ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

宅配便再配達問題 職場受取はだめなのか

2017年02月28日 | 雑記
通信販売の増加により、ヤマト労組が受け入れ荷物量の制限を申し入れた。
配達業務の効率を著しく落としているのが不在再配達。聞くところによると半分近くの荷物が再配達になっているという。

5年暮らした中国では職場受取が普通。共稼ぎが一般的な中国では自宅配達は無理なのだ。そもそも中国の宅配員は再配達なんかしてくれない。いなければ携帯に電話がかかってきてドアの前においておくけど良いか、と聞いてくる。預かってくれる隣人がいない限り回答に選択肢はない。
聞けば韓国でも職場受取は普通らしい。
職場は平日であれば100%受取可能であり、電車で持ち帰れる品物に関してはもっとも合理的な解決策だと思う。

しかし我が国では一般的ではない。受取で同僚に負担をかける、ダンボールの始末で会社に負担をかける、そもそも公私混同である、会社に大量の宅配便がくることでの危険物管理が問題だ。などなど、異論を言う人はかなりいそうだしそれを慮ってだれも職場配達をしないというのが暗黙のルールになっているように感じる。

これは日本人のメンタリティではそうなるだろうし、確かに会社に負担をかけるのは事実だ。
しかし再配達を減らして物流効率を上げるということは公共的にも有意義なことだ。物流コストがあがると宅配料値上げにつながるし、そもそも再配達はエネルギー資源の無駄使いである。

宅配ボックスと言う解決策があるが、それには相当な費用がかかる。
職場受取を推奨するような動きを官が企業に対してする以外に今の状況は変わらないだろう。

ITSコネクト (アナログ停波跡地利用)

2017年02月27日 | ITS
ITSコネクトに関しては15年10月に記事を書いている。長いがその生い立ちまで含めて記載した。
それから一年以上経過してどうなったのだろうか?

未だにITSコネクトの認知は非常に低いと思う。
トヨタはクラウンに引き続きレクサスRXやプリウスにもオプション設定し、東京名古屋では無料装着キャンペーンもあったようだが、トヨタ車全体の装着率はまだコンマ以下の状況だろう。

装着した車同士であれば見通しの悪い交差点などでの衝突回避警告が出る。また対応する交差点等でも警告がでる。救急車には装着されていて、その接近を知らせてくれる。
しかし、装着車がほとんどいないのであればお金を払ってつける人はいない。
また装着車がほとんどいなければ、国は対応する路側機の設置もできない。
事実、装着した人のコメントをみても救急車が来ることがわかるのには驚いた、という程度のことしかない。

この悪循環を断ち切るためには標準装備や無料装着しかなく、だからトヨタもプリウスでキャンペーンをしたのだろう。
しかしこの装備は現時点ではトヨタだけ。
トヨタが独占しているわけではなく、他社が乗ってこないというのが実情だろう。

レーダーやカメラ+画像認識の進歩により車の衝突安全性は大きく向上している。しかし見通せない交差点の事故は防げないので車車間通信は必要なのだ、という理屈はわかる。しかし、そうした事故の発生率自体さほど多くなく、安全装備としての優先順位は低いし、ユーザーもそう感じているからお金を出してまでつけようと思わない。

業界トップ企業の責務として国策であるアナログ波の跡地利用に参画し、車に実装してしまうトヨタには敬服するしかないが、これが今後ITSのスタンダードになるとは到底思えない。

Nottvの失敗といいこれといい、アナログTV跡地利用はどうにもおかしな状態になっている。

着物買取ってビジネスになるのか?

2017年02月20日 | インチキ・疑似科学
最近、坂上忍をつかった着物もしくは切手の買取業者のTVCMをよく見かける。
しかし、中古着物や切手にそんなに需要があるとは思えない。買取の宣伝はよく見るが、中古着物は一体どこで売っているのか?誰が買うのか?
人気タレントを使ってかなりの量のTVCMを打つ程のビジネスとはとても思えない。

そう思って検索してみると、この業者をすすめるWEBサイトが大量に見つかる。しかし、何故か「着物買取」だけをテーマにしたHPで、1ページしかない、というような不自然なものが多い。随分と用意周到なことだ。

着物と切手に共通することは、年寄りが持て余しているということだろう。

この業者は着物には二束三文の値段を付け他に貴金属はないか?というながれから金の廉価買取を強要するということで2015年に消費者庁から是正指示が出ているが、ここにきてTVCMを打っているということは何らか商売の方法を変えたのだろうか?

塗るグルコサミン??

2017年02月18日 | インチキ・疑似科学
飲むグルコサミンには全く意味がないという話は前から聞いている。
からだの中で栄養として吸収されて終わり。薄毛対策で髪の毛を飲むようなものだと言っている人がいた。
確かにそうだろう。

その話が浸透してきたからか、最近は塗るグルコサミンというのが出てきている。

それを宣伝するサイトには「飲むグルコサミンは実は効き目がない」と書かれている。
これはいいんだけど、「だから塗るほうが効くのだ」と主張している。
でも常識的に考えてグルコサミンが肌を通して患部に浸透するわけがないよね。

よく読むとどこの商品も成分の中に「ショウガエキス」というものが含まれている。
これは明らかに温熱効果がある。そして膝の痛みは温泉に入ると緩和することでも分かる通り、温熱効果があるものを塗布することで多少なりとも緩和するのは道理だ。飲むグルコサミンよりも効果が実感できる訳で、これは年寄り騙しにはもってこい。

結論 塗るグルコサミンというのは、要するにショウガエキス等による温熱効果がある塗り薬であり、コンドロイチンだかグルコサミンだかは気持ちの問題として含有しているだけ。
これに高いお金を払うなら、温熱湿布の方が遥かに良い。

国交省の平成29年度道路予算概要 続き2

2017年02月16日 | ITS
前回の続き。

予算概要に「ネットワークを賢く使う」として道の駅への一時退出などの説明がある。
しかし、これにはかなり疑問がある。

まず、SA.PAがない区間で高速道路を一旦おりて道の駅に寄り道をした場合、「ETC2.0限定で」継続扱いにするという。
ETC2.0は移動経路をアップロードするから、再入路時に道の駅に立ち寄ったという経路データをチェックして継続扱いにすることは技術的には可能だろうが、そこまでするのだろうか?判定ミスによるトラブルもありそうだし、ETC2.0限定で1時間以内の再入路をすべて継続扱いにするのではないかと邪推してしまう。これはあくまで推測であり、違うなら教えて欲しい。

一番確実な方法は道の駅にDSRC路側機を設けて来場をチェックすることだろう。しかしこの方法はETC2.0でなくても通常のETCで出来る。ETCはすべてデータをアップリンクしている。
もし道の駅にDSRC路側機を設置するのであれば、通常ETCを対象にしない理由を教えてほしい。この施策は利用者の利便を向上するためのものであり、全ETCのわずか2%しかない2.0のみを対象とする理由がわからない。

理由がわからないと言ったが、実はETC2.0の普及促進なのだろう。
このパワーポイントの右半分にはETC2.0に限定した割引について記載されており、明確にその割引は「普及促進策である」としている。左半分もそれと同じ趣旨の施策だから同じページに書かれているのだ。

結局、全然利用者の利便向上なんて考えていないのではないか。
一向に普及が進まない2.0が少しでも売れるように道の駅への一時退出を利用しているだけのように思えるが、いかがなものだろうか。

(もう一つ。SA.PAの駐車場予約システムという記載があるが、これは具体的計画があるのか?本当にできるのだろうか?
予約管理をどうするのか?走行中に出来るようにするのか?ナビを使うのか?手間を掛けてやるほどニーズがあるのか?)


国交省の平成29年度道路予算概要 続き

2017年02月15日 | ITS
中国の勤務先での外国人労働許可証は発給されたが、渡航用の業務ビザの書類が足りなくて申請待ちになってしまい今月はまるまる無職状態。せっせとブログ更新をします。

国交省の平成29年度道路予算概要、前に述べたとおり「ビックデータ」というキーワードがそこここに出てくる。
(こうしたBUZZワードは具体性に欠いていても目くらましにはよく効くのでついつい使ってしまう。私も現役時代に経験している。)

この予算概要で注目するべきは、ETC2.0の存在意義に関して交通運行情報のビッグデータ収集がメインになっている点だ。
最初の頃はETC2.0の主目的は路側機先の交通情報を提供することによる安全運転支援だった。その後、情報量を活かした広域な渋滞情報と経路誘導に変わった。
しかし、これら二つはほとんどドライバーの安全、利便向上に結びつかなかった。これを評価する意見をネット上で見つけることは難しい。
安全運転支援の実効は極めて小さく、また広域渋滞情報も民間の通信情報がすでに存在する。

ということで、今年の資料における「ETC2.0概要」はビッグデータ収集がメインとなっている。(添付図)

ドライバーへのメリットは上記の通りあまりない。それを「道路利用者はもちろん」とあっさりごまかしている
実際、ここに書かれているように主体は道路政策なのだ。

それを否定するつもりはない。個人の移動情報を政府が把握することについてのプライバシー懸念はハードウェアの仕様書上、個人情報はアップリンクされない仕組みになっている。

問題は、すでに民間で移動体情報を使った交通運行情報が沢山存在するということ。簡単な例で言えばGoogleマップの渋滞情報。それ以外にナビメーカー、地図メーカー等が保有している。
どう考えても交通運行データ収集は移動体通信を使うのが合理的だし、すでに行われている。一方でETC2.0は車載器を載せ替え、路側機を設置しなければならない。
民間データを購入するのと、ETC2.0で自前データを収集するのとの費用対効果は精査されているのだろうか?
繰り返しになるが、利用者のメリットは「普及政策としての割引」以外になく、これは普及のための出費でありコスト側に計上するべきアイテムなのだ。





ETC2.0の普及状況

2017年02月14日 | ITS
29年度道路予算概要の詳細の前に、ETC2.0の普及状況を示しておこう。

最近ETC2.0の販売は上向いてきているが、それはほぼ大口・多頻度割引制度に起因している。
この割引は特例処置で10%の割増割引が実施されていたが、昨年末で特例処置が終了する。しかしETC2.0に限定してその割増割引適用を継続している。(実際には昨年からの予定であったが業界の反対があり延びていた)
大口ユーザーは費用をかけて2.0に買い換えてもメリットがある。
さらに、ETC2.0のキャッシュバックキャンペーン(確か、対象50万台のうち大口ユーザーが45万台)も実施されていた。
ということで、大口ユーザーは経済的理由からよほどの事情がない限り2.0に買い換えている。
その状況は下のグラフでも明らかで、昨年5月以降、ETC2.0セットアップの半分近くを中型車以上が占めており、普通書でも大口ユーザー入るのでおそらく過半数はこの特別需要だろう。
繰り返すが、2.0が便利だから買い替えているのではない。国交省の施策によりそのほうが通行料が安くなるから、まだ使えるETCを外して2.0に付け替えているのだ。

特別需要を除く純粋なETC2.0の毎月のセットアップは概ね4万台程度と思われ、それはETCセットアップ全体の1割程度でしかない。昨年の月次セットアップ推移をみても大口特需を除けば増加傾向とは言えず、この先もこの程度の普及状況が続くのだろう。現在の累計140万台は全セットアップ(含む再セットアップ)の2%。

キャンペーンを打ったり割引政策を無理やり適用してやっとこの程度。さて、これからどうしようというのだろうか。


国交省「平成29年度道路予算概要」を突っ込んでみる

2017年02月13日 | ITS
まずは、国交省の平成29年度道路予算概要 ここ
PDFで結構重いし、縦書きの表紙と目次からいきなり横書きのPPTフォームになり、PC画面で観るのは非常に辛い。50ページ超なのにプリントアウトを前提にしたファイルで典型的な役所のIT。覚悟してDLしてください。

まあそれはそれとして

読んでみるとやたらとビッグデータというコトバが出てくる。BUZZワードだから仕方ないのかもしれないが、問題はこれがETC2.0の正当化に使われている事だ。

嘘ではない。しかしここには微妙な問題がある。

まず、ETC2.0はポスト通過時にそれまでの走行情報(軌跡、加速減速等)をアップリンクする。
このことは、プライバシーの関係でややこしくなるのを懸念してか、あまりはっきりとは言っていない。
実際個人情報はアップリンクされないことになっているのだが、管理社会への布石だとかいう議論になるのが面倒なのだろう。

次に、こうした走行情報は実はもう民間が十分に保有している。それはわかっているようで、ETC2.0「等」によるビッグデータという言い方をしている。
活用方法として挙げられている、急ブレーキの多い危険交差点抽出とか渋滞解消の信号制御(基本警察管轄だけど)等に関しては、民間のプローブデータで十分なのではないか。
ETC2.0で自前のデータを持つことにコストやセキュリティ等の合理的な理由があるのかもしれないが、それならその定量的な証拠を見てみたい。私には根拠が不十分に見える。
ETC2.0は今後もその普及にお金がかかるしポスト増設も必要だろう。交通情報収集はどう考えてもすでにある携帯通信を活用するのが合理的だ。

そして、その活用。ビッグデータといえば、官民ともに集めるのは簡単だけどそれをどうするのかができていない、というのが相場だ。ETC2.0で得られた運行情報をどのように活用するのか、その成果物と費用の関係も詳しく知りたい。

以上総論だが、ページごとの疑問について明日以降もう少し。

高速道路 道の駅への一時退出 アンテナの疑問

2017年02月10日 | ITS
昨日のエントリーの続き。
実験対象となる道の駅は3つ。果たして出入り口にアンテナを設置するのかよくわからなかったので少し検索してみたところ、昨16年の10月に東京新聞系が、また一昨日2月8日に産経新聞が「ETC2.0通信ポイント」という名でアンテナを設置すると報道していた。最近の報道は産経しかなく、これはもしかしたら昨年の東京新聞がソースかもしれない。
産経が東京新聞をソースにするわけないとは思うが(笑

これ以外のソースが見当たらず、国交省のリリースにもアンテナのことは書かれていない。

2.0に限定して単に1時間以内であれば継続扱いにするという簡易的な方法を取るのかと思っていたが、やはりアンテナ設置は検討はされているようだ。しかしすでに実施しているガソリンスタンド立ち寄りではアンテナはなく、なんとETCカードを店員に手渡しし、店員が店内の読取機でデータを送付するという方法が取られてるとのことだ。

仮に報道が事実でアンテナを設置するとした場合、それがETC2.0専用でなければならない技術的は制約があるのだろうか。通常ETCでも一地点の通過情報をアップリンクし料金に反映することは出来ると思うのだが。

もし通常ETCでは技術的、もしくはコスト的にできず、2.0に限定しなければならないということであればその詳細理由を教えてほしい。ご存じの方、お願いします。

高速道路、道の駅への一時退出「賢い料金」の欺瞞

2017年02月09日 | ITS
国交省は高速道路利用時、道の駅などによるために一時退出する場合に継続利用とみなす実験を開始する。
報道発表「高速道路からの一時退出を可能とする「賢い料金」の実施について

この発表に対してメディアやSNSはほぼ好意的な反応になっているが、これがETC2.0限定だということにはほとんど触れられていない。そもそもその意味がわかっていないのだと思う。

ETC2.0(旧名ITSスポット対応車載器)の問題についてはこのブログで散々書いてきている。
複雑な歴史があるので簡単に説明することすら難しい。もし興味がおありなら、このページの検索窓にETC2.0と打ち込んでみてほしい。膨大なアップがあるが、ざっと呼んでもらえばわかると思う。

要点だけをいうと
・国交省はETCの次世代利用として、交通情報を車載器に提供する路側ポストを250億円かけて全国高速道路1600ヶ所に設置した。
・その情報を得るためにはETCを買い換えなければならない。当初はITSスポット対応車載器と言っていたが全く普及せず、ETC2.0の名前でリロンチングを実施。
・それでも全く市場認知は進まず、恒常的にモニターキャンペーンと称するキャシュバックを続けてきた。
・ETC2.0限定で圏央道割引と大口ユーザー割引制度の追加割引継続という禁じ手のような施策を打って、昨年後半はある程度の販売があったが、それでもETC全体に対する割合は1%以下。
・現在、テレビCMを打っている

これほどまでやって普及しない理由は、ドライバーにとってのメリットがないから。
当初喧伝していたメリットはすべて実現できなかったか、もしくは陳腐化している。
(なぜそこまでETC2.0普及にこだわるのかは改めて)

となると、無理やりメリットをつけるしかない。先に書いた圏央道や大口割引もそうだが、今回はそれに加えて道の駅への一時退出をやる、ということなのだ。

インターを出て1時間以内に再入場すれば継続料金扱いにする、なんてETC2.0でなくても出来る。
ETC2.0は車両の位置情報を履歴付きでアップリンクする。だから一時退出して何をしたかを把握できる。道の駅によって帰ってきたことがわかる。だからETC2.0に限定するのだ、という理屈だろう。
しかし、本当にそこまでチェックするのか?位置情報からその車が道の駅だけに寄って戻ってきたことを判定するのか?絶対にそんなことしないと思う。間違っていたら指摘してほしい。
道の駅の出入り口にDSRC路側機をつければ把握は可能だが、それなら2.0である必要はない。
それ以前に、一旦降りて1時間以内に同じ方向に再入場するなら全部継続扱いにすればいい。配達のような本来課金するべき商業利用が含まれるかもしれないが費用をかけて規制する程のことではないと思う。

PA,SAがない区間で一時退出を認めるのは利用者にとっては良いことだ。
便利なことならすべての利用者、少なくとも通常ETC装着車にも開放するべきではないのか?

プレスリリースのPDFファイルにもETC2.0に限定する理由は書かれていない。
私にはETC2.0普及のためにやっているとしか思えないが、違うのか?
ETC2.0でなければ技術的にできないのであれば教えて欲しい。

ロボットタクシー(株)の現状

2017年02月06日 | ITS
ZMPとDeNAの合弁事業で2020年までに無人タクシーを走らせるとしていた「ロボットタクシー」株式会社だが、ちょっと雲行きが怪しい。
以前のエントリーで2020年までに無人タクシーを「走り回らせる」ことは絶対にできないだろうと指摘したが、まさにそのような状況になりつつあるように見える。

ZMPは昨年末に予定していた上場を直前にキャンセルした。その理由を「顧客情報の流出」としているが、本当だろうか?
追い打ちをかけるように今年に入ってDeNAがZMPとの合弁を解消し、自動運転については日産自動車とすすめると発表された。

ロボットタクシー社の実証実験は老人向けの巡回買い物バスサービスと言うようなものになっている。
それはそれでこの先非常に重要なことなのだが、コミュニティでボランティアの運転手を選び運営するようなことで解決するレベルの問題なのではないか、と思っていた。
自動運転にする理由は運転手の人件費でしかなく、このあたりがもっと大きな世界をみていたDeNAの思惑とずれていたのではないか。

というか、本格的な自動運転のためにいまGoogleやカーメーカーが投下している経営資源と「ロボットタクシー」社のそれとの差はあまりに大きい。
実際に車、自転車、歩行者がいるトラフィックに運転者なしで出ていくためには相当な量のデータ蓄積と高度な制御技術が必要であり、ロボットタクシー社のR&Dレベルでは失礼だが難しい。おそらく当面は専用レーンをはしる路線バスのようなもの以上にはならないだろう。

ディアルSIMスマホ 全網通(全网通)3.0について

2017年02月05日 | モバイル・ウエアラブル
前にも同様のエントリーをしていますが、簡単に再度まとめておきます。
海外スマホにはSIMを二枚入れることが出来る物が多い、というか最近の新商品はそれが常識となっています。

しかし、多くの機種は「主カードを4Gにするとサブカードは2Gしか使えない」のです。
2Gでも海外では困りません。電話もSMSも使えます。しかし海外の2G(GSM)は日本では使われていない規格であるため、日本で使うと片方のSIMは「圏外」になってしいます。

一台のスマホに日本と海外のSIMをいれ、日本と海外を行き来する際にSIM入れ替えをしないで使えればとても便利ですが、それができない。

しかし、最近は「主カード4Gでサブカード3G」というモデルが出てきています。これらの機種は、中国では全网通3.0と称されています。
これなら海外、日本どちらでも同じようにディアルSIMで使えます。
日本では日本のSIMを主カードにし海外では海外SIMを主カードにする。主カード、サブカードは実際の入れ替えは不要でソフト上から切り替えることができます。
(AUの3Gは使えないという話があります。筆者はMVNOのドコモ系でしか確認していません)

華為MATE9,小米MIX,5S、OPPOR9sなどが全网通3.0の代表的機種です。中国のメーカーサイトではこの全網通についての詳細な記載がないので見極めが難しいのですが、おそらく今後でてくる上位機種は3.0搭載が普通になるでしょう。

ということで、海外SIMを持っていて日本、海外を頻繁に往復される方はぜひお試しください。

注)これらの機種は日本の技適が取れていない物が多いです。海外メインで時々日本に戻る方を対象に話しています(といっておきます)


ETC2.0のテレビCM

2017年02月05日 | ITS
ETC2.0のテレビCMを初めてみた。
今年の年明けに日本に帰ってきたばかりだし、そもそもTVはあまり観ないからかも知れないが、さほど頻繁には放映されていないのだろう。
YOUTUBE これ

今年のオートサロン、デンソーさんのブースでETC2.0の展示をみていたら、クルマ好きという感じの3人組がやってきて、「これってなに?」「GPS内蔵のETCだよ」「なんかメリットあるの?」「ナビがなくても使えるのかな?よくわからないけど」というトンチンカンな会話をしていた。まあ、認知はまだそんなものだということ。
一年半ほどまえだったか、ETC2.0サイドはメディアに対して告知を仕掛けたようでWEBメディアや一部新聞などにそれなりのパブリシティが流れたが、その効果は殆どなかったようだ。過去記事 「ETC2.0がスゴすぎる」産経新聞のスゴすぎる提灯記事

認知がすすまないからまたTVCMを打っているのだろうが、効果がないのはパブリシティが効かなかったということではなく実際に何が「スゴい」のかさっぱりわからない、ってことじゃないのか?本当にスゴいものならもう火がついている。

ということで、今やっているTVCMは100%無駄使いなわけだが、そんなことは承知の上でやられているような気もする。
そもそも本気で普及させようとしているのか?あの程度の露出でどの程度の効果があるか、一年前のメディア露出の後の効果測定はどうだったか、これらを総合的に考えると普通の感覚ではほとんど効果はないという結論になるはずだ。
莫大な費用をかけて路側機を設置したからやめられないのか、予算消化なのか、仕事のための仕事なのか、代理店の提案の言いなりなのか、内情は分からないがまあそんなところだろう。

TVCMの最後に流れる1万円キャンペーンは、なんと「いままでETCを使っていなかった人」限定だそうだ。首都高利用で今に至るまでETCを付けていない人は「めったに使わない」人だろう。その人がいくら1万円引きとは言え、高い2.0をつけるだろうか?