愛原:「早速食べよう」
私は早速、箸をつけた。
リサ:「先生。春休みはどこか行かないの?」
愛原:「そうだな……。もしかしたら、斉藤社長からまた依頼があるかもな?」
高橋:「ああ。『娘のお守りよろしく』ってヤツですか」
愛原:「特に、年度末は社長も忙しい。何だか、依頼がありそうな気がしてしょうがないんだ」
高橋:「有り得ますね。どこに行きますか?」
愛原:「さーてなぁ……」
私はいくつか候補を思い浮かべたが、こればかりは依頼が無いとな……。
そうだ。
いっそのこと、斉藤社長に営業を掛けてみるというのはどうだろう?
うん、そうだな。
そうしてみようか。
愛原:「明日、斉藤社長に本当に依頼は無いかどうか聞いてみるよ。依頼があるなら、希望を聞かないとな」
高橋:「またあのレズガキのお守りですか」
愛原:「そう言うな。旅行に行くだけで報酬がもらえる、美味しい仕事だぞ?」
高橋:「まあ、そうなんスけどねぇ……」