[6月14日17時36分 天候:雨 静岡県富士宮市川成島 JR新富士駅→東海道新幹線736A列車・1号車内]
トイレが終わったリサと、吸い溜めが終わったパールと合流し、ホームへ向かう。
愛原「今度の電車は、新大阪始発だから少し混んでるかもな……」
リサ「そうなの?」
愛原「できれば、名古屋始発に乗りたかったんだが……」
そんなことを話しながら、1番後ろのホームに向かう。
〔ピン♪ポン♪パン♪ポーン♪ 新幹線を、ご利用頂きまして、ありがとうございます。まもなく、1番線に、17時41分発、“こだま”736号、東京行きが、入線致します。黄色い点字ブロックの、内側まで、お下がりください。この電車は、各駅に止まります。グリーン車は、8号車、9号車、10号車。自由席は、1号車から6号車と、13号車から16号車です。……〕
本線を最高速度で通過する“のぞみ”や“ひかり”と違い、“こだま”はホームのある待避線に入って来る為、速度を落としている。
落としているといっても、入線時点での速度は70kmくらいだろう。
ホーム進入中に、速度を30kmにまで落とす信号を受信するはずである。
そこで運転席に備え付けられているブレーキボタンを押さないと、運転士に何かがあったと機械が判断し、自動で停止させるシステムが搭載されている。
車内を覗き込んでみると、混んではいなかったが、ガラ空きというわけでもなかった。
何となく2人席の窓側が全部埋まっている感じで、3人席の方が空いているといった感じ。
こちらはその3人席に座りたいので、それは幸いである。
〔しんふじ、新富士です。しんふじ、新富士です。ご乗車、ありがとうございました〕
新富士駅には可動式安全柵が存在しないので、停車したらすぐにドアが開く。
1番後ろの車両の乗車率も、他の車両と大差無い。
2人席の窓側がだいたい埋まっている感じ。
1人旅や2人旅が多いのだろう。
平日ということもあり、サラリーマンの姿が多い。
あまり外国人の姿は見られなかった。
京都旅行の外国人達は、“のぞみ”に乗るか。
愛原「ここにしよう」
ちょうど3人席がまるっと空いている所があったので、そこに座った。
リサには窓側に座ってもらい、私が真ん中。
そして、通路側にパールが座った。
そうしているうちに、もう後続の通過列車が轟音を立てて通過して行く。
その際、風圧で車両が揺れた。
リサ「お腹空いたー」
愛原「向こうでも何があるか分かんないから、今のうちに食べておくといい」
リサ「もちろん!」
それにしても気になるのは、この雨だ。
結構、本格的に降り出している。
ゲリラ豪雨などではなく、梅雨前線の雨のようだ。
天気予報では東海地方は雨、関東地方は曇とのことだが……。
[同日17時41分 天候:雨 東海道新幹線736A列車・1号車内]
発車の時間になり、ホームに発車ベルが鳴り響く。
〔1番線、“こだま”736号、東京行きが、発車致します。ドアが閉まります。ご注意ください。お見送りのお客様は、黄色い点字ブロックの内側まで、お下がりください〕
〔「1番線から、“こだま”736号、東京行き、まもなく発車致します。ご乗車のお客様は、お急ぎください。ベルが鳴り終わりますと、ドアが閉まります。……乗降、終了!」〕
車内にも聞こえてくるほどの甲高いブザーが聞こえてくる。
客扱い終了合図と言って、ドアを操作する車掌に対し、ドアを閉めて良いという駅員からの合図である。
ドアが閉まると、列車はスーッと走り出した。
リサ「うん、この肉、美味しい」
愛原「それは良かった」
リサ「でも、先生の肉が食べたい」
愛原「それは我慢しなさい」
リサ「えー……」
とまあ、よくあるやり取りをすることで、日常に戻ったかなと思ったのも束の間……。
[同日18時48分 天候:曇 東京都千代田区丸の内 JR東海道新幹線736A列車・1号車内→JR東京駅]
新富士駅の隣の三島駅を発車する頃、リサが、『鬼がいる!』と騒いだ。
私が驚いて確認すると、ホームに鬼がいたとのこと。
三島駅は進行方向右側のドアが開く島式ホームの為、リサが座っている位置が最もホームに面しているわけである。
私は気づかなかったし、同じく駅弁を食べている最中のパールも気が付かなかった。
発車の際にホームにいたということは、少なくとも私達の列車に乗り込んで来たわけではないということだ。
〔♪♪(車内チャイム。“AMBITIOUS JAPAN”イントロ)♪♪ まもなく終点、東京です。中央線、山手線、京浜東北線、東北・高崎・常磐線、総武線、京葉線、東北・上越・北陸新幹線と、地下鉄線はお乗り換えです。お降りの時は、足元にご注意ください。今日も、新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
〔「まもなく終点、東京、東京です。15番線到着、降り口は左側です。お降りの際、電車とホームの間が広く空いている所があります。お足元には、十分ご注意ください。……」〕
私は席を立って荷物を下ろした。
リサの警戒心は、まだ強いままだった。
辛うじて人間の姿を保っているものの、少しでも気を抜いたら鬼の姿に戻ってしまうかもしれない。
そんな感じ。
何しろ、リサを見ていたのは、男の鬼だったという。
確かにホームに若い男が立っていたのは見た事があるような気がしたが、そうだとは気が付かなかった。
そこは同族だからだろう。
愛原「降りたら、次は東北新幹線に移動だ。乗り換え時間僅かだから、少し急ぐぞ。パールもいいか?」
パール「かしこまりました」
愛原「一服は大宮駅まで我慢してくれ。大宮駅の新幹線ホームにあるから」
パール「かしこまりました」
そして列車がホームに入線する。
東海道新幹線の14番線・15番線ホームは、特に湾曲している。
これは東北・上越・北陸新幹線と並行しているからであり、国鉄時代は東北新幹線のホームだった名残である。
国鉄時代だったからこそできたことであり、JRも分けられた現在ではホームの融通などはできないことであろう。
〔とうきょう、東京です。とうきょう、東京です。ご乗車、ありがとうございました〕
取りあえず、東京駅には無事に到着した。
愛原「よし、じゃあ急ぐぞ。俺についてこい」
パール「はい!」
リサ「はい!」
ドアが開くと私達は真っ先にホームに降り、そして足早にホームを進んだ。
〔「……15番線、折り返しは19時3分発、“ひかり”659号、新大阪行きとなります。……」〕
リサは鬼の男?が追い掛けてこないか、警戒しながらついてくるので、必然的に1番後ろに付くようになる。
果たして、リサの言っている事は本当なのだろうか?
リサのような鬼型BOWではない為か、BSAAのアプリが通知を送って来ることは無いが……。
トイレが終わったリサと、吸い溜めが終わったパールと合流し、ホームへ向かう。
愛原「今度の電車は、新大阪始発だから少し混んでるかもな……」
リサ「そうなの?」
愛原「できれば、名古屋始発に乗りたかったんだが……」
そんなことを話しながら、1番後ろのホームに向かう。
〔ピン♪ポン♪パン♪ポーン♪ 新幹線を、ご利用頂きまして、ありがとうございます。まもなく、1番線に、17時41分発、“こだま”736号、東京行きが、入線致します。黄色い点字ブロックの、内側まで、お下がりください。この電車は、各駅に止まります。グリーン車は、8号車、9号車、10号車。自由席は、1号車から6号車と、13号車から16号車です。……〕
本線を最高速度で通過する“のぞみ”や“ひかり”と違い、“こだま”はホームのある待避線に入って来る為、速度を落としている。
落としているといっても、入線時点での速度は70kmくらいだろう。
ホーム進入中に、速度を30kmにまで落とす信号を受信するはずである。
そこで運転席に備え付けられているブレーキボタンを押さないと、運転士に何かがあったと機械が判断し、自動で停止させるシステムが搭載されている。
車内を覗き込んでみると、混んではいなかったが、ガラ空きというわけでもなかった。
何となく2人席の窓側が全部埋まっている感じで、3人席の方が空いているといった感じ。
こちらはその3人席に座りたいので、それは幸いである。
〔しんふじ、新富士です。しんふじ、新富士です。ご乗車、ありがとうございました〕
新富士駅には可動式安全柵が存在しないので、停車したらすぐにドアが開く。
1番後ろの車両の乗車率も、他の車両と大差無い。
2人席の窓側がだいたい埋まっている感じ。
1人旅や2人旅が多いのだろう。
平日ということもあり、サラリーマンの姿が多い。
あまり外国人の姿は見られなかった。
京都旅行の外国人達は、“のぞみ”に乗るか。
愛原「ここにしよう」
ちょうど3人席がまるっと空いている所があったので、そこに座った。
リサには窓側に座ってもらい、私が真ん中。
そして、通路側にパールが座った。
そうしているうちに、もう後続の通過列車が轟音を立てて通過して行く。
その際、風圧で車両が揺れた。
リサ「お腹空いたー」
愛原「向こうでも何があるか分かんないから、今のうちに食べておくといい」
リサ「もちろん!」
それにしても気になるのは、この雨だ。
結構、本格的に降り出している。
ゲリラ豪雨などではなく、梅雨前線の雨のようだ。
天気予報では東海地方は雨、関東地方は曇とのことだが……。
[同日17時41分 天候:雨 東海道新幹線736A列車・1号車内]
発車の時間になり、ホームに発車ベルが鳴り響く。
〔1番線、“こだま”736号、東京行きが、発車致します。ドアが閉まります。ご注意ください。お見送りのお客様は、黄色い点字ブロックの内側まで、お下がりください〕
〔「1番線から、“こだま”736号、東京行き、まもなく発車致します。ご乗車のお客様は、お急ぎください。ベルが鳴り終わりますと、ドアが閉まります。……乗降、終了!」〕
車内にも聞こえてくるほどの甲高いブザーが聞こえてくる。
客扱い終了合図と言って、ドアを操作する車掌に対し、ドアを閉めて良いという駅員からの合図である。
ドアが閉まると、列車はスーッと走り出した。
リサ「うん、この肉、美味しい」
愛原「それは良かった」
リサ「でも、先生の肉が食べたい」
愛原「それは我慢しなさい」
リサ「えー……」
とまあ、よくあるやり取りをすることで、日常に戻ったかなと思ったのも束の間……。
[同日18時48分 天候:曇 東京都千代田区丸の内 JR東海道新幹線736A列車・1号車内→JR東京駅]
新富士駅の隣の三島駅を発車する頃、リサが、『鬼がいる!』と騒いだ。
私が驚いて確認すると、ホームに鬼がいたとのこと。
三島駅は進行方向右側のドアが開く島式ホームの為、リサが座っている位置が最もホームに面しているわけである。
私は気づかなかったし、同じく駅弁を食べている最中のパールも気が付かなかった。
発車の際にホームにいたということは、少なくとも私達の列車に乗り込んで来たわけではないということだ。
〔♪♪(車内チャイム。“AMBITIOUS JAPAN”イントロ)♪♪ まもなく終点、東京です。中央線、山手線、京浜東北線、東北・高崎・常磐線、総武線、京葉線、東北・上越・北陸新幹線と、地下鉄線はお乗り換えです。お降りの時は、足元にご注意ください。今日も、新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
〔「まもなく終点、東京、東京です。15番線到着、降り口は左側です。お降りの際、電車とホームの間が広く空いている所があります。お足元には、十分ご注意ください。……」〕
私は席を立って荷物を下ろした。
リサの警戒心は、まだ強いままだった。
辛うじて人間の姿を保っているものの、少しでも気を抜いたら鬼の姿に戻ってしまうかもしれない。
そんな感じ。
何しろ、リサを見ていたのは、男の鬼だったという。
確かにホームに若い男が立っていたのは見た事があるような気がしたが、そうだとは気が付かなかった。
そこは同族だからだろう。
愛原「降りたら、次は東北新幹線に移動だ。乗り換え時間僅かだから、少し急ぐぞ。パールもいいか?」
パール「かしこまりました」
愛原「一服は大宮駅まで我慢してくれ。大宮駅の新幹線ホームにあるから」
パール「かしこまりました」
そして列車がホームに入線する。
東海道新幹線の14番線・15番線ホームは、特に湾曲している。
これは東北・上越・北陸新幹線と並行しているからであり、国鉄時代は東北新幹線のホームだった名残である。
国鉄時代だったからこそできたことであり、JRも分けられた現在ではホームの融通などはできないことであろう。
〔とうきょう、東京です。とうきょう、東京です。ご乗車、ありがとうございました〕
取りあえず、東京駅には無事に到着した。
愛原「よし、じゃあ急ぐぞ。俺についてこい」
パール「はい!」
リサ「はい!」
ドアが開くと私達は真っ先にホームに降り、そして足早にホームを進んだ。
〔「……15番線、折り返しは19時3分発、“ひかり”659号、新大阪行きとなります。……」〕
リサは鬼の男?が追い掛けてこないか、警戒しながらついてくるので、必然的に1番後ろに付くようになる。
果たして、リサの言っている事は本当なのだろうか?
リサのような鬼型BOWではない為か、BSAAのアプリが通知を送って来ることは無いが……。
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