報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

本日の動向 20180825

2018-08-25 16:25:09 | 日記
 私の本日の動向。

 北与野駅→埼京線各駅停車(E233系)→大宮→京浜東北線快速(E233系)→東京→山手線(E231系)→有楽町→山手線(E231系)→秋葉原→京浜東北線各駅停車(E233系)→上野→高崎線普通(E231系)→大宮→西武バス大38系統(いすゞ・エルガミオ)→上落合八丁目

 電車とバスは特に変わり映えのしない、既に何度も乗っている面白みの無いものであった。
 せめてヤテ線でE235系にでも乗れたら、また違ったんだろうがな。
 タクシーでさえ、私は自分の車やチャリが無いだけによく乗る方なのだが、それでも最新型のトヨタ・ジャパンタクシーにまだ当たったことがないくらいだからな。

 私が銀座で参加してきたイベントというのは、簡単に言えば婚活パーティー。
 それも「旅行が趣味の30代の男女」というのが参加条件で、私がものの見事に合致しているからと、鉄仲間が折伏してきたんだな。
 肝心の折伏者は参加しなかったのだが、まあ皆さんガチ勢揃いだった。
 私が国内オンリーなのに対し、参加者の中には地球一周してるような人もいたし、過半数は半周していた。
 ただ、何だろう。
 行き先は台湾が多く、後は西欧だったり中欧だったり。
 豪州という人もいて、何だかベタな海外旅行の法則に当てはまる人達ばかりなのだった。
 意外と韓国や大陸の中国(香港とかも)とかはいなかった。

 オススメの行き先(是非お相手と一緒に行きたい所、だったかな?)に静岡県富士宮市と書いておいたが、ニッチ過ぎて相手にされなかったようだ。
 むしろ、私が宮城県仙台市出身であることに興味を持たれたようである。
 また、ここでは私は鉄ヲタとかバスファンということは、あまりPRしなかった。
 何故って?
 ガチの海外旅行勢相手に、そんなことは言えないからだ。
 さすがの私も、海外の鉄道やバスはお手上げだからな(海外の鉄道やバスネタを振られても正直困る)。
 ただ、アメリカのグレイハウンドバスのチケットの買い方と、羽田空港・成田空港から出発するリムジンバスのチケットの買い方はほぼ同じらしいがね(座席指定制ではなく、座席定員制且つ便指定制であるという共通点)。

 色々話してみて、(海外旅行ガチ勢と比べて)数少ない国内旅行エンジョイ勢の女性参加者何人かを選ばせて頂いた。
 尚、私みたいなバツなしの未婚者もいるし、バツありの人もいる。
 それは不問で選んだ。
 但し、中には子持ちの人(同居中と書かれていたので、結婚したら漏れなく連れ子付きということだろう)もいたようなので、それだけは除外させて頂いた。
 結果は来月上旬に発表とのこと。
 はてさて、どうなることやら。
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“魔女エレーナの日常” 「スピンオフと本編が入り混じってスマソ」

2018-08-24 18:43:34 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月15日22:30.天候:晴 東京都板橋区成増 成増駅南口モスバーガー]

 鈴木:「……それで、具体的に俺はエレーナに何をプレゼントすれば喜ばれる?ズバリ教えてくれ」
 横田:「私の分析によりますと、普段モノトーン且つおとなしめの服を着ている女性ほど、下着は煌びやかなデザインを好む傾向があります(※)」

 ※ケンショーグリーンの勝手な分析です。健全な読者の皆様は、けして惑わされないように……。

 鈴木:「そ、それで?」
 横田:「私の知り合いにランジェリーショップを経営している者がおります。ええ、他のケンショーレンジャーには内緒ですよ。私の分析と知り合いの見立ての合わせ技があれば完璧です」
 鈴木:「おおーっ!……だが、問題は彼女のサイズが分からない。ブラのサイズだって、AカップとかCカップとかあるわけだろ?まあ、明らかにマリアさんや後輩のリリ……何とかってヤツよりは大きいはずだが……」
 横田:「御心配に及びません。これも私の調査にお任せください」
 鈴木:「調査は是非よろしくと言いたいが、エレーナの機嫌を損ねるようなことは……」
 横田:「ですから、何も心配はございませんよ。どうか、この私めにお任せください。鈴木さんは、報酬である【AKB48メンバーの1人の】使用済みブラショーツを1組用意して頂ければ良いのです」
 鈴木:「分かった。それはこちらに任せてくれ」
 横田:「必ずやあなたの恋愛、成功のお手伝いをさせて頂きましょう。大聖人様は全て御照覧あそばされておられるのです」
 鈴木:「うむ。その通りだな」

[8月16日13:15.天候:晴 東京都江東区森下 ワンスターホテル]

 エレーナ:「鈴木のヤツ、一体私に何をくれたんだろう?」

 エレーナは早速包装を開けてみた。

 エレーナ:「こ、これは!?」

 それは青色を基調としたランジェリーだった。
 箱を見れば、エレーナも聞いたことのある高級ランジェリーショップのものだから、それなりに値段の張るものなのだろう。
 それにしても、だ。

 エレーナ:「鈴木のヤツ……。もしかして、誰かに入れ知恵でもされたのか?」

 結構鋭い魔道師なのだった。

 エレーナ:「変な魔法とか掛かってないだろうな。……よし」

 エレーナはA1サイズはある大きな紙に魔法陣を描いた。
 そしてその上に鈴木からプレゼントされたぱかりの下着を置く。

 エレーナ:「パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ!……魔法陣の上に置かれし物よ。魔法の力あればその正体を問わず、その姿を表せ。イン・パス!」

 すると魔法陣が白く光り、それに下着が包まれる。
 その後で魔法陣の色は青に変わった。
 青色を基調とした下着が更に青く染まる。

 エレーナ:「……特に何も無いってか。ふーむ……」

 エレーナは試しに着用してみることにした。
 もちろん、一旦は全裸になることになる。

 エレーナ:「さすがは私でも知ってる評判の店のだ。なかなかいい着心地だな」

 姿見に自分の下着姿を映してみる。

 エレーナ:「あいつのセンス、なかなかいいじゃん。幸い私の契約悪魔も、青がシンボルカラーだからな。おい、マモン。着る服は下着でもいいんだろ?」
 マモン:「さよう……」

 マモンとはキリスト教における“七つの大罪”の悪魔の1つで、強欲を司るものである。
 キリスト教においては特にシンボルカラーは決められていないが、ダンテ一門では青が指定されている。
 その為、契約者は身に着けるもののどこかにシンボルカラーを入れなくてはならない掟があった。
 例えばマリアの契約悪魔は緑なので、ブレザーやスカートなど、服にその色を使うことが多かったし、エレーナの場合はリボンやネクタイに青を使っていた。

 エレーナ:「よし。サイズもピッタリだし、ヘビロテ用に使えそ……ん?」

 ヘビロテとはヘビーローテーションの略なのではあるが、ここでは普段使い用という意味である。
 そしてエレーナ、ここで1つの疑問を発生させた。

 エレーナ:「あいつ、何で私の契約悪魔のカラーとサイズを知ってるんだ?」
 マモン:「青はどこにでもある色だ。色に関しては、ただの偶然と言えるだろう……」
 エレーナ:「色については百歩譲ってそれだとしても、何でサイズがピッタリなのかが分からない!」
 マモン:「色々と調査したのだろうな」
 エレーナ:「調査ぁ!?あいつのネットワークなんて……。! もしかして、稲生氏か!?確かマリアンナは私のサイズを知っていたはずだし……。この前、プールに行った時とかな」

 更衣室で一緒に水着に着替えた際、互いのサイズを見たりしている。

 エレーナ:「聞いてこよう!」
 マモン:「仕事はどうする?」
 エレーナ:「! 仕事が終わったら問い詰めてやる!」
 マモン:「それで良い。日銭稼ぎは大事だ」

[8月17日21:00.天候:晴 東京都豊島区池袋 某カクテルバー]

 キイッとドアを開けて、横田が無言で店内に入る。
 そして、鈴木の隣に座った。

 マスター:「いらっしゃいませ。ご注文は?」
 横田:「カルピスソーダの甘酢あんかけ」

 ズコーッ!(店内の客・店員全員がズッコケる)

 横田:「失礼。マティーニで」
 マスター:「か、かしこまりました」

 マスターがマティーニを作っている間、レゲェパンチを飲んでいる鈴木が話し掛けた。

 鈴木:「いきなりボケかますなよ」
 横田:「失礼しました。本当は『うさぎ』とお答えしたかったのですが、ここは秋葉原ではないので……」
 鈴木:「今度は秋葉原で話そうか」

 鈴木は呆れ顔になった。

 横田:「それより、私の働きぶりは如何でしたか?」
 鈴木:「完璧だ。どうやら喜んでくれたらしいぞ」
 横田:「お役に立てて何よりです。それより、例の物は……?」
 鈴木:「おう」

 鈴木が鞄の中を出す間、マスターがマティーニを持ってきた。

 鈴木:「これだ」

 カウンターの下を通して、鈴木は包み紙に入った『例のブツ』を渡した。

 鈴木:「サービスで【AKB48メンバーの】写真付きだ」
 横田:「さすがは鈴木さん!これで思い残すことはありません!」
 鈴木:「大げさだな。芸能界は、裏で政財界とも繋がっているだけのことだよ。因みに、どうやってエレーナのサイズを測ったんだ?」
 横田:「あー、申し訳ありません。それは企業秘密というもので……」
 鈴木:「エレーナに手を出したりはしてないだろうな?」
 横田:「心外な!もしそうだとしたならば、私はこの場にいませんよ?」
 鈴木:「それもそうか……」
 横田:「それより、ここはお互い上手く行ったということで、乾杯しましょう」
 鈴木:「おう、そうだな」

 鈴木と横田はカチンとグラスを合わせた。

[同日同時刻 天候:晴 ワンスターホテル]

 リリアンヌはエレーナ専用の洗濯機の前にいた。
 後輩として先輩弟子の服を洗うのである。

 リリアンヌ:「フヒヒ……。今夜はエレーナ先輩は、稲生先輩達の所にお泊り……。その間、掃除と洗濯を完璧にこなす……。下着はネットに1枚ずつ入れて洗う……ん!?」

 その時、エレーナの下着のうち、一組のブラショーツから異臭が漂って来たのに気づいた。
 それは鈴木からプレゼントされたものとは違うものだった。

 リリアンヌ:「こ、これは……!?」

 それはリリアンヌも嗅いだことのある臭い。
 幼少の頃、性的虐待を受けていた時に嫌と言うほど嗅がされた精液の臭い。

 リリアンヌ:「な……何で!?」

[同日22:00. 再び池袋のカクテルバー]

 横田:「クフフフフフ……!簡単なことですよ。本人の別の下着を借りパク……もとい、無断拝借してそのサイズを直接測れば良いのです……」
 マスター:「お客様、お連れ様が酔い潰れておられますが、大丈夫ですか?」
 鈴木:「…………」
 横田:「ああ、大丈夫ですよ。団体は違えど、同じ日蓮大聖人の仏法を実践させて頂いている仏弟子です。見捨てたりはしませんよ。クフフフフフフフ……」

 これは……グッドエンドってことで良いのだろうか?
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“大魔道師の弟子” 「スピンオフと本編が合流するところ」

2018-08-24 10:53:44 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月17日14:00.天候:曇 長野県北部山中 マリアの屋敷]

 稲生は屋敷東側2階の自室でレポートを書いていた。

 稲生:『魔道師の魔法力については、非常に不安定なものがある。これをケータイのパケット通信に例えると分かりやすい。魔法使いが魔法を使うには、大きく分けて2つある。前者は自らに備わった魔力をそのまま使うもの、後者は悪魔や精霊など、魔力を付与してくれる存在と契約してそれを供給してもらい、それを活用するものである。前者は契約したパケットをそのまま使う為、いずれ枯渇する。しかし後者はWi-Fiを使用するようなものであり、その供給が安定しているうちは魔力の消費を気にせず使用できるというメリットがある。しかし、後者にもデメリットはあって……』

 稲生とて魔道師見習なのだが、大学生よろしく、レポートをPCで作成しているという辺りがシュールである。
 このレポート作成の仕方も組によって方針の違いがあり、あくまでも手書きに拘る所もあれば(手書きの方がそのレポートそのものに魔力が籠もるという考え方から)、アナスタシア組のように弟子の数が多いと管理が大変な為、逆にPC限定にしている所もある。
 イリーナ組は自由。
 むしろイリーナ自身が、かつてはタイプライターを使っていたということから、稲生がPCでレポートを作成することには反対しなかった。
 もっともマリアに言わせると、「師匠は字が汚くて、それを大師匠様に何度も怒られていたから、タイプライターが発明されると、さっさとそれに切り替えたらしい」とのこと。
 孫弟子には優しいダンテも、直弟子には厳しいのだった。

 稲生:「ん?」

 稲生がキーボードを叩く手を止めて、ふと窓の外を見た。
 外はどんよりとした雲が空を覆っていた。

 稲生:「台風、こっちに来るんだったな……。まあ、屋敷の中にいれば安全か……」

 魔力の塊がこっちに来るような感じがして窓の外を見たのだが、やはり黒い雲の中からホウキに跨ったエレーナがこっちに向かって来ていた。

 稲生:「また先生宛ての荷物でも持ってきたのかな?」

 稲生はそれまでのレポートの内容を保存すると、エントランスに向かった。
 師匠の荷物預かりも弟子の務め。
 しかし先輩弟子のマリアにそれをさせるのは良くない。
 稲生もまだまだ見習い。
 雑用は率先して行わなくてはならない。
 大学卒業と同時にダンテ一門に入門し、確かにそれまで凶悪妖怪達との壮絶な戦いなどは経験したものの、人間生活としては何不自由の無いものであったことから、他の魔女達からは『新卒採用』と揶揄されている。
 その為、稲生はインテリジェンスならではの優秀さを見せることで、早く門内の戦力になろうと心に決めている。

 稲生:「わっ!」

 エントランスホールに出ようとすると、雷光が窓から差し込んだ。

 稲生:「台風じゃなくてゲリラ豪雨かな?」

 エントランスホールに行くと、そこにはエレーナがいた。

 稲生:「やあ、エレーナ。また、うちの先生宛ての荷物かい?」

 稲生は1階に下りる吹き抜け階段を駆け下りた。

 エレーナ:「違う!ちょっと聞きたいことがあるんだ!」

 何故かエレーナはキッと稲生を睨みつけた。

 稲生:「な、何だい!?」
 エレーナ:「私の下着のサイズ、鈴木に教えたりしたか!?」
 稲生:「な、何のことだ!?キミのサイズなんて知らないよ!」
 エレーナ:「ウソつけぇーっ!」

 エレーナは右手を大きく振り上げた。
 右手の拳に集まる元気玉魔力の集合体。

 稲生:(い、イオナズン!?)

 稲生がヒヤッとした時だった。

 マリア:「Cool down.(落ち着け)」

 マリアが2階西側のドアから出て来ると、壁のレバーをガチャンと下に押し下げた。
 直後、天井からポリバケツ一杯分の水がエレーナにザバーッと掛かる。

 エレーナ:「きゃっ!……マリアンナ!てめ、何しやが……」

 ゴン!(水が入っていたと思われるプラ製のポリバケツも落ちて来た)

 エレーナ:「ぶっ……!」
 マリア:「人んちに来て、何いきなりイオナズンぶっ放そうとしてんだ、あぁ?」

 マリア、階段を歩いて下りて来る。
 これがイリーナなら、演出の為に残像を残してテレポートして来そうなものだが、あいにくとマリアはまだ練習中である。
 練習中なら良い機会ではないかと思うだろうが、失敗すると大変なことになる。
 この前は服だけ残して、全裸の状態で屋敷の西側から東側にテレポートしてしまった。
 さすがに稲生がいる前では、失敗を恐れてできないということだ。

 エレーナ:「く、くそっ……!」
 稲生:「と、とにかく何があったのか、話を聞かせてよ」
 エレーナ:「そうさせてもらう。……あー、くそ!サイアク!」
 マリア:「どうせ自分で蒔いた種だろうが!」
 エレーナ:「何だとコラ!」
 マリア:「表へ出ろ!」
 エレーナ:「上等だ!」
 稲生:「あ、あの2人とも……」
 マリア&エレーナ:「ユウタは黙ってて!!」
 稲生:「ええ〜!……てか」

 稲生は観音開きの玄関のドアを開けた。
 すると、外はバケツをひっくり返したような雨が降っていた。
 当然、雷付き。

 稲生:「今、外に出ない方がいいかと……」
 エレーナ:「……一時休戦」
 マリア:「了解」
 稲生:(この2人、仲いいんだか悪いんだか……)

[同日同時刻 天候:晴 東京都板橋区常盤台 ケンショーレンジャー東京支部女子トイレ]

 横田:「ハァハァ(;´д`*)ハァハァ……」

 ググッ(パンティを嗅いでる)

 横田:「ハァハァ(*´∇`*)ハァハァ……」

 ギュッ(パンティを股間に押し付けてる)

 横田:「ハァハァ(*T▽T*)アァァァァ……」

 ピュッ……!

[8月16日13:00.天候:晴 東京都江東区森下 ワンスターホテル]

 ガーッとエントランスの自動ドアが開く。

 エレーナ:「いらっしゃいま……って」
 鈴木:「やあ、こんにちは」
 エレーナ:「なに?今日はもう満室だよ?」
 鈴木:「違う違う。その……この前は報酬の支払いが遅れて申し訳無かった」
 エレーナ:「それはもういいよ。ちゃんと払ってくれたんだし。但し、今度またこんなことがあると……」
 鈴木:「分かってる。気をつけるよ。それより今日はキミに、お詫びの品を持って来たんだ」
 エレーナ:「えっ?」

 鈴木はエレーナに、プレゼント用の包装にリボンまで付いた箱を渡した。

 鈴木:「もし良かったら、これを受け取ってくれないかなぁ……と」
 エレーナ:「マジで!?タダでくれんの!?」
 鈴木:「もちろん」
 エレーナ:「やったっ!今回の件は全部許す!」
 鈴木:「何か、またキミの後輩さんの生霊が俺の夢枕に未だに立ってくるんだけど……」
 エレーナ:「リリィには私から言って、すぐにやめさせるから!」
 鈴木:「それじゃ、また後で来るから」
 エレーナ:「ありがとう!」

 鈴木はホテルの外に出て行った。

 オーナー:「エレーナ、プレゼントかい?」
 エレーナ:「そうなんです!」
 オーナー:「ちょって開けて見てみたら?その間は私がここにいるから」
 エレーナ:「あ、すいません!」

 エレーナはすぐに自分の部屋に戻った。

 そして、早速包み紙を開けてみる。
 すると、中に入っていたのは……。
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“魔女エレーナの日常” 「鈴木のプレゼント」

2018-08-22 19:38:32 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月15日15:00.天候:晴 東京都江東区森下 都道50号線(新大橋通り)上]

 エレーナは裏の仕事、魔女の宅急便の仕事から戻ってくる所だった。

 エレーナ:「やっべ!時間おしちゃったわ!早く戻らないと!」

 ホウキに跨り、ワンスターホテルへと向かう。
 と、その時、鈴木が都道の歩道上を歩いているのが見えた。

 エレーナ:「げ!まだ懲りないのか?……あれ?」

 しかし鈴木はワンスターホテルへ向かう路地には入らず、そのまま都道を東の方に歩く。
 どうやら、地下鉄の駅に向かうようだ。

 エレーナ:「どこかへ行くのかな?」
 クロ:「気になるニャ?」
 エレーナ:「ばっ……!気になっていないし!」

 ホウキの先端に乗っている使い魔の黒猫、クロにニヤけた顔で聞かれる。

 エレーナ:「さっ、早いとこ戻ってホテルの仕事だよ!」

 エレーナはホテルの屋上に降り立つと、いそいそとホテルの中に入って行った。

[同日15:08.天候:晴 都営地下鉄森下駅 大江戸線ホーム]

 地下のホームで電車を待つ鈴木。
 その手にはスマホが握られている。
 どこかに電話しているようだ。

 鈴木:「……ええ。そういうわけなんですよ。何とかお時間取って頂けませんかね?……いやいや、お忙しいのは分かりますよ、別の意味で。もちろん、タダでお願いしようとは思っておりません。あなたの好きな物を進呈します。それで如何でしょうか?……ああ、やっぱり。大丈夫ですよ。想定内です。必ず御用意しましょう。……ええ、では今からそちらに向かいますので、何卒よろしく。では」

 鈴木は電話を切った。

〔まもなく3番線に、両国、春日経由、都庁前行き電車が到着します。ドアから離れてお待ちください〕

 鈴木:「計画通り」

 鈴木はニヤッと笑った。

〔森下、森下。都営新宿線は、お乗り換えです〕

 そして電車に乗り込み、空いているマゼンタ色の座席に腰掛ける。
 短い発車メロディが鳴って、ホームドアと電車のドアが閉まる。
 電車が走り出し、暗いコンクリートのトンネルの中に入り込む。

〔次は両国(江戸東京博物館前)、両国(江戸東京博物館前)。JR線は、お乗り換えです。お出口は、右側です〕
〔The next station is Ryogoku(Edo-Tokyo Hakubutukan-mae).Please change here for the JR line.〕

 鈴木:(この計画が上手く行けば、エレーナの心は俺の物だ)

 反対側の窓ガラスに、鈴木の不気味な笑顔がうっすらと映っていた。
 尚、これと時を同じくして、エレーナの背筋に寒気が走ったかどうかは【お察しください】。

[同日21:00.天候:晴 東京都板橋区常盤台 冨士大石寺顕正会 東京会館]

 横田:「横田です。先般の女子部班長会における大感動は、未だ冷めやらぬものであります」
 鈴木:「このスケベ野郎!……まあいい。今回、会ってもらったのは他でもない。大事な話があるんだ」
 横田:「ついに決心されましたか。大聖人様は、いつでも正義に目覚めた者を放置プレイは致しません。キミも一刻も早く戦列復帰を」
 鈴木:「それは法華講員になった俺に言うセリフじゃねーだろ。そうじゃなくて、信仰以外のことで話があるんだ」
 横田:「そうですか」

 横田、キラーンと眼鏡を光らせる。

 横田:「ここでは目撃者も発生してしまいます。ちょっと場所を変えましょう」
 鈴木:「おう、そうだな」

 鈴木達はときわ台駅前からタクシーに乗った。

 鈴木:「成増駅まで行ってください」
 運転手:「成増駅ですね。ありがとうございます」

 タクシーが走り出す。

 横田:「どうして成増駅なのでせう?私の家はそっちではありませんよ?」
 鈴木:「誰がオマエんちに行くと言った?成増ならまだ板橋区内だからオマエの家からもそんなに離れてないし、俺もそこから光が丘行きのバスに乗れば大江戸線に乗れるから帰りやすいだけの話だ」
 横田:「なるほど。そうでしたか。いや、しかし私がよく今は東京会館を拠点としていることが分かりましたね?」
 鈴木:「法華講ナメんな。こっちにはオマエのストーカー術の更に上を行くストーカー野郎共がゴロゴロしてるぜ」
 横田:「? 私のストーカー術をお求めなんですよね?」
 鈴木:「そうだ」
 横田:「それなら、その人達に頼めば良いのでは?」
 鈴木:「バーカ。こんなこと、他の真面目な信徒さん達に頼めるか。アンタにしか頼めないことなんだ」
 横田:「……となりますと、依頼料についてはあまりお安くはできなくなりますが……」
 鈴木:「分かってる。さっきも電話で言ったろ?そこはアンタの言い値でいいって」
 横田:「かしこまりました。そういうことでしたら、お話を伺いましょう」
 鈴木:「まあ、待て。まずは成増に着いてからだ」

[同日22:00.天候:晴 東京都板橋区成増 成増駅南口モスバーガー]

 成増駅南口にあるモスバーガーは、第1号店とのことである。
 そこで鈴木と横田の密談が始まった。

 横田:「なるほど……。お話はよく分かりました。確かに、私ならではのお仕事ですね」
 鈴木:「だろ?だろ?報酬は払うから、何とか頼むよ」
 横田:「お引き受けしましょう。しかし、これだけ専門性の高い仕事ということは、あまりお安くできませんね」
 鈴木:「分かってる。で、何が欲しい?」

 横田、キラーンと眼鏡を光らせる。

 横田:「【とあるAKB48メンバーの】生ブラショーツ1セットで如何でしょう?」
 鈴木:「来ると思ったぜ。心配するな。親の財力を駆使して、必ず手に入れてやるぜ」
 横田:「そうと決まれば、私めにお任せください」
 鈴木:「で、俺としてはどうすればいいと思う?」
 横田:「やはり、アレをプレゼントするのがよろしいかと」
 鈴木:「アレか。やはり、ファッションもので行けってか?」
 横田:「はい。魔界にも魔女さんは多く存在しますが、どうしてもモノトーンの服を制服のように着用していますので、せめて【ホワホワ】くらいは派手に行きたいと考えているようです」
 鈴木:「さすがは横田理事だな」
 横田:「私の分析に間違いはございません。聞けばエレーナさんも、白と黒のモノトーンの服を常に着用しておられる様子。ダンテ門流においては、派手な服を着用できない何かがあるのでしょう」
 鈴木:「それで、アレか」
 横田:「さようでございます」
 鈴木:「となるとサイズが分からんし、俺もぶっちゃけ童貞だから、そういうのが分からない」
 横田:「分かっております。その辺につきましても、私めにお任せください。クフフフフフ……」
 鈴木:「よし、頼んだぞ」
 横田:「その代わり、約束のものは……」
 鈴木:「ああ。必ず用意しといてやる」

 2人のヒラ法華講員と、名ばかり幹部の顕正会員との密会は深夜まで続いたという。
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“大魔道師の弟子” 「夏休みナシの魔道師達」

2018-08-22 10:16:32 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月12日13:00.天候:晴 長野県北部山中 マリアの屋敷]

 稲生:「ごちそうさまでした」

 稲生は昼食を終えた。
 すぐにマリアのメイド人形が片付けを始める。
 しかし、屋敷の大食堂に他の魔道師の姿は無い。
 広い食堂に稲生1人だけだ。

 稲生:「マリアさんの様子はどうだろう?」

 稲生は席を立って、マリアの部屋に行ってみようかと思った。
 だがその時、稲生のスマホが着信音を鳴らす。

 稲生:「何だ?誰だ?」

 画面を見ると、鈴木からの着信。

 稲生:「はい、もしもし?」
 鈴木:「やあ、稲生先輩。どうもです」
 稲生:「鈴木君か。コミケどうだった?」
 鈴木:「おかげさまで完売です」
 稲生:「それは良かったね。悪かったね。手伝えなくて」
 鈴木:「先輩、何があったんです?」
 稲生:「こっちにも学生みたいな定期考査的なものがあって、それを攻略できなかったんだよ。エレーナとかはパスできたみたいだけどね」
 鈴木:「赤点取っちゃったんですか?」
 稲生:「いや、僕は黒点だったんだけどねぇ……」

 稲生はスマホを片手に、西側の2階を見上げた。
 大食堂自体が西側にあるのだが(エントランスホールが中央)、そこにはマリアの部屋がある。

 稲生:「それより何の用?」
 鈴木:「ああ、先輩。ちょっと相談が……」

 鈴木は昨夜の経緯を話した。

 稲生:「えっ、エレーナに払う報酬を踏み倒しちゃったの?!」
 鈴木:「いや、忘れてたんですよ!特盛達は先払いだったし、打ち上げで盛り上がったこともあって……」
 稲生:「よく悪夢の警告だけで済ませてくれたねぇ。魔女達を見ていると、如何に女の世界が怖いものかを思い知らされるよ」
 鈴木:「と、言いますと?」
 稲生:「まだエレーナが僕達と敵対していた頃は、そりゃもう大変で……って、それは話が長くなるからまた今度ね」
 鈴木:「それで、エレーナにお詫びのプレゼントをしたいと思ってるんです。彼女の後輩は、俺が近づくだけでも噛み付いて来る有り様なので……」
 稲生:「リリアンヌは……まあ、そうだね。過去に色々あったんだ。察してくれよ」
 鈴木:「エレーナには何がいいでしょうか?」
 稲生:「エレーナはお金が大好きだから、報酬に少し現金を上乗せしてあげればいいんじゃない?延滞金的な意味合いで」
 鈴木:「それだと味気ないですよ。もっとこう……無いですかね?」
 稲生:「うーん……。実は魔道師は、そんなに物欲は無いんだよなぁ……。エレーナみたいな金銭欲の強いのはいるけど」
 鈴木:「先輩、マリアさんはどうですか?」
 稲生:「マリアさん?」
 鈴木:「『マリアさんだったら、こうしてあげると喜ぶ』とか無いですか?」
 稲生:「マリアさんはこうして屋敷に閉じこもって魔法の研究とかするのが日課になっちゃってるから、たまに外に連れ出してあげると喜んでくれたりもするけど……」
 鈴木:「それだ!」
 稲生:「あ、でもエレーナの場合はホウキに乗って、リアル魔女の宅急便とかやってるから、それは通じないと思うな」
 鈴木:「マジっすか……」
 稲生:「……あ、こういうのはどうだろう?」
 鈴木:「えっ?」
 稲生:「魔女もやっぱり女性だから、スイーツとか好きだったりするよ。あと、意外とファッションとかにこだわりがあったりする」
 鈴木:「な、なるほど!それだ!確かにエレーナ、結構食欲はあるなぁ!先輩、ありがとうございます!それでやってみます!」
 稲生:「ああ、頑張って。……うん、それじゃ」

 稲生は電話を切った。

 稲生:「鈴木君……きっとエレーナが嫌がってイオナズンしてきても、笑いながら追いかけるタイプだろうなぁ……」

 つまり、ポジティブなストーカーといったところか。

 稲生:「……と、それどころじゃない。ちょっと様子を見に……」

 稲生が席を立ってマリアの部屋に行こうとした時だった。

 ミカエラ:「…………」

 人間形態をしたミク人形に後ろから肩を叩かれた。

 稲生:「ミカエラ?どうしたの?」

 ミカエラはスッとマリア宛ての郵便物の束を差し出した。

 稲生:「ああ、なるほど。ついでにこれを持って行けってことか。分かったよ」

 稲生は郵便物の束を手にすると、それでマリアの部屋に向かった。
 稲生などは普通に進めるマリアの屋敷。
 しかし、これが侵入者など招かざる客にとっては、茨の道が待っていることとなる。
 デストラップが何ヶ所かあり、しかもそのうち1ヶ所は即死トラップだったりする。
 稲生などの関係者には作動しないそのトラップを通り抜けると、マリアの部屋に辿り着く。

 稲生:「マリアさん?」

 稲生はマリアの部屋のドアをノックした。
 しばらくして、やっとドアが開く。

 マリア:「なに……?」

 眠い目を擦りながら、マリアが顔を出した。
 ノースリーブのワンピース型の寝巻を着ている。

 稲生:「これ……マリアさん宛ての郵便です」
 マリア:「ああ……ありがとう」
 稲生:「すいません、仮眠中に……。そんなに大変な追試……いや、補習でしたか?」
 マリア:「どっちもハズレ……いや、当たりか?まあ、とにかく……徹夜だったよ……。何とか終わった……」
 稲生:「そ、そうですか。お疲れさまです。あの、今朝も昼も食事をしていないだろうと思って、少し心配になったんです」
 マリア:「そうか……。もうそんな時間か……」
 稲生:「夕食はどうしますか?」
 マリア:「うん……。夕食の時間には下りて行く」
 稲生:「分かりました。すいません、仮眠の最中に起こしちゃって……」
 マリア:「いや……。修行サボった私が悪い……。それじゃ……」

 マリアは再び部屋の奥に引っ込んでしまった。

 稲生:「大丈夫かな……」

 稲生は心配になりつつも、自分の部屋がある屋敷東側に向かった。
 もちろん途中で会った人間形態のハク人形こと、クラリスに今夜の夕食はマリアの分も用意するように伝えておくのは忘れていない。
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