ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

東北高速無料、不正が減らないなら9月から中止って、それは違うんじゃないの?

2011年07月29日 | 高速道路
東北地方復興支援のため、中型以上のトラック・バスは東北道の白河、常磐道の水戸、磐越道の新潟中央の各インターチェンジ(IC)より北であれば走行区間すべてが無料となる仕組みになっている。

その結果、復興支援と関係ないトラックが、東北以外の地域から水戸や白河で一旦出て、一般道路でUターンし再度高速に乗る、という行為が増加している。磐越道から日本海側を通って京都に抜けるルートを使えばかなり遠くまで無料で走る事ができる。
実際、磐越道の大型トラック交通量は無料化以前と比較して8割ほど増えているらしい。

そんなこともあって、本日大島国交相は「この悪用がなくならないなら、無料化を8月末で打ち切る可能性もある」と発表した。

不正(と言っていいのか?仕組み上は禁止されているわけではない)が無くならなければ、正規に活用している人達を含めて中止するという。全く耳を疑う発言だ。
中学校の校則か?

そもそもこんな仕組みにしたら、こうした利用をするユーザーが出てきて当たり前だろう。
さらに、そこには明確なルールはなく、したがって違反行為ではないのだ。これは、一般車の被災者証明も同じ。

きちんとしたルールや対策・仕組みを決めず、当然予想されるべきであった結果に対して、「悪用がなくならないならそれはトラック業界の連帯責任だから全部中止だ」というような幼稚な対応しかできない政府って、一体何なんだろうと思う。

INFOBAR A01

2011年07月28日 | モバイル・ウエアラブル
INFOBAR A01が結構な話題になっている。
ウェブ上での評価ではデザインが良いといっている人が多いのだが、しかし私には幼児の玩具にしか見えない。

最初のINFOBARが世に出たときは確かに衝撃だった。かちっとしたデザインは今までの携帯の常識を覆したものだったし、NISHIKIGOIというカラーコンセプトにも脱帽した。

でもこのA01のデザインは決していいとは思わない。(GUIのデザインは良いけどね)
立ち上がりは目先が変わった商品を望む層にそこそこ売れるだろうが、いつまで続くか。

AUは、過去の成功体験を中途半端に引きずっているようにしか思えないのだが、どうだろう。

アナログ停波の空き地利用はまったく進んでいない

2011年07月24日 | ITS
TV地上アナログ波が停止された。
なぜアナログ波を止めなくてはいけないのか、という問いへの答えは、もちろん有限資源である電波の有効利用に他ならない。

しかし、それがまったく何も進展していない。

VHF1~3チャンネルに該当する部分は、移動体へのマルチメディア放送へ割り当てることになっているが、ここはまだ誰が何をやるか決まっていない。4~10チャンネルあたりは公共機関が「安心・安全」に使うことになっていて各省庁に割り当てられているらしいが、具体的な話は見えてこない。安心・安全のために国民に何かを周知するのなら今使われている携帯なり放送なりを使えばよく、新たに電波を割り当ててもらっても何をやっていいのかわからない、ということかもしれない。

VHFの上のほうも「移動体向けのマルチメディア放送」に割り当てられ、これはドコモ系の「モバキャス」が来年4月から営業を開始することになっているが、「相当」の苦戦が予想されることは何回も書いている通り。
(ワンセグは無料で、しかも通常放送と同じ内容だからビジネスとしてうまく行っていない、モバキャスはオリジナルコンテンツを有料で提供するのでビジネスとしての可能性がある、という論調があるが、本気で言ってるんだろうか?)

UHFは主に地デジに割り当てられ、上のほうがその他の電気通信に割り当てられた。その中にITSが入っている。
これは車車間通信による「絶対ぶつからない車」の実現ということなのだが、これもまったく具体的な動きが見えていない。
過去記事(左の検索ウインドウで「車車間通信」で検索してみてください)で散々いっているとおり、費用対効果を考えるとこれはかなり無理筋だろう。

いずれにしても、停波にいたった現時点でほとんど何も決まっていないということは、ほとんどたいした需要がないことに割り当てた、ということなのではないか?

東北地方の高速道路無料は相当無理がある

2011年07月22日 | 高速道路
週末千円や、地方の無料化を中止するのと引き換え、という感じで東北地方の被災者の無料化が行われているが、料金所の渋滞が半端じゃない問題になっている。

そもそも、有人ゲートで被災者証明を提示する、って仕組みならこんなことが起きるって想像出来なかったわけがない。
さらに、自治体によっては無条件に被災者証明を出しているというが、これとて明確な定義をきめなければ、そうなってしまうのは自明のことだろう。

またトラックバスも無料対象になっているが、北関東辺りから西に向かって配送をする、東北とは全く関係のないトラックでも、一旦北上し、白河で「降りて、乗って」磐越道経由をつかえば無料で関西に抜けることが出来る。実際、そうしたトラフィックは確実に増大しているらしい。

ETC限定で、全車全時間東北域内は三分の一程度にするあたりが現実的だったのではないか?
今の仕組みだと、東北外から東北へはいる車に優遇がない。地域の観光振興にはあまり貢献しないばかりか、むしろ料金所渋滞を懸念して観光客が減ってしまうかもしれない。

有人ゲートで証明書提示なんてのが無理筋だってことくらい分かると思うんだけど。

携帯端末向けマルチメディア放送の愛称がモバキャスだって

2011年07月21日 | モバイル・ウエアラブル
アナログ停波後の空き地利用である携帯端末向けマルチメディア放送は、ドコモ系のmmbiが来年4月から営業を始めるが、その愛称が「モバキャス」に決まったらしい。

なんか、モバイルキャストの略みたいで、どうなの?と思う。

モバイルキャストってのは、インターネットITS協議会のメンバーで、以前はアウディジャパンのテレマティクス関連を手がけていた。F1のスポンサーをしたり、マークパンサー使ってハンズフリー関連機器のTVCMやったりと一時は派手な事業展開をしていたが、今はそのブランドを第三者に提供しほとんど営業活動を停止しているように見える。
それ以上に、未公開株関連のなにやら怪しい話がでているのだが、いまだに営業実態があるかのようなWEBページを維持しているのはなぜだろう.....
同社のWEBサイトを見ればわかるが、製品一覧はほとんどが生産終了、すでにカスタマーセンターは閉鎖。本社所在地の城山タワーはレンタルオフィスだ。

まあ、あまり縁起のいい名前じゃないね。

しかし、この携帯端末向けマルチメディア放送って勝算あるのか?
無料の地デジだってそこそこの状態だし、有料で事業展開したモバHO!や米国のMediaFLOは撤退。スマホは現在の無料コンテンツで十分以上に楽しめるから、お金を払って動画を見る人がそんなにいるようには思えない。
それ以上に、有料に耐える魅力あるコンテンツを継続的に提供し続けるビジネスモデルが構築できるのか、ということが最大のチャレンジだろう。

フジテレビ、伊藤忠、NTTドコモ、スカパー、ニッポン放送という複数の株主が存在し、さらにKDDI系のMediaFLOと戦ってお国から帯域を獲得したという状況から、勝算がなくてもやめられない状態になっているように思えてしょうがない。

魁皇

2011年07月20日 | 雑記
新聞各紙は魁皇の引退を「燃え尽きた」とかなんだかとっても爽やかに報道している。

でも、過去30場所中なんと13場所で8勝7敗、一方で7勝8敗で終わった場所はゼロってのは、統計的にいったらどの程度の確率なんだろうね。

SMS相互接続自由化は何故まったく報道されないのか

2011年07月13日 | モバイル・ウエアラブル
本日から、キャリアをまたいでSMS送信ができるようになった。
個人のケータイメールを交換してない社内や取引先の方など、誰にでもメールを送れるので極めて便利になったのだが、何故かキャリアは全く広報を行わないし、メディアも報道しない。大ニュースだと思うんだけど。

今日会社で10人弱とこの件を話したが、誰も知らなかった。
というか、本来海外の携帯では電話番号で誰の携帯にでもメールが送れる、ということを知っている人が殆どいない。

今まで「ケータイメアドを変えたくない」という理由でMNPをためらっていた人にとっては、キャリア変更への抵抗がなくなったと言えるかもしれない。もちろんSMSは写メは扱えないが、大人になればそんなメールあんまり来ない。

だからキャリア、特にシェアを落としてる会社は、流出が怖いので積極的にSMS相互接続自由化について言いたくないのかもしれない。そもそも日本でSMSを相互接続していなかったのは(多分最大手の意向による)囲い込み策。
スパム避けでバカバカしく長くなってしまったケータイメアドなんてとっても打ち込んでられないから、ガラケーは赤外線が標準装備されているわけで。

もちろん携帯キャリアは広告業界では最大のクライアントであり、メディアはその意向に逆らった報道は出来ない、ということかもしれない。

実際、SMSのキーワードで本日のニュースをGOOGLE検索してもASCIIとJCASTしか引っかからない。

DSSSのITS画面表示

2011年07月08日 | ITS


一般道路で運転情報を提供するITSスポット(DSSS)が、7月から運用開始となった。
前に書いたとおり、これは国交省が進めているETC技術をつかったDSRCによるITSスポットではなく、警察が管轄しているもので、すでに既存(かつ、たいして普及していない)の光ビーコンを使っている。

(私の車にはビーコンアンテナが付いているが、今まで乗せた知人でそれがなんであるかを正しく理解していた人は一人もいなかった。)

DSSSが光ビーコンを使うことには大いに疑問があるが、はっきり言っちゃうと、DSSS=警察系=信号機関連メーカー主導、DSRC=ETC設備関連メーカー主導ということで、統一が出来ないんだろう。
しかし、この先ビーコン受信機をつけるユーザーはどれだけいるだろうか?

さて、甲州街道永福料金所側道にある路側機を通過してきた。新宿方面から下り。
首都高降り口との合流と、その先に続けて2機設置されてる。多分手前のは合流注意の案内が出るのだろう。
今回は二つとも「この先信号注意」だった。

しかし、やや右カーブとはいえ、二つ目の路側機がある場所からは信号は見通せる。はたしてこの注意喚起にどれだけの意味があるのだろうか?

ITSスポットの整備が完了するが

2011年07月02日 | ITS
ゴルフ練習場で4時間、いやになるぐらいボールを打ってきた。プロとか大学のゴルフ部はいつもこうして練習しているわけで、僕らが月に数回練習したり、たまにコースに出たってそう簡単にうまくなるわけが無い。
その代わり毎日仕事をしている会社員は日本語インプットをブラインドでできるようになるってこと。PCを月に数回しかいじらない人には一生かかってもできない。

さて、震災影響で東日本の整備が遅れていたが、8月からITSスポットサービスの全国展開が完了する。
それに対応するナビゲーションも、トヨタ、日産、パイオニア、アルパイン、パナソニック、三菱電機で出揃った。
そうはいっても、ナビメーカーはほとんどその宣伝はしていない。
上級機種にプラス機能として入れ込んだ、程度の扱いだ。
さらに、この機能を使うためにはETCを買い換えなければならず、ITS対応のETCはまだ3万円程度する。
おそらく、上級機種のナビを購入するユーザーはすでにETCを持っているだろう。それを、ITS機能の追加だけの理由で3万円出して買い換えるだろうか?

考えるまでも無い。

国交省のHPには、いまだに<民間も活用できる将来のサービス>として、「駐車場やドライブスルー等でキャッシュレス決済が導入されることにより、ゲート前で料金を支払う煩わしさがなく、スムーズに通過できるようになります。」といっているが、いい加減これは降参したらどうか。今まで散々やってきてまったく普及しない。
そこにはいうほどの需要がなく、したがってそれに投資する事業者もいないなんてことは、ユーザーと事業者の立ち場に立って考えれば簡単にわかるはずだ。
キャッシュレスにそんなに需要があるのなら、駐車場やドライブスルーでフェリカが先行して普及しているはずだろう。