宝塚にやっと面白い本を書いてくれる座付作家さんが現れたと喜んでたのも束の間、退団されてショックを受けた方も多いであろう上田久美子氏。
彼女の退団後初の舞台作品『バイオーム』。
なんだか難しそうなお話だな、お手並み拝見と行くか…という感じでブリリアホールに足を運びました。
やはりウエクミさんは只者ではなかった。
不思議な世界観だったけど凄く面白くて一気に引き込まれました。
勿論、演者の皆さんの素晴らしい力量に依るところが大きいとは思いますが、ウエクミさんのデビュー作生で観られてよかった〜と心から思いました。
演出の一色さんは麒麟がくるや精霊の守り人を手掛けられた方なんですね。
先日読み終わったばかりの上橋菜穂子さんの『香君』も植物の声を聴くことの出来る少女の話でしたが、もし劇化するとしたらウエクミさんと一色さんで観たいなと思いました。
NHK BSプレミアムでやっていた『グリーンプラネット』で植物の凄さに驚かされたばかりだったので、ともえさんの話もすーっと入ってきました。
勘九郎さん、8歳の子供の演技素晴らしかった。
麻実れいさんは流石の存在感と包容力で囁くような時もはっきりセリフが聞き取れて凄いと思いました。
花總まりさん、クロマツの芽の愛らしさ可愛らしさと精神を病んでいる怜子の凄まじさとの対比に驚かされました。
成河さん、古川雄大君、野添さん、シリアスなところも面白いところもあり楽しませていただきました。
成河さんのマッチョなセコイア、古川君のマダムな薔薇、野添さんの盆栽が特にお気に入り。
安藤聖さん、はじめましてでしたがハキハキした台詞回しで好印象。
上演時間は休憩を挟んで3時間。
2階、3階席にはあまりお客さんが入ってなかったけど1階席はほぼ満席で、カテコは4回あり初日でも特にご挨拶はなかったけど最後はスタオベでした👏
ドロドロした内容にもかかわらず見終わった後は爽やかな気持ちに。
植物達に囲まれてたせいかしら?それとも壮大な宇宙に飛んでったせい?
一つ残念だったのは規制退場と言ってるのにもかかわらずゾロゾロ勝手に退出する人の多かったこと。
月組さんの『ロマンス劇場』やかなめさん出演の舞台を観に行った時はそんな人はほとんど見かけなかったのに。