ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

Apple CarPlayの使えなさ

2022年10月16日 | モバイル・ウエアラブル

スマホと車両を連動させる仕組みがもう7-8年ほど前から出現している。iPhoneであればCarPlay、AndroidであればAndroid Auto.
これが出現した当時、「カーメーカーはシステムをGoogle/Appleに乗っ取られる」というような勘違いコメントが主にIT系ライターによって語られて爆笑していたのだが、当然そんなことは起きていない。

当ブログ過去記事 2015年5月

そもそもCarPlay、Android Autoはスマホを運転中にいじるのは危険だからアプリ機能を制限したうえで車両のモニターに表示する、というものであって、何かができるようになる仕組みではなく、何かをさせなくするもの。それが全く理解されていなかったようだ。さらにいえば、車と連動といってもエンターテイメント系だけのことで車両操作系へのアクセス(CAN通信)はカーメーカーが一切許可していないので、乗っ取られることはありえない。

さて、そのCarPlayはじっさい使ってどうなのか?
筆者はiPhoneに買い替え、所有車がCarPlay対応なのでここ数カ月使った感想を書いてみる。

先ずなんといってもUIが悪い。筆者の車は液晶がタッチパネルではないので車両のダイヤルやボタンで操作するが、車両のダイヤルは車両のナビを前提に作られてるからCarplayアプリの操作はまどろっこしい
ナビ画面の拡大縮小は運転中にはとてもできない。
ナビに関してはCarPlayはAppleなのでデフォルトがAppleのマップ、ナビ。HeySiriで音声操作ができるけど検索や地図がいまいち。よってGoogleやYahooのマップ、ナビを使うことになるが、AppleナビならHeySiriで音声で拡大縮小できるけど、Googleではできない。

やはりUIに関しては純正車載ナビのほうが圧倒的に使いやすい。

ナビ以外も各種Appが使えるけど、基本的にまともに使える(使う)のは音楽Appくらい。それとてApple系に最適化されていてAmazon Musicでは運転操作阻害の観点からか画面からの検索はできず、結局スマホ画面から操作が必要。(これじゃもっとあぶない)

また、車載器のCarPlay と頻繁にアップデートするIOSの相性もカーメーカー側では徹底的には検証されていないと思われよくバグる。バグったらリスタート必要など、走行中にはもう打つ手がない。SA等駐車場に止めて対応する必要がある。これは致命的。コンビニなどに寄ったときにスマホの接続は解除しなくてはならず(スマホ決済なので)、再接続でバグることも多い。

また、これは私の車だけかもしれないが、CarPlayを接続すると車両のヘッドユニットがCarPlayを外部機器として認識するので車両に挿してるメモリーカードの楽曲再生やTVチューナーの起動ができない。

車両の純正ナビに比べればリアルタイム地図更新および渋滞を加味した経路誘導の面でGoogleナビのほうが優れていると思うが、やはりCarPlayでの使い勝手の悪さは何ともしがたいものがある。
結局Googleナビを使うときはスマホをつながずそのまま架台にひっかけて使う、ということになる。

ということで過大な期待とともに登場したCarPlayだけど、この先なにかブレイクスルーがあるとも思えません。