その中には「ドライブスルー」「コンビニ」「ガソリンスタンド」等、ほとんどありえないものも含まれている。ドライブスルーのヘビーユーザーなんていないし、キャッシュレスがそんなに需要があるのなら、まずはフェリカだろう。ガソリンスタンドにしても、セルフならどうせ車から降りて機械を操作するわけで、その際にクレカを挿入しなくてもいいという程度の利便しかないので、それで客数は増えない。したがってスタンド側に導入設備投資のモチベーションはない。
ノンストップ決済以外、ETC2.0決済の拡大はない。
そういう意味では駐車場は唯一可能性がある分野であることは間違いない。
実際北京首都空港の駐車場はETC決済できる。
しかし、これも実はかなり道のりが遠いのだ。
一番やっかいな問題は、商業施設付属の駐車場における割引処理。これをするためには、ETCカードを持ちだして何らかの機械での操作をする必要があり、完全ノンストップではなくなる。また商業施設側もこれに対応するシステムを新規に導入しなければならない。
次に、そうした制約がない民間駐車場の場合だが、導入が客数増加につながらないのでその投資は難しい。駐車場は単純に近くにあるのを選ぶ。遠くてもノンストップ決済の方を選ぶという人はいない。
料金所無人化で人件費削減ができるということもあるが、結局100%ETC支払いにならなければ人は必要だし、大手はすでに自動精算機で省人化が進んでいる。
したがって、ETC決済の駐車場は投資採算を考えなくてもいい官営か、それに近い空港駐車場等でしか当面は実現しないだろう。
コインパーキングは料金精算が面倒なのでETC決済できる方を選ぶという事はあるだろう。分単位の課金もできる。ここが民間駐車場拡大の唯一の可能性だと思う。TIMESあたりが思い切って投資をするというシナリオはあるかもしれない。しかし投資額は相当なものになる。ビジネスケースが成立するかどうか。