ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ワンセグのデータ放送とビジネスチャンス

2006年04月30日 | 雑記
ワンセグのスタートで、ワンセグつき携帯の出足は好調のようだ。
一方で、データ放送と通信の融合によるビジネスチャンスについて期待されているようだが、それはどうなのか?と4月9日のエントリーで取り上げた。

携帯の縦画面の上半分にテレビ、下半分に文字データなんて、そもそもエンタテイメントとして成立していない、と私は思っている。

今日の日経新聞の記事で、「ワンセグ携帯出足好調」「新サービスは手探り」とあり、フジテレビ村上社長の談話として、以下が紹介されている。

「物販会社ディノスの携帯サイトに視聴者を誘導する仕組みを導入し、効果は集計中だが『期待は高い』」

まあ、手ごたえありならこんな回答はしない。
「集計中」「期待は高い」は、大人言葉でいう「思ったほどの成果はでていない」の意味だ。

ワンセグ携帯と通信の融合による物販は(局地的な成功はあるかもしれないが)メジャーなマーケットにはならないと思う。

既存ETCを活用したサービスへ高い関心?

2006年04月30日 | ITS
国交省は先ごろ実施した既存ETCのサービス利用に関する説明会におけるアンケート結果を発表した。

国交省は「高い関心」というが、そもそも関心があって集まった人たちへのアンケートだ。関心が高くて当たり前じゃないのか?

しかも、内容をよく見てみると「すぐにでも導入したい」はわずか1割。「まずは検討」が35%。「興味はある」が約半分。
関心があって集まった人たちへのアンケートとしては、むしろさめた結果と見たほうが良いのではないかと思う。

さらに利用者番号を民間事業者が利用できることについて全体の96%が評価しているというが、事業者にとっては"トレードオフのない改善"なんだから、これは別に100%でもおかしくない。

実際にどれだけ事業が立ち上がるかはこれからだろうが、私はいうほどのものはない、と思う。

三洋・ワンセグ付きナビ「ゴリラ」

2006年04月27日 | ITS
三洋が先ごろ発表したワンセグ付きポータブルナビ「ゴリラ」を、先週末見てきた。

8インチというナビにしては大画面を採用しているが、全画面表示にするとさすがにワンセグ放送画面は汚い。
何回か倍速ダビングを繰り返したビデオテープ、という感じだ。

特に、画面右肩にでるような小さなテロップは読むことが出来ない。
もっとも、運転中は絶対に読んではいけないものだとは思うが。

この画面の汚さは個人的には「ぎりぎり許容範囲」といったところだ。
都内での使用を前提にしたら、やはり12セグだと思う。

しかし、そのワンセグもアナログに比べれば遥かに良い。
おそらく、当面はワンセグ車載チューナーはアナログ車載チューナーの後継という位置付けになるのではないか。

そして、仮に12セグの車載チューナーの価格が高止まりするなら、標準はワンセグで、高画質を望むユーザーは別売で12セグを買う、ということになるだろう。
逆に12セグの価格がこなれてくるのなら、車載に関してはワンセグにはあまり意味がなくなると思う。

Pimp my ride

2006年04月22日 | 雑記
MTVジャパンで、Pimp My Rideという番組をやっている。
東京では毎週金曜夜11時30分から東京MXテレビで見ることができる。
これは、MTVが製作しているTV番組で、単に視聴者のクルマをアメリカンカスタムに改造する、というだけの番組だ。3月にオランダのホテルで観て気になっていたら日本でも放映されていた。すでにアメリカでは大ヒット番組らしい。

とにかく、馬鹿馬鹿しい番組で楽しい。

Pimpとは、いわゆる「ポン引き」(路上売春斡旋人)のこと。
なぜポン引きなのか、というと、これは70年代のアメリカのPimp達のファッションに由来する。毛皮のロングコートに羽飾りのついた帽子、サングラス、キンキラの指輪やネックレスといった、過剰なデコレーションが特徴。
また彼らのぎらぎら(Bling-bling)のキャデラックなどから、近年、いわゆる西海岸カスタムの連中の間でPimpに「Kool」の意味が生まれた。

視聴者のボロ車を引き取って、Body kit(エアロ)、キャンディーフレークの全塗装、20インチの「Blig-blingな」クロームホイール、複数台の液晶画面などを装着し、Tightな(いかした)車に仕上げ、オーナーを驚かせる。それだけの番組だが、妙に明るくで楽しい。
司会のラッパーエクジビットがいい味を出している。

西海岸カスタムは日本ではすっかり下火になってしまった。
精神的にイメージがPoorでインテリジェンスやカルチャーを感じない(すげぇ遠まわしな言い方ですが)、というあたりが理由だと思うが、この番組に登場する視聴者を見てもそれがよく理解できちゃったりする。

既存ETC利用 駐車場割引について補足

2006年04月21日 | ITS
かなり専門的な話題です。

国交省がETCの民間利用開放を打ち出した。
主に、駐車場と給油所が対象とおもわれるが、それぞれにハードルは高い、と書いてきた。

駐車場については、既存ETC利用だとノンストップ入出場と商業施設での割引を両立することはできない、と指摘した。
しかし、実は以下のような方法があった。

初回利用時には登録が必要。ETCの機器番号から変換される利用車(者ではない)番号と、別途発行する会員券(もしくは、既存のポイントカードなど)をデータベースに紐つけて登録する。
その登録は、入場ゲートで行うことになる。

利用者は、買い物した際に会員券を提示する。商業施設はオンラインで駐車場DBとつながったPOSレジで買い物情報をDBに送り、駐車請求金額を減額する。

2回目以降の利用では、登録は不要で、ノンストップ入出場と割引決済が可能になる。

この方式の難点は駐車場にDBを構築する必要があること、商業施設にレジ機器の投資が発生すること、そして一元客にとってはいちいち登録し、会員券を作る必要があり、面倒くさいことだ。これは逆にいえば顧客囲い込みになるかもしれない。

大手百貨店などでは、導入のメリットがあるだろう。

個人情報保護のなんだかなぁ

2006年04月20日 | 雑記
最近のWINNY騒ぎの余波で、パソコンを持ち出すなとか、プライベートPCで仕事するなとかの規制をしている会社が多いらしい。
さらに、個人情報保護法以降、盗まれたパソコンに名簿データがあると盗まれた方が謝る、というへんてこりんな社会現象が起きている。

「モバイルパソコンを持ち歩くときには許可書を提出」等という笑えない規則を作った会社もあるらしい。

政府を挙げて「ユビキタス」というなかで、こうした状況はモバイルコンピューティングにとって大きな逆風だろう。

まあ、WINNYでデータを流出させちゃうとか、データベースを売り払うとかいうのは個人の責任で厳しく追求されてしかるべきだが、取引先の連絡先が入ったPCを盗まれたとか、顧客の電話帖が入っている携帯電話をなくしたぐらいで個人情報の流出とかいって過剰に騒ぐのはどうかと思う。

仮に、重要な個人情報が入ったPCが盗まれたとしても、その個人に謝罪するべき問題であり、新聞記事にするようなことではないと思うのだが。

個人情報保護法以来、何でこんなに個人情報に対して必要以上に騒がれるのだろう?
取引先の担当者の氏名、電話番号がリストになっているだけで、「それも個人情報であり漏洩させてはいけない」というのはジョークとしか思えない。

マスコミの過剰な反応が、企業を必要以上に過敏にさせてしまっている。
しかしこれは「事故を起こす危険があるから車の運転をするな」といっているようなものだ。

車の進化はとまってしまったのか

2006年04月19日 | 雑記
昨日のエントリーで、車と通信の関係なんて、このブログをはじめてから2年間、全く進歩なんてないのだ、と書いた。
しかし、よく考えてみれば車とITの関係は、近年全く進歩が見られない、というのが実際の姿なのではないか?

私の個人所有車は今年の秋に4回目の車検を迎える。ということは、9年経過である。
しかし、ナビもVICSもついている。その他の装備にも別に不満はない。必要なものはすべて装備されている。
さすがに約10年前のCDナビの情報量は最新型に遠く及ばないが、目的地を検索し、ルートを知るという基本的機能には取り立てて不満がない。

一方で、今から10年前時点の10年経過車(ややこしい言い方ですが)を考えたら、状況は全く違うことに気がつく。1996年時点での、1986年式なんて、石器時代を見る感じだったのではないか?エンジン、ミッションなどといった基本性能も段違いだし、電装品にしてもナビはもとより、エアバックもABSもCDもない。
1986年からの十年間と1996年からの十年間を比較すると、車の進化は止まってしまった、という印象すらうける。

実際は、ここ十年でも目に見えない技術改良をしており、本質的には進化しているのだが、インターネットが我々の生活にもたらしたような「ブレイクスルー」といえるものがないのは事実だ。

見方をかえれば、少なくとも快適装備に関しては、もはやブレイクスルーの必要なんてないのかもしれない。道具としての車に対して、消費者にもはや取り立てて不満などないのだ。

自然界の進化が種の保存に支配されるように、商品の進化は消費者の嗜好に支配される。
「車と通信の融合」が実現しないのは、単に「そんな必要はないのだ」と考えるのが一番自然なのではないか。

インターネットITSの先進性とは?

2006年04月18日 | ITS
日経エレクトロニクスの記事「先進性がまったく感じられないインターネットITS」、その挑発的なタイトルから、私と同じ考えの人が存在したのかと最初わくわくして読んだのだが、まったくの期待はずれだった。

要するに、インターネットITS協議会のデモ走行を体験したが、こんなことはPCや携帯ではいまどき当たり前のことばかりで、今まで提供されていないこと自体おかしい、実現は近いはずだ、という主旨。逆説的「おもしろタイトル」ということらしい。

で、以下、引用してみよう。

--ここから--
例えば走行中にガソリンが少なくなると近くのガソリンスタンドを検索して道案内し,スタンド内では無線LANを使ってそのスタンドの会員かどうかを自動認証するとともに,空いている給油レーンへの案内をカーナビ上に表示する,といった具合である。
--ここまで--

このサービス、要ります?
ないよりあったほうが便利だけど、なくても全然困らない。カーナビに給油所表示あるでしょ?それすら、あまり使ったことないけど。
確かにリアルタイムで価格比較までやってくれて一番安いところを教えてくれる、なんていうのはちょっとあるかもしれないが。

まあ、クルマ+通信に関する翼賛記事の例に漏れず、「こんなに便利に」という例にインパクトがない。

さらに、記者は「i-mode対応ナビ」の失敗を、単純に「時期尚早だったから」と決め付けている。しかし、どう見ても「魅力がなかったから」としか、思えない。当時は携帯からwebに接続することが一般的ではなく、データ通信料も高かったからだというが、ではなぜ普通のi-modeは離陸できたのか?

テレマティクス関連にも言及しているが、これも相当に見当違いの見方である。
コンパスリンクやMONETも時期尚早で失敗したが、現在のテレマティクスに進化し、まさに花開こうとしてる、という書き方であるが、ご存知のとおりG-BOOKもCARWINGSも会員確保ができず、瀕死の状態である。

クルマの中で運転しながら必要な情報なんて、ほとんど放送とナビでカバーされている。それ以上のことに金を払うユーザーが例外なのだ。
事実、通信がドッグイヤーで進化する中、クルマと通信の状況はこのブログをやっているこの二年間、まったく変化しなかった。

時期の問題じゃない。消費者ニーズの問題だ。

原田工業ワンセグチューナーの価格

2006年04月17日 | 雑記
原田工業さんの車載ワンセグチューナー、DTS-001のウェブページに価格が掲載されました。

税抜き45000円(アンテナつき)。松下の12セグ+ワンセグのDTV20が税抜き75000円(アンテナなし)だから、価格的には確かに安い。アンテナだけでも1万円以上するので、松下の半額ということです。

12セグのクリアな映像を見ちゃうと迷うけど、アナログTVチューナーとくらべればワンセグでも雲泥の差。
これはいけるんじゃないか?

実際の商品のレポートを見てみたいものです。

4月30日訂正:ワンセグ用の車用アンテナは一万円以下だと思われます。

既存ETC民間利用の実現性について改めて考えた

2006年04月17日 | ITS
先月末から今月にかけて、ETCの民間利用に関して一連の記事をエントリーしてきた。 これとか、参考にしてください。

ETCの民間利用開放に関しては石油元売もしくは駐車場大手による顧客囲い込みを目的とした戦略的展開以外、普及の道はないと書いたが、この考えは今も変っていない。

しかし、たとえば自分が石油会社の担当役員だったらどう判断するかと考えたら、やはり相当にハードルが高いと改めて感じた。

石油会社の場合、たしかにETCと自社提携カードを使い、自動決済+全国一律割引適用などの特典を提供することで、顧客囲い込みは可能だ。
しかし、他社も必ず追従する。みんなが追従した時点で差別化効果は終了する。

その戦いで後に残るものはなにか。なにも残らないのだ。
給油所はどんなに利便性をよくしても総需要は増えない。便利だから多めに給油するとか、キャッスレスで給油できるから遠くまでドライブしようとかいう需要は存在しない。
したがって、ETC読み取り・決済機への投資は、他社の顧客を獲得できない限り単なるコストアップでしかない。他社も追従したら、おしまいだ。

省人化も、所詮ETC決済導入はセルフのスタンドが対象だろうから、現在と差はない。

ユーザーにはどんなベネフィットが残るか?
いつもいっているとおり、セルフ給油の一連の作業の中で「サイフからクレジットカードを取り出す」手間が省ける程度のこと。それだけのことである。

給油所の投資はどの程度か?路側機の価格はわからないが、計量器(ノズル)ごとに設置する必要があるのだろう。これが結構な出費になることは間違いない。

私が石油元売の担当役員だったら、「誰も得をしないから、これはやめておきましょう」と他社と話をするだろう。

軽自動車の好調は格差社会を反映?

2006年04月16日 | 雑記
国内の軽自動車販売が好調だが、毎日新聞によれば新車市場は軽自動車と高額輸入車の二極分化が起きており、それは格差社会を反映しているそうだ。

あまりにステレオタイプな見方に驚く。

まず、最近の原油高は日本に限らず世界中で新車販売の小型車シフトを招いている。
軽自動車好調の最大原因はそれだろう。
さらに、最近の景気回復で高級輸入車の販売が伸びること自体、なんの不思議もない。

そもそも商品は成熟すれば2極分化するものだ。
クルマはすでに富の象徴ではない。正規就業すれば誰だってクルマくらい買える。
日本人は、そんなことに豊かさを感じなくなってきている、というのがより正確なのではないかと思う。

格差拡大で軽自動車が売れているなら、本当は小型車がほしいけどやむなく軽自動車を買っているはずだが、今の消費者にそういったイメージはあまり感じない。
そもそも格差拡大で下層社会の可処分所得が減少しているのなら、買換えを控えるか、中古車を買う、というのが普通の消費行動で、軽自動車の新車ではないだろう。

貧乏だからユニクロで服を買うわけではない、裕福だからブランド品を買うわけではない。要は、価値観が成熟してきているだけだ。そういった価値観の中では、中途半端な高級品は売れなくなる。クルマにも、そうした現象が顕著に現れてきている、ということなのではないのだろうか。

確かに、非正規就業の若者の購買力が弱い、という社会現象は別の問題として存在し、それはそれでわが国の消費構造に対して大きなインパクトを与えることになるだろうが、彼らが軽自動車の新車を買っているとはとても思えない。

車載地デジチューナー つけてみた 続き

2006年04月15日 | 雑記
三菱電機の車載地デジ(12セグ)チューナーをつけて2週間、受信状況をレポートしておこう。

アンテナはキットに付属のウインドウ貼り付けタイプ。フロントウインドウの左右に貼り付け、ダイバシティ受信する。
アンテナ感度は物理的な高さに依存するので、ロッドアンテナよりは不利だと思う。

新宿から甲州街道を西へ移動してみた。
つつじヶ丘のあたりまではまったく問題なく受信。調布から府中までは、何回か受信をしないことがあったが、不快なレベルではない。府中の町を過ぎたあたりで、突然受信不能になった。

その時点でアナログで同じ局を試してみたが、音はでるものの、画面はかなり砂嵐が走っていた。

国立府中インターから東京方面に戻ったが、やはり調布までは断続的に受信不能、やや不快レベル、その先はほとんど問題ない状態だった。

第三京浜では、港北インター付近までは問題なし。それ以降はきつい。

どうやら東京タワーから25キロ位までは受信する、といった感じだ。

地デジは、受信している限りはきれいに映る。受信しない場所はアナログだってまともに見れないという意味では、12セグでも車載地デジの商品力は十分あると思う。

しかし、受信しなくなると音も突然でなくなる。それが不満だ。画面が多少乱れてもさほど気にならないが、音は聞き辛くてもいいから聞こえてほしい。クイズ番組で答えが聴けないとか、肝心のせりふが途切れて話が見えなくなるとかいう状況はかなりストレスがたまる。ワンセグでもアナログでも良いから、自動切換えで音を出してほしい。

12セグが受信できなくなるとワンセグに切り替わる松下が、やはり今のところはベストチョイスだと思う。

追記:書いた後で気が付いたが、もし、12セグ・ワンセグ切り替えが一般的になると、ワンセグはサイマル放送をやめられなくなるね。

ワンセグ放送のコンテンツ

2006年04月13日 | 雑記
先日、ワンセグ放送は通常放送のサイマル(同じ内容を流すこと)になるだろう、それ以外消費者は望まない、と書いた。

しかし、よく考えたら昼間の時間帯はお茶の間と携帯で視聴者の属性は明らかに異なる。12セグは家にいる人向け、ワンセグは外に出かけている人向けに分かれる可能性は十分あるだろう。
個人的には、昼休みにニュース専用チャンネルをやってくれるのなら、ワンセグ対応機器を買ってもいいと思う。逆に、勤務時間中に男性向け娯楽番組なんかやったら、わが国の生産性に無視できない悪影響が出てしまうのかもしれない。

だからといって、ワンセグ専用番組がデータ放送とリンクしたものになる、とは必ずしも思えない。

確かにテレビとインターネットの関係は、無視できないものになっている。
番組で疑問に思ったり、興味を持ったりする事柄をその場でネット検索するのは、いまや極めて一般的な行動だ。
テレビの前でノートブックを広げていたり、テレパソでネットを検索したりしているのだろう。

しかし、それはあくまでテレビ番組を見ながら、ということだ。
ワンセグの場合、その場でネットにつながる、ワンクリックで買い物もできる。
でも、携帯を縦にしたときのデータ放送画面、つまり上半分に小さい映像、下半分に文字情報という表示形態が、エンターテイメントとして成立しているとは、私には思えないのだ。

電子マネー

2006年04月12日 | 雑記
今年に入って、電子マネーに関する報道がとても良く目に付く。たいていは、「電子マネー市場はこの先数年で急速に成長する」「貨幣の時代は終わる」というような内容だ。

DSRCによるロードサイド決済に比べたら、Felica決済は今後の成長の可能性ははるかに高いと思うが、そんなに大騒ぎするような市場なのかな?とも思う。そろそろ矛先をかえて、「電子マネーを疑う」でも始めようかな?

複数の記事によれば、「Edyを採用した店舗では、Edy決済客は現金決済客に比べ一回の買い物での売上高が10~20%大きい、したがって電子マネーは売上増につながるのだ」という。

なぜEdyだと、いつもよりたくさん買うのか?どうしても理解できない。
記事にもその答えは示されていない。不思議だと思わないのだろうか?

今現在、あまり汎用性のないEdyを作る客は、その店の常連と考えるべきだろう。
一元客を含む現金決済客と比較すれば、一人当たりの売上が1-2割高くてもあたりまえだ。そう考えるのが自然なのではないか?

一方で、Edyなどを使い始めた人から「もはや小銭は持ちたくない」という言葉も良く聞く。それもそうなのだろう。

私自身のことでいえば、ETCをつけた今、絶対に有人料金所は使いたくない。
しかし、EdyもSuicaもときどき使うが、絶対に小銭で払いたくない、とは思わない。
なぜなら、手間と待ち時間にそれほどの差がないからだ。

確かに便利だ。でも、入金状況を管理しながら使うわずらわしさや、汎用性のなさを考えると、それに見合うメリットではないと思う。
電子マネーならレジはノンストップ通過可能、というのであれば、話は別だけど。

まあ、普通の消費者の感覚もそんなもんだと思う。

将来、電子マネーに汎用性がでてくれば、逆に現金を管理するのがわずらわしくなるのかもしれない。そして電子マネーがそのターニングポイントを超えるのなら、一機にリアルマネーは消滅するかもしれない。

G-BOOK永年無料サービス

2006年04月10日 | ITS
トヨタのG-BOOKが渋滞予測情報などの永久無料化を打ち出した。

私は今年の1月2日のこのブログのエントリーで、2006年のITSを予測した。

-以下、引用-
■不調
1.テレマティクス
G-BOOK、CARWINGSともに「やめるわけにいかない」というだけの理由で最後の勝負をしてくるだろうが、何をやっても市場の活性化はないだろう。
本業の好調をバックに利用料完全無料化をも視野にいれてくるかもしれない。
-ここまで-

ということで、これが最後の勝負だろう。
しかし、ホンダのインターナビと違い、渋滞予測にプローブ情報は反映させていない。その他の無料コンテンツにしても、CDタイトル取得程度で、あまりパンチがあるとはいいがたい。
G-BOOKの逆襲、なんてタイトルを付けた記事もあったが、私は全然効果なし、だと思っている。

そもそもクルマの中でどうしてもほしい情報は渋滞情報だけだ。
それも、精度はともかくVICSは無料で提供されている。
VICSよりも高精度な情報をお金を出してでも-たとえ情報料は無料でも、通信料も含めて-手に入れたい、というユーザーは限られる。

今回、トヨタは登録済み・手続き不要の状態でナビを出荷するということで、利用者数は拡大するだろう。その数字の発表だけでも、まあ面目は保たれる、ということか。

しかし実際にどの程度使われるかは疑問だ。