ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

米国の退役軍人とホームレスの関係

2007年12月29日 | 雑記
ITSとは関係ない話だが。

珍しく新幹線のグリーン車に乗車し、備え付けのWEDGEを眺めていたら驚くべき見出しを発見した。(P35です)

「米国の退役軍人 4人に1人がホームレスに」

本当かよ!
でも、読んでみるとこの見出しは単純な間違いで、「米国のホームレスの4人に1人が退役軍人」ということらしい。
この雑誌の編集者は何を校正しているのだろうか。

さて、この記事のもとネタは米国のホームレス救済のNPOが発表したものらしい。
いわく、米国のホームレスは75万人、そのうち26%が退役軍人だった。
一方、米国の退役軍人は2340万人であり、18歳以上の人口の11%に過ぎない。
つまりは、通常の倍以上の確率で退役軍人がホームレスになっている、という、
毎日JPの記事

普通に読めば「戦争を経験することによる心身の傷によって労働が出来なくなってしまっている」状態が想像される。

しかし、この数字については以下の2点を検証しなくてはならない。

1.一般の職業への適性が不足していたので職業軍人になった人も結構多いだろう。
2.退役軍人もホームレスもほとんどが男性。
  しかし、退役軍人の人口に占める割合11%という数字は男女併せた総人口に対してのもの。
  男性人口に対する男性退役軍人の割合いは20%に近くなるのではないか?

以上を勘案すれば、ホームレスの26%が退役軍人であってもさほど不思議ではないように思える。
  

首都高X もう少し

2007年12月29日 | 高速道路
今年は「年末進行」でばたばたし、今日も昼まで仕事をしていた。

さて、首都高Xについていろいろ書いてきたが、その間に一部の新聞で首都高距離別料金の最高額引き下げ見直しに関する報道があった。例の特定財源云々にからむ話だ。

仮に首都高の距離別料金の最大額が1000円になるとすれば、首都高Xのメリットは小さくなってしまうので成立は難しくなるだろう。
「年に数回しか首都高を利用しない」というターゲットユーザーの立場で考えれば、メリットよりも面倒が勝ってしまう。

確かに、与信が受けれずにETCをつけることが出来ないユーザーも対象になるのだろうが、首都高パーソナルカードだってある。
年会費やデポジットの高さがネックなら、そっちの仕組みを見直せば良い。

まあ、ここまで来たんだから導入する、というのならそれは別にいいけど、私にはそれほど多くの利用者が獲得できるとは思えない。

しかも、首都高Xは収受員前提のシステムだ。
将来を見越すなら、出来る限りETCに集約して有人ゲートをなくす方向に持っていきたいのではないのか。
中途半端な数の首都高Xユーザーが将来のお荷物になるかもしれない。

私はやっぱりETCの見直しが正解だと思う。
シンガポールのERPやアメリカのEZpassのような、簡易な仕組みでいいと思うんだけどね。

M-1グランプリと若者のクルマ離れ

2007年12月24日 | 雑記
M-1グランプリはサンドウィッチマンの優勝に終わった。
この番組はオートバックスが提供しており、前年の優勝者によるCMが放映される。
したがって今回の担当はチュートリアル。

「ナビは純正より後付が良い」なんていう、通常TVではあまり聞くことのないカー用品のCMにはむしろ違和感すらある。カー用品市場は恐ろしく冷え込んでいるのだ。

以下は2chから。

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1 名前:名無しステーション[sage] 投稿日:2007/12/23(日) 20:43:46.98 ID:1JGIl2Xo
サンドウィッチマンの優勝はない
だってオートバックスのCMに出せるようなガラじゃない

4 名前:名無しステーション 投稿日:2007/12/23(日) 20:44:05.92 ID:3tHD8STA
オートバックスの客てこんなんばっかじゃねーかw
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サンドウィッチマンの容貌を知らない人にはわからないかもしれないが、つっこみの伊達はもろにヤンキーだし、ボケの富澤はちょっとオタクっぽい。
いまどきクルマいじりをする奴はオタクかヤンキーだ、といっている。

若者のクルマ離れについて業界人に説明する時、車好き=オタクかヤンキー=軽蔑の対象という話がどうもあまり理解されない。というか、クルマという商品が若者の間でそこまでイメージを悪化させているということを信じたくないのだろう。
だから「携帯にお金がかかるから車まで手が出ない」というような一見もっともな理由を信じたがる。

でもそうした認識はマーケティングを誤らせる。たとえば日産はCUBEで「月々の支払いは携帯料金より安い」みたいなCMを打ったけど、あまり効かなかった。

この辺は各社かなり試行錯誤しているように見える。
トヨタの新bBは、もろヤンキー狙いのようなスタイルやスペシャルオーディオでスタートしたが、現在のCMは夜の遊園地で男女が遊ぶというファンシーな映像に一変している。

まさに手探り状態なんだろう。

首都高Xと海外の課金方式

2007年12月23日 | 高速道路
首都高Xについて、もうすこし。

首都高の距離別料金についてはトラック業界から強い反対があり、最高金額についての見直しが入りそうだ。今日の新聞では、最高1000円を想定しているらしい。
まあ、トラック運輸の場合は都心を目的地とするケースは少なく通過利用が主体だろうから、距離別料金制度は実質値上げと捕らえられても仕方がない。
首都高㈱にとっては燃料の高騰という非常に間の悪い状況となってしまったようだ。

いずれにしても、この線で決着するとしたら現行料金との差は300円。年に数回しか利用しない首都高X想定利用者にとって、ますます購買動機が小さくなってしまう。
やっぱり無理でしょ、首都高Xは。考えた人は頭がよかったけど、マーケティング的には成立しないと思う。

で、前回予告した「首都高Xは複雑ではないのか。何故海外のようにカメラを使わないのか」という問いに対する回答について。

首都高㈱さんの回答いわく
・カメラは精度がわるく、85%程度の認識率しかない。
・いま、ETCできっちり管理しても0.1%は不正通行がある。
 これを15%も把握漏れがでるカメラにしたら、大変なことになる。
・海外ではカメラを使っているが、やはり認識率が悪い。
 でも、外人はいい加減なので、それで良しとしている。
 いい加減なことが嫌いな日本人としてはこれはだめだと思う。

 注)しかし、カナダ、オーストラリア、シンガポール、英国を例に挙げた上で「低い精度を許容するお国柄」と言い切るのはいかがなもんかねぇ。

この論旨には大きなミスリードが隠されている。
通行把握率と、不正通行の取り締まりは別の話なのに、それを巧妙にごちゃ混ぜにしている。

85%の把握率でも、常習不正通行車両の割り出しには十分だろう。
というか、仮に不正発覚率が85%であっても、それによる罰則が大きければ抑止効果がある。15%のラッキーを狙って不正をする人間は多くないだろう。
不正通行に対しては当然支払い督促がなされ、期日を過ぎると罰則金額が加算される等の仕組みになっていることが多い。

一方、多大のコストをかけた日本のETCシステムは100%の把握率を持っている。しかし、罰則がない。罰則がないどころか、支払い督促すら来ない。
だから不正通行をなくすことができない。

どっちのお国柄の方が賢いか、考えるまでもない。


首都圏 高速道路の未来を考える シンポ その2 首都高X

2007年12月21日 | 高速道路
首都圏 高速道路の未来を考えるシンポジウムについて 続きです。

次に、首都高速㈱の渡口執行役員のお話。
首都高の距離別料金導入に関することが主体だった。
距離別料金の導入自体には私は大きな異論はない。逆に、どうも首都高㈱さんが一番気にしているように見える「これは実質値上げじゃないのか」というようなエモーショナルな論議をする気はまったくない。この辺についてはまた後日。

で、ETCをつけない人用の距離別料金適用システム「首都高X」についても簡単なご説明があった。これについては大いに疑問だ。
(当ブログ10月15日エントリー

首都高Xは松下製らしい。まだ試作だが、量産準備は完了しているようだ。
その仕組み概略は以下の通り。

・専用の機械とそれに紐付いた電子マネーカードをコンビニなどで数千円で販売する。
・カードに1200円以上チャージする。
・機械をシガーライターに差し込む。
・入口料金所でカードを収受員に手渡しし、1200円引き去る
・出口で路側機が機械を読み取り、通行区間を特定する。
・後日、再チャージ時等に割引分をカードに返金する。

この仕組み、非常に頭の良い人が考えたことは認めよう。様々な制約条件をかいくぐって、ETCをつけないユーザーに割引適用のチャンスを提供することができる。
でも、一回原点に戻ってETC申し込みの仕組み簡素化等、制約条件を見直すべきだったことは明白だ。
首都高㈱がETCの仕様を変更できないことはわかる。でも、消費者の立場を考えれば、NEXCOや国交省、ORSEと調整するくらいの対応ができなかったのか。

配布された資料によれば首都高Xは「最初楽、後やや面倒」、ETCは「最初手間、後楽」だという。
しかし、「最初」は一回だけど、「後」の手間は毎回なわけで、本当にこんなものが普及するのかビッグクエスチョンマークだ。

さらに、1年間に1往復しか首都高を使わないクルマが全通行量の3~5%を占めていて、ETCをつけてもらうことは期待できないという。でも、そんなユーザーが片道最大でも900円の割引のために数千円かかる機械を事前に購入するとは到底思えないのだが。

次に、「首都高Xは複雑ではないのか。何故海外のようにカメラを使わないのか」という問いに対する回答があるが、これは正直本当にいただけない。
長くなるので、また明日。

首都圏 高速道路の未来を考える シンポ その1

2007年12月19日 | 高速道路
mobility21主催の「首都圏 高速道路の未来を考える」シンポジウムについて。

まず、早稲田大学の杉山雅洋教授によるオープニングスピーチ。

わが国において、なぜ大阪が地盤沈下し、東京がここまで大きな都市となったのか。
教授は東京をORIVERKETと称する。Original, Versatile, marketから成る造語で、オリジナリティ溢れる多様な市場都市、ということらしい。そして、それが大阪を上回る大都市になった理由らしい。私には徳川以来ずっと首都だから、という理由しか思いつかないのだが。
まあ、そんなトウキョウを支えているのが道路ネットワーク、ということである。

教授は高速道路無料化論にはまったく与しないという。
その理由は、ひとつに渋滞のコントロール、もうひとつは受益者負担の原則だという。
確かに、受益者負担という意味での高速料金はその通りだろう。
しかし、それは世界一高額なわが国の高速料金に対する十分な説明にはなっていない。

そもそも高速道路というインフラは国家の宝物だと思う。それに対して「高いから使わない」というような料金を設定すること自体、もったいない話だ。
ましてや、料金で通行量をコントロールするという発想が良く理解できない。
使うべき車両がすべて通行しても渋滞を引き起こさないように設計されてしかるべきだと思う。(まあ、これはわが国の国土と車両台数の関連から難しいのだろうが。)

それ以上に私が強く思うことは、「クルマは出来る限り専用道路を走るべきだ」ということだ。高速道路での交通事故死の発生率は一般道のそれに比較して圧倒的に小さい。

渋滞しない程度に料金を高くする、という選択肢が社会的に正しいことなのかどうか、よく議論する必要があると思う。

明日以降に続く

岩貞るみこさん、目を覚まして!

2007年12月17日 | ITS
週末珍しく体調を崩してずっと寝ていた。
木曜日に、mobility21主催のシンポジウム「首都圏 高速道路の未来を考える」に行ってきた。
mobility21はモータージャーナリストの清水和夫氏が発起人となり進めているNPOで、クルマ好きの立場からクルマの負の遺産を排除していこう、という活動を進めている。

内容については明日以降改めて書くつもりだが、シンポジウムセッションの中でモータージャーナリストの岩貞るみこ氏から、参宮橋実験を高く評価するようなご発言があった。参宮橋実験とは、首都高4号線の参宮橋にある有名な事故多発カーブで、カーブ先渋滞の情報をビーコンVICS付きナビに情報提供することで事故を防止する、という実験である。

実際に事故は激減しており、国交省、ITSJapan等の関係者はこの実験は大成功だと宣伝をしている。岩貞氏もすっかりだまされているようだ。
しかしこのブログで何回も指摘しているように、この実験の成果は嘘のカタマリなのだ。

・そもそもビーコンVICSつけている車は1割以下。
 こんな劇的な効果が出るって本当なの?
・カーブ先渋滞の有無にかかわらず、事故は減少している。
 むしろ、単純な速度超過に起因する事故が減少したのは何故?
・VICS情報提供を途中停止した3ヶ月間も事故が増えなかったのは何故?
・VICS情報提供に先立って舗装の打ち直しをしたが、
 その時点から既に事故が減っているのは何故?
・仮にカーブ先渋滞が事故原因なら、その手前の新宿カーブと
 条件が変わらないが、なぜ参宮橋カーブだけ事故が多い?

そして、11月のITSJapan主催のシンポジウムでモータージャーナリストの両角氏がこの謎をすべて解明した。

参宮橋カーブはカーブの頂点にクルマの挙動が変わるくらい大きな継ぎ目があり、この実験をはじめる前の舗装打ち直しのときにこの段差を改善しているのだ。
上に箇条書きした事実はすべてこれに帰結する。

岩貞氏の論旨にはいつも敬服している。交通安全や弱者の立場からの交通行政への指摘など、非常に鋭いものがある。
特に今回のシンポジウムでおっしゃた「トラックなどは高速道路からおりないで欲しい」という意見は、クルマを生活道路にできるだけ入れるべきではないと思っている私はまったく同感である。

それだけに、岩貞氏には参宮橋実験の真実をきちんと理解して欲しい。
ほとんど事故防止に寄与しない路車間通信の実験なんて今すぐに中止して、首都高の道路継ぎ目の再点検をするほうが遥かに事故防止に役立つのだ。

12月17日 記事訂正 Mobility21->mobility21
Wordをエディタ代わりに作っていて、頭大文字の自動校正に気が付きませんでした。失礼しました。

日産とクライスラーが提携

2007年12月15日 | 雑記
日産とクライスラーが相互OEMによる提携交渉に入っているという。
クライスラーにとっては小型車の調達による北米外への展開、日産にとっては大中ピックアップやミニバンの品揃え拡大が狙いらしい。

でも、これは無理だろう。

三菱はピックアップをクライスラーからOEM調達している(Raider)が、まったく売れていない。北米の消費者は日本車ブランドにこんなものを求めていないのだ。

北米の消費者が日本車に期待するものは「小さくても」「高性能」で「精緻な仕上げ」と「ハイテク装備」だったりするわけだが、デトロイトスリーが作るピックアップは「パワーはあるが」「大味で」「オールドファッション」さらに「つくりが雑」と、まさにその対極にある。

日産はさすがにもう少し頭を使った提携を考えているとは思うが、クライスラーに調達する価値のあるモデルがあるとはあまり思えない。

高速道路での交通事故死者数

2007年12月11日 | 高速道路
ちょっと気になったので高速道路と事故死者の関係を調べてみたところ、驚く数字が出てきた。

(古いデータだが)平成15年度の交通事故死者数は7465人。一方、そのうち高速道路での事故死者は255人。構成比で言えばわずか3%程度。おそらくこの傾向は最近も同様だろう。

いま、国交省、ITSJapanを初めとするわが国のITSは交通事故死ゼロを目指す、ということで高速道路上での路車間通信実験を行っている。でも、仮にこれで高速道路上の事故死者をゼロにしたところで全体の交通事故死者は3%しか減少しない。

高速道路は一般道に比べて圧倒的に安全な道路なのだ。絶対数でこの差なので、走行距離あたりの安全性で言えばその差はさらに拡大する。
言い換えれば、自動車専用道は安全だ、ということになる。実際わが国の交通事故死者の半分は自転車と歩行者だ。

わが国の道路がまず真剣に取り組むべきことは、トラフィックの分離や生活道路における速度規制などではないのか?

交通事故死者ゼロというお題目の影にかくれて、華々しいけど実は実効性にまったく欠ける高速道路でのDSRC安全運転支援実験なんかに金と労力をかけるのはもうやめにして、生活道路の事故防止に視点を移すべきじゃないのか。

通信でもハイテクでもローテクでもレガシーデバイスでも、それらのミックスでもいいから、最も交通事故死者減少に実効があがり、費用対効果が優れた施策を推進するべきだ。

道路財源

2007年12月10日 | 高速道路
最近忙しくて更新がままならない。今日は移動中にモバイルでエントリー。

先週、自動車関連諸税と道路財源が話題になったことはご承知だろう。世論 マスコミがこれだけ批判しても無視して進められることになりそうだが、少なくとも道路行政に関しては民主議会政治は存在しないといわざるを得ない。

高度成長期に道路整備が急務だとして採用された暫定税率が国民のコンセンサスなしに恒久税率になろうとしている。その金額は道路だけでは余るんじゃないか、という。そこまでは良い。
それならほかにまわすだとか、いやいや余らないのだ、とか、ほとんど井戸端会議のような議論がまかり通る。もう少し理論的にやれないのだろうか。

まずは、各道路別に整備の必要性とプライオリティーを示すべきだ。もうやっているのかもしれないが、経済環境が変わっているし、それ以上にきちんと外部監査をいれる必要がある。
このブログをやって、官のつくるデータがいかにインチキであるか、よくわかった。特に経済効果、なんて言葉がでてきたら相当に疑ってかからなければいけない。

その結果余るなら自動車関連暫定税率の引き下げ以外の選択肢はないと思うのが普通の結論だと思う。

国民の税金を何十兆円も使う政策がなんでこんなに非科学的な議論で決まってしまうのだろうか。

光ファイバー

2007年12月03日 | 雑記
NTTが2010年までに3000万世帯を目標としていた光インターネット契約を2000万世帯に下方修正、これに伴って総務省の「IT国家・次世代ブロードバンド戦略2010」にも黄色信号がともった。

私の家にも光の勧誘電話がかかってくるけど、光に乗り換える予定はない。今のADSLに不満がないからだ。
困っていないのに、月額が増える光にする必要はない。

私が特殊なわけではないと思う。
頻繁に動画をストリーミング再生やダウンロードする人以外、ADSLで問題ない。
この辺が、「ハイテクで何ができるか」というプロダクトアウト発想と、「何をしたいか」というマーケットイン発想のギャップだろう。

一方で、この施策は単なるNTTの問題ではなく、政府のIT構想とも絡んでいる。
民間にビジネスモデルを作らせて、官は規制緩和などで協力しながら通信網を完成させる、という構図であり、ある意味DSRCの民間利用に似ている。
官の狙いは、日本中に光通信網を敷設すること。それにより、テレビ映像並のテレビ会議システムのようなものが作れれば、過疎地の医療や教育に役立てることが出来る。それを民間の活力でドライブさせよう、って話だろう。

しかし。

冷静に考えれば、ごく普通のインターネットユーザーにとって100Mなんていらない。

今後の普及の鍵はキラーコンテンツの明確化、というおなじみのフレーズで締めくくられるわけだが、本当にキラーとなるようなコンテンツが存在するなら、明確化なんていう以前に判っているはずだ。
動画コンテンツでビジネスをしようとするなら、本当のプロによる作品でなければ無理だろう。
話題のYOUTUBEにしてにても、もし有料でもみるか、といわれたら疑問だと思う。

映像の世界には強力なライバルであるTV放送が無料コンテンツで存在している。
TV放送を低俗なものと侮ってはいけない。エンタメビジネスの世界で何十年も視聴率の洗礼を受けてきた結果が現在の放送内容なのだ。
さらに今後デジタルで多チャンネル化し、選択肢が拡大する。
お金をはらってそれ以上を求める消費者がそんなに存在するとは到底思えない。

私には放送と通信の融合が「時間の問題」だとはとても思えないのだ。