ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

教祖になって手軽に儲ける方法

2014年07月27日 | インチキ・疑似科学
オウム以来、新興宗教で大儲けするのはなかなか難しくなっている。宗教の教祖として祭り上げられるまでにはそれなりの奇跡のような実績が必要だし、それには多分に運も絡んでくる。
その点手軽にできるのが、「安全」系の迷信を使った方法。

まず、何でもいいから一つの「危険物」を決める。
輸血、牛乳、砂糖、食品添加物、科学調味料,携帯電波等、なんでもいいが大企業が絡んでいるものが都合がいい。
また、その危険は得体がしれないほうが効き目がある。低線量の放射能なんてものかなり効きが良い。

次に、それが危険であるとする論文などを見つける。
世界は広いので大抵のものにはそれが危険であるとする論文がある。
もしなければ、でっち上げる。そもそも科学的でない人たちを相手に商売するわけで、「エビデンスは」とか突っかかってくる人は相手にしなければいい。

そして、その危険性が特に子供に及ぶものである、というストーリーを仕立てあげる。

最後に、ここがポイントになるわけだけど、それが世の中で問題とされない理由は、それに関わる大企業がマスコミや政府を抑えこんでいるのだ、ということにする。
大企業が私利私欲のために子供の命を犠牲にしているのだ。これは効く。

越後屋に小判入りまんじゅうをもらって庶民の命をないがしろにする悪代官と、それに立ち向かう正義の味方、という構図をでっち上げれば良い。
こっちは正義のためにやっているんだ、というポーズを忘れずに。
半沢直樹のヒットでも分かる通り、みんなこういう話が大好きなのだ。

SNSを使ってこれを拡散する。
こうした子供の命+陰謀がらみの話には面白いように食いついてくる人がいる。
「本当ですか!」「シェアさせていただきます!」「拡散希望!」なんて反応がすぐに出てくるはずだ。
こうした人たちは「ソース希望」なんて無粋なことは言わないし、自分で調べるということもしない。

理論的な反論や批判が来ても慌てることはない。「企業側の工作員だ」と軽くあしらって相手にしなければいいのだ。

ここまで来たら簡単。有料メールマガジンで「マスコミが伝えない真実」を「貴方だけ」にお届けすればいい。
それと、講演会。一人2500円程度なら喜んで払ってくれる。

少しお金がたまったら、その毒を弱める水やら石やらを作って売っても良いかもしれない。
薬事法にさえ気をつけていれば、全くリスクがない商売になるだろう。

ETC2.0 大体わかってきた。

2014年07月10日 | ITS
ETC2.0のGoogle検索でこのページが上位にヒットしますが14年7月の記事です。最新情報は左の「最新の投稿」欄からご確認ください。
なお、通常ETC,ETC2.0,さらに15年8月から始まった再セットアップの関係を表にまとめたものがこちらにあります。
http://blog.goo.ne.jp/maikawa/e/53be8c40b79542f649676431fa94cf52

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何人かの方からコメント頂いて,ETC2.0って言われているものが何なのかが大体わかってきた。

まず,現在のETCの通信方式(5.8GHz DSRC)を変えるものではない。
大きなポイントは以下のとおり。

・現在のITSスポット対応車載器,殆ど知名度がなく普及もITSスポットの認知も進まないので,ETC2.0という言い方でリロンチングを図ろうとしている。
・そのために使用者にとってもっとわかりやすい利便を提供する。
・一つはバー無しの料金所。ノンストップのためには安全確保のために今より広い車線が必要だが,最近はETC利用が増えて有人料金所を減らせる状況になってきたので設置が可能。
・もう一つは「渋滞を避けるために途中で一般道にでて,再度高速道に入るような誘導をし,その場合でも料金を優遇する」等の仕組み。

・これらは現在の通信方式と車載器で技術的には対応可能だが,現在の車載器は車両の個別識別情報をアップリンクしていないのでバー無しでは不正通行の記録が,柔軟な料金対応では個別の車両の通行記録が取れない。
したがって,現行のETC車載器をETC2.0車載器にするためはソフトの書き換えが必要。

こんな感じだと思う。

現在の車載器が車両個別識別情報をアップリンクしていないというのは知らなかった。
これは個人情報系の話もあり,うっかりやることはできない。しかし,これをしないとせっかくITSスポットを作っても区間の通過時間情報がとれないはず。ビーコンのように個人情報を特定できないランダムなデータを電源投入時に生成し,それでとっているのかな?

まあ,いずれにしても個人情報をアップリンクすることについては結構面倒な議論がありそうだ。
国が個人を監視しようと思ったら,秘密情報保護法なんかよりもよっぽど強力な手段になりうる。
ここは国交省的にはあまり深く突っ込まれたくないところだろう。
まあ,現実にはNシステムで既に監視されているわけで今更騒いだって仕方ないことだけど,ややこしい人たちもいる。

もう一つ思ったこと。
バー無し料金所をETCを付けずに通過した場合,DSRCでは車両識別データがとれないのだから,いずれにしてもナンバープレートの撮影と請求書発行が必要になる。これで不正通行の料金徴収が十分機能するのであれば,別にETC2.0なんていわず,今のままで車線を広げてバー無しにすればいいとおもうのだけど。

ETC2.0,ちょっとわかったこと

2014年07月03日 | ITS
朝日新聞の記事を読んだら,ちょっとわかった。

----引用
ゲートバーのないタイプを導入する方針を明らかにした。時速20キロ以下の制限も緩め、一定速度で走りながら通過可能にする。来年度末以降の開通区間から始め、既存のものは改修時などに更新する。車載器はそのまま使えるという。
----

ということで,車載器はそのまま使えるということは通信方式のバージョンアップ等ではなく,単にゲートの仕様を変えるだけのようだ。
本来,ETCの通信能力は時速80キロ程度までOKだったと記憶する。(エラー率は多少上がってくるだろうが)
現在20キロに制限しているのは,読み取れないからじゃなくて,バーが閉まった時に止まれないから。

前にもこのブロクで主張したように,そもそも「ノンストップ」「だけど不正通行はバーを閉める」というやり方に無理があったのだ。カード挿し忘れや車載器の不調などでゲードが開かない場合,運転者は予測していないからパニックブレーキになる。
これによる後続車の追突も発生する。

バーを閉めるなら,全車一旦停止,もしくは区間を長くして,かつその中に2台以上侵入できない仕組みが必要だったのだ。
私は,ETCゲートで発生する事故はすべてその仕組の設計に起因してると思っている。

だから,今回ゲートを閉めなくするのは2.0なんて大仰な冠をつける話ではなく,当然されるべき改善というレベルの事だろう。

ポイントは故意,善意にかかわらず発生する不正通行の事後処理をどうするか。

これについても昔何回も書いたが,カメラでナンバーを撮影しているんだから登録住所に通知を出し,期日内に支払えば罰則なし,その後倍々ゲームのような延滞金を課すようにして,最終的には車両差し押さえなどができるような制度を作ればいい。あと,WEBSITEで簡単に支払える仕組みは絶対に必要。

車載器を付けず,ナンバープレートも細工して通過する車両に対しては打つ手が無いけど,ゼロリスクを求めてたらなんにもできないからね。