ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

陰謀論の仕組み

2023年06月19日 | インチキ・疑似科学

世の中には陰謀論というのがあります。
一番メジャー?なのは、Qアノン。
トランプ前大統領とプーチン大統領が正義の味方、アメリカ民主党やEU、世界的大企業が悪の帝国(これを彼らはDS=ディープステートと呼んでます)。
DSは世界経済を牛耳るだけでなく、児童誘拐等の極悪な組織犯罪を行っている。
そして正義の味方が近い将来DSを一斉に逮捕し悪を一掃する。

荒唐無稽な話ですが、じっさいに2021年に彼らによるアメリカで議会議事堂襲撃事件がありました。

日本にも少なからずこの信者がいます。

彼らの主張によれば近いうちに正義の味方トランプ前大統領が「世界同時緊急放送」を流しDS一味を一斉に逮捕する、その後はDSに支配されていた金融がリセットされ全国民に6億円を配る、というようなものです。(細かいところが間違ってるかもしれませんが、どっちにしても与太話なので勘弁してください)

前置きが長かったですが、ここからが本題。

99.9%の人は全国民に6億円配る、なんて話は信じません。これを信じちゃう時点でその人がどういう人かというのはまあ、わかりますよね。
さらに、もし全国民に6億円くばったら紙幣は紙切れになっちゃう、というのも普通はわかるはずです。だってみんな6億円持ってるんだもん。インフレの仕組みとかいう難しい経済学以前の問題です。
そこが理解できないということは、かなりやばい。

つまり、彼らは極端に「簡単に騙され、しかも頭を使わない」人たちなんですね。
これって、詐欺師の絶好のターゲットですよね?

一方で、陰謀論を広めている人たち、今流でいえばインフルエンサーたちはSNSやYOUTUBEなどを使うそれなりに企画力・行動力がある人たちです。
とてもこんなおバカな話を信じる人ではありません。

つまり、彼らは詐欺師の側にいる、ということです。その証拠にインフルエンサーたちは皆再生回数による収入、サロン、本の出版、物品販売等でこれをマネタライズしています。

ひっかける話は荒唐無稽なほうが良い。彼らが集めたいのは騙しやすい人達なんです。
これは、SNS詐欺にもいえます。国際ロマンスやら巨額資金の移転など、普通の人なら絶対信じない話で釣ってそれに引っかかる「とても騙しやすい」人をターゲットにするんです。

まあ、6億円貰えるという話を信じるだけなら世の中に害はあまりないかもしれません。
問題なのは、この構図が医療関係にも存在するということです。ご存じ反ワクチンを筆頭に、反近代医療、反抗がん剤などなど。
この分野で教祖になっているは例外なく大量の本を出版しています。メールマガジンとかサロン、講演会も盛んに行い金儲けをしています。

そしてその間違った、あるいは根拠のない医療知識により実際に人命にかかわる害をもたらしています。

彼らは何かにつけて「大手製薬会社は金儲けのために人命を犠牲にしている」といううたい文句を吐きますが、それは実は当の本人なんです。

(製薬会社は膨大な開発・試験費用が掛かるので金儲けしないとやっていけません。もし製薬会社がもうからない業種になってしまったら医療は崩壊します)

とここまで書いたけど、だまされてる人はこんな長い文章読まないし、多分読んでも理解できないんだろうな。


Galaxy Z fold 4 を買って思ったこと。これがスタンダードになると思う。

2023年06月08日 | モバイル・ウエアラブル

バンコクのハイテク市場でGalaxy Z fold 4 の中古があったので衝動買い。邦貨12万円ほどで程度はすごくいいので、まずまず良い買い物だと思う。

10日ほど使ってみて、これはいずれiPhoneから完全乗り換えしてもいいかなと思っている。Apple watch やApple Payの経済圏に組み込まれてしまっているのですぐには無理だけど。

そもそも中国の銀行口座からの直接引き落としでキャッシュレスをする方法がApplePay を経由してSUICAにチャージするしかないので仕方がなくiPhoneにした、という経緯がある。
これに関しては中国の銀行にお金があって日本に住んでいる日本人以外需要がない話なので聞き流してください。

開くとタブレットサイズで折りたたむことができる携帯電話、というのが理想だと思っていた。
確か前に書いていたよな、と思い探したら10年前に書いている。

7インチタブレットはいずれ携帯機器のスタンダードになる気がする

ここではレノボの7インチタブレットを使ってみて、これが電話になり折りたたんでポケットに入れば最高だ、それがこの先のスタンダードになるだろう、と書いた。
その後タブレットはIpad miniに買い替えたが、その時もずっと「なんでこれで電話ができず、ポケットに入るようにならないのか」と思っていた。

そもそも20年ほど前、PDA (ソニーのClie)を使っていた時になんでこれで電話ができないのか、と思っていた。で、結局そのあとiPhoneが登場しスマホが登場した。
タブレットがたためて電話ができるようになればいい、という直感も多分当たると思う。

今のところGalaxy Z fold 4 のスマホにおけるシェアは1%だが、ハイエンド市場では10%を越えてきている。
中国出張時にHuaweiの折りたたみを触ったが、Galaxy Z4 holdより薄く軽かった。こいつはGoogleが使えないので中国以外では大きな需要はないだろうが、非常にいい端末だと思った。
またGoogle Pixelの折りたたみも近日発売らしい。
どうもAppleは折りたたみには興味を持っていないようだが、もしiPhone Hold がでれば市場はあっという間にこの形がハイエンドのスタンダードになるのではないか、と思う。


AppleのVision Proで感じたメタバースの限界

2023年06月08日 | モバイル・ウエアラブル

ほぼ一年前に「メタバースは線香花火か」というエントリーを書いた。その後の一年間でメタバースに大きな進展があったようには思えない。
むしろ、社名をメタにかえたFACEBOOKがメタバース系事業で大いに苦戦をしている、というニュースが流れてきている。

しかし、まだ始まったばかりであり過度な期待による「幻滅期」に陥っているだけだという主張もある。

本当にそうだろうか?

私が子供の頃の未来予想では、21世紀には電話はすべてTV電話になるというのは鉄板の既定路線であり、おそらく誰もそれを疑っていなかったと思う。
しかしどうだろう。同じく言われていた「車が空を飛ぶ」は技術的・コスト的に不可能だが、TV電話に関してはソフト、ハード的には何ら問題なく、いや実際誰のスマホにもその機能が備わっているにもかかわらず普及していない。

むしろ、音声通話すら衰退し、コミュニケーションの主流はチャット等のテキストになっている。自分の時間を奪われる電話を好まない人が増え、それに配慮する人が増えているということだろう。
電話はTV電話に進化せず、逆に(即時性がある)手紙に退化したともいえる。

ここで注目するべきことは、電話がTV電話にならなかったのは決してハード的な制約からではなく、利用者のニーズによるものだということ。

それを考えると、TV電話よりさらに「濃い」コミュニケーションとなるメタバースに人々ははたして惹かれるのか、はなはだ疑問だとしか言いようがない。

特にメタバースでは知人友人とのリアルなコミュニケーションのほかに不特定多数とのコミュニケーションが言われているが、その需要ってそんなにあるのか?
現実世界の面倒な人間関係を趣味の世界にまで持ち込みたくないという人は多いだろう。だいたい日本人でパーティー等に参加し積極的に参加者に話しかける人がどれだけいるか。
アバターなら気軽にできるという見方もあるけど、そもそもそんなことはしたくないということなら現実もアバターも関係ない。

なんて考えていたら、Appleが2023の世界デペロッパーカンファレンスでVision Proというヘッドセットを発表した。
ここで注目するべきは、Appleは一言もメタバースという言葉を使っていないということ。実際このヘッドセットはVRではなくARヘッドセットで、仮想現実の世界に入るというよりは既存のiPhoneやMacの映像デバイスを拡張した、という位置づけになっている。

これは流行るかどうかはわからないが、すくなくともアップルはVR(メタバース)の方向にはいかない、ということは明らかになったと思う。