ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

高速道路の平日昼間割引廃止 その理由が酷い

2013年11月23日 | 高速道路
国土交通省は11月22日、高速道路の料金割引制度について、2014年度から平日昼間の3割引きを廃止する方針を固めた。


「深夜などを含め、現在、平日は全ての時間帯で料金が3割引き以上となっており、利用者は値下げを実感しにくくなっている。このため、昼間の料金を元に戻すことで、他の時間帯の割引効果を高める。」ことが理由だという。

この説明、利用者を馬鹿にしているのか?
あんたら恩恵を感じてないだろ、だからもうやめるぜ、といっているのだ。
でも、昼間を元に戻して深夜に誘導する、というけどそれで誘導できるユーザーは一部でしかない。その時必要だから昼間走っている人が殆どだろう。

「国交省が平日割引を検証したところ、並行する一般道の渋滞解消にはつながっておらず、明確な効果が見られないことから、廃止が妥当と判断した。」
ともいっているが、今の価格に慣れた平日利用ユーザーにとっては実質値上げだ。
今が特別料金ですよ、ということなのかもしれないが、特別料金でもお客が増えないので価格を元に戻すという考え方は嗜好品ならわかるが、公共料金に近い性格をもつ高速道路料金にはなじまない。
むしろ、既に大金をかけて整備したインフラなんだから、いうように「並行する一般道の渋滞解消につながっていない」なら、もっと割り引いて利用率を上げるのが普通の考え方じゃないのか?

要するに財源確保ができないから、どっかの時間帯の割引をやめなくちゃいけないってことだろう。
だったらそういえばいい。
でも、その前に第二東名に4兆4千億円も使った理由を論理的に説明してほしいと思う。

何箇所か誤字訂正。11月24日

猪瀬直樹氏のこと

2013年11月23日 | 雑記
猪瀬直樹氏が窮地に陥っている。

5000万円を受け取るなんてことはそう簡単に忘れる話じゃない。
もし本当に忘れたのなら、その程度のはした金はしょっちゅうもらっていたんでいちいち覚えてない、ということなのかね。
見苦しい対応はやめた方がいいと思うけど。

この人の仕事は評価しているが、率直にいって人間的にはどうかと思っていた。

以前、昭和16年夏の敗戦を読んだ頃にこの人のツイートをフォローしていたが、いくつかの発言で嫌になってしまった。
例えば、ある事件が発生した直後、犯人の可能性があるAとBがいるとして、氏はAの犯行を前提に持論を展開する。それに対する「犯人はBかも知れないのに」というRTに「犯行現場を見たわけでもないのにいい加減なことを言うな」と暴言を吐く。だが、言うまでもなく、氏も現場を見ていない。
そんなことが何回かあって、フォローをやめてしまった。

思い込みが激しく、反論を認めないタイプなんだろう。こういう人は上司にしたくない。


自動運転のもたらす未来

2013年11月17日 | 自動運転
「おじいちゃんが若かった頃は人が自分で車を運転していたんだよ。だから毎年何千人も事故で死んだんだ」「信じられない!」
という時代はいずれくる。技術的には既に実現可能で、しかも多くの人命を救え、渋滞も減り、エネルギー消費も押されられるのだから、これは時間の問題でしか無い。

走る喜びはなくならないから、そんな未来は来ない、と思う人もいるだろう。でも、趣味と人命・環境を天秤にかければ答えは明白。近年の若者の車離れを考えれば、そうした圧力もたいして強くなくなるだろう。

自動運転の世界では、車は同じように加速し、減速して曲がり、最高速度も規定される。
ということは、個々の車の性能差は全く意味を持たなくなる。
車の価値を決めるのは、内装の豪華さ、乗り心地の良さ、車内エンターテイメント等だけになる。

自動車メーカーが長年築いてきたノウハウの多くの部分が車両の制御だ。これは運転者の意思のままに加速し、曲がり、停まるということと、運転者のミスや想定外の使用に対するフェイルセーフということ、つまりは人間が操縦することを前提にしているものだから、自動運転では殆ど意味がない。

そうなると、自動車のブランドも余り意味を持たなくなる。
車にはそれぞれの個性があり、性能差があるからブランドに意味がある。自動運転の「移動道具」にブランド価値を見出すのは難しい。
商業バンと同じ加速、最高速のBMWを買う理由なんてあまりない。

ブランドも関係なく、官能的な運転制御性能も関係なくなるとなれば、自動車メーカーの優位性はなくなる。

キーとなるのは、大量の交通を制御する技術であり、そのノウハウは公共交通システムなどを手がけている電機メーカーにある。
車両本体は誰にでも作れ、電動車が増加するとなると、電機メーカーの参入障壁は低くなるだろう。
さらに、性能差がなくなり、安全性が交通制御で保証されるとなれば、消費者の選択はコストでしなかくなる。
自動車メーカーの統廃合は避けられない。

バッグや時計は、廉価品と性能には差がないがブランドが存在している。これは所有満足価値ってやつだけど、それすらも怪しい。
自動運転になれば、使いたい時に呼べば車が自分でやって来る、という世界も簡単に実現する。となると、車を所有する意味もなくなる。
金持ちは自分専用の豪華内装大型車を所有するかもしれないが、普通の消費者はもう車に所有価値を見出さないかもしれない。

生活道路まで自動運転になるにはまだ何十年もかかるだろうが、いずれはそうなる。
それは社会は勿論、自動車産業の構造を根本から変えてしまうことになるだろう。

自動運転に関するビジネスジャーナルの記事がひどい。

2013年11月10日 | 自動運転
まずはこの記事。
警察庁と国交省が激怒!トヨタが首都高で“違法”自動運転を実演
サイゾー系の「ビジネスジャーナル」によるもので、役所の硬直的な態度に批判が集まったが、その後どっからもフォローがなく、怪しいなと思っていた。
案の定、11月9日に安倍首相を載せた自動運転車が公道を走り、TVニュースでは公道上でドライバーが手を放すシーンが映っている。
もしビジネスジャーナルが言っていることが事実なら、こんなことは絶対にありえない。
ちょっとした知り合いレベルの関係者から聞いた個人的感想みたいなものを記事にしているだけとしか思えない。

この「ビジネスジャーナル」が同じく9日に掲載した記事。
迫る自動車革命、主役はグーグル?勢いづく燃料電池車、劣勢のEV…激化するエコカー戦争
これもかなりひどい内容。

記事は殆ど引用で、その引用の部分はいいけど、最後の記者の感想と思われる部分がひどい。

「自動運転が普及すれば高齢者や女性も顧客になれば、より便利になり-略-かつてAT(オートマティック)車が普及し、都市部の渋滞が加速したように、自動車がより便利になれば渋滞はより深刻なものになるのではないか。」

ATが普及し都市部の渋滞が加速したって話は初めて聞いた。根拠が全く分からない。だれでも車に乗れるようになって車が増えたってこと?
自動運転になれば数珠つなぎの車が時速60キロで走ったり、交差点をどちらも止まらずに通過できたりする。通行量が増えても渋滞は確実に減少する。
それ以上に、今まで自分で運転できなかった老人や障害者へモビリティをもたらす福音や、交通事故低減効果の方ががはるかに大きい。

「当初はスマホもいいことばかりが喧伝されたが、歩きスマホに子どものスマホ中毒、電車のなかでもノルマに追われた営業マンは通話し放題で、スマホは便利さと同時に多くのトラブルとストレスも社会にもたらすようになった。便利さに依存しすぎる人間(とそれを加速させる企業)をコントロールできる方法も、スタンフォード大学のセンセイには考えていただきたいものだ。」

メリットとデメリットの比較のレイヤーやレベルが違いすぎて議論になっていない。中学生と話をしているようだね。

何故YAHOOはこの低レベルなニュースサイトをポータルに掲載しているのだろうか。

自動運転が自動車産業にもたらすインパクトは実はそんなところにはない。
この先自動車産業は消滅する危険性もある。最大のライバルは日立等のインフラ交通系企業。これについてはおいおい書いていく。

食品偽装で感じる違和感

2013年11月07日 | インチキ・疑似科学
一昨日、高島屋が海老、ステーキから稲庭うどんまで謝って、返金に応じるっ て発表しちゃったからその他のデパートはもう逃げられない。案の定昨日三 越伊勢丹が公表。今日はそごうとこれからも続々デパート、ホテル、大手レストラン業のお 詫び発表があるだろう。隠して叩かれたらダメージはもっとでかい。

わたしにはどうも異常な感じがしてならないんだよね。

屋久島のホテルが、ブラックタイガーを「屋久島産クルマエビ」と称したの は完全にアウトだけど、単に「クルマエビ」って表示があったからって「国 産」だと思ってはいないでしょ。このクルマエビ、ブラックタイガーだよね、ああ、そうなの、って感じ。 ブラックタイガーをクルマエビと表示するとか、サービスのランチステーキ に加工肉を使うとか、はっきり言ってどこでもやってる。で、これって被害者な んていない。(食アレルギーとか食の安全とかいう面倒な話は置いとい て)。うまいと思って食べてたんでしょ。ステーキなんて加工肉の方が柔らかい。

でも、なんかマスコミは誰かが辞任するまで徹底的に追求するような感じだ よね。 これ、最近の炎上事件とかと通じるものがある。正義の味方と悪の帝王に人 間を単純に2分して、正義の側に立って悪の帝王が徹底的にたたかれるのに 快感を感じてる人が多いんだろうな。半沢直樹のヒットだってまさにその線 だよ。

でもそんなに単純じゃないよね。色の濃さに違いはあれ、人間はみんなグ レーだろ。

和牛とか、XX産とかメニューに記載してたらそれは騙し確定だからきっちり 責任とるべきだけど、ひとたび騒ぎ出すとゼロリスクまで追及するのはどうかと思う。

食の偽装で思うこと

2013年11月04日 | インチキ・疑似科学
ホテルレストランの産地偽装問題が過熱している。
確かにオージービーフを和牛というのは詐欺行為だし、高級ブランド食材名を偽って謳ったのは問題だと思う。
しかし、どうにも納得できないのが芝えび、車えび。

これについては中華料理の団体が声明をだしたらしいが、大きな海老を車えび、小さな海老を芝えびと称するのは
中華料理では昔からだろう。これは明蝦と蝦仁の訳がそれぞれ慣例として車えび、芝えび(本来はむき海老)としていたことに由来する。
中華メニューで芝えびのチリソースと称して芝えび以外を使っているレストランはいくらでもあるはず、というか
そのほうが多いのではないか。消費者をだます意図でやったことではない。
そもそも「バナメイえびのチリソース」なんて書いてあったら何が出てくるのか普通の人はわからない。

今、ホテルや大手レストランは対応に困っているはずだ。このまま知らん顔して、メニュー表記だけ「小エビ」
にかえるか、お詫びを出すか。知らん顔してあとからネットやメディアにたたかれたら炎上するという判断から、公表に踏み切ったところも多いだろう。
さらに、お詫びを出したら返金についても言及しなければならない。
「俺は国産の芝えびだと思って注文したのにバナメイえびとはけしからん、金を返せ」と本気で思う人はいないだろう。
でも、レシート無しで返金といえば、結構な人がくる。

和牛や京野菜などのブランドを偽った悪意あるケースと海老は分けて考えるべきだ。
メディアもこれに関してはもう報道をやめたほうがいい。

上海高島屋の状況 その後

2013年11月04日 | 上海生活
昨年末オープンした上海高島屋だが、公式発表いわく「島の問題で立ち上がりの宣伝ができず認知が進まなかった」ことから、9月末にグランドオープンと称すセレモニーを実施した。確かに中国人の間ではさほど知名度が上がっていないのは事実だろう。しかし4万人といわれる日本人居留者は全員知っている。そして、多分一度は足を運んだだろう。少なくとも我が家はその後食事以外ではリピートしていない。
立地が不便だし、敢えていくほどの価値を感じなかったからだ。

グランドオープンから1ヶ月たった昨日、6階のクリスタルジェードレストランで夕食を食べてきた。

日曜日、到着は6時15分。残念なことに、やはり売り場は閑散としていた。
レストランフロアには結構人がいたが、どこも行列はなくすぐ入れる状態。
上海では日曜の6時といえばレストランの順番待ちは当たり前なので、決して流行っているとは言えない。

地下の食品フロアは撤退した店舗を再編し、人気の香港スイーツ「満記甜品」が新しく入っていたが、ここも空き席があるような状態。普通の駅ビルにある満記甜品は大抵満員だからこれも苦しいんじゃないか?

鈴木社長は「日本の上質なサービス、接客で時間をかけて成功させる」というが、それとは裏腹に食品売場ではまるで地元スーパーのような店員同士のおしゃべりが目に付いた。

少なくとも上海では、大手中国系商業施設の接客はどんどん向上している。
日本式接客で簡単に勝てるとも思えない。それもどれだけ徹底されてるのか。
まあ、売り子さん達もあの客数じゃモラルがあがらなくても仕方ない。

10年かけて成功させるというが直ちに撤退するのが正しい選択肢のように思える。