とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

タイの洪水は、何故何時までも続いているのか?

2011-10-26 21:45:56 | ニュース
タイの洪水のニュースが何週間も前から続いている。ニュースで見る映像では、すごい雨が降っている様子も見えないのに、いまだに収束の見通しがないというのが、不思議に思えていた。日本では大雨が続いたとしても、何週間も続くことはなく数日で水が引いている。どういう事なのか、いろいろ調べてみた。

まず、雨が相当降っていたことは間違いないようだ。例年タイでは、雨季が終わる10月ごろある程度の洪水は起こっているらしい。そして、今年は台風がいくつもインドシナ半島に上陸して猛威を振るい、特別雨量が多かったことが大きな原因だ。また、上流にある2つのダムが大雨で満杯になり同時に放水した事も原因となっている。日本では川の長さが短いので、放水すれば翌日には海まで達してしまうが、タイの川は地形の関係で流れがゆっくりで、しかも海までたどりつくのに日数がかかるという。国土のほとんどが平坦に続いているので水の流れがものすごく遅いらしい。地形が日本とはまったく違うという事が最も大きな原因かもしれない。

また、その他の原因として経済成長による急激な森林伐採で、年々熱帯雨林が減少している事が考えられる。1980年からの10年間におけるタイの森林減少率は年率3.3%とAESEAN最大で、国土に占める林野の割合は25%まで急落しているという。そして、山間部では少数民族による「焼き畑」農業が今も続いていて、タイ北部で国境を接するミャンマーでは年間40万ヘクタールの森林が失われている上、その焼き畑の跡地への植林・造林は皆無だという。これらの原因によって熱帯雨林が減少したタイでは、森林の保水能力が失われ、雨水は計り知れない量となり大洪水となってしまったと考えられるそうだ。

異常気象が大きな原因ではあるが、人間による自然破壊がそれを助長していることは間違いないだろう。日本企業がたくさん進出して工業団地を形成しているというが、昔は水田や畑等で雨水を地下に浸透させる逃げ道だった場所かもしれない。今の状況は、人間が自然を大きく変えたことで、自然からの大きいしっぺ返しを受けているのかもしれない。