報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

物語の途中ですが、ここで大石寺登山参詣のもようをお伝えします。 20201121

2020-11-21 20:45:08 | 日記
 本日は報恩坊における御会式並びに御講があったので参加させて頂いた。
 往路は富士急静岡バス“やきそばエクスプレス”にしたのだが、三連休の利用は大幅にダイヤが乱れるので注意されたし。

 

 東京駅八重洲南口バスターミナルでの発車標。
 40人乗りに対して24名の乗車だったので、空席ありとなっているが、まあまあの集客数である。

 

 行き先は「大石寺行き」ではなく、「富士宮・大石寺行き」と案内・表示される。
 これは大石寺という名前のお寺が他にもあるのと、土・日・月・火曜日のみ、富士宮営業所から延長運転されるだけだからである。

 

 往路に乗車したジェイバスコーチ製、スライドドア式。
 車内の行き先表示灯は、乗務員氏の名札も写り込んでしまう為、撮影を断念。
 尚、富士急静岡バスではWi-Fiと充電コンセントが完備されている。
 後者においてはコンセント式とUSB差込口式の2つに分かれているのでご注意を。
 因みに本日は往路がコンセント式、復路がUSB式だった。

 

 海老名サービスエリア。
 本来、下り便はここでは休憩しないのだが、大幅にダイヤが乱れると、ここでも休憩する。
 つまり海老名の時点で、ダイヤは【お察しください】。

 

 大石寺境内から富士山を臨む。
 まだ珍しく雪を被っていない。
 尚、大石寺到着は13時30分。
 本来のダイヤだと11時16分なので、2時間14分の遅着である。
 特急・新幹線なら特急料金が払い戻されるレベルである。
 普段からこんなに遅れるわけではなく、三連休の人出と東名高速集中工事が仇となった。
 なので、三連休での高速バス利用は非推奨である。
 オススメなのは「緊急事態宣言発令中に乗る」かなw
 バス車内も道路もガラガラだよ、きっと。
 ついにGoToトラベル、中止にするっぽいね。
 もう少し早く判断してくれたら、高速道路も空いてたのにね。
 残念残念。
 てか、オリンピックも中止だ、中止!
 私はオリパラ反対派です。

 

 報恩坊入口。
 後ろ向きに写っているのは、本日同行の信徒さん。
 名前は……ハンネが無いのでT氏とします。

 

 大石寺第二ターミナルのバス停。
 またもや、色々貼ってますな。

 

 往路のバス。
 メーカーは同じだが、こちらは乗降扉が折戸タイプで、座席横の充電装置がUSB式。

 

 往路はダイヤ改正後、海老名サービスエリアで30分休憩することになっている。
 ここは渋滞の名所の途中にあるので、辿り着くまでに長く時間が掛かる。
 それでも30分は停車するので、ゆっくり買い物したり、軽食を取ることくらいはできるかな。
 私は外の屋台で牛串(1本税込み500円)で腹を誤魔化したが、牛肉はとても柔らかくて、思わずもう一本注文しそうになった。
 同行のT氏は2階のフードコードでラーメンを掻っ込んだらしいw
 往路の利用はオススメできないが、復路は特に到着時間を気にしない人、更に海老名サービスエリアに興味のある人にはオススメです。

 え?御講の話?
 確か、御供養の功徳についての話だったかな。
 まあ、言わんとされることは分かったような気がする。
 それを踏まえた上の特別御供養なのだろう。
 まあ、“フェイク”や顕正新聞が噛み付きそうな話ではある。
 ただ、学会員・沖浦氏の言葉を借りれば、それも「日蓮正宗の内部規定」に属する話なのだから、とやかく言わないで頂きたい。
 参加するもしないも自由なのだから。
 え?私?
 同行者T氏と話したのだが、冬のボーナス次第ですなw
 そもそも、12月に添書登山しようすると、その費用も考えなければならないわけだから。
 あれ?そういえば顕正会も12月は広布御供養の月では無かったですかな?
 創価学会の財務納付は?
 ま、年末はどこの宗教団体もそうだということですな。
 救世軍みたいに、一般民衆から寄付を募る団体もあるけど。

 あ、そうそう、救世軍ねぇ……。
 もう20年くらい昔の話になるんだけど、私が全く宗教の知識を有していなかった時、あの団体を、「現代における魔女狩り、西洋妖怪退治のエキスパート」って思ってたんだ。
 んなわけないんだけどね。
 ほら、90年代ってオカルトブームだったじゃない?
 そういう背景もあったんだよね。
 で、今で言えば“鬼滅の刃”。
 悪い鬼を退治する鬼殺隊ね、「救世軍=鬼殺隊」「悪い魔女や西洋妖怪=鬼」というイメージを持っていたと思ってもらえればいいかな。
 実態は全然違うんだけど。
 大昔、それをネタにした話を書いた記憶があるんだけど、記憶媒体を紛失してしまった。
 その頃から私は宗教(団体)をネタにした話を書く、というようなことをしていたんだね。
 今は違うけど。
 日蓮正宗で言えば妙観講が鬼殺隊みたいなものかもしれないけど、彼らは直接鬼退治をしない。
 (悪)鬼に憑かれた人間を(謗法呵責と称して)退治することがあるくらいかw
 まあ、悪鬼に憑かれないよう、気をつけよう。
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“私立探偵 愛原学” 「霧生市内探索」

2020-11-20 19:54:23 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月7日09:30.天候:曇 某県霧生市西部郊外]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 今日は霧生市の探索に来た。
 しかし予想外な事が起こり、既にどうやら潜伏していたリサ・トレヴァー達が動いているらしい。
 メールは高野君からだった。
 何でも彼女は、ある重要な情報を手に入れたらしく、今から霧生市に向かうという。

 善場:「NPO法人デイライトの善場です!」

 私達は予定の合流場所に到着した。
 予定だとBSAAの装甲車に乗り換えて、更に霧生市の中心部へ向かうことになっている。
 ランデブーポイントには、既に武装したBSAAの隊員が数名待ち構えていた。

 BSAA隊長:「予定外のことが起こりました。既に部隊は市内で戦闘状態に入っており、危険です」
 善場:「確かにそのタイミングとしては予定外の早さでしたが、戦闘状態そのものは想定内です。状況はどうなっていますか?」
 隊長:「まず、市内の数ヶ所でリサ・トレヴァーと思われるBOW数体と交戦中です。また、地下施設と思しき場所から、別のBOWの存在が確認されています」
 善場:「まだ生きてるBOWがいるの?」
 隊長:「市内は停電していますが、旧アンブレラは独自の自家発電装置を持っていますので、そのせいでしょう」
 善場:「いいでしょう。こちらにもBOWがいますし、精鋭もいますので、何とかしましょう。案内してください」
 隊長:「分かりました。ですが、装甲車は戦闘の為に出払ってしまいまして、トラックで向かうことになりますが、よろしいですか?」
 善場:「結構です」

 自衛隊のトラックみたいな、軍用トラックがあった。
 その荷台に乗り込む。
 県道は2車線ながら、まるで暫定2車線の高速道路並みの規格であった。
 しかし、町が打ち棄てられたことで、県道もまた整備が放棄され、道路はひび割れ、路肩は草に覆われていた。

 栗原蓮華:「ハイウェイが……」

 地元民からは『霧生ハイウェイ』と呼ばれていたらしい。
 町の入口のトンネルに入る。
 このトンネルの向こう側から、私達は脱出した。
 その時はまだ、中にはオレンジ色の照明が灯っていたのだが、今は完全に消灯していた。
 トンネルを出ると、高架線になる。
 少し走って右手には『日本アンブレラ霧生開発センター』という新薬開発研究所があったのだが、実態は非人道的な人体実験が繰り返された秘密の研究所である。
 そこにリサが取り残されていたのだが、自爆装置が作動したことで大爆発を起こし、その建物は瓦礫の山と化している。

 愛原:「栗原さんの家は、反対側だっけ?」
 蓮華:「はい。東西線の東の終点駅です」
 愛原:「そこまで行ってみようか。いいですか、善場主任?」
 善場:「はい。私達の目的はリサ・トレヴァー『1番』です。ターゲットの目撃情報があった箇所を中心に捜索したいと思っております」

 と、その時、トラックが急停車した。

 愛原:「おわっ!?何だ!?」
 隊長:「エンカウントです!ハンターが現れました!」
 愛原:「ハンターだって!?」

 私達はトラックを降りた。
 すると、道路の上にハンターβとハンターγがいた。
 前者は頭部が赤っぽく、それ以外は緑色が特徴で、後者は全体的に緑っぽい。
 で、前者が爬虫類で後者は両生類のBOWである。
 前者は俊敏性と怪力が持ち味であり、後者は丸呑みが即死攻撃である。
 大きさは、どちらも大人のヒグマくらいあった。

 隊長:「撃て!γは口の中が弱点だ!」
 隊員A:「はっ!」
 隊員B:「αチームよりHQ!現在、クラブ4にてHβ及びHγと交戦中!」
 愛原:「どこから湧いて来やがった、こいつら!?」
 リサ:「研究所の地下かもしれない」

 γの方は近づいて、口を大きく開けてくる。
 あれに捕まったら、丸呑みにされてそのまま御馳走になってしまう。
 しかし、BSAA隊員も分かっているもので、ヤツが口を開けた瞬間、マシンガンを口の中に撃ち込んだ。
 問題なのはβ。
 オリジナルのαよりも攻撃力はやや劣るものの、俊敏性と怪力が自慢である為、なかなか弾が当たらず、しかもすぐに間合いを取られてしまう。

 蓮華:「たぁっ!」

 蓮華が日本刀を抜いてβに斬り掛かるが、蓮華の素早い動きを持ってしても、日本刀は空を斬るだけだった。
 そうこうしているうちに、γはBSAA隊員によって倒された。
 βは……。

 リサ:「おい!」

 リサは第一形態に変化すると、βを睨み付けた。

 ハンターβ:Σ(゚Д゚)

 βは上級BOWたるリサの睨みに一瞬怯んだ。
 ハンターは確かにゾンビなどのクリーチャーより強いBOWではあるが、所詮はボスキャラになれない下級。
 大ボスやラスボスにもなれるリサ・トレヴァーの睨みには叶わなかった。

 蓮華:「でやぁーっ!」

 蓮華はその隙を逃さず、ハンターβの首を跳ね飛ばした。
 首から血しぶきを上げて、倒れる。
 そして、見る見るうちに死体は朽ち果てていった。

 愛原:「さすが蓮華さんだ!」
 高橋:「いい刀だな。その刀、名前は何て言うんだ?」
 蓮華:「“蓮華”。私の名前、法華経からと、この刀の名前から取ったの」
 高橋:「そうだったのか。重いだろうに、よく振るえるな」
 蓮華:「それだけ鍛練したってこと」
 高橋:「ははっ、そうか」

 高橋のヤツ、ややもすればその刀を使ってみたいと思ったんだろうな。
 だがさすがにそこは遠慮したようだ。

 善場:「先を急ぎましょう。まだ最初の目撃証言のあった場所には遠いです」
 愛原:「そうですね」

 だが、戦いは続く。

 リサ・トレヴァー:「はい、ごーかーく!」

 どこからともなくリサ・トレヴァーが現れた。
 そうだと分かったのは、見た目が10代の少女で夏用のセーラー服を着ており、しかも顔には白い仮面を着けていたからだ。

 愛原:「リサ・トレヴァー!?」
 蓮華:「!!!」
 高橋:「てめぇ、何番だ!?」
 リサ・トレヴァー(以下、『?番』のリサとする):「さあ、何番でしょう?私に勝ったら教えてあげる」
 リサ(以下、『2番』のリサとする):「少なくとも『1番』じゃない」
 『?番』のリサ:「あら?そこにいるのは裏切り者の『2番』じゃない?裏切ってこの町から出たくせに、どのツラ下げて戻って来たわけ?」
 『2番』のリサ:「裏切るも何も、元々仲間じゃないから」
 善場:「『1番』でないのなら、その『1番』はどこにいるか、教えてくれる?」
 『?番』のリサ:「んー?あれ?あなた、もしかしてz……」

 突然、善場主任が手持ちのハンドガンを発砲した。
 それは『?番』のリサの仮面に当たり、彼女の仮面が割れた。
 割れて地面に落ちた仮面の裏側には、『7』という数字が印字されていた。
 そして、その仮面の下の顔は……。
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“私立探偵 愛原学” 「霧生市へ」

2020-11-19 21:02:42 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月7日07:15.天候:晴 福島県南会津郡南会津町 ダイワリンクホテル会津田島→国道289号線上]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 ホテルで朝食を済ませた私達は、早速出発の準備をした。
 それからエントランス前に迎えに来ていた車に乗り込む。
 シルバーのハイエースワゴンだった。
 予想通り、運転席と助手席には善場主任の部下がいる。
 私達がエントランスから出ると、助手席の黒服が降りて来て、助手席後ろのスライドドアを開けた。

 部下A:「荷物がありましたら、後ろに積んでください」
 愛原:「分かりました」

 私は着替えやノートPCなどの入ったバッグを後ろに置いた。

 部下A:「愛原所長方は後ろの席へどうぞ」
 愛原:「分かりました」

 1番後ろの席に3人並んで座る。
 その前に栗原姉妹、そして運転席の後ろに善場主任が乗り込んだ。

 部下A:「よろしいでしょうか?」
 善場:「はい。では、出発してください」
 部下A:「はい」

 スライドドアが自動で閉まる。

 部下B:「それでは出発します」

 車が走り出す。
 ホテルの駐車場から公道に出て、国道との交差点の赤信号で止まった。
 その時、善場主任が振り向いた。

 善場:「蓮華さん、刀は袋から出して構いませんよ」
 蓮華:「はい」

 蓮華さんは麻袋から日本刀を取り出した。

 愛原:「立派な刀だね」
 蓮華:「ええ。これは祖父の家にあった物です。私が化け物を斬る為ならと貸してくれました」

 そう言って蓮華さんは、チラッとリサの方を見た。
 藤野の決闘ではこの刀を使うことは許可されなかったが、その刀はリサ・トレヴァー『3番』と『5番』を斬った刀である。
 今度は『1番』を斬ろうとしている。

 愛原:「リサは本当に手から触手を出せるのか?」
 リサ:「うん、出せる」

 もっとも、その為に第1形態に変化しないといけないらしい。
 ここで変化するのは、栗原姉妹の前では御法度か。

 善場:「必要があれば、第1形態への変化を許可します。そして栗原蓮華さん、そちらのリサは許可無く攻撃を禁じます」
 蓮華:「分かりました」
 善場:「あなた達の仇を探し出すのに、そちらのリサの極力は不可欠ですからね」
 蓮華:「分かってます」

[同日09:00.天候:晴 某県霧生市市境]

 途中で休憩を挟みつつも、車は順調に霧生市に近づいた。
 霧生市の近くまで行く国道は狭窄路もある貧弱なものだったが、突然現れた県道は立派なものだった。
 青い看板に大きく『霧生市⇒』と書かれていたが、その看板そのものが錆びだらけて曲がっていた。
 何より途中、いくつも『霧生市方面全面通行止め』『霧生市への進入は非常事態宣言により立入が禁止されています』『霧生市への無断進入は法律により罰せられます。 国家公安委員会』という看板が現れたほどだ。
 そこへ向かう一本の県道の入口には、厳重なゲートが設置されていた。
 一時期は自衛隊が直接警備していたようだが、今は地元警察が警備しているようだ。
 同じ立入制限でも、民間の警備会社が警備している福島第一原発とは大違いである。
 それは、警察の装備でも大丈夫ということが確認されたからだろう。
 今回の調査でリサ・トレヴァー達を殲滅または捕獲し、特に『1番』を倒すことができれば、晴れて政府は安全宣言を出せるというものだ。

 部下A:「主任、おかしいです。警察官の姿がありません」
 善場:「ええっ!?」

 ゲートは厳重に閉じられていたが、監視所には誰もいなかった。

 善場:「どういうことなの?24時間詰めているはずなのに……」
 部下B:「確認してきます」

 部下Bは車を降りて、監視所に向かった。
 そして、監視所を覗き込むなり、急いで戻って来た。

 部下B:「主任、大変です!警察官達はいませんが、中が血だらけで荒らされています!何者かの襲撃を受けたようです!」
 善場:「何ですって?!」

 と、その時だった。
 遠くから銃声の音がした。
 山にこだましていることから、ゲートの向こうらしい。
 ゲートの向こうということは……。

 愛原:「主任!確か、この向こうでBSAAと合流することになっているんでしたね?」
 善場:「そうです」

 こだまする銃声にはマシンガンやショットガンの音も聞こえてくることから、どうやらBSAAが何者かと交戦状態に入ったらしい。

 愛原:「BSAAの無線は!?」
 善場:「ここでは無線が入りません。これは想定外です。一度引き返して、善後策を……」
 リサ:「待って!何か聞こえる」

 リサが監視所を指さした。

 リサ:「電話が鳴ってるよ」

 確かに監視所の中から電話の音がした。

 善場:「私が行ってきます」
 部下B:「お供します」

 善場主任と部下Bが再び車を降りる。

 善場:「あなたはいつでも車を出せるようにしてて」
 部下A:「はっ」
 愛原:「俺達も武器を装備しよう」
 高橋:「はい」

 私はショットガン、高橋はハンドガンを装備した。
 高野君ならライフルで狙撃することもできるのだが、そこは残念だ。

 部下A:「あっ!」

 善場主任が電話を取ってやり取りをした直後、ゾンビが現れた。
 どうやら外からは見えなかったが、警察官の死体が屋内に倒れていたらしい。
 正しく、生前は監視所に詰めていたであろう警察官がゾンビ化して善場主任達に襲い掛かった。

 愛原:「危ない!」

 私は車を降りようとした。
 だが!

 警官ゾンビ:「アァア……!」
 栗原愛里:「きゃあーっ!!」

 警察官ゾンビは1人だけではなかった。
 もう1人は外で死んでいたようだ。
 それがいつの間にか起き上がって、車に近づいてきた。

 高橋:「やる気かこの野郎!!」

 高橋は車の窓を開け、警察官ゾンビに発砲した。

 警察官ゾンビ:「ガァッ……!」

 高橋は攻撃力の強いマグナム44ではなく、9ミリ口径のハンドガンを使用した。
 この場合、ゾンビには何発も撃たないと倒れない。
 最後には高橋、ゾンビの頭を撃ち抜いた。

 愛原:「よくやった高橋」
 高橋:「へへっ……!」

 その頃には監視所から善場主任達も戻って来た。
 善場主任達もプロであるから、警察官ゾンビを射殺したようである。

 善場:「今、ゲートを開けました。今から市内に向かいます」
 愛原:「あっ、このまま行くんですか?」
 善場:「電話の相手はリサ・トレヴァーを名乗る女でした。しかも、BSAAもまた別のリサ・トレヴァーと交戦しているようです。増援も向かって来てるようですし、私達もこのまま向かおうと思います」
 蓮華:「私もその方がいい」
 高橋:「向こうがケンカ売って来たんなら、買うまでだ」
 リサ:「同族の私が捜してあげるよ」

 その時、私のスマホにメール着信が入った。
 その相手は誰だ?

 1:ボス
 2:高野芽衣子
 3:斉藤秀樹
 4:愛原公一
 5:全く知らないアドレス
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“私立探偵 愛原学” 「南会津での一夜、その後明けて」

2020-11-18 19:51:11 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月6日22:00.天候:晴 福島県南会津郡南会津町 ダイワリンクホテル会津田島 善場とリサの部屋]

 夕食と買い物が終わった後、私達はホテルに戻った。
 リサにはもう寝る準備をさせ、そこで例の妙薬を投与することになった。
 それは注射であった。
 白いTシャツに黒い短パンを穿いて、もう寝る準備のできたリサ。
 私が立ち会っている。

 善場:「いい?注射したら眠くなると思うから、そのまま寝ていいからね」
 リサ:「はい……」

 さすがのリサも不安そうだった。

 愛原:「明日になれば目が覚めるから、それまでの辛抱さ」

 善場主任は注射を取り出した。
 やり方としては、インフルエンザの予防接種のような皮下注射ではなく、筋肉内注射だという。
 これは注射の中でも痛い方だ。
 但し、同じ予防接種でも、小児や高齢者以外では筋肉注射が行われることもある。
 善場主任はそういった資格があるのだろうか。
 看護師か、あるいは救急救命士か……。
 どちらかというと、後者のイメージがあるな。
 救急救命士というと、消防署に勤務していて、救急車に乗って出動するというイメージがあるが、その数は限られている。
 その為、せっかくこの国家資格を取得しても、それを最大限生かせる職場に就職できない者もいるという。

 リサ:「うん……」

 善場主任はリサの左腕に注射針を刺した。
 うん、確かインフルエンザの予防接種をする時と同じような位置である。

 善場:「これから眠くなると思いますよ」
 リサ:「…………」

 リサはすぐに眠りに落ちた。

 愛原:「すぐに眠るものなんですね」
 善場:「添加物として鎮静剤が入っていますので」
 愛原:「主任は、リサの体にどんな変化があると思いますか?」
 善場:「触手の位置の変化です」
 愛原:「と、言いますと?」
 善場:「リサ・トレヴァーは背中から触手を生やすのがセオリーです。このリサはまだしていないようですが、アメリカのオリジナル版は、背面体当たりのような攻撃もしたそうです。リサ・トレヴァーの攻撃法は特殊な怪力と触手なわけですね。で、ネメシスも触手を出しますが、どこから出すと思いますか?」
 愛原:「確か資料映像だと、手から出していましたね?」
 善場:「はい。掌から触手を出すのです。それを鞭のように使ったり、硬化させて棒のように使うこともできます。先を尖らせて鎗のように使った例もあります。背中からだと、いちいち服を脱いだりしないとダメなので面倒だと思いますし、攻撃に使うにはやはり制約があるんですよ。背中からですと」
 愛原:「なるほど」
 善場:「一番いいのは背中からの触手が無くなることですね」
 愛原:「期待通りに行くといいですね。でも期待通りにできるということは、リサを人間に戻すことも現実味のある話ということになりますね?」
 善場:「はい。今、それを目下のところ研究中です。実際、Aウィルスワクチンなる物も開発されています。これはAウィルスという、感染者をクリーチャーに変えてしまう生物兵器ウィルスの1つなのですが、今までの他のウィルスと違うのは、感染して発症した場合、もう治療の手立てが無かったわけですが、Aウィルスにあっては、例え発症してクリーチャー化したとしても、ワクチンを投与すれば元の生物に戻れるという特徴があります」
 愛原:「それは画期的ですね」
 善場:「あいにくとそれはAウィルスに対する専用ワクチンですので、Aウィルスにしか効かないのですが、しかしそれを見ても、リサ・トレヴァーを人間に戻す薬を開発することは可能だと言えるわけです」
 愛原:「当てはあるんでしたね?」
 善場:「ええ。『0番』を見つければ。恐らく『0番』がカギです。『1番』が『0番』のことを知っているはず」

 アメリカのオリジナル版リサ・トレヴァーも元は人間だった。
 その研究を引き継いだのが日本アンブレラ。
 アメリカの本体は、廃棄処分となったオリジナルからGウィルスなどを検出しただけに過ぎない。
 本体はそこから更に新たな生物兵器の開発に乗り出したが、日本は違った。
 あくまでも、リサ・トレヴァーそのものを兵器として使うことを模索した。
 海外では21世紀に入って何年もしてからようやく『少女兵器』に注目したが、日本では既に20世紀の時点で注目していたのである。
 さすがは萌え文化の国だ。

 善場:「その『1番』を捕まえるのです。『2番』のリサと違い、何の制御もされていない『1番』を放置しておくのは危険です」
 愛原:「はい。仰る通りです」

 私は大きく頷いた。

[11月7日06:00.天候:晴 同町内 ダイワリンクホテル会津田島2F 愛原と高橋の部屋→1Fレストラン]

 枕元に置いたスマホのアラームが起床時刻を伝える。

 愛原:「ううん……」

 私は手を伸ばしてアラームを止めた。

 愛原:「おい、高橋。朝だぞ。起きろ」
 高橋:「うス……。少年院だと6時半起床なんスよ……」
 愛原:「そうかもしれないが、今日は6時起床だ」

 私はベッドから起きると、部屋の照明を点けた。

 愛原:「先に顔洗ってくるからな?」
 高橋:「ういっス」

 私は電気シェーバーを持ってバスルームに向かった。

 朝の支度が終わる頃には、6時半を過ぎていた。
 部屋を出て、急いで朝食を済まさなくてはならない。
 階段を下りて1階のレストランに行くと、既に善場主任とリサはいた。

 愛原:「おはようございます」
 善場:「おはようございます」
 リサ:「おはよっ!」

 どうやら、あれから何の異常も無かったようだ。
 ただ、いつも食欲旺盛なリサが、更に食欲が旺盛になっていた。
 朝食レストラン会場はバイキングだが、山盛りにした料理をペロリと平らげて尚お代わりをしているのである。

 愛原:「どうでした?」
 善場:「想定通りに行けましたよ。ちゃんと両手の掌から触手を出せるようになりました」

 いつもはポーカーフェイスの善場主任が、少し微笑を浮かべて答えた。

 愛原:「それは良かった。しかし、随分と食べるみたいですが?」
 善場:「変化によるエネルギー消耗の弊害です。そのこと自体は想定していましたが、さすがにこの勢いは想定を少し超えましたね」
 愛原:「リサ、気持ちは分かるが、腹8分目にしておけよ?腹がパンパンになったら、戦いにくいだろう?」
 リサ:「それもそうだね」

 後から栗原姉妹がやってきた。
 さすがにリサが積み上げた皿の数にはドン引きしていた。
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“私立探偵 愛原学” 「南会津での一夜」

2020-11-18 15:15:03 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月6日18:30.天候:晴 福島県南会津郡南会津町 麺や焚く蔵]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 今日は霧生市から少し離れた町、南会津町で一泊する。
 ホテルにチェックインした後、夕食を取りに再び出発する。
 そこは新しめのラーメン店であり、国道289号線バイパス沿いにあった。
 6人で夕食時ということもあり、少しだけ席が空くのを待って、それからテーブル席へ通された。

 善場:「ラーメンなら予算内です。好きな物注文してください」
 愛原:「ありがとうございます」
 リサ:「このメニュー全部!」
 高橋:「先輩ホストの奢りか!」
 栗原蓮華:「化け物が……」
 愛原:「チャーシュー麺とギョーザ5個いいですか?」
 善場:「ビールもいいですよ。一杯まででしたら」
 愛原:「いいんですか!?」
 善場:「何せ所長方には、これから死地に赴いて頂くことになりますから」
 愛原:「死地ねぇ……」
 リサ:「私は『2番』で、敵は『1番』だよねぇ?」
 高橋:「『7番』の七じゃねぇ!死亡フラグ立ちまくりの戦地って意味だよ!」
 愛原:「それでは、瓶ビール頂きます。高橋の分もいいですか?」
 善場:「結構ですよ。あなた達もドリンク頼んでいいですからね」
 リサ:「じゃあ私も先生と同じので」
 善場:「あと5年ガマンしなさい」
 愛原:「暴走するからやめろ」
 リサ:「JCが何言ってやがんだ」
 栗原愛里:「ぷっ!くくく……!」

 私達のやり取りに、リサとはなるべく離れた対角線上に座っていた栗原愛里さんが吹き出してしまった。

 愛原:「あはは……。こんな感じでね、いつもやらせてもらってます」
 栗原蓮華:「そうですか」
 愛原:「『化け物と仲良くしやがって気持ち悪い』と思うかもしれないが……」
 善場:「もしもこのコが1人でも人間を捕食していたら、殺処分は当たり前です。しかし、このコからはそのような証拠を取ることができませんでした。そこで私達の組織は、このコを人間に戻すプランの対象にしたわけです。このように、人間と仲良くするのも、そのプランの1つです。いくら見た目が人間でも、中身が化け物のままでは意味がありませんからね」

 もちろん、中身が人間で外側が化け物でも困るが。
 まあ、ディズニーのアニメみたいな感じにはなりそうだが。

 蓮華:「ウーロン茶ください」
 愛里:「わ、私もウーロン茶で」
 リサ:「じゃあ、オレンジジンジャー」
 善場:「すいません。まずはドリンクから注文お願いします」

 善場主任は店員を呼んで、まずはドリンクから注文した。
 ラーメン屋なのだが、ノリが明らかに居酒屋である。
 いや、ここにいるのが大人だけだったら、駅前の居酒屋でも良かったのだろうが。
 その後でラーメンやら何やら注文する。

 高橋:「先生はオーソドックスにチャーシュー麺とギョーザですか」
 愛原:「うん。『フツウガステキ』だよ」
 高橋:「何かの呪文っスね!さすがっス!」

 高橋はササッと私の言葉をメモに取った。
 リサの場合、私と同じチャーシュー麺を注文したまでは良かったものの、それが麺大盛りな上、更に唐揚げまで注文した。
 ラーメンが食べたいと言っておきながら、チャーハンの写真を見て迷っていたが。
 善場主任がむしろラーメンではなく、チャーハン。
 肉チャーハンと唐揚げを頼んでいた。
 ドリンクはノンアルビール。
 引率者として、さすがにアルコールは御法度か。
 栗原姉妹達は味玉中華そばとか、味噌チャーシュー麺とか頼んでいた。
 で、高橋は味噌野菜ラーメン。
 確かこいつ、いつもラーメン屋ではタンメン系を頼むんだった。

 高橋:「さっ、センセ!まずは一杯」
 愛原:「おっ、ありがとう」

 私は高橋からグラスにビールを注いでもらった。

 愛原:「お前もやれ」
 高橋:「あざっス!」

 私も高橋に返してやる。

 リサ:「次、わたし!私にもやらせて!」

 リサがお酌を買って出た。

 愛原:「ああ。次、頼むよ」
 善場:「明日は激戦地に赴きます。今のうちに盛大にやってください」
 蓮華:「愛里、あなたはホテルに残ってていいんだよ?」
 愛里:「私も家に帰ってみたい」

 霧生市では至る所で火災が起きていた。
 ゾンビパラダイスと化したあの町で、消火活動など思うようにできるわけもなく、地区によっては、まるで震災の後の火災のように焦土と化した所もあるという。
 口に出しては言えないが、果たしてこのコ達の家は無事なのだろうか。
 因みにこの時点で、リサも蓮華さんも私服に着替えている。

 愛原:「主任、現地へは車ですよね?」
 善場:「はい。私の部下が迎えに来ますので、それで向かいます」
 愛原:「そうですか」

 おおかたハイエースが1台、運転役と補佐役の部下2人で迎えに来るって感じだろう。
 別のホテルに泊まっているのかもしれない。

[同日19:30.天候:晴 同町内 麺や焚く蔵→ファミリーマート]

 夕食を終え、店舗を出た私達。
 善場主任は領収証を切ってもらっていたから、後で組織に請求するのだろう。
 最近はレジで単なるレシートではなく、法律上認められる領収証を発行できる。
 善場主任もそれを受け取っていた。
 ホテルに戻る際、途中にコンビニがある。

 高橋:「先生、俺タバコ買ってきます」
 愛原:「そうか。じゃあ、俺は外で待ってよう」

 他にも栗原姉妹がコンビニに入っていった。

 善場:「愛原所長、ちょっとよろしいですか?」
 愛原:「あ、はい。何でしょう?」
 善場:「所長が八丈島から帰宅された時、私が申し上げたことを覚えていらっしゃますか?」
 愛原:「八丈島から帰った時?えーと……」

 私は首を傾げた。

 善場:「秘密兵器を用意している旨、申し上げたと思いますが?」
 愛原:「おっ、そうだ!でも結局、何も無かったと思いますけど……」
 善場:「ええ。それがようやく用意できたので、早速リサに試してみたいと思うのです」
 愛原:「何ですか、それは?」
 善場:「ネメシスの遺伝子情報です。元々ネメシスの遺伝子情報は、アメリカのオリジナル版リサ・トレヴァーから採取されたものです」

 その為、ネメシスやG生物の生みの親とも言える存在である。

 善場:「それをリサに投与したい思います」
 愛原:「えっ!?大丈夫なんですか!?」
 善場:「はい。元々はリサ・トレヴァーの体内にあったものですし」
 愛原:「だったら、別に投与しなくてもいいんじゃ?」
 善場:「強化の為です。恐らく『1番』は現在の『2番』より強くなっていると思われます。これは極秘情報なのですが、既に散発状態で、現地ではBSAAとリサ・トレヴァー達との小競り合いが発生していまして……」
 愛原:「えっ?」
 善場:「その戦闘データによりますと、『2番』のリサよりも格段に強いことが分かりました。こちらも『2番』を強化しておく必要があります」
 愛原:「変に化け物になったりはしないですよね?」
 善場:「大丈夫です。数字上は今のリサが暴走するようなことはありません」
 愛原:「分かりました。主任を信じます」
 善場:「ありがとうございます」

 うちのリサですら、ラスボスを張れるほどの強さだぞ?
 裏ボスくらいの強さがあるというのか。
 蓮華さんが言っていたのだが、うちのリサは既に学校でもラスボスの片鱗を見せていて、イジメのスタイルでよくあるのが、『特定の1人を全員がイジメる』というものだが、リサはその逆。
 『リサ1人が全員をイジメる』スタイルなのだという。
 リサとしては仲良く遊んでいるつもりだが、既に多くの生徒を『捕食』していて、『捕食』された生徒はリサの言う事を聞くようになるのだという。
 リサの周りにはいつも人がいて人気者のように見えるのは、実は斉藤絵恋さんを中心とした取り巻きなのである。
 リサに突っかかる者は後で『捕食』される。
 そして、既に『捕食』された側が、リサの『捕食』を手伝う有り様なのだそうだ。
 学校を停学になってから、リサの中で何か吹っ切れたらしい。
 学校の中では『捕食』していないらしいが……。
 それでも、本当に食人して強化されている『1番』よりも弱いというのか。
 蓮華さんは決闘に負けた以上、リサをどうこうすることは無くなった。
 自分の妹が『捕食』されなければ動かないようだし、そもそも妹は無期限停学状態だ。
 上級BOWはどうしても、独占欲や支配欲が強いらしい。

 愛原:「リサ。そういうわけだ。受けてくれるな?」
 リサ:「うん。頑張る」
 愛原:「偉いぞ」

 私はリサの頭を撫でた。
 照れ笑いを浮かべるこの少女は、とても裏で支配欲を満たしているとは思えぬものだった。
コメント (1)
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