新橋演舞場で「阿弖流爲」を観てきました。
2002年に初めて劇団☆新感線の舞台「アテルイ」を観たのも同じ演舞場だったなぁ。
あの時は、「劇団☆新感線が遂に大劇場進出!」と話題になったような記憶が。
あれから13年。
アテルイの染五郎はそのまま、坂上田村麻呂に勘九郎、立烏帽子・鈴鹿に七之助と装いも新たに歌舞伎化。
歌舞伎の役者さんと新感線流の演出・音楽・殺陣などが凄くマッチしてて全然違和感なし。
ギャグも本家に比べると品よくクスッと笑えるものでした。やはり歌舞伎のお客さんを意識したのでしょうね。
新感線の舞台に比べると年齢層も高く女性が多かったし。
正直、13年前に観た時の事は、染五郎と堤真一のカッコよさにうっとり
しスクリーンに「アテルイ」と出た瞬間に背筋がゾクゾクっとしたという記憶しかない。細かいことは忘れてしまったけど「すごい舞台だった!」と云うことだけは何故か覚えている。
そんな訳でと~っても楽しみにしてたのですが、予想以上の面白さでしたよ
劇場に入るとすぐに、光るリストバンドが渡されました。これは2幕のフィナーレで自動的に光るようになってるそうで。
花道は、両花道。
因みに今日の席は上手の花道側。
作品の素晴らしさは言うまでもなく、若手を中心とした役者さんたちの熱意と力量が光ってた舞台でした。
言葉が現代調の上に役者さん達の台詞回しが素晴らしいので早口のセリフでもよく聞き取れて分かり易い。
衣装の裾捌きなどの所作が美しい。
殺陣が凄い迫力。特に阿弖流爲と田村麻呂の戦うシーンなんて怪我しないかとハラハラドキドキ。
そして終盤、一瞬の隙を突いて阿弖流爲に傷を負わせた田村麻呂のなんともいえない悲しげな表情が今も目に焼き付いている。染五郎と勘九郎の演技が素晴らしかった。
女形を演ることが多い七之助ですが、立烏帽子は戦うシーンも多く七之助の新たな魅力発見。最近の成長ぶりは目覚ましいですね~
弥十郎の食えない悪人ぶりも良かったし、生きることに意地汚い亀蔵と健気な熊子の夫婦が面白かった。熊子、超カワイイ
色々と考えさせられることも多い舞台でした。
治世者が民を煽動する汚いやり方とかね・・・今でもあるよね。知らないうちに巻き込まれてるのかも・・・
七之助が亀蔵に向かって「何で熊?誰も突っ込まないから・・・」と言った後、亀蔵が熊子のいいところをあげ「鮭も捕ってくるんだ」と鮭を持って手をブルブルさせた(ふり)後、染五郎→七之助と次々に鮭を渡し「今日は千秋楽だから~」とアドリブを強要?してるのが面白かった。染五郎は鮭を引っ張って「さけた」とか言ってた。七之助はガブリと噛み付いて「柔らかい~」だったかな?
普段もこの場面はアドリブコーナーだったのでしょうか?それとも今日だけ特別?
フィナーレで舞台にはねぶたが登場。田村麻呂・阿弖流爲と書いてありました。
そして一斉に皆んなのリストバンドのライトが青・白に点滅してまるでトップスターのラスト・デイのよう。
本当は蝦夷の満天の星空なのですが
綺麗だけどちょっとしんみり。
カテコになった途端、オールスタンディングオベーション。
カテコ何回あったかな?何度目かのあと染ちゃんのご挨拶あり。
熊ちゃんも登場。一番拍手多かったかも
そして全員が花道を通って行く時には、皆さん花道に殺到、ハイタッチの嵐。
熊ちゃんの肉球にも
もちろん染ちゃん、勘九郎、七之助も。
最後は本当に千秋楽らしいお祭り騒ぎで楽しかったな~
普通の歌舞伎ではなかなかこういうことはないですもんね。
これから大阪公演もあるので行かれる方は楽しんでね!
私は、赤坂大歌舞伎と来月からの新感線の舞台がますます楽しみになりました