歌舞伎座で「仮名手本忠臣蔵」を観てきました。
まずは、口上を述べる人形が出てきて、エッヘン、と咳払いをしながら出演者全員を紹介。
こういうのは初めてなので新鮮でした。
その後、定式幕が静々と開くとそこには、雛人形のようにずらりと並んだ役者さん達が目をつぶり俯いて身じろぎもしません。
暫くして目をカッと見開いて動き出す・・・など斬新な演出に思えました。
とても美しい図で、まるで錦絵のよう。
仮名手本忠臣蔵の通し狂言を観たのは、これが初めてだったのですが、いつもこういう始まりなのかしら?それとも今回が初めてなのか・・・謎。
海老蔵の高師直は、憎々しいほ居丈高な嫌味な男で、塩冶判官の妻顔世御前に言い寄るところなどは特にはまり役だなあ・・・と思って見ていました。眼力も凄く、この人が出てくると観客がグッと舞台に引き寄せられる気配が伝わってきます。
これが華というものなんでしょうね
染五郎と菊之助、七之助は清新な美しさで、佇んでいるだけで絵になる3人でした。
若手中心の舞台を玉三郎と幸四郎という重鎮のお二人がしっかり支えて、華やかだけど見応えのある忠臣蔵で、今まで観た中でも一番面白かったです。
驚いたのは、海老蔵と玉三郎のおかる勘平の道行です。
さっきまで口角泡を飛ばしながら塩冶判官の菊之助を苛めていた海老蔵が、道行では打って変わって見目麗しい二枚目の勘平に(一人二役です)。
なんの穢れもないような涼しい顔をした純情そうな若者にしか見えない海老蔵さん。あなたってやっぱり凄い人ですね
これじゃ女がころっと騙されてもしかたないなぁ・・・
玉三郎さんも初々しく可愛い~い この二人をずーっと見ていたいくらいでした。
2列目の花道近くの席だったので、ホントため息モノでございました
眼福眼福
そういえば、福助さんの歌右衛門襲名が延期になったそうで心配です。
仁左衛門さんといい三津五郎さん、福助さん。早くお元気になってまた素晴らしい芸を見せて下さい、と祈らずにはいられません。