ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

クルマ嫌いの若者むけにホンダが出した答え

2005年12月31日 | ITS
来年早々の東京オートサロンにホンダは『ステップワゴン』モデューロコンセプトというクルマを出展する。

最近の若者のクルマ離れは自動車メーカーにとって大きな問題であろう。
若者のクルマ離れは2つの側面から分析することが出来る。
ひとつは、もはやクルマは単なる生活道具でしかない、ということである。
特別な商品ではないのだ。
したがって、生活道具以上の思い入れがなくなってきている。
これが自動車メーカーの「正式見解」だろう。

もうひとつは、実はこちらのほうが大きな問題なのだが、「クルマ好きはもてない」のだ。クルマ好きは大きく2つに分けられる。
オタク(ランエボ・インプレッサ系)、ヤンキーもしくはドキュソ(ミニバン系)だ。そして、この両者はどちらもあまりもてないのだ。

結果、最近の若者はクルマに対しては意図的に「単なる生活道具」以上の興味を示さない。本来なら、若い男の子は動く機械物が好きに決まっている。

ということで、ホンダが出した答えは、若者に訴えるものは動力性能やコーナリング、エアロパーツではなく、ハイテク通信機器だ、というものである。
レスポンスの記事を参照

「クルマを単なる移動手段と考えている世代は、携帯メールでのコミュニケーションが当然になっているユビキタス世代なのです。クルマの中のナビも、クルマの中専用にする必要もないし、いつまでもDINサイズじゃなくポータブルにして家庭のパソコンとリンクさせるのが主流になるはず」

ということで、持ち出せ、PCと連携できるナビを提案している。

ある意味、当たっていると思う。
確かに電話、メール、ポータブルプレーヤー、ゲーム機、ナビなどは将来ひとつの携帯機器に集約されるだろう。
しかし、そのベースはだれがどう考えても携帯電話だ。ナビゲーションではない。そこにちょっと無理がある。

そはいっても、クルマ離れしている若者をキチンと認識し、分析し、それに正面からアプローチするというホンダの姿勢は評価できる。

宮古島のこと

2005年12月30日 | ITS
休暇をとって宮古島に行って来た。

沖縄同様、公共交通機関がないため、観光客はレンタカーを使うことになる。
一般に、販売が思わしくなく、かつ販売奨励金がかかっている量販車がレンタカーとして売られていくことになるのだが、その結果、島中がマーチだらけになっている。
ああしたデザイン的にインパクトが強いクルマが至るところにいるのも、気味が悪いものだ。

宮古島には北端と西端に離島があり、それぞれ橋で本島と結ばれている。
写真は西にある来間島にかかる来間大橋である。

来間島は3平方キロ弱、人口180人が暮らす集落がひとつと、あとはサトウキビ畑だ。
観光客は、この橋を渡った先にまったく観光スポットが存在しないと聞いて驚く。
そして、この1992年に完成した橋には100億円近くの税金が投入されている。
島民一人につき5000万円。

北端の池間島にもほぼ同様の橋がかかっている。

急病人の搬送、日常の買い物、サトウキビの出荷など、この橋が出来る以前の島民の暮らしが困難なものだったことは想像に難くない。
しかし、だからと言って200人足らずの一部国民の福祉のために100億かけて橋をかけるというのは、とても常識的な判断だったとは思えない。
バブル期には公共投資100億なんてはした金だった。何でもありだったのだ。

そして、この金銭感覚が「ITS関連市場は11兆円」などと平気で言い放つ現在の国交省につながっているんじゃないのか?

テレマティクスはどこへいく

2005年12月26日 | ITS
モバイルキャストはM-Linkという新商品のTVCMをはじめた。同社Webサイトからも商品紹介を見ることが出来る。
大切な電話も逃がさない、というキャッチフレーズから、なにか新しい通信をはじめたのかと思ったら、要は単なるbluetoothアダプターつきヘッドセットだ。

この会社はテレマティクス関連会社のはずだが、最近は普通だったら「台湾の面白ハイテク商品」で終わってしまうような商品を、「かっこいいトレンディー商品」のようにお化粧して販売する会社のようになっている。しかし、TVCMとは思い切ったことをするものだ。

実は、テレマティクス関連企業は軒並み苦しんでいる。
あまり知られていないが、ハイパフォーマンスカー用品で一時期市場を席巻したAPEXも、i-mobissesなる通信型盗難警報をメインとしたテレマティクスに手を出したが、その後会社組織の変更など、かなり苦しんでいるようである。

そもそも、トヨタのG-Bookにしてもかなりの苦戦が伝えられている。G-Bookがいらないから、という理由で、販社装着のナビを選ぶユーザーが多いという話も現場からは聞こえてくる。

2年前、自動車関連に強いと言われる某有名証券アナリスト(日本3景的な名前の人)とテレマティクスについて議論したことがある。彼はきわめて単純にテレマティクスが自動車産業を変える、と言っていた。

私は、テレマティクスなんて絶対に普及しないと主張したが、「ハイテク嫌いの反動的意見」位に思ったらしく、あまり議論がかみ合わなかった。

要するに、そのサービスはユーザーにとって必要か否かであり、自らの生活者としての感覚で考えれば、「そんなものいらない」という結論になるはずなのだが。

ブルーバードシルフィー 女性専用というコンセプトはどうなのか?

2005年12月23日 | ITS
たまにはクルマの話をしよう。

昨日ブルーバードシルフィーが発表された。明確に、40歳以上の女性をターゲットにしている。
トヨタのベルタも、クラスは違うが、同じく明確に女性をターゲットにしている。

女性向の商品があっても良いじゃないか、だったら専用に開発してみよう、というコンセプトで成功している商品は多い。
だったらクルマも、と考えるのは自然である。

今までも女性仕様車は各社が出しているし、軽乗用車はそもそも女性専用車だ、ともいえる。しかし、5ナンバーで最初から女性向けと銘打って出てきたのは(マーチなどを除けば)シルフィーやベルタが最初ということになる。

ターゲットを絞り、そこに集中して商品を作りこむことは、マーケティングの基本だ。そういう意味では正しいアプローチのように見える。

しかし、これが本当にうまくいくのか、と言うことについて大きな疑問がある。その理由はクルマと言う商品の特殊性だ。

おそらく、シルフィーにしてもベルタにしても「女性用」というレッテルが貼られることになる。「女性用」のクルマを男が運転するのは、結構抵抗があるはずだ。
そして、このクラスのクルマが本当に奥さん専用で旦那は決して運転しないということはないだろう。
自分で運転するのが恥ずかしいクルマを奥さんに買うだろうか?

そして、実はそれ以上に女性専用車が陥ってしまう深刻な罠がある。
女性ドライバーの方は以下を読んでも気を悪くしないでほしい。あくまで一般論だ。

女性専用車は当然女性に売れ、運転するのは主に女性である。
そのクルマは、全員とは言わないが、車線変更が下手、発進加速が遅いといういわゆる「女の運転」で道を走ることが他の車種よりは多くなる。

つまり、女性仕様車のレッテル=邪魔なクルマのレッテルになる恐れがあるのだ。そして、これはクルマの価値を下げる。
クルマ好きには売れない、そんなことは気にしない人には売れる、ということになる。

それだけではない。女性がクルマを購入する場合、たいていの場合は親しい男性に相談する。若い男性やクルマ好きの男性の場合、そうした「邪魔なクルマ」を勧める事はないだろう。

結果として、ある程度年齢の高い女性しか女性専用車を買うことがなくなり、「邪魔な車度」はさらに加速していく。

クルマという商品に「女性専用」と謳うのは、とてもリスクが高いのだ。

姓と名をひっくり返すという不思議な習慣

2005年12月21日 | ITS
まったく話は変わるが、以前こんな記事を読んだ記憶がある。

ある建設会社が、そこで働くイラン人にたいして、名前が覚えにくいという理由で「田中」「鈴木」等と日本名を付けて呼んでいる、これは差別である、そんなような内容だった。

一方で、わが国の人々はアメリカに駐在すると、俊夫ならTomとか次郎はJimとか、(どうも喜々として)ファーストネームを変える人が多い。私はどうしてもこれが恥ずかしいことにしか思えない。

会社によっては、米人が積極的に日本人にニックネームを付けるらしい。そしてそのことに何ら差別感を持たないようだ。これぞアメリカ傲慢主義である。

そもそも名前というものは、異国に行こうがなんであろうが、変わるべきではない。

なぜ日本人は外国の人には名を先、姓を後にして名乗るのだろう。
面白いことに、姓が先の中国人や韓国人に対しても、名を先に名乗ったりする。
中国人や韓国人は姓と名をひっくり返して自己紹介したりはしない。

私も名刺はやはり名を先にしている。日本人は開国以来、外人に対して名を先に名乗ってしまってきたから、私だけ姓を先に記載しても受け取る側が混乱するだけだからだ。

しかし、やはり姓名をひっくり返すことはどうしても好きになれない。







参宮橋実験の論文が優秀賞を受賞だって

2005年12月21日 | ITS
日本道路会議は去る10月末、第26回会議で優秀論文賞を発表した。国交省ITSホームページからもたどれる。

受賞した論文とは、例の参宮橋実験である。

参宮橋実験については私の過去記事を参照いただきたい。
参宮橋実験関連過去記事NO1
NO2

過去記事で、この参宮橋実験の結果は「路車間通信の有用性アピールのアドバルーンに使われるに違いない」と指摘したが、まさにその通り。
霞ヶ関所在の社団法人「日本道路会議」に表彰させ、国交省のHPに掲載する、というちょっと複雑な手を使っている。

さて、その論文であるが、サービス導入前(2003年10月-11月)と導入後(2005年3月-4月)のおのおの19日間を比較している。19日の選択基準は、何故か*がついているが説明がないので判らない。

少なくとも路側情報板が設置されたのは4月末なので、その影響は排除されているようだ。

で、その期間の急減速と、60キロ以上でのカーブ進入車両の台数を比較し、ヒヤリ・ハットが4-10%減少した、としている。
また、体験したドライバーからのアンケートとして、多くのドライバーが「サービスは有効」と回答している、としている。

過去の記事にも書いたが、カーブ先の事故や渋滞を手前のトラフィックに伝達すれば危険が減ることなんて、実験するまでもなく明らかだ。そして、そのサービスを受けたユーザーに「有効か?」と聞けば、ポジティブな答えが返ってくるのもこれまた当然である。

しかし、繰り返すが、路側情報板ならば100%のドライバーに通知が出来る。10%のドライバーにしか通知できない路車間通信よりはるかに安全に寄与するなずだ。
そして、それは首都高速の危険なカーブすべてで、今すぐ実行可能なのだ。

それをしないで、わざわざ路車間通信について「実証実験」なんかする意味、そしてその論文を表彰し、宣伝する意味は何なのか?

要するに路車間通信がしたいのだ。その「金のかかる」ITSを推進する際の「エビデンス」として今後有効活用されるに違いない。

おサイフケータイ×公共交通

2005年12月20日 | ITS
本日、『おサイフケータイ×公共交通』から拡大する新たなるビジネスの胎動
というセミナーが行われた。

松山の伊予鉄道が鉄道、バス、タクシーのすべてで使える非接触IC乗車券システムと、おサイフケータイ対応の非接触IC乗車券サービスを開始、公共交通事業者の立場から地方の活性化を行い、地域ITSのビジネス化を成し遂げつつある、と言う内容だ。

ストーリーの大体の流れはレスポンス内の記事から読み取れる。

しかし、これをもって「公共交通とクルマの共生」とか、「地域ITSビジネスの成功例」だとかいわれても、ちょっとピンとこない。

公共交通機関で電子マネーが便利なのは、切符売り場に並ばなくて良いとか、降車時にもたもたしなくても良いからであり、それ以上のものではないと思う。

非接触IC乗車券システムにより電子マネーが普及したから、それが商店や観光産業へ拡大し、CRM的な活用ができる、とするのはあまりに話が飛躍している。

また、非接触IC乗車券システムで若者が公共交通に帰ってきたとか、クルマから公共交通へと適切なすみわけがされるようになったというような表現があるが、果たして消費者は「切符が非接触ICだから、クルマはやめて電車でいこう」なんて考えるものだろうか?

富士キメラ総研調査 2006年版 ITS関連市場の現状と将来展望

2005年12月16日 | ITS
富士キメラ総研は12月9日、「2006年版 ITS関連市場の現状と将来展望」を発表した。

これによれば、2005年のITS関連市場規模は約7,463億円と見込まれ、2012年のITS関連市場予測は1兆776億円(2005年対比144%)に拡大するとのこと。

まあ、このブログのサブタイトルにある「2010年に11兆円」なんていう馬鹿げたことはもはや誰も言わなくなったが、私は2012年の1兆776億も眉唾だと思っている。

そもそも2005年の車載器市場が5556億だとしているが、この数字のほとんどはナビゲーションであり、ナビゲーションすべてをITS車載器である、と言い切るのはかなり無理がある。ITSの言葉の定義にもよるのだろうが、通信機能がついていないナビをITS機器と呼ぶのはおかしいと、私は思う。
ちなみに純粋にITS車載器と呼べるETC車載器の2005年市場規模は、いいところ300億円だろう。

で、ここから先が問題だ。いわく

「ITSが進んでいないと言われていた背景には、次世代のITSサービスを確実に普及させる実証実験や標準化活動などの検証を行っていたことが挙げられる。次世代のITSサービスを実現する技術要素は既に揃っている。それをどのように活かしてアプリケーションを構築していくのか、どのようにしてユーザーに受け入れられるものとしていくのか、それらを模索していた時期であった。」

「これらの影ながらの活動が実を結びつつあり、今後ITS関連のシステムやサービスが多様に展開されていくことが想定される」

確固たるユーザーニーズがないから、模索しつづけているのであって、実証実験の完了や機器の標準化はユーザーニーズが見当たらないことへの回答になっていない。

そんな状態で、DSRC車載器が560倍に拡大する、と言われても、信用できない。
私は「絶対にDSRC車載器は普及しない」と明言しておく。

これはあくまで国交省・メーカーなど普及を期待している人たちから聞いた希望的な数字をまとめただけの調査結果と捉えるべきだろう。

ウォークマンAとi-pod

2005年12月14日 | ITS
ちょっと話がわき道にそれるが、満を持して発売されたウォークマンA。
i-podを何処まで追撃できるか、などという特集がTVや雑誌で見受けられるが、私はあれじゃとても勝負にならない、と思う。

雑誌などの比較で音質がどうこう、曲検索のやりやすさがどうだ、と議論されているが、圧縮ポータブルオーディオは結局はデザインでしょ?機能なんて大差ない。いってみれば時計のようなもんだろう。

で、ウォークマンAはかっこ悪いとおもう。KOOLじゃない。白金カイロみたいだ。
(例えが古くてすいません)

IBAが通常のETCによるサービスを開始

2005年12月14日 | ITS
コメントでも情報を頂いたが、IBA ITS事業企画さんは、通常のETC車載器によるサービスをはじめた。
埼玉のダイヤモンドシティ「キャラ」の駐車場が、4時間以内であれば無料で入退場できる。ただし、4時間を超過した場合の決済はETCクレジットカードでは出来ず、別途行う。また、買い物による駐車場割引はできない。

これはこういうことだ。

ETC普及はますます加速している。いま新車を購入する人は、相当の高率でETCをオプションで選択している。
もちろん、そのETC車載器はIBA対応ではない通常のETCだ。

通常のETCを付けてしまったユーザーにIBA対応のETCへの交換は期待できない。
このまま看過すれば、IBAのビジネスチャンスはどんどん小さくなっていく。

そこで、通常のETC車載器ユーザーも会員に取り込む、という作戦に出たのだろう。

しかし通常のETCは高速道路の料金決済しか出来ない。ダイヤモンドシティ駐車場の奇妙な制約もその所為である。

したがってIBAに電子決済に関わるビジネスは落ちてこない。ビジネスは初年度無料の会費(年間3000円+税)だけだろう。集客効果見合いで駐車場から手数料を取っているかもしれないが。

とりあえず会員を増やして囲い込み、その後の展開を睨む、というような感じだろうか?

しかし(前にも書いたが)IBAサービス会費年間3000円に関しては費用欄の欄外の注記のようなところにしか記載がなく、隅々まで読まないと判らない仕掛けになっている。とても大企業100%子会社のやり方とは思えない。

ETC(DSRC)サービスと電子マネーの関係

2005年12月03日 | ITS
昨日も書いたように、スイカをキオスクで使うことと、多機能ETCをガソリンスタンドで使うことはよく似ている。

スイカやEDYなどの電子マネー系カードの今後の普及は既定路線であるかのような論調が多い。
確かにスイカやおサイフケータイの発行枚数を見ると、ある程度の普及はあると思う。また、ドコモやJRの大掛かりな宣伝が普及の助けになるだろう。しかし、誰もが日常的に使うようになるとは思えない。
逆にいえば、これだけ対応する装置が消費者に普及し、かつTVCFまでやっている割には普及が遅すぎるんじゃないか、とも思う。

多機能ETCのハードルはさらに、というか遥かに高い。
読取装置を設置する事業者側にメリットがないし、JR構内キヨスクのように採算を度外視して設置する義理のある事業者もいない。

さらに、今現在のETCは使えない。統一仕様の多機能機種が出るのはまだ2年先だ。

しかし、最大のハードルはおサイフケータイなのだ。そして、このストーリーは将棋でいえばすでに「詰んで」いる。
どういうことが説明しよう。

まず、仮におサイフケータイ決済が一般に普及したとしよう。
2年後には、誰もがおサイフケータイで日常的にキャッシュレス決済をする世の中になったとする。
多くの事業者が、おサイフケータイの読み取り機を設置する。
そういう状況の中で、多機能ETC用でのキャッシュレス決済がおサイフケータイと勝負できるのだろうか?GSにせよ、ドライブスルーにせよ、車載器が自動的に読み取ることと、ケータイをかざすことに消費者の手間にさしたる差があるとは思えない。
消費者にとってコンビニではケータイ、ドライブスルーではETC、と使い分ける必要はまったくない。
そして、すでにおサイフケータイ読取装置に投資した事業者が、さらにETC対応に投資するとも思えない。

次の仮説として、おサイフケータイ決済が普及しないとしよう。
対応機器が消費者に普及しても、それを使ったキャッシュレス決済が普及しないということは、キャッシュレス決済に対する消費者ニーズはたいしたことはない、ということになる。したがって、多機能ETCへのニーズも盛り上がらず、通常のETCよりも割高な多機能ETC車載機器の普及は望めない。

スイカの買い物利用

2005年12月02日 | ITS
昼休みにとなりのテーブルで女性社員がスイカの便利さについて話し合っていた。

確かにキャッシュレス改札通過は間違いなく便利だ。
さらに、JRはスイカでの駅中キャッシュレス決済を強力に進めている。
スイカを使ってもらうためにキヨスクにPOSレジが導入された。
さらに、来年1月末にはおサイフ携帯でも利用可能となる。

キヨスクのキャッシュレス決済は便利だろう。POSレジの所為で店側はかえって効率が下がっているという話もあるが、電車に乗る前のわずかな時間に利用する消費者側にとってみれば確かに便利かもしれない。

しかし、いわれているほどの普及は本当にあるのか?

まず、スイカのキラーコンテンツは何か、ということを良く考えたほうが良い。決して、「キャッシュレス」だということではない。「並ばなくて良い」ということだ。

スイカを持っている人の数は1年前に1000万人を超えているが、キヨスクでスイカ決済している人の数が、それに見合うほどいるようには思えない。
まだやり方がわかない、残高が判らず使いづらいなどの理由はあるだろうが、本当に便利ならもっと早く利用が拡大しているように感じる。

大体、キオスクは熟練の売り子さんがすばやくお釣りを数えて渡してくれるわけで、現在の現金決済に大きな不満なんてあんまりないでしょ?

で、この話はETCとDSRCサービスの関係に似ているのだ。