ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ツイッターが手軽にできない中国で思ったこと

2012年05月20日 | 上海生活
中国ではツイッター、フェースブックを見るためにはその都度VPNでトンネルを繋げないとならず、日常的にチェックはなかなか面倒でできない。
未読ツイートが何百もたまるともう読む気がしなくなる。
で、読まないと何が起きるかというと、あまり大した問題ではないということもよくわかった。
日本では通勤時間はツイートやFBを見ていた。
でも、スマホ以前は英会話を聞いたり仕事の段取りを考えていたという事を思うと、むしろ生産性や自らの向上という意味に於いてSNSはマイナスなのではないか、とすら感じる。

SNSは結局のところ自分と意見の合う人間だけをフォローしているから一定のフィルターにかかった情報しか来ない。それを元に「皆こう考えているなぁ」と勘違いしてしまうことがある。しかし、実は「皆」だと思っていたのが案外狭い世界だったりするかも知れない。

そうはいっても、異国での情報源として貴重なものであることも事実なんだよね。

中国のカーナビ事情

2012年05月12日 | 上海生活
中国におけるカーナビは、現在爆発的普及の最中。PNDではなく、カーナビが売れている。
しかし、他の国と最も違うことは日本メーカー品があまりない、と言うこと。

そもそも中国政府は地図ソフトの海外流出を認めていない。とはいえGoogleマップは誰でも見ることができるが。
地図ソフトも、最初はかなり規制されており数社しか作成が認められてなかった。
今では8社ほどあるが、何れにしても公にそのソフトを海外に持ち出せないから国外でナビを作っても地図は中国国内でインストールしなければならない。

それ以上に日本メーカーが苦戦するのは価格。中国には沢山のカーナビメーカーがある。PNDを作っていた会社が組み込みナビに転向しているので、小さい会社でも車載ナビを作っている。車載機の値段がこなれたことと、スマホの普及でPNDの市場は早晩消滅するだろう。
車載ナビも、5万円もだせばそこそこ良い物が買える。

カーショップへ行くと幅を利かせているのはローカルメーカー。CASKAとか、FLY AUDIO(飛音)FORYOUといったメーカーが大手。まったく日本では知られていない。
そして、これらのメーカーの最大の特色はFITモデルと称するパネル一体型。中国で売られている主要な車種に対して、オーディオパネルごと新作し、あたかも工場装着のナビに見えるものを作っている。パネルを作るだけでもかなりの金型費用がかかるだろうし、相当な数のモデルを作る必要があるが、小さいメーカーでもそれをやってくる。

中国の消費者にとって汎用2DIN機は安っぽい市販イメージで、FITモデルは高級感がある、ということなのだ。

しかし、これらのFITナビはオーディオパネルにナビ本体が固定されているため、装着はオーデイオパネルのクリップで押しこんでいるだけ。
追突されたら手前に飛び出してくるのは確実。

北京モーターショーでCASKAのブースで話を聞いたら、「我々は品質に自信があるので、不良率は3%を目標にしている」と言われびっくりした。桁を間違えているのかと思った。30個売って1個戻ってくるような商品は、日本では扱えない。
さらに、彼らは不良は当たり前と思っているので、「中国全土、当日中に新品交換」というような方向に力を入れている。

まあ、そんな製造品質ではあるが、使ってみての不具合はないし、国産品にくらべて機能でも劣ることはない。
これならユーザーはこっちを買うな、と思う。

これら市販メーカー以外にも、星の数ほどある中国のカーメーカーにOEM供給をするメーカーがあり、カーナビを作っている会社の数は正直分からない。数十はあると思う。

ちなみに、中国モデルは皆、目的地検索が手書き入力対応になっているがこれは認識率が高く案外使いやすい。
次の字の候補が出てきて想像以上に早く設定できる。
日本のナビも手書き対応してもいいんじゃないか、と思った。

中国のネット・携帯電話事情

2012年05月11日 | 上海生活
上海に来るにあたって、使っていたiPhoneをどうするか、が問題だった。
契約を残しておいても月々の基本料金がバカバカしく、また日本からの電話を受けると受けた側で国際電話代が発生する。
しかし、解約してiPod touchで使うというのもなんだかつまらない。
で、いろいろ調べたらGEVEYというメーカーが出しているちっこいチップの入ったSIMスロットを使うと海外のSIMが使えるということがわかったのでネット通販で購入。SBは解約して端末代の月賦ははらい続けるし、スーパーボーナスだかなんだかの違約金約一万円もお支払いしたのでなにもやましいことはありません。

上海に到着後、すぐに中国聯通(聯は実際は簡体なので違います)へ行って、500MB/月のデータ付きプランを契約。中国国内無料通話240分(だったかな)もついて月々1850円程度とリーズナブル。これはプリペイド扱いで、少なくなったら入金が必要。中国連銀カードがないとオンライン入金はできない。

さて、これからが問題。

前々回に書いたけど、中国はネット規制がかかってる。ネット版万里の長城。

YOUTUBE,FACEBOOK,TWITTER,ニコニコ動画,HULUなど、基本的にiPhoneを使う理由とも言えるサイトにアクセス出来ない。
しかし、なんにでも抜け道はあり、VPNという日本へ直結するトンネルを介してつなぐことができる。このサービスを提供する業者さんも沢山いて、1000円/月程度かかる。
しかし、これも不安定で必ずつながるわけではない。

あと、普通にiPhoneを使っていたら500MB/月は足りない事がわかり、なるべくWiFi環境で重いコンテンツは見るようにした。
街歩きで絶対に必要なMAPが、結構データを食う。GOOGLEマップはキャッシュできないのが問題。そこで、ガリレオという地図閲覧ソフトを導入。
これは地図データをiPhoneに入れることができる。しかしマップがgoogleマップではなく、情報量が少ないのであまり使い勝手は良くない。
自分がどこにいるのかがわかるだけ、という割り切りで使うしかない。

長くなるけど、もう少し書きます。

会社から会社用の携帯をすぐに支給された。プライベートと混同したくないので、プライベートはすべてiPhoneを使うようにし、会社のは仕事以外では使わないことにしたのだが、貰った携帯が前任者のもので、2007年製のサムソン。一応こっちでは外資系企業なんだから新品のプラックベリー位支給しろよ、と思う。
使うに耐えないダサさだったので自腹で買い替え。中国はすべてSIMフリーなので機種変更は何ら問題ない。
とはいえ、会社用に大枚払う気はないのでモトローラのアンドロイド携帯を購入。フルキーボードがついて、ちょっと見ブラックベリーみたいでわずか9千円程度。その上保護膜貼り付け、シリコンカバー、4GBのUSB付きストラップがおまけについてきた。ちょっと安っぽいけど軽くていい。

ところが、アンドロイドマーケットにアクセスが出来ない。
アンドロイドマーケット(今はGOOGLE PLAY)が使えないアンドロイド携帯って、なんなんだ?と思った。電気屋でうられているスマホはノキア以外は全部アンドロイドなのに、どうしているんだ???

答えは簡単。中国の企業がやっているアンドロイドマーケットが8つもある。
そこでは中国人がつくったアンドロイド用ソフトが手に入るのだが、海外のソフトも普通に落とせる。
日本語入力環境がどうしても必要だったので、フリーソフトの定番SHIMEJIを導入したが、私のMOTOではフリックに切り替わらず、いまいち使い勝手が悪いのでATOKを導入。快適に使えるのはいいが、「ソフトの代金を支払えない」のだ。ダウンロードボタンを押して、インストールが終わるまで、料金支払に関する画面が出てこない。JUSTシステムさん、ごめんなさい。支払う方法があれば払います。(iPhone版は正式に購入してます)

とまあ、やっぱりここは中国だなぁ、と思った次第。

中国語の入力はiPhoneでも、アンドロイドでも手書き入力があり、認識率は極めて高くこれはとても快適に使える。
ちなみに中国ではナビの行き先入力も手書きが主流です。

次は、中国のナビ事情について書きます。これも想像を超えた世界でした。

中国の電動自転車事情

2012年05月06日 | 上海生活
中国にきてまず感じたことは、その他のアジアの国とは街のニオイが違うということ。
それは、バイクの2サイクルエンジンからでる排気ガスのニオイだ。
私はあのニオイを嗅ぐと「アジアにきた」と感じるのだが、上海の街にそのニオイはない。

しかし、上海でも非常に多くのスクーターが走っている。ところが、実は見た目スクーターでも電動自転車なのだ。

中国にはすでには何千万台もの電動自転車が走っている。電動自転車というと日本では自転車のダウンチューブにバッテリーを積んだ電動アシスト自転車を思い浮かべるだろうが、ここの電動自転車は見た目も走行スピードも普通のスクーター。
これが3~4万円で買えるのだ。40km~60kmの走行が可能。

そもそも排気ガス制限により大都市でガソリンのスクーターの登録が規制されたことから、電動自転車の普及が始まったという。
一応ルール上は最高速度20kmということになっているが、どう見てももっとスピードが出ている。

しかし、法規上は自転車なので免許不要。さらに自転車だということで歩道を走ったり、車道を逆走したりするのは当たり前。また信号も守らない。運転者に人を優先するという気持ちもない。
無音で左右から突然やってくるので、歩行者はよほど気をつける必要がある。

ここまでネガティブな事を書いたが、しかし環境には確実に貢献している。
日本でも、アシスト以外は免許必要などということを言わず、きっちり最高速度を20km以下に規制し、走行ルールもきちんと徹底した上で、免許なしで乗れるようにすればいいと思う。

上海

2012年05月06日 | 上海生活
実は、今年に入ってから上海に転勤になっています。

まあ、ネットがあればどこにいてもブログはアップ出来るだろうと思っていましたが、ネット情報だけでテレビニュースを全くみないと、なかなか空気が読めないですね。結局はあまり更新できていません。

中国ではツイッターとフェースブックは規制がかかっていて見ることができません。その他にも、youtubeなどの動画サイトはほとんど見ることができません。
VPNというプライベートネットワークを小売している業者さんと契約して、接続するたびにそのトンネルをつかって日本につなぐ事はできますが、これも突然塞がれることもあり、速度も安定しない。また、住んでいるアパートがブロードバンド共有タイプなので、よる10時ころは激遅になってしまいます。

Googleは通常で見ることができますが、google系のサイトは頻繁に繋がらなくなります。

というようなネット環境ですが、なんとかこれからは更新していきますのでよろしくおねがいします。

関越バス事故で思うこと

2012年05月06日 | 高速道路
関越のバス事故、その後のマスコミ対応などにかなり違和感をもっている。
中国残留孤児の運転手は下請けの日雇いだったというような品質管理面がクローズアップされているようで、運転手自宅の家宅捜索なども報道されている。

でも、居眠り運転は人間がオペレーションしている以上は避けられない。
大手と中小で労務管理による差があることはそのとおりだろうが、それは程度の問題。
私は論点が違っていると思う。

運転手が居眠りをすると重大事故に発展する大型バスに、フェイルセーフ装置を義務つけないことがおかしいのだ。線路を走る電車でもATSが付いている。

レーダによる追突防止や、カメラ認識による車線逸脱警報は以前から比べれば格段に安くなっている。
私は以前から「高速道路の重大事故は大型車の追突だから、追突防止装置装着の法制化をITSよりも先にすすめるべし」といってきた。
それに加えて、車線逸脱警報などの居眠り警報も必要だろう。

マスコミは運転手やオペレーション会社の労務管理体制など、犯人探しにやっきになっているように感じるが、そんなことは再発防止にまったく役立たない。
安全装備法制化の議論を盛り上げてもらいたい。

あと、これはどの程度議論がされているがわからないが、防音壁とガードレールに隙間があったという件。
設置時点ではこれで良かった、今はそうしていないというようなNEXCO側の説明だったようだが、危険だと認識され今は隙間を空けずに設置している以上は、過去の工事箇所も直すべきではなかったのか?
安全に関する改修は過去にさかのぼって実施するのは製造業では常識だが。