マーリンの美味しい生活

ストレス解消は観劇と食べ歩き。

図書館危機

2013年09月24日 | 
有川浩さんの「図書館戦争」シリーズにはまり中。

図書館戦争、図書館内乱、図書館危機、と三冊読んで残すは図書館革命。

実に面白い。そして考えさせられる。

「危機」では、禁止用語が一つのテーマになっていたが、私はこの本を読むまで「床屋」という言葉が禁止用語だなんて知らなかった。当事者に愛着のある言葉を、無関係な第三者がねじ曲げた解釈で差別的な言葉だと指定してしまう。

爺ちゃんや床屋組合の爺ちゃんの仲間達は、誇りを持って自分たちのことを「床屋」と言ってるのに、その言葉を知らぬ間に「理髪店」とか「理髪師」という言葉に替えてしまうというのは「床屋」を蔑んでいるように感じられる。それは逆に差別してるということにほかならないんじゃないか・・・と香坂君は考えている。

表現の自由って難しいよね。

最近では「はだしのゲン」が記憶に新しい。

そんなことを考えつつ、郁と堂上教官の恋の行方も気になる今の私。

早く続きが読みたい~

続きといえば、先日終わった「半澤直樹」の最終回を見た限りでは、続編ありそうな予感。


ロミジュリ3回目

2013年09月19日 | ミュージカル
早くも3回目のロミジュリ。もはやビョーキですな



初めてのS席、20列目でしたが、やはり2階や3階と比べると舞台に近いっ
でもオペラグラスは手放せません。

本日(9/18)のキャストは、ロミオ:柿澤勇人
         ジュリエット:フランク莉奈
         ティボルト:城田優
         ベンヴォーリオ:平方元基
         マキューシオ:水田航生
         死のダンサー:中島周

柿沢くんのロミオは、3人の中で一番熱いロミオでした。情熱的だししっかりしてます。
劇団四季でライオンキングのシンバを演っていただけあって、声もよく出るし歌唱力もありますね。

水田君のマキューシオは東山君に比べるとちょっとおとなし目で可愛い
東山くんのほうが凄みがあった。

でも結構水田くんのマキューシオ、好きでした。

そして死のダンサー、中島周さん。

ふと気配を感じてそちらを見ると、いつの間にかそこに居る・・・存在感を感じさせない存在感が凄い

宮尾さんや大貫さんが動だとしたら静の演技。

そしてどのポーズを切り取ってみても芸術的に美しいです。

そんな能面のような無表情の中に、ロミオやティボルトに寄り添って同じような表情をしているのを見た時ゾクゾクっとしました。

宮尾さんと大貫さんは、ロミオ達を激しく執拗に死へと誘う死神のような感じがしたのですが、中島さんは、彼らの死への怯えとか不安、憧れ、平安というものを体現しているように感じられました。

最後、赤い十字架に磔にされたような彼の姿は、キリスト=神 又は 殉教者の様に見えました。

こう感じたのは3度目の中島さんの死を観て初めてのことでした。

カテコでも大貫さんは、お茶目に側転とかしてましたが、中島さんは静かに死のままの雰囲気。

やはり中島さんの死のダンサーは素晴らしかったです。

もう一度観たい

九月花形歌舞伎 陰陽師

2013年09月17日 | 歌舞伎
歌舞伎座夜の部は新作歌舞伎「陰陽師」。

なんと前から2列目です。

夢枕獏さんの作品を若手花形役者勢ぞろいでこんなに良い席で観られるとは眼福。



陰陽師といえば、野村萬斎さんの安倍晴明が美しかったなぁ・・・と。

でも、染五郎も貴公子然とした綺麗な安倍晴明でした。

お酒を飲みながら(飲ませながら?)狐と戯れるところなど見ていて可愛くて楽しかった。お茶目な晴明です。

時は平安、夜な夜な魑魅魍魎が跋扈する都で、晴明と博雅(勘九郎)は美しい姫に遭遇する。

この滝夜叉姫(菊之助)がまた美しい。そして将門(海老蔵)も凛々しい。

1幕では、時代を遡って20年前の平将門の乱からが描かれています。
海老蔵の将門とその親友で将門を討伐に来た俵藤太(松緑)、彼に思いを寄せる桔梗(七之助)、将門を操る悪魔のような興世王(愛之助)を中心に、虐げられている民のために尽くそうと東国に帰った将門が、興世王(実は藤原純友)の計略によって妻子や家来を惨殺され我が子の死肉を食らって憎しみの鬼に変容していく様子が語られます。

この辺はかなりリアルで酷たらしい。だからこそ将門の怨念が理解できる。

2幕になり晴明と博雅が怪事件の真相究明に乗り出します。

3幕では蘇った将門と娘の滝夜叉姫との再会の場面が感動的でした。

筋書きが面白い上にそれぞれの役者がいい味出しています。

晴明の染五郎も良かったけど、海老蔵の鬼気迫る将門は素晴らしかったです。松緑と勘九郎もピッタリの役柄でとても良かったです。あとは愛之助と亀蔵さんが面白かったな。

新作歌舞伎にしては、良く出来ていて面白いです。

セリフも割りと普通っぽいので歌舞伎を初めて見る人にも理解しやすいのでは。

初日に幕見で観た友人からは、「期待してたのに思ったより地味でがっかりした。」と聞いていたのですが、大ムカデ退治のところやら将門と興世王の大詰めの場面など、なかなかスペクタクルなシーンもあり、人間ドラマもしっかり描かれていたのでそんなことないのになぁ~と思いましたよ。

あ~面白かった







ロミオ&ジュリエット 2回目

2013年09月16日 | ミュージカル
早くもロミジュリ2回目の観劇です。

台風の中、渋谷のシアターオーブに行って参りました。

HPで確認したところ全線ストップでない限り上演はするとのことでしたので。

台風による交通機関の乱れを考慮して約10分遅れてスタート。それでも遅れて来る人多数いました。

完売の公演なのに、空席もチラホラ。台風の影響でどうしても来ることができなかった方は、他日の公演に振替してくれるそうですよ。

実は、今回は城田ティボルトが観てみたくてチケットを取っていたものの、やはり城田ロミオも観たくなり本日分のチケットを買い足しちゃいました。

3階席の3列目でしたが、よ~く見えました。

特に照明が美しかった。セットの上の方で演技する人も多いので近くて得した気分。トイレも近いしそんなに混まないのでオーブの3階席はオススメかも。

先日観たキャストとかぶってないのと終演後のトークイベントに惹かれて本日(16日)に決定。

本日のキャスト  ロミオ:城田優
         ジュリエット:フランク莉奈
         ティボルト:加藤和樹
         ベンヴォーリオ:尾上松也
         死のダンサー:大貫勇輔
         マーキューシオは先日も今日も東山君

いや~先日は、城田くんはティボルトがいいんじゃないの?と思いましたが、ロミオもいいです

ティボルトの時とはガラッと表情も声も変えていて、いかにも人の良さそうな純情なボンボンといった感じに驚きました。

夢見るような瞳がキラキラしててサラサラの金髪が頬にかかって、まさに少女漫画の王子様のようでしたよ。
甘くせつない声で歌う歌も胸をくすぐられます。ティボルトとロミオ演じ分けられるなんて、やっぱり城田君は上手いなぁと感心した次第。

そしてティボルトの加藤和樹さんが、これまたカッコイイの。

ティボルトの屈折した感情は、城田ティボルトよりも強く感じられた。歌も凄く迫力あるし。城田くんのほうが少し優しい感じかな。どっちもいいんだけどね。

尾上松也君は、歌舞伎役者さんですがとても歌がお上手ですね。ダンスもキレがありました。
嵐の大野くんを彷彿とさせるキャラ。

死のダンサーの大貫勇輔さん。重力を感じないような身のこなしが素晴らしかったです。影のように床をするすると這いまわったり、蛇のように腕をくねくねさせながら梯子を上ったりとちょっと女性的な感じさえ受ける優雅さなのに、工事現場の足場のような高くて狭いところでも跳ねたり踊ったりするので落下しないかとハラハラドキドキしてしまいました。

ねっとりと絡みつくような表情でロミオ達を見つめていたり、時には笑みを浮かべ、時には荒々しくととても表情豊かでした。前回の公演で観た時よりも確実にパワーアップしている感じがしました。

今回死のダンサーを3人観られるのも楽しみの一つです。次の公演はもちろん中島周さん。


素晴らしくエネルギッシュなステージで感動。カテコでは城田ロミオよりご挨拶があり「この公演を通して愛すること思いやることの素晴らしさを感じて戴けたら嬉しいです」みたいなことを仰っていました。

終演後はスペシャルイベントがあり、城田優、加藤和樹、尾上松也、平方元基、東山光明、水田航生が登場。

ここは観て欲しい!と思うところは?との質問に、尾上君のダンスと決闘のシーンの声複数。

そして加藤くんがマキューシオが大好きなので一度やってみたいとのことで、加藤君を加えたマキューシオ3人とベンヴォーリオ2人でロミオを仮面舞踏会に誘うシーンを歌って踊って再現。

加藤和樹さんのマキューシオ良かったですよ~セリフも歌も全部覚えてるそうで、「だって好きなんだもん!」とのことでした。

貴重なもの観られてラッキー

城田くん、千秋楽には客席の皆んなと一緒に「世界の王」をフリもつけて歌いたいとのことで、フリを少し練習しましたよ。

ハードな舞台で疲れているでしょうにサービス精神満点の城田座長でございました。

ロビーではリピーターチケットを求める列ができていましたよ。

来る時は大嵐でしたが、帰る時は台風一過の青空が広がり遠くに富士山がくっきりと見えました。

本日も乳母とジュリエットのシーンでホロリ。

「ありがとう」
「なんでお礼なんか?」
「だって今まで育ててくれた・・」
「私はお嬢様が幸せならそれでいいんですよ。」

母親なら皆んなこのシーンでもらい泣きするよね

東京の後、梅田芸術劇場公演もあるそうなので、関西方面の方もそうでない方もお早めに良いお席を確保しておいたほうがいいですよ。

幕間に、城田の「エリザベート」観とけば良かった~と言ってる人も。

もう一度城田トート観てみたいけど、彼は常に新しいことにチャレンジしたい人みたいだから無理かな。

次は大沢たかお版の「ファントム」をやるそうなのでこちらも楽しみ










ミュージカル ロミオ&ジュリエット

2013年09月14日 | ミュージカル
本日、MY初日です。










席は2階A席。8列目。何故か6、7列目がガラ空き。団体さんのキャンセルでもあったのかしら?

前回公演時は、一度観て虜になり、リピートにつぐリピート、全部城田ロミオで一体何回観たことやら。

あげくの果てに、友人ともう一回中島周さんの死が観たいと大阪遠征決行。

その時初めて山崎くんのロミオを観ました。

今回も死は3バージョン観る予定。

本日の主な日替わりキャスト ロミオ:古川雄大 
              ジュリエット:フランク莉奈(清水くるみ怪我のため)
              ベンヴォーリオ:平方元基
              ティボルト:城田優
              死:宮尾俊太郎

いや~やっぱり「ロミジュリ」はいいわぁ

スマホやらメールやらの言葉が飛び交うのも違和感はあるもののそれほど気にならず。

ヒョウ柄とゼブラ柄の衣装はもうちょっとどうにかならないかしら?と思うのですが。

モンタギューとキャピュレット両者が入り乱れてると、視覚的ににごちゃごちゃしてて誰が誰だかわからないんだもの。この点は色だけで分かれていた宝塚版の方がスッキリしてて良かったと思う。

しかし城田ティボルトだけは抜きん出て大きいので何処にいても目立ちます。いかにもリーダーって感じ。

モンタギューの方々は、全体に小柄なので時々ロミオは何処?って探しちゃった。(2階席だったものでオペラグラスは必携)

古川ロミオは、柚希礼音さんのロミオのように、少年ぽく儚く可愛らしいロミオでした。

歌もダンスも上手。

莉奈ジュリエットも前回より安定感がありとても良かった。

可愛らしいカップルです

ベンヴォーリオ、前回は浦井健治くんでもっと弾けてた感じでしたが、平方君はロミオの保護者的な包み込むような温かいベンヴォーリオでした。

宮尾俊太郎さんの死のダンサーは、怖いくらいの表情でロミオを凝視し死へと誘っていくのですが、とにかくよく動くのでついついオペラグラスでその姿を追っていました。(前回の死のダンサーもこんなに動いてたのかしら?記憶が・・・

素晴らしいテクニックと妖しい雰囲気に目は釘付けでした。

城田優くんのティボルト、良かったです。いかにもリーダーらしい堂々たる姿とキャピュレットの跡取りとして一人悩む孤独な姿、歌い上げる声に説得力がありました。やっぱり上手い ロミオよりティボルトの方が似合うような気がする。

大好きな乳母とジュリエットのシーン。グッときます

世界の王や乳母とモンタギューの若者たちとのシーンはやっぱり楽しい。

脇を固めるベテラン俳優さんも皆な歌唱力も演技力も抜群の方々なので大満足の舞台でした。

カテコでは古川君の挨拶がありました。

二度目のカテコでは古川君が緊張のあまり城田君に無茶ブリ、城田くん曰く「古川君は一週間ぶりのロミオで凄く緊張していました。次はまた一週間後なのでまた緊張してるだろうから皆さん応援宜しくお願いします」みたいなことでした。

帰りのエレベーター内で「城田はティボルトのほうが似合うね。」という声しきり。やっぱそうだよね

次は城田ロミオと加藤和樹ティボ、大貫勇輔さんの死。 

楽しみです。


爪と目

2013年09月13日 | 
2013年の芥川賞受賞作、藤野可織さんの「爪と目」。

短い作品で読みやすい文章だったのであっという間に読めちゃいました。

3歳の娘の目から観た父の不倫相手(後の継母)の描写が淡々と続くのですが、最後に読者もぎゃっというような行動に出るところがホラーチックでした。

「私」のギザギザの爪と「あなた」のコンタクトレンズで傷ついた目が、二人の荒んだ心模様を象徴しているように思えます。




トゥーランドット臥龍居

2013年09月10日 | グルメ
友人との食事会。

何年ぶりかで脇屋シェフのレストランへ。

以前、トゥーランドット大使館、トゥーランドット游仙境、一笑美茶寮、隠れ家WAKIYA には行ったことがあるのですが、
臥龍居は初めて。

脇屋さんの中華はちょっとピリ辛で私好み。期待でワクワク。

赤坂駅からちょっと迷いそうになりながら一笑美茶寮や菊乃井の前を通り過ぎ何とかたどり着きました。

外で食べられるテラス席もあるのですね。

お店に入ると一階は大きなホール席。私達は何故か三階の個室に通されました。本当は三階は臥龍居ではなくて迎賓茶寮でランチは7350円~ということで、ちょっとビビりながら臥龍居を予約したのですがと告げると、ホールは満席なのでこちらでどうぞとのこと。ちょっと得した気分。

ホームページで観た5,250円のフカヒレ付きコースを注文。


いろいろ野菜と極吟豆腐、炙りチャーシューのオードブル 真ん中のフルーツトマトは糖度が凄い。


トウモロコシの甘みたっぷり冷製スープ くりりんカボチャの春巻き添え トウモロコシの甘さが半端じゃない。
かぼちゃも甘くてまるでデザートのよう。


活オマール海老と伊達鶏の朝天唐辛子ヒーヒーアーヒー炒め オマールのぶつ切りがゴロゴロ入ってます。鶏も美味でござる。


フカヒレ胸びれの上海風煮込み 胸ビレとはいえ立派なフカヒレ、ご飯も付いてるのでこの中に投入してフカヒレあんかけご飯にも。


本日のお食事 アサリそばアサリの旨みたっぷりのスープがたまりません。 激辛坦々麺 めちゃめちゃ辛~い(夢中で食べちゃったのでこの2品は写真にはスープしか写ってない) 胡麻ダレの冷やしそば 辛いものの後に食べるとお口がさっぱりするわ~


臥龍居 お楽しみデザート バナナのプリンとマンゴープリン

脇屋の選んだお茶  凍頂烏龍茶

期待を裏切られること無く本当に大満足。

麺も3種類の中から選ぶのですが、全種類少しづつ食べられるというのもとても親切ですね。私はアサリそばが一番気に入りました。お店の方の話では、アサリは女性に 担々麺は男性に人気なんだそうです。納得

個室で周りを気にせず色々な話もできて大当たりのランチ会でした。

染五郎さんの高麗屋の逸品

2013年09月09日 | 歌舞伎
ある情報誌に染五郎さんが書いていた、染ちゃんの考えた妄想グッズの数々。

その中でも、特に気になったのが、食玩付き歌舞伎揚げ。

黒子さんとか雪を降らす籠とか附け打ちとかのフィギュアがおまけで付いてくる歌舞伎揚げだそうです。

グリコのように箱に入ってます。

役者のフィギュアじゃなくて裏方っぽい物のフィギュアというのがいいですね。

もし本当に歌舞伎座で売ってたら買いますよ~

東野圭吾 「夢幻花」

2013年09月09日 | 
とても読みやすい文章で一日で一気に読んでしまった。

惨たらしい通り魔事件からこの物語は始まる。

夢幻花と呼ばれる花が引き起こす悲劇とその花に人生を翻弄される人々。

それに原子力に夢を託していたのに裏切られた若者が重なる。

東野圭吾さんが本当に書きたかったのは、多分エピローグのこの青年の思いだろう。





安野光雅 「御所の花展」

2013年09月06日 | 


日本橋高島屋で開催中の展覧会に行ってきました。

日曜美術館のアートシーンやニュースでも取り上げられたせいかとても賑わっていました。

会場には安野氏が御所でスケッチした130点あまりの絵画が展示されていましたが、どれも派手さはなく風に吹かれてそよそよと揺れるような楚々とした花々が描かれていたのが印象的でした。

皇后陛下のお印である白樺は美智子様が種から育てられたのだとか・・・色々な興味深いエピソードも。

カタクリの花など珍しい花もいっぱい。


かもめ

2013年09月05日 | 舞台・映画
シアターコクーンにて「かもめ」観劇。



実は、今まで「桜の園」「かもめ」「三人姉妹」などを観たことがあったんだけど一度たりとも面白いと思ったことがなかったのです。・・・というか退屈~でした。そんなわけで私の中では、チェーホフ=退屈な芝居のイメージが強かった。

ところがところが、今日観たケラ版の「かもめ」はそんな私のイメージを180度引っくり返してくれました。

実に面白かった~

最初チラシを見た時は、チェーホフだからやめようと思ったんだけど、野村萬斎さん、大竹しのぶさん、生田斗真くん、蒼井優さん、梅沢昌代さん、浅野和之さん・・・などなど錚々たる顔ぶれなので、面白くなりそうとおもったのですが。

まさにその通り。以前観た「かもめ」と本当に同じ物語?と思うほど違い、すーっと心に沁みるものがありました。

胸に響くセリフもあちらこちらにあり共感できるところも多かったです。

大竹しのぶさん大熱演ですメイクもロシア人のおばさん風で(特に眉毛)、自己愛が強く母よりも女の部分が強い大女優の役がピッタリです。

野村萬斎さんの女ったらしの作家は品があるので、フラれてもなお彼が好きでたまらないと言うニーナ(蒼井優)の気持ちもわかります。

母にも愛するニーナにも拒絶されて自暴自棄になる生田斗真君が痛々しかった。斗真くんはテレビなどで見るよりもずっと彫りが深くて外人ぽかったです。隣の席の(多分萬斎さんのファンと思しき)おばさまたちは、斗真くんを見て「あの方ハーフ?」と話してらっしゃいましたよ。

全体的にアンニュイな雰囲気で結末も暗い話なんですが、山崎一さんの飄々とした存在や大竹しのぶさんのはじけ方が笑いを誘って舞台を明るくしていました。

演出によって同じ戯曲でもこうも変わるものなのですね~今まで観たどのチェーホフよりも馴染みやすく面白かったです

友人の話では、ケラさんはチェーホフのこの芝居を喜劇ととらえていると語ってらしたとか。納得です。


真田十勇士

2013年09月03日 | 舞台・映画
赤坂ACTシアターで上川隆也さん主演の舞台「真田十勇士」を観てきました。


【キャスト】
真田幸村 - 上川隆也
猿飛佐助 - 柳下大
ハナ・花風 - 倉科カナ
霧隠才蔵 - 葛山信吾
服部半蔵 - 山口馬木也
由利鎌之助 - 松田賢二
真田大助 - 渡部秀
豊臣秀頼 - 相馬圭祐
大野修理亮治長 - 小須田康人
根津甚八 - 粟根まこと
望月六郎 - 植本潤
三好清海入道 - 小林正寛
大野治房 - 俊藤光利
三好伊佐入道 - 佐藤銀平
穴山小介 - 玉置玲央
筧十蔵 - 三津谷亮
淀の方 - 賀来千香子
徳川家康 - 里見浩太朗

【スタッフ】
脚本:中島かずき
演出:宮田慶子
音楽:井上鑑、吉田兄弟
題字:紫舟
主題歌:中島みゆき「月はそこにいる」
美術:伊藤雅子
照明:中川隆一
音響:長野朋美
衣裳:有村淳
ヘアメイク:宮内宏明
殺陣:渥美博
殺陣助手:亀山ゆうみ
演出助手:髙野玲
舞台監督:榎太郎


まあ~そのカッコイイことと言ったら

さすが劇団☆新感線の中島かずきさん

上川幸村を中心に十勇士一人一人のキャラが立っていて、殺陣一つとってみてもそれぞれ個性的な戦い方でとっても面白かった。一輪車に乗りながらとかバク転をしながらとか・・・忍者流の殺陣だそうですが、こんな凄いの初めて観た



ビジュアル的には、霧隠才蔵の立ち姿が素敵に美しく・・・どなたが演じてらっしゃるのかしら?と思ってポスター見たら葛山信吾さんでした。ちょっと井浦新さんに似た翳のある横顔がとてもかっこよかった

滑舌も良く舞台映えする姿と声

由良鎌之助役の松田さんもかっこよかったな。

男性ばかりのこの舞台に華を添えるお二人。

秀頼を溺愛しているヒステリックな淀君に賀来千香子さん。

激流でのあの先生のようでちょっとコワイです。

めし屋を一人で切り盛りしているハナに倉島カナさん。

こちらは可憐な皆んなのアイドル・・・しかしてその実態は

テレビドラマでは印象が薄かったのですが、とってもお上手でした。

自然な演技でセリフがとても聞き取りやすく心地よく耳に響きます。

上川さんはさすがの存在感でしたが、その上をいくこの方の存在が舞台を引き締めていました。

それは家康公の里見浩太朗さん。そこに居るだけで周りの空気が違います。

ラスト、真赤な空に大きな月が上り、十勇士の骸と幸村×家康を照らす中、流れる中島みゆきさんの曲「月はそこにいる」に心揺さぶられました 音楽の力は偉大なり。

最後、幸村を先頭に十勇士がVの字の隊列を組んで見得を切るのですが、めちゃめちゃかっけー

若手の俳優さん方は名前を存じ上げない方ばかりでしたが、皆さんイケメン揃いで演技も上手い。身体能力も高くてビックリ。これからが楽しみ。



カテコがオールスタンディングで、拍手がずっと鳴り止まなかったのが客席の興奮を物語っていました。

カネと暇があればリピートした~い

友人からもかっけー  衣装も音楽も俳優さんもいいけど、何よりストーリーが面白いっというメールがきました