とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

映画『007 スペクター』

2016-01-07 23:22:59 | 映画


内容(TOHOシネマズより)
少年時代を過ごした「スカイフォール」で焼け残った写真を受け取ったボンド。その写真に隠された謎に迫るべく、Mの制止を振り切り単独でメキシコ、ローマへと赴く。そこでボンドは悪名高い犯罪者の美しい未亡人ルチア・スキアラと出逢い、悪の組織スペクターの存在をつきとめる。その頃、ロンドンでは国家安全保障局の新しいトップ、マックス・デンビがボンドの行動に疑問を抱き、Mが率いるMI6の存在意義を問い始めていた。ボンドは秘かにマネーペニーやQの協力を得つつ、スペクター解明の鍵を握る旧敵、Mr.ホワイトの娘であるマデレーン・スワンを追う。ボンドは追い求めてきた敵と自分自身との恐るべき関係を知ることになる――!

スター・ウォーズと007が公開されていたこの時期、やはりスター・ウォーズを優先して見に行ってしまったが、50年前から続く超大作007シリーズも見ておかないわけにはいかない。そろそろ終わってしまうのではないかと思っていたが、まだ公開中なのでやっと見に行った。上映時間は、2時間30分とかなり長い作品だったが、相変わらずアクションシーン満載で飽きることはなく見ていられた。

この作品は、007シリーズの原点に戻ったという事が一番のポイントのようだ。オープニングタイトルではお馴染みのテーマ曲が流れて、ジェームズ・ボンドが歩いてきて銃を撃つシーンと女性が艶かしく踊るシルエットが重なり、これぞ007と俄然盛り上がってくる。怪しげなタコの映像も意味深だ。

007は最初から派手なアクションで始まるのが通例だが、今回はメキシコの「死者の日」の祭典が行われている最中の上空で繰り広げられるヘリコプターアクションだ。ほとんどCGだと思うが、数千人もの群衆の真上で旋回し墜落しそうになるヘリコプターが果たしてどうやって群衆を避けるのかが気になってハラハラしてしまった。冒頭から、観客をハラハラさせるのがこの作品のスタイルであり、原点回帰であることは間違いない。

その後も、メキシコからローマ~ オーストリア~モロッコ~ロンドンと世界中を駆け巡って派手なアクションが繰り広げられる。東京での会議シーンなどもあって日本人へのサービスも忘れてはいない。また、列車内でのアクションや雪山でのアクションも昔見たシーンを彷彿させ、過去の作品へのオマージュを忘れてはいない。ただ、サブ悪役として登場する巨漢の「Mr.ヒンクス」は、何度も倒されても再登場する不死身の男だが、第10作「007/私を愛したスパイ」などに登場したジョーズと比べると、いまいちキャラクター的には物足らなかった。

やはり原点に帰った大きなポイントは、悪の組織「スペクター」の登場という点だろう。とはいえ、悪の組織という割には砂漠の基地は、なんだかしょぼい。しかもスペクターのボス「ブロフェルド」が、自らボンドを拷問するなんて安っぽい感じがしてならなかった。「ブロフェルド」は猫を抱いて命令するだけでいいのだ。

お約束のボンドガールは、"イタリアの宝石"と称されるモニカ・ベルッチと、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』で美しすぎる殺し屋を演じたレア・セドゥ。歴代ボンドガールの中で最高の豪華キャストと言われているそうだ。私の好み的には、アクションもしっかりこなすレア・セドゥが魅力的だった。どことなくスカーレット・ヨハンセンと感じが似ているところも気に入った。

MI6チームのMやQ、マネーペニーも登場し、007ファンにとっては嬉しいキャストが勢ぞろいだが、ストーリー的にはありきたりの内容だ。お約束のストーリーで派手なアクション満載の映像とボンドガールに魅了されるのが007映画なのだと思えばいいのである。