ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

新政府ってこれでいいのか

2012年12月27日 | 雑記
天津に来てる。寒い。零下5度。
今朝上海から天津に向かう上海航空機内でもらった新聞の一面は
「安倍強硬派内閣組閣、外相、防衛相は問題あり、中国と韓国との間の緊張は高まる」
ということで、結構これからの対中政策が気になる。まあ、中国メディアはすべて国のものだから、こうした見出しも日本に対する牽制という意味もあることは分かっている。
しかし、もうこれ以上事態を悪くしてほしくないというのが中国ビジネスをしている私の率直な気持ち。
失言の多い人も閣僚になっていて、大丈夫なのだろうか。

安倍氏はデフレが全ての悪の元凶であり、金融緩和でインフレに転換するといっているようだけど、デフレは結果であり原因ではない、と素人でも思う。
この先税金を使って国土整備をすることで目先の景気は良くなるかもしれないが、それって液晶テレビの需要先食いと同じで、3-4年たったらもっと悲惨な状況になるんじゃないの?
それ以上に国土整備への投資はまったく国際競争力の向上に寄与しない。第二東名に何兆円も使ったけど、いいことあったか?

いままで政治の話は避けてたけど、本当にこれでいいのか心配になる。

カーAVC機器、5か月連続で前年割れの中身

2012年12月26日 | ITS
JEITA(電子情報技術産業協会)の発表によれば、2012年11月のカーAVC機器 の国内出荷は前年同月比14.1%減の410億円で、5ヶ月連続でマイナスとなった
RESPONSE記事 http://response.jp/article/2012/12/26/187731.html

カーCDプレーヤの31.2%減、カーDVDの23.5%減は理解できる。単機能機はAVN に集約されているからだ。 しかし、そのカーナビゲーション自体も12.5%減の38万8000台でマイナスとなっ ているのはどうしたことだろうか?

よく読んでみると、大幅減少のPND(52.5%減の5万4000台)が、カーナビの内 数になっているという。52,5%減で5万4000台ということは、6万台程度減少して いるということになる。 カーナビの台数からPNDを差し引けば、昨年同月33万台に対して12年11月は33万 4000台と微増になっており、いわゆるAVNの需要には変動がないということが分 かる。

PNDが激減しているのは言うまでもなくスマートフォンに代替されているからだ ろう。 スマートフォンにナビ機能が付けば、同じような小型液晶の単機能機器を買う人 はいない。これは当然の流れだ。

むしろここで注目するべきは、スマートフォンによるナビゲーションはAVNには さほど大きな影響を及ぼしていないということだろう。

中国でレストラン予約をする技

2012年12月25日 | 上海生活
最近エントリーが少なくなっていてもうしわけございません。
なかなか上海にいるとリアルタイムでITS系の話題が入ってこないのと、それ以上にもうDSRCを使ったITSはキャズムを越えないところか、一般の話題にもならないので書くこともあまりないというのが実情ですね。
唯一の興味は、スマートフォンを使ったいわゆる「ディスプレイオーディオ」がスタンダードになるのか、ということ。
流れはそちらに向いているけど、実際のマーケットを考えると案外車載ナビが生き残るかもしれない。この辺りは改めて書いていきます。

今日は全く関係ない話題。中国と縁のない人には関係ないので読む必要はありません。

中国で生活していて厄介なことはやはり言葉です。
自分から簡単な会話をすることはできるようになるけど、相手の言っていることはさっぱりついていけません。
したがって、日本語、英語が通じないレストランの予約はかなりハードルが高い。単純に日時と人数をいっておしまいならいいけど、それ以上になにか言われるともうお手上げ。

しかし、「訂餐小秘書」(実際は簡体字なので表記は異なります)というスマホソフトを使うと、スマホからレストランの予約が簡単にできます。アンドロイド、iPhoneともにあり。
地域と料理の種類等を指定して検索すると、レストラン一覧がでてきて、指定日時に予約可能か否かも表示されます。
個室希望有無、人数などを入れて予約ボタンを押すと登録した携帯にSMSで結果が届き、それで予約OK。
多分中国携帯だけしか使えないと思いますが、実は日本の+81番号で試したことは無いのでわかりません。
もし国際SMSにも回答してくれるなら旅行者でも使えますね。

ただし、確認とかがあると中国人はすぐ電話をかけてくるので、備考欄にEnglish SMS pleaseとか書いておくといいと思います。

上海近況

2012年12月01日 | 上海生活
尖閣問題で日中関係が火を吹いてからまだ日は浅いが、少なくともここ上海では日本人を排斥するような行動は見られない。
街に出て買い物や食事も、以前と変わらない状況になっていると感じる。
それでもまだ多くの日本企業が中国出張を規制しているらしいが、これは「万が一のことがあったら吊るし上げられるから」という過剰リスク管理だろう。

こちらにきて強く感じたことは、「普通の」中国人は日本で思っているような人たちではないということ。

商店の略奪とか、路上で倒れた人を放置するとかいう報道が中国人一般のイメージを形成していると思うけど、それはかなり特殊な人達でしかない。
確かに上海は最も国際化された都市なので、そういったことが少ないのも事実だが、普通の中国人はむしろ日本人よりも人間味がある。

例えば、バス、地下鉄で年寄りに席を譲る若者は日本よりはるかに多い。日本では月に一度目にするかどうかという光景が、上海では日常的に行われている。

今朝は朝食に路上の葱餅を買いに行ったが、そこはお客の側に缶がおいてあって、そこにお客がお金を入れ、自分でお釣りをとる仕組み。
それをひったくる人やごまかす人がいるならそんなやり方はしていないだろう。

同じ事は中国から見た日本にも言える。
尖閣問題さなかの国慶節休暇で日本旅行に大量のキャンセルが出たが、その理由は日本への嫌悪というより、「今日本に行くと危ない」という理由が多かったという。
これは日本人にとってはびっくりだろう。島の問題があるからと言って中国人に暴行をするなんて夢にも思わない。

これほど、外国の情報は大げさに、あるいは誤って伝わるものだ。

DENSO ITSスポット・スマホ対応車載器の現状

2012年12月01日 | ITS
前回のエントリーで紹介したDENSOのスマートフォンで使えるITSスポット対応車載器、DIU-A050だが、やはり立ち上がりの販売はパッとしないようだ。
まだ発売されたばかりだが、そもそもITSはスポット自体を市場が認知していないから普通の消費者には単に高いETC車載器としか受け止められていないのだろう。

この商品、ごく一部のIT系、車系ネットメディアで取り上げられていたがその論調では「いままでは車載器とナビを両方買い換えなければならず、それが普及の妨げになっていた」が、「ナビを買い替えなくてもITSはスポットが使える」ことがメリットであり普及が期待させる、としている。
たしかにそのとおりだが、根本的な問題はITSスポット自体の商品力なのだ。機器をまるごと買い替えなくてはならないことは、それに輪をかけて普及を阻害する要因でしかない。

実際、現時点でのDIU-A050の価格ドットコム評価はETC車載器で25位と最下位レベル、ユーザーコメントなし。
これは、アンドロイドしか対応していないとか、スマートフォン画面は小さいから無理、とかいう問題ではなく、消費者からは高いETC車載器としてしか認識されていないということだ。

こんな状況なのに高速道路会社はVICSビーコンを旧世代方式として事実上フェードアウトさせて、DSRCのITSスポットに移行しようとしてる。
実際、第二東名にはビーコンは設置されない、という驚くべき決定がさらっと行われた。

しかし、VICSビーコンは既に数百万台の車に装備されている。それを無視して、いつになったら普及するか全く不透明なDSRCだけを設置するというのはいかがなものか?
これが単なる商業施設などの利便性向上に関するものなら、勝手にやればいいことだが、交通安全インフラなんでしょ?

路車間通信は事故防止に役立つといって推進しているのに、今現時点で圧倒的にユーザー数が多いビーコンのインフラを整備しないのはなぜか?これだって交通安全インフラだ。
本当に事故防止を考えているなら、当面はビーコンとDSRCの併用にするべきだろう。

実は事故防止なんて本気で考えていないのだろう。
DSRCによるITSスポット整備拡大という結論ありきで無理やり進めているとしか思えない。

繰り返すけど、これがOSの更新とかであればこうした無理やりな施策もあるだろうが、これは交通安全インフラなのだ。
それを無視できるということは、やってる側が交通安全への寄与なんて大したこと無い、と自覚しているとしか思えない。