圏央道特定区間の割引を除けばETC2.0のほぼ唯一のメリットとして4年ほど前に始まり、しきりに喧伝されていた(とはいえ知名度は低いが)賢い料金・道の駅一時退出制度
SA.PAが少ない高速道路区間全国23箇所のICで料金所をいったん出て道の駅により、1時間以内に再入場すれば追加料金が発生しないという制度だがその後どうなっているのだろうか。
気になって国土交通省のリリースを確認したが、令和元年6月のリリースで「一か所当たりの日当たり平均利用車数(平日)」は12台であることが報告されている。営業時間で1時間に1台。
これをもって成功とはいえないだろうがまだこの時点では始めたばかりなので仕方がない。
ところが令和2年3月のリリースでは利用台数の記載がすっぽりと抜けている。意図的なのかどうかはわからないが、前年比である程度の増加をしていたら当然成果として記載されるはずなので実態は推して知るべしだろう。なお、余談となるがアンケートの結果を受け再入場までの制限時間は1時間から3時間になり、その後なぜか2時間に短縮されている。
さて、そもそもこの制度には大きな疑問がある。
SAPAがすくない(間隔25㎞程度といっている)区間があるのは道路会社のせいであって、過労運転防止やサービス向上の観点から改善するのは当然のことだろう。それを、あたかもETC2.0のメリットのように取り扱っている。
いや、ETC2.0だからできるようになったのでは?と思われるかもしれない。じっさい、多くのメディアが勘違いしているとおもわれるが、実はまったくそんなことはない。
道の駅への立ち寄りを感知しているのは通常のETCと同じDSRC信号だ。
ではなぜETC2.0に限定されているのだろうか?
理由は単純で、1万円以上高いETC2.0車載器の普及促進なのだ。
多くのWEBメディアがこれに翼賛する記事を上げているのも興味深い。ETC2.0は必要ないなんて間違い、とか、ETC2.0はこんなにすごい、とか。ライターさんには良心がないのかね。
たとえばこれとか。
私見としては、ETC(2.0に限らず)装着車についてはすべてのICでの途中下車を2時間程度無条件で認めればいい。高速道路により素通りされてしまった地場の国道沿い商業施設への寄与になるだろう。配送車両などが拠点への荷物の積み下ろしに利用するかもしれないが、それはそれで構わないと思う。
この辺の詳細は当ブログでいままでさんざん書いてきているので、たとえばここらを参照ください。
文中平成を令和に修正 20220903