ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

DSSSの今後

2011年05月31日 | ITS
前回のエントリーで、甲州街道永福料金所のDSSS(警察管轄のITS)路側機を見に行った話を書いた。そこでは光ビーコンが反応したのだが、その後の各氏からのコメントで、やはりこれは光ビーコンを使ったもので、DSSSは今後も光ビーコンでいくらしい、ということがわかった。

高速道路ではDSRC利用によるITS路側機(国交省管轄)の設置が進んでいる。これは電波ビーコンからの代替なのだ、という見方もできる。しかしDSSSが今後も光ビーコンを続けるということは、ビーコンVICS関連の車載器はこれからも必要だ、ということになる。一方で、一般に今あるカーナビ用のビーコン受信機は光・電波共用なのだが、この辺はどうするつもりなんだろう?

高速道路と一般道双方のITS情報を受け取るためには、ユーザーはDSRCの交通情報を受けることができる専用のETCアンテナとナビを装着し、さらに光ビーコンをつけなければいけなくなる。
ユーザーにとっては高速道路だろうが一般道だろうが関係ないことなのだが。

そもそもDSSSは警察関連、つまりは信号機系のメーカーが今まで担当してきた。一方のDSRCは大手の電機メーカーが主体で進めている。この辺の「複雑な」事情が省庁の垣根以上に統一への障害となっているのだろう。

それとも、この先光ビーコン受信機能を併せもったITS車載器がでてくるのだろうか?

DSSSのITS

2011年05月29日 | ITS


甲州街道側道の永福料金所付近に、DSSSの路側機が設置されたというので見てきた。
私はDSRCだと思っていたのだが、カーナビのVICS表示が反応した。どうやら光ビーコンのようだ。
DSRCも組み込まれているのかどうかは私のカーナビが対応していなのでわからない。しかし写真からは光ビーコンに見える。

おそらく、首都高速4号線の退出路との合流に対する注意喚起をするのだろうが、今時点ではナビ画面への表示は「調整中」だった。

確かに一般道路と高速道路では車速が違うので、DSRCと光を使い分けるというのは理解できるが、それは一般道の車速ならDSRCまでは不要、ということで、DSRCへの集約は可能だと思う。
将来にわたってユーザーは光ビーコンとDSRC対応ITS車載器の2つのセンサーを付けろ、と言っているのだろうか?

高速道路では交通情報伝達を電波ビーコンからDSRCに変えると決めたんなら、今後は全ての交通情報発信はビーコンからDSRCに置き換えていくべきではないのか?DSSSのITSはこれからも光ビーコンでやるのだろうか?
そもそも光ビーコン受信器なんて大して普及していないし、今後DSRCが出てくるなら(これも大して普及しないと見ているが)少なくともそれに集約するべきではないのか?新たに費用をかけて光を設置する意味が分からない。
警察がやっているDSSSと国交省がやっているDSRCという役所間の縄張り争いが続いている、ということ?

私にはほとんど理解不能。
理解が間違っていたら教えてください。

青色LEDの効果?

2011年05月24日 | インチキ・疑似科学


一年ほど前から山手線のホームの端になんとも奇妙な青色LEDの殺菌装置のようなものが設置されていて、ずっと気になっていた。
先日ふとネットで調べた所、これはなんと飛び込み自殺防止装置だという。
中央線の踏切などにも設置されてるようだ。

なんでも、青色は人の精神状態を落ち着かせる効果があるという。
しかし精神を落ち着かせると自殺を防止できるのか?というのは甚だ疑問だ。
実際に自殺防止に関しては科学的な証明は全くされていないし、同じく導入したJR西によればどうやら実際にあまり効果は出ていないらしい。

こんな迷信かオマジナイみたいな物をJRのような大企業が真面目に設置するってのが、ちょっとおかしかった。

カローラが韓国で惨敗

2011年05月05日 | 雑記
ソウルモーターショーでトヨタが発表したカローラが、年間販売目標1800台に対して発売後1ヶ月で15台しか売れなかったという。
これについて韓国のメディアでは「世界のトヨタの看板モデルでさえも、韓国車に勝てなかった」というありがちな記事が掲載されている。

しかし、これは明らかにマーケティングの失敗だろう。
昔、円高を利用してクライスラーが小型車「ネオン」を日本に導入して大失敗したのと似ている。
当時クライスラーは「道が狭い日本市場では小型車が一番売れている」としてネオンを投入した。

韓国車は基本的に日本車を手本に作られており、今ではその品質も一定レベルに達している。
国産で概ね同じような車が存在し、ブランドイメージもトヨタブランドの中では高くなく、それでも韓国国産で相当の競合車であるソナタなどと比べると1000万ウォンも高い。

カローラというブランドは、輸入車としての価値感はかなり低い。
日本に輸入されている車で例えれば、全く売れてないオペルや欧州フォードの小型車と同じ。
国産車(韓国では韓国車)との差別感やブランド保有の満足度は高くない。それに余計な1000万ウォンを払う人はいないだろう。

韓国市場にコモディティ化した大衆車で勝負しても、絶対に勝てない。それは彼らの得意商品であり、激戦区なのだ。
韓国車にないセグメントか、もしくはレクサスなどの差別化された高級ブランドしか売れないと思う。

----以下 アジア経済の記事の和訳引用-----

トヨタが看板モデル「カローラ」を国内で発売したが体面を台無しにした。発売初月は「15台」というみすぼらしい成績を残したため超非常事態を取った。

 4日、韓国輸入自動車協会と輸入車業界によれば、今年4月韓国トヨタ自動車が発売したカローラの新車登録台数は計15台と集計された。
「2011ソウルモーターショー」で初公開した後に販売を始めたカローラは、全世界累積販売台数3700万台を記録し単一車種基準で「自動車産業史上、最も売れた車」として知られている。
今回国内にリリースしたカローラは10世代モデルで、過去1966年に第1世代が初めて開発されて以降、トヨタの代表的な世界ベストセラーモデルとして君臨してきた車だ。

 だが、国内消費者の反応は冷たかった。業界では韓国トヨタのカローラ国内発売が惨敗した件について、消費者のニーズを適切に反映していない不必要な仕様とこれによる高価格などを背景に挙げた。
カローラの国内販売価格は2590万~2990万ウォン(約194万円~約224万円)で、同クラスの現代車アバンテと比較すると1000万ウォン(約75万円)程度高い。

 競争車の輸入関係者は「1800ccクラス車両のカローラが国内で反響を起こすと期待する見方が多かったが意外な結果が出た」と伝えた。

仙台へ

2011年05月03日 | 雑記
東北の状況を自分の目で見ておきたくて、日帰りで仙台まで行ってきた。
6月には休日1000円終わっちゃうらしいし。東北方面は無料になるかもしれないが、高速道路料金にまつわる政府発表は今まで何一つ実現していないので信じることが出来ない。

「物見遊山」的な後ろめたさが大いにあったが、年を考えるとヘドロ掻き出しのボランティアも無理そうだったので、東北経済にお金を落とすという大義名分で自分を納得させて出かけた。

東北自動車道は2日の平日ということもあり、特に渋滞はなく仙台空港まで到着。自衛隊の災害復興車両がたくさん北上していて頼もしい。
東北道はアンダーパスの部分の継ぎ目に段差ができたようで、何百もの箇所で応急処置がなされている。応急と言っても短期間で開通まで持っていったNEXCO東日本の努力に敬服した。



未だに数えきれない車両や漁船が畑、道路に散乱している。(仙台空港近辺)



農地開拓を記念した石碑が倒壊している。この地でまた農業を復興するまでにどの程度かかるのか。(仙台空港周辺)



ほどんどなにも残っていない。こうした地域は重機と自衛隊で、ボランティアが何かを出来る状態ではない。しかしかなりの数のクレーンが入っており、まだ震災後2ヶ月立っていないことを考えると復興への力は頼もしいものがある。(仙台空港周辺)



塩釜の南、七ヶ浜町。平地の住宅は全て倒壊した。この地区で83名の方が犠牲になっている。



仙台市内、牛タンの有名店「伊達の牛タン」。昼時だったが空席があった。普通ならゴールデンウィークは入店待ちだろう。

結論から言えば、行ってよかった。自分の目で何が起きて、また今どうなっているのかを見ることが必要。
人々の関心は原発に向いているように思えるが、現地の状況は想像をはるかに越えていた。

高速道路料金の行く末

2011年05月01日 | 高速道路
高速道路の料金は東日本大震災の復興費用捻出のため、早朝深夜・通勤・大口割引を除いて全て廃止されるらしい。らしい、というのは、未だに民主党内でも異論がくすぶっているからだ。

今回の料金の見直しでは、民主党国土交通部門会議が了承を見送ったまま、政府と党執行部が中止を決定。そこに東北地方の高速道路無料化が出てきたが、「誰がどこで何を決めているのか、わからない」(川内博史衆院議員)というような状況らしい。

無料化実験対象の道路は、並行する一般道との時間差があまりないので「お金を払ってまで使う価値がない」ような道路が主体だったと思う。こうした道路は、有料で事業が成立するという見込みが間違っていたわけで、でももうできちゃっているんだから、インフラの有効活用という意味で引き続き無料化すればいい。

そもそもこの施策は「実験」という名前が付いている。実験とは「理論や仮説が正しいかどうかを人為的に一定の条件を設定して試し確かめてみること」であり、必ずその結果報告が必要だ。結果が報告されないのであれば実験を行う意味はない。
しかし、残念ながら今回の発表にそうした評価の発表はない。

土日1000円の廃止も観光への打撃は大きいだろうが、それについての議論がみえてこない。

東北の高速道路は無料化するという事に関しては、直感的にはそうかな、と思うがこれとてどのような経済効果があるのかには言及されていない。私と同じレベルで直感的に言っているように聞こえる。

どうも民主党政権の高速道路料金をめぐる一連の政策からは、深く、かつ科学的に検証されたという感じがしないのだ。