とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

ヒッグス粒子発見はノーベル賞もの

2012-07-05 20:00:37 | サイエンス
昨日は、久々にサイエンス系のニュースがトップニュースとしてテレビや新聞を賑わした。そのニュースとは、欧州合同原子核研究所(CERN)が4日、ヒッグス粒子とみられる新粒子を発見したと発表したことである。ヒッグス粒子とは、素粒子物理学の基礎となる「標準理論」で考えられた17種類の素粒子のうちの最後の1つとされ、今までは理論的にあると考えられていただけで、その存在は確認されていなかった物質である。

物質を細かく分けて行った時、かつては原子「アトム」が究極の物質と考えていた。だが原子は原子核と電子で構成され、されに原子核は陽子と中性子に分けられることがわかった。そして、さらに細かく分けることが出来ることがわかり、それが究極の物質となる素粒子である。その素粒子の中でも、最後まで存在が確認できなかったものがヒッグス粒子であり、その発見はまさにノーベル賞ものだという。ヒッグス粒子という名前は、その存在を提唱したヒッグス博士に由来する。

さて、ヒッグス粒子とは一体なんだろう。サイエンス系の雑誌で、その名前は聞いたことがあったが、あんまり良くわかっていなかった。今回の報道で、その重要性や性質が細かく報道され、新聞を読んだり、テレビの解説を見てしっかり勉強できた。それらの解説によれば、一般の素粒子は、ビッグバンで宇宙空間に誕生した時、何の抵抗を受けることもなく真空中を自由に運動していた。その時点では質量がなかったのである。しかし、その後真空の相転移が起こり、真空がヒッグス粒子の場で満たされてしまう。その時点で、自由に飛び交っていた素粒子がヒッグス粒子にくっつき質量を得ることとなり、様々な物質の誕生に繋がったというのである。

「神の粒子」と呼ばれるヒッグス粒子の存在は、この宇宙の物質が質量を持つ理由、ひいては銀河、惑星、そして人間が存在し得る理由を説明し、それによって物理学の「標準理論」の最後のピースを埋めることになるかもしれないというわけである。まさに、そんな究極の物質を発見したとあっては、物理学者たちは感動ものであろう。ただ、この発見がただちに人類の役に立つような発明や発見に結びつくものではない。宇宙の誕生に迫る一つの足がかりになっただけであり、さらに未知の発見に繋がっていくのかもしれない。科学っていうのは人間のあくなき好奇心によって何処までも限りなく先に進んでいくのだろう。それを思うと、とっても夢があるニュースであった。