今回は、岐阜県と福井県の境にある冠山と金草岳の二山に登ってきた。登山口の冠山峠を基点にして二つの山をピストンで登ることができる。冠山峠までは国道303号の横山ダムから国道417号に入る。徳山ダム建設の関係なのか国道417号は新しく、直線の長いトンネルがいくつもありドライブするには快適な道だ。国道417号が切れたところから冠山林道にそのまま接続しており、道路は迷うことなく登山口まで続いている。冠山林道は、狭いものの、ずっと舗装されており林道にしてはしっかり整備されているいい道である。
深夜1時過ぎに冠山峠に無事到着する。1台だけ車が停まっていたが、あとは我々の車だけである。月明かりの下、翌朝登る予定の冠山の素晴らしいシルエットが目に焼きついていた。とりあえず、車内で5時間ほど眠る。翌朝6時過ぎに目を覚まし、登山の支度をする。外に出ると、冠山の姿がはっきりと見えていた。冠山は、奥美濃のマッターホルンともジャンダルムとも呼ばれている。鋭く尖った三角錐の特徴のある山容がこの山名の由来となっている。確かに、スイスのマッターホルンみたいな形をしており、登山意欲を掻き立てる魅力的な山に見えた。
さて、今回は大人4名以外にもワンちゃんも参加している。リュウ君とランちゃんの二匹のワンちゃんである。飼い主が山好きとあって、このワンちゃんたちもいろんな山道を走っている。朝起きると、早くも山道に飛び出したくてウズウズして飛び回っていた。
さて、登山口には冠山峠の大きな石碑と、越前国や美濃国を示す石碑がたちならんでいる。この先が、冠山への登山道に続いている。
冠山峠の石碑の先には、揖斐川源流を示す石碑も建てられている。
冠山への登山道が始まり、リュウとランが競って飛び出していった。その後を、人間たちが続くという構図となる。
冠山頂上までは1時間ほどで登ることができたが、マッターホルンと呼ばれるだけあって最後の登りの岩場はなかなかキツイ。ロープが何本もつけられており、ちょっとしたスリルが味わえる。ワンちゃんたちも、この岩場は登りづらく飼い主が抱えて登ったくらいだ。
奥美濃唯一の岩峰である冠山山頂(1257m)は人が10人ほど座れる程度の広さしかないが、遮るものがなく360°の素晴らしい展望が得ることができる。ただ、この日は上空に厚い雲が立ち込め、天気が悪化しそうな雰囲気であった。そして、間が悪いことにデジカメのバッテリーが切れてしまい写真を撮る事ができなくなってしまった。残念ながら、ブログにも山頂写真を載せることができない。
下山はもと来た道を引き返し、冠山峠に戻る。冠山峠に着いたころ、本格的に雨が降り出してきた。一旦車に戻り、カッパを着てもう一つの山、金草岳に向かう。車においてあったもう一台のコンデジを持ち出し、ポケットに忍ばせた。金草岳は往復3時間半ほどかかる。冠山の登山道は結構ハードだったが、金草岳の登山道もなかなかハードな道が続いた。1週間前に走った「玉川トレイル」並みの登山道がかなり続いた。しかも、今回も雨なので、道はドロドロでぐちゃぐちゃだ。カメラを持っていったものの写真を撮りたい場面もあまりない。キツイ上り坂で泣きが入り、道半ばで引き返した登山者も何人かいたようだ。
白倉山手前のツルツルの道を笹につかまりながら、やっと登り終えると緩やかな道になる。その後、一登りして金草山山頂(1227m)に着いた。山頂からの展望は、まったくなく、周りは真っ白だ。とりあえず、山頂の証拠写真だけ撮って引き返す。
帰り道も、ご覧のように真っ白い世界が続いた。
天気が良ければ、山全体が紅葉で埋め尽くされた景色が見えたはずだが、残念ながらついに晴れ男伝説は途切れてしまったようだ。結局、最後まで雨が続き、体は湿っぽくなり、靴回りは泥だらけという状態で登山が終わった。山から下りてきて、温泉に寄ったころには晴れ間が見えたが、もう遅かった。まったく山の天気は予想がつかないものだ。因みにリュウ君は完走。ランちゃんは冠山下山でリタイヤだった。