ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

東洋経済「IoT発進!」のなんだがなぁ

2016年09月19日 | ITS
東洋経済9/17日号「IoT発進!」を読んだけど、今一つ本当かな、と思う、
生産、流通、サービスの現場ではIoTでまだまだ改革ができるだろうが、民生向けと自動車に関する記載は疑問。。

民生向けはIoTで必ずでてくる「衣服に付いたチップで洗濯機を自動設定する」話。
たまに家事を手伝うが、洗濯機はウール等の特定衣類以外がいつもの標準設定ボタンしか押したことがない。それは家内も同じだという。また、冷蔵庫の中身を食品につけられたチップで管理し、補充が必要なものを買い物先で把握できる、若しくはアマゾンで自動注文できる、というのがあるが、これこそ「それほどの事か?」と思う。
米の袋にチップをつけて炊飯設定を自動設定とか、電子レンジの最適調理時間を自動設定とか。99%の人はそこまで厳密に調理なんかしていない。

かつてユビキタスが言われていたころ、帰宅時には冷暖房がセットされ風呂が沸くというのがあったが結局市場は形成されなかった。これには火災防止関連で法問題があるというような話もあるが、それ以上に「そこまでしなくてもいいね」ということなのだと思う、

結局スマートホームという世界で実現される未来は、「できること」ばかりで本当に必要かどうか、生活が変わるほどのインパクトがあるか、という観点が弱すぎる。

そして車。
車にIoTが必須なケースというのはカーシェアや配車サービスと、実際の走行状況に合わせて割引をする保険サービスくらいだろう。そんなことはない、と反論される方もあるかもしれないが、実際車と通信がつながってもう10年以上経過するがいまだキラーコンテンツは出現していない。
これも、「ワイパーの使用状況で局地的な豪雨がわかる」「急ブレーキ多発地点で危険地点がわかる」というような話しかない。前者は典型的な「できること」であり、だからどう使うのかが分からない。後者はそれ以前に事故発生交差点という今すぐに分析可能なデータがあるが、それに対して何かしているのか?右直事故が多い交差点の矢印信号化が進められているようだが、非常にゆっくりとしたペースに思える。

車に関しては、IoTがカーシェアリングを促進すると指摘している。これはいずれそうなると思う。これに関しては肯定派だ。どこにでも車があり、どこにでも乗り捨てでき、且つ利用時間だけの課金となったら、車を所有する意味はあまりなくなる。
しかしその課題としてセキュリティを第一に指摘しているが、それ以上に自動車関連業界に対する悲惨な将来が待ち受けていることを忘れている。
交通インフラで2250億円の市場が創造されるというが、車が全部フリートになったらカーメーカーやアフターサービス業者には想像を絶する淘汰が始まるだろう。


上海交通カードをスマホでチャージする

2016年09月09日 | 上海生活
上海の交通カードは地下鉄、バス、タクシー、フェリー、リニア等すべての交通機関で使えて便利なので、在住者は必ず持っていると思いますが、これのチャージが結構面倒。コンビニはローカル系でなくては対応してないし、地下鉄の窓口は並んでいることも多い。

実はNFC搭載のアンドロイドスマホがあれば、スマホでチャージできます。
必要なソフトは「上海交通カ」(カはカードのカ、上と下が合体した漢字)。白と緑のアイコンです。
なお、スマホがカードを認識しない場合はカードが対応していないと思われます。
上海交通カードは2013年頃にNFC対応に切り替わっています。
対応しているカードは印字されている番号の頭がUから始まります。

・スマホのNFC機能を有効にする
・アプリを立ち上げ、スマホに交通カードを接触させ認識させる
・充値から上海交通カードを選び、金額を指定
・支払は銀行カードしか選べず。カード暗証番号と銀行から短信で送られてくるワンタイムパスワードを入れる
・完了とチャージ後の金額画面が出るまで交通カードを接触させ続ける

支払は銀行カードのみ。多分ネット銀行を開通していないと振込対応はできないと思いますが未確認。
私は交通銀行のスマホアプリを入れていためか、口座番号インプットなどせずに画面に言われるまま操作して支払が完了しました。

なおiPhoneにも同じソフトがありますが利用明細確認しかできず、チャージには対応していません。

上海自転車シェア Mobike (摩拜单车) しばらく使ってみて

2016年09月06日 | 上海生活
上海の自転車シェアMobikeについては先日登録・利用方法等をアップした。
その後、20数回、合計40キロほど使ってみた感想。
アプリで通算走行距離や利用履歴が表示される。また言語設定は英語が選べ、極めて自然な英語表示で使いやすい。

最近走っているのをすごくよく見るようになった。うちのアパート小区の前にも大抵数台止まってる。
利用者が増えて自転車も増やしているのだろう。
中国では、こうしたスマホを使った新サービスの普及はびっくりするくらい早い。
外食配達の百度外売も最近始まったばかりなのに赤い制服のバイク配達員を街中で見かけるようになったし、コンビニでも気が付けばみな携帯かざして支付宝や微信で支払っている。

話をMobikeに戻そう。
使っていて一度長時間のサーバーダウンがあり通知が来たが、それ以外でも時々調子が悪いことがある。あると表示された自転車がなかったり、表示の更新が遅かったり、解錠できないこともあった。
中国ではこの手のスタートアップはとりあえず立ち上げて走りながら直すようなところがある。

自転車を解錠するとき二次元バーコードをうまく読めないことがあるが、その場合は番号入力したほうが早い。自転車の横に021から始まる番号が書いてあり、それをインプットする。

最大の不満はサドルの高さ調整ができないこと。子供用自転車をこいでいるような感じで結構腿の筋肉が痛くなる。
あと、籠がついていると便利だと思うが、これについてはQ&Aで次期車から装備するといっている。

使ってみて気が付いたが、上海には自転車駐車エリア(白枠表示)が至る所にある。こうした事情の上海だからできるサービスなのかもしれないが、日本の都市でも始まってほしいサービスだ。ただ、日本では30分数十円での運営は無理だろう。
ちなみにこの事業は成立しているのかちょっと計算してみると、30分1元(16円)で一台が一日20回転したとして年間11万5千円しか稼げない。中国ではバスが2元で乗れるので、30分2元は取れないだろう。自転車のコストと耐久性、巡回サービス(故障や電池切れ対応など)を考えると中国であっても結構厳しいビジネスではないかと思う。